平成2876日目

1996/11/22

この日のできごと(何の日)

【テニス・伊達公子選手】プロ生活に終止符

女子テニス協会(WHA)ツアー最終戦のチェース選手権第5日は22日、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンでシングルス準々決勝のうち2試合が行われ、この大会を最後に引退する伊達公子(フリー)は、16歳の新鋭、マルチナ・ヒンギス(スイス)に1−6、2−6で敗れ、現役生活を終えた。

伊達はツアーのシングルスで海外での2勝を含む日本選手最多の通算7タイトル獲得。シングルスの通算成績は235勝98敗(レギュラーツアー以下の大会も含む)だった。

世界ランキング9位の伊達は、同5位で初対戦のヒンギスに終始主導権を握られ、第1セットはサービスゲームをことごとくブレークされた。第2セットも相手の勢いに押された伊達は、ショットに正確さを欠き、完敗した。

レギュラーツアーの下のレベルから、世界への階段踏み締めて到達した通算333試合目。伊達の最後の試合は、わずか51分で終わった。10歳年下の相手に完敗。「十分、楽しんでできた。これですべてから解放される」。穏やかな笑みには、燃え尽きたという満足感があった。

常に全力でプレーしてきた日本のエースが、この日は淡泊に見えた。もう緊張の糸が切れていたのか。オ能が体全体からあふれる16歳の鋭いストロークにほんろうされた。マッチポイントでも相手サーブにほとんど動くことができなかった。

プロになって8年。163センチの体で世界の大型選手と渡り合うため、打球のバウンド直後の上がりっぱなを狙うライジングショットを磨き、トップへの道を歩んだ。今年は4月のフェドカップでついにグラフを倒し、7月のウィンブルドンではセンターコートで日没順延の熱闘を繰り広げた。「夢を実現できた」。サンチェス、セレシュも破り、トップ10のままコートを去る。

伊達の華やかな時代の終わりは、日本が厳しい時代を迎えることにつながる。「若手には世界のトップを目指して頑張ってほしい。プレッシャーを感じずにやってほしい」。最後に後輩にエールを送った。《共同通信》

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【東洋大・今岡誠内野手】阪神入団決定

ドラフト会議から一日経過した22日、各球団と上位指名選手との交渉が本格的に始まり、阪神がドラフト1位指名したアトランタ五輪代表の東洋大・今岡誠内野手(22)らの入団が決まった。

阪神の横溝編成部長らは、川越市内の合宿所で今岡と入団交渉を行い、契約金1億円、出来高払い5000万円、年俸1200万円で合意。背番号は昨年まで真弓選手がつけた「7」。1位の入団決定は、ドラフト当日に仮契約した広島の沢崎俊和投手(青学大)に次いで2人目。《共同通信》

【清原和博内野手】阪神と2度目の交渉

巨人、阪神が獲得を目指すフリーエージェントの清原和博内野手(29)は22日、大阪市内のホテルで阪神と2度目の交渉を持ったが態度を保留、25日に両球団に結論を伝える意向を明らかにした。これまでの経緯から巨人入団に大きく傾いているとみられる。

この日は、阪神から三好一彦球団社長、吉田義男監督らが出席して約1時間の交渉。会見した清原は「前回にも増して熱意を感じた。感謝している。2日間よく考えて、月曜の午前中に双方の球団に電話で(返事を)お伝えしたい」と語った。

前回の交渉で既に条件提示している三好社長は「同じ趣旨で話した。十分に意を尽くした」と述べ、吉田一監督は「誠心誠意で当たった。同じ気持ちで連絡を待つ」と話した。

清原は、長嶋監督が同席した20日の2度目の交渉で巨人が初交渉での不手際を謝罪したため、有力視されていた巨人移籍の姿勢を固めたとみられる。《共同通信》

【大相撲九州場所】13日目

大相撲九州場所13日目(22日・福岡国際センター)横綱曙と大関武蔵丸が敗れ、大関若乃花、関脇魁皇を含めた4人が3敗で並んだ。曙は苦手の関脇貴闘力に簡単に引き落とされた。武蔵丸は大関同士の対戦で、若乃花の多彩な技に圧倒されて引き落とされた。曙、武蔵丸はともに2連敗。魁皇は落ち着いて平幕玉春日を送り出した。新入幕栃東は4敗目を喫し、優勝争いから後退した。大関貴ノ浪は9勝目。十両は新十両の栃乃洋が2敗となったが、依然単独首位に立っている。《共同通信》

【松本智津夫被告】発言やめずに退廷

オウム真理教松本智津夫被告(41)は22日、東京地裁で開かれた第17回公判で、元幹部井上嘉浩被告(26)に対する弁護側の反対尋問中に何度も「立場をはっきりさせたい」と意見陳述を求めた。阿部文洋裁判長が陳述を認めず、反対尋問を続行させると「サリンなどなかった」「現実と違う話で意味がない」などと尋問を遮って発言を繰り返したため阿部裁判長は退廷を命じた。松本被告の退廷は今月7日の第14回公判に続き2度目。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】国債発行、3兆円以上減額へ

橋本龍太郎首相は22日の閣議終了後に三塚博蔵相と会談し、来年度予算編成に当たって歳出全般を厳しく見直し、新規の国債発行額を極力抑えるよう指示、医療保険制度を改革するなどして国債発行額を本年度の21兆円より3兆円以上の減額を目指すことで一致した。

首相は「財政構造改革元年にふさわしい予算としてもらいたい」と指示。首相と蔵相は、できるだけ早期に国債費を除いた歳出と歳入が均衡するよう努めることでも合意した。蔵相は「国債発行額を3兆円減額するのは難しいことは承知しているが、退路を立って取り組む」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は22日、コイララ・ネパール女性・福祉相の表敬を受けた。コイララ氏は「日本には女性の閣僚が一人しかいない。もっと増やしたらどうか」と提案。これに対し首相は、同席した社民党の三重野栄子参院議員を見ながら「ここにいらっしゃる先生方が連立を組んで(閣内に)入ってもらえるように、コイララさんからもぜひ頼んでください」と逆陳情。このやりとりを聞いた記者団が「あらためて(社民党に)閣内協力を要請したということか」と聞くと、首相は「そうそう」と相づち。政権安定のため社民党との連立に未練たっぷりの様子。

○・・・自民党の村岡兼造国対委社民党との員長はこの日夕、記者団と懇談。民主党の赤松広隆国対委員長から、厚生省の不祥事などに関して関係委員会の閉会中審査を求められ、前向きの回答をしたことを紹介した。「こちらも全くやぶさかでない。時間が許せば何十時間でも何百時間でもやっていい」「来年の通常国会でも引き続きやってもらう」。この種の問題で消極姿勢を見せては「橋本行革」に傷が付くと考えてか、積極対応を強調してみせたが、話題が焦点の臨時国会の会期問題に及ぶと「昼まで人間ドックに入っていたので頭の中はスカスカだ」急にトーンダウン。《共同通信》

【ポートアーサー事件】29歳青年に終身刑35回

オーストラリア・タスマニア州の観光地ポートアーサーで今年4月、銃を乱射して35人を射殺するなどした29歳の青年に対し、タスマニア州最高裁は22日、終身刑を言い渡した。

判決によると35件の殺人罪について1件ごとに終身刑、その他の37件の殺人未遂罪などについては1件につき21年の刑となっている。オーストラリアには死刑制度はない。

事件は、知的障害のため幼いころからいじめられていた被告が、周囲に対する報復心を爆発させた犯行と推測されている。しかしウィリアム・コックス裁判長は、被告が観光客らに銃を向けたとき自分が何をしているか分かっていたと述べた。《共同通信》



11月22日 その日のできごと(何の日)