平成2847日目

平成8年10月24日(木)

1996/10/24

【プロ野球日本シリーズ第5戦】オリックス(仰木彬監督)初の日本一

24日、監督として3度目の日本シリーズ挑戦で、オリックス・仰木彬監督が初めて宙に舞った。オリックス・仰木監督と巨人・長嶋監督、イチローと松井の対決など話題の多かったプロ野球日本シリーズはオリックスが4勝1敗で初の日本一に輝いた。

オリックスは昨年のシリーズでヤクルトに1勝4敗と完敗した悔しさをばねにひと回りたくましくなっていた。第1戦から3連勝、第4戦は落としたものの、第5戦は得意の集中打と継投策で制し、昨年の雪辱を果たした。

巨人は松井、落合の主軸がシリーズを通じて不調で、2年ぶりのシリーズ制覇はならなかった。《共同通信》

マウンド付近にナインの輪が膨らむ。紙吹雪が舞う中、ゆっくりと背番号72がベンチから歩み出る。最後に歓喜の輪に吸収されると、総立ちの観衆の中、小柄な体が宙に舞った。ペナントレースに続く、地元神戸での胴上げ。仰木監督はかみしめるように「この上ない優勝」と話した。

接戦をものにしてきた公式戦そのままの戦いぶりに「初戦での逆転勝ちが大きかった」と言った。斎藤雅の調子がよく、七回までほぼ完ぺきに抑えられる。しかしイチローの本塁打など一瞬の集中力で勝利をもぎ取った。「劣勢の中でしのぎ切りった。あの一戦がポイント」と、シーズン中、何度も口をついたしのぎ野球がシリーズでも口をついた。

3連勝4連敗を経験している。「あと1勝が難しい」と話したように、三回にリードを奪ったところで、硬さが出てくる。四回、一死一、三塁の危機だった。しかも井上の本西へのライナー性の打球をめぐって約1分間に及ぶ抗議。結局、ヒットとなり3点差に追い上げられた。しかし、このともすれば気持ちが切れかかる状況で、選手たちはもう一度、集中力を取り戻した。

オリックスはこれまで優勝してきたチームの“常識”からは大きく外れている。固定されていない打線。2けた勝利投手はわずか2人。既成概念では計れない強さで、この一年を乗り越えてきた。「昨年は経験不足があった。でも今年は本当に選手たちがたくましくなった。誇れるナインになりました」は本音だろう。各選手の自覚と責任、管理野球の対極にある野球。就任3年目の仰木野球の完成を、秋の夜空に舞った紙吹雪が教えていた。《共同通信》



【新進党】熊谷弘氏を除名

新進党は24日、自民党との連携を目指して新進党議員に離党を働き掛けたとされる熊谷弘元官房長官について「反党的活動を看過できない」として、役会議で除名処分とする方針を決めた。小沢一郎党首と西岡武夫幹事長が同日深夜、熊谷氏から事情を聴いた後、処分方針を通告した。週明けに倫理委員会を開き、特別国会までに手続きを終える。

西岡氏は25日未明の記者会見で、離党工作に関しては「私の耳にも入っている」と強調。熊谷氏は自民復党や離党工作を否定するコメントを発表した。

同党は午後、総選挙後初めての両院議員総会を開き、小沢党首の続投、挙党態勢を確認。小沢氏は衆院選敗北を陳謝し、党の態勢立て直しを訴えた。この直後の強硬策は、「反小沢」グループの反発を招きそうだ。

除名処分を決めたのは、細川護熙、羽田孜両元首相が21日の最高諮問会議で提案後、撤回した「分党」構想に熊谷氏が密接に関与していたと判断、離党に同調する動きが広がらないよう先手を打った形だ。

しかし、羽田氏支持グループが同日の会合で事実上の派閥活動再開を決定するなど、出発した「小沢体制」を取り巻く環境は厳しさを増しており、除名が求心力回復につながるのか逆に作用するのかは未知数だ。若手ら数人に離党の動きがあり、どの程度広がるかが焦点となった。

熊谷氏はもともとは小沢氏側近だったが、関係が次第に冷え、9月には月刊誌で小沢氏の党運営や政治手法を厳しく批判。西岡幹事長から厳重注意を受けた。22日夜、細川、羽田両氏らと会合を開き、分党構想をめぐり意見交換。24日には前田武志、栗屋敏信両衆院議員と今後の対応を協議した。

除名の正式決定は倫理委員会で結論が出た後、両院議員総会で3分の2以上による承認が必要なため、波乱の要素も残っている。《共同通信》

【新進党】羽田グループ活動再開

新進党の羽田孜・元首相支持グループは24日午後、都内のホテルで会合を開き、今後は定期的に会合を開くなど、事実上の派閥活動を復活させ、結束を保っていくことを確認した。

総選挙敗北を受けた羽田氏や細川護煕元首相の「分党」提案をめぐり、小沢一郎党首支持グループとの確執が再燃したが小沢体制継続となったことなどから「きちんとした議員集団がないと、政党は駄目になる」との声が強まったため活動を再開した。

会合には羽田氏や畑英次郎氏ら15人余りが出席した。羽田氏支持グループは今年1月、政策集団「與志会」を旗揚げ。小沢氏支持グループと対立を続け、「党が分裂しかねない」との批判に配慮して、7月に解散していた。

【新進党】小沢党首が陳謝

新進党は24日午後、衆院選で初当選した新人を交えた両院議員総会を都内のホテルで開いた。小沢一郎党首は総選挙結果について「党首として十分な務めを果たし得なかったことを大変、反省している」と陳謝。「一致結束し、力を合わせて頑張っていく」と述ベ、細川護熙、羽田孜両元首相による「分党」の提案撤回できしみを広げた党の態勢立て直しを訴えた。

議員総会では出席者の発言は求めず細川、羽田、海部俊樹の3首相経験者のあいさつを、小沢氏の発案で日程に急きょ組み入れて、党内結束の演出に腐心した。しかし、離党の動きを強める熊谷弘元官房長官らは欠席。この後、熊谷氏の除名処分が決まり、余震はまだ続きそうだ。

細川氏は分党問題について「離党するとか対立して党を割るとかの話は、全く正確でない。雨降って地固まるではないが、心配を掛けたことを心からおわびする」と陳謝した。さらに「党勢伸長には二本、三本の矢とネットワーク的な組織形態への変更で、ウイングを伸ばすこともある。野党としての改革勢力結集も念頭にあった。党首もそういうことで腹を決めたが、きのうきょうでは理解を得られなかった」と説明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・27日投票の岡山県知事選での自民党候補応援のため地元・岡山入りした橋本龍太郎首相は24日、自ら街頭演説に立ち「衆院選と打って変わって依然、大激戦だ」と厳しい表情で支持を呼び掛けた。候補者と一緒に乗り込んだ街頭宣伝車でもマイクを握り続け「私が橋本龍太郎本人です。みなさんのもとにお願いに帰って来ました。あと一息です」と、衆院選でも聞かれなかった絶叫調。永田町では第二次橋本政権発足に向けた折衝の最中とはいうものの、今は自民党候補の劣勢が伝えられるおひざ元の知事選で頭がいっぱい。

○・・・細川護熙、羽田孜両元首相の「分党」騒動に一応の決着をみた新進党はこの日、都内のホテルで衆院選後初の両院議員総会。初当選の新人を前に、小沢一郎党首をほじめ細川、羽田両氏ら幹部のあいさつは再び「一致結束」のオンパレード。選挙で応援団役だった参院の林寛子議員総会長が「ちらし寿司を関西ではばら寿司、と言う。中身はバラバラ、てんで違うものが入っているが、それぞれの特色を出して一緒になったときは違う力を出す」と激励すれば、渡部恒三副党首も「悪いことは全部忘れて、いい思い出だけを大きく伸ばしていくのが新進党だ」。《共同通信》



10月24日のできごと