平成2721日目

平成8年6月20日(木)

1996/06/20

【オウム・松本智津夫被告】坂本弁護士事件も認否留保

オウム真理教代表松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第4回公判が20日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、起訴された計17事件のうち殺人罪に問われた坂本堤弁護士=当時(33)=一家殺害と信者Tさん=当時(21)=殺害、麻薬取締法違反などの罪に問われた3件の薬物密造の計5事件が審理された。

松本被告は「何もお話しすることはありません」とだけ述べ、これまでの公判と同様起訴事実の認否を留保した。阿部裁判長が9月以降は月6回公判を開き、証人喚問を進めるとし、12月までに計24回の公判期日を提示した。

これに対し、松本被告の国選弁護団(渡辺脩団長)は「そのペースでは責任を持って弁護できない。月3回が限度」と拒否。強行する場合には国選弁護人の解任を求めた。《共同通信》

午後の公判で、検察側は引き続き冒頭陳述を行い、松本被告が殺人罪に問われた坂本堤弁護士=当時(33)=一家殺害事件の殺害に至る経緯で、TBSがインタビュービデオを元幹部早川紀代秀被告(46)らに見せたことが犯行の直接のきっかけになったことなどをあらためて指摘した。

検察側はこの日審理された坂本弁護士一家殺害、信者TSさん=当時(21)=殺害、3件の薬物密造の計5事件の証拠として、関係者の供述調書など計603点を提出、早川被告ら5人を証人申請した。弁護側は証拠のうち532点に同意しなかった。

証拠の認否の後、阿部裁判長は7月で起訴された17事件の冒頭手続きが終わり、9月以降は証人尋問に入るとして、月6回の公判を提示。弁護側が事件を分担することを前提に、17事件を3グループに分け、月に2回ずつ並行して進めるとし、検察側、弁護側双方の意見を求めた。

検察側は弁護側がほとんどの証拠書類に同意していないため、最低でも296人の証人尋問が必要として、月8回の公判を求めた。弁護側は月3回が限度とし「被告が保釈中だったロッキード事件でさえ週1回だった。松本被告は目が不自由で、記録を読み聞かせるだけでも時間がかかる」と反論。

事件の分担については、「各事件は密接に関係している。別々にすれば、真理の発見がおろそかになる」と主張。公判の進め方についても「この事件を特別扱いしている」と批判した。《共同通信》



【福岡空港】正常化

ガルーダ機炎上事故の福岡空港の事故現場では、飛行機発着の障害となっていた事故機の垂直尾翼を切断する作業が20日早朝、終了した。これで全長2800メートルの滑走路がフルに使えるようになり、空港機能は事故発生から一週間ぶりに正常に戻った。

同空港では、事故一日後に運用を再開したが、滑走路先の事故機尾翼のために、滑走路を約100メートル短縮して発着させていた。

切断作業は19日午後11時15分すぎから開始。ヘルメット姿の係員らが尾翼の上から3メートルの部分を電動のこぎりで切断した。これを皮切りに機体の撤去作業が本格化する。《共同通信》

【京北病院安楽死事件】院長宅を殺人容疑で家宅捜索

京都府・京北町立の国保京北病院の院長(58)が末期がん患者に筋弛緩剤を投与し「安楽死」させた事件で、京都府警は20日、殺人容疑で京都市左京区の院長の自宅を家宅捜索し、メモ、安楽死に関する書類などを押収した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「住専解決が政治の責任」

橋本龍太郎首相は20日午後、通常国会閉幕を受けて内閣記者会と会見し、住宅金融専門会社(住専)処理策について「解決しないと景気の回復に悪影響を与えかねない。早急な決着が政治の責任だ。新基金の創設で、結果として国民負担を可能な限り軽減する」と述べ、住専処理法成立で可能となった6850億円の財政支出に理解を求めた。

今後の債権回収の過程で発生が見込まれる二次損失については「地価や経済の動向いかんで二次損失が発生する可能性は否定しない」としながらも、7月中旬をめどに発足する住専処理機構が債権回収に全力を挙げることで「多額の財政措置が必要になるとは考えていない」と強調した。

首相は日銀法改正について「国民経済に大きな影響を与える。各国中央銀行制度との整合性も踏まえ、十分な論議が必要だ」と積極姿勢を示し、有識者による私的な「研究会」を近く設置」する方針を明らかにした。

また来年4月からの消費税率引き上げに関し「法律に定められた通り5%と考えている」と明言、25日の先進国首脳会議(リヨン・サミット)出発前に最終決定する考えを示した。衆院解散・総選挙に関しては、外交日程や9年度予算概算要求、沖縄基地問題など政治課題を挙げ「今、考えるほどゆとりはない」と明言を避けた。

22日からの韓国訪問に当たっては「朝鮮半島情勢が不透明であり、韓国との不断の対話が必要だ」と述べ、サッカー2002年ワールドカップ(W杯)共催決定に伴い、金泳三大統領と友好関係強化を確認する考えを強調。27日からのサミットでは「労働市場の柔軟性を高めることを踏まえ、規制撤廃・緩和が不可欠だと主張したい」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・中曽根康弘元首相は20日、先に「ソフトクリームのようだ」と皮肉った鳩山由紀夫新党さきがけ代表幹事らの新党構想について、記者団に「政治は形容詞ではなく動詞でやるべきだ。美しいとかキラリと光るではなく、行くとかやるとか言うべきだ」と再批判。「政策を中心に集まらなければならないのに美辞麗句が先に出ている」と切って捨てた。「ソフトクリームはもう溶けたと思うか」との質問にも「冷蔵庫に入っているんじゃないの。ソフトクリームが好きな人もいれば、嫌いな人もいる。お客さんが集まるかどうか見ているんじゃないの」と、まさに冷ややかなコメント。

○・・・新進党の羽田孜元首相は20日朝、横浜市内のホテルで開かれた全郵政の定期大会であいさつ。「このホテルは私が結婚した日の晩に泊まったホテルだ。非常に思い出深い」と切り出した。「今回の国会は非常にむなしかった」と執行部批判をにじませながらも「私も自民党に20年いたが、飛び出した以上、国民の期待にこたえる。世の中の動きを改める改革をしなければならない。一日も休むことなく臨みたい」と新進党の党勢拡大に意欲を見せた。小沢一郎党首との関係もかつてのような「ハネムーン」に戻れるかどうか?《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】細川、羽田氏と会談

新進党の小沢一郎党首は20日夜、羽田孜、細川護熙両元首相と都内のホテルで3時間余り会談、次期総選挙に向けた挙党態勢づくりについて意見交換、選挙政策を早急に打ち出す必要があるとの判断で一致した。

出席者によると、細川氏は「この党では改革ができないと思っていたが、(小沢、羽田両氏と)3人しか残らなくても改革をやるなら異存はない」と述べ、また集団的自衛権や消費税な」ど安保・税制をめぐる小沢氏の党首選での公約について「短兵急にしない方がいい」と注文した。

会談後、小沢氏は記者団に「新進党の改革の原点に立ち返って、いろんな内政、外交をやろうと。3人になってもやるか、ということだ」と述べた。

羽田氏も「改革について結集しようというのは党の原点だ。ありとあらゆる改革について話をした」と説明。細川氏は「改革をやろうとの気持ちは同じだとの認識は確認できた。いい話し合いができ、意義はあった」とそれぞれ記者団に述べた。党人事刷新については両氏とも話題にならなかったとしている。

会談は小沢氏の求めで行われ、政治評論家1人が同一席した。小沢、羽田、細川3氏は7月初めにも、あらためて会談する予定だが、小沢氏は党首選公約を貫きたい考えであるのに対し、羽田、細川両氏は政策面でも小沢氏に批判的姿勢をとっており、亀裂が修復し順調に挙党態勢が確立できるかどうかは不透明だ。《共同通信》

【ソフトバンク】テレビ朝日に資本参加

パソコンソフト・出版大手のソフトバンクは20日、世界的なメディア王として知られるルパート・マードック氏が率いるオーストラリアの複合メディア企業、ニューズ・コーポレーションと合弁会社を設立し、間接的に全国朝日放送(テレビ朝日)に資本参加すると発表した。

インターネットなどを中心に複合メディア事業を進めるソフトバンクと、日本でのデジタル衛星放送参入に意欲を示すマードック氏の利害が一致した形。本格的なデジタル放送時代が間近に迫る中、パソコンを使ったデジタル情報ネットワークの世界で強力なノウハウを持つソフトバンクと、資本力を誇るメディア王の提携は、放送界に影響を与えそう。今後マルチメディアが進展する中で競争激化や再編も予想される。

ソフトバンクとニューズ社は今後、中長期的に日本で複合的なメディア事業の展開で協力する。テレビ朝日とは「緩やかな協力関係」(孫社長)を通じてメディア事業で提携するという。《共同通信》



6月20日のできごと