平成2711日目

平成8年6月10日(月)

1996/06/10

【橋本龍太郎首相】沖縄県・大田昌秀知事と会談

橋本龍太郎首相は10日タ、大田昌秀沖縄県知事と首相官邸で会談、知事与党が保守系野党を逆転し過半数を制した沖縄県議選結果を踏まえ、米軍基地問題を中心に意見を交わした。

首相は使用期限が切れた米軍楚辺通信所一部用地の強制使用に必要な公告・縦覧手続きを念頭に「手続きは着実に進めなければならない」と述べ、県議選結果にかかわらず日米地位協定に基づく用地提供義務を果たすための手続きは粛々と進める考えを表明した。

大田知事は14日から訪米し、ペリー国防長官や米議会関係者、学者らと基地問題のほか、沖縄の経済問題、振興策などに重点を置いて話し合う考えを説明。首相は沖縄の経済問題に関連し、同県内の若年層の雇用を拡大する必要性を強調した。

知事が沖縄振興に関連し「ハワイのようにショッピングセンターを誘致したい」と述べたのに対し、首相は「通産相時代の経験から、ショッピングセンターは一時的で永続性には問題がある」と指摘した。《共同通信》



【橋本龍太郎首相】自衛隊幹部に訓示

橋本龍太郎首相は10日午前、防衛庁で開かれた自衛隊高級幹部会同で、「大規模災害や各種の緊急事態に対する政府の危機管理体制の強化の必要性を痛感している」と訓示し、大規模農災や極東有事に備えて危機管理体制を強化すべきだとの考えを強調した。同時に「各種事態に対する十分な備えを怠らないように望む」と指示した。

また臼井日出男防衛庁長官は環太平洋合同演習(リムパック)での海上自衛隊護衛艦の米軍機誤射・撃墜事故や、昨年11月の能登半島沖でのF15戦闘機のミサイル誤射事故に触れ「訓練に当たって安全の確保や事故の根絶に万全を期していただきたい」と、事故再発防止に努めるよう指示した。

臼井長官は極東の軍事情勢に関し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が「地上戦力の約3分の2を非武装地帯付近に前方展開するとともに、即応態勢の維持に努めている」と分析。中国についても「核戦力や海・空軍力の近代化を進め、海洋での活動範囲を拡大する動きを見せている」と指摘し、いずれも東アジアの不安定要因になっているとの見方を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は10日、自衛隊の将官クラスが一堂に会する「自衛隊高級幹部会同」に出席、首相として初めて栄誉礼を受けた。「最高指揮者として栄誉礼を受ける気持ちは」と記者団に聞かれた首相は「特に感じなかったな」とそっけないロぶり。しかし「手順を間違えないようにと車の中でカンニングペーパーを読んでいたんだ。終わってからも秘書官に『おい間違えなかったよな』って聞いたんだ」と打ち明けた。訓示では震災や極東有事への備えを指示した首相だが、自らのパフォーマンスにも備えは細心。

○・・・この日の参院本会議で社民党の上山和人氏は「衆参両院の審議の中で蔵相の答弁回数はすでに900回を超えた。おそらく最長不倒の記録になるのではないか。大変なご苦労だと思う」と同党出身で同じ鹿児島県選出の久保亘蔵相を最大限持ち上げて「国民へのメッセージとして答弁を」と促した。しかし、蔵相はペーパーを読みながら型通りの答弁に終始。大蔵省改革についても「自らをよく知る者が自己改革を考えることが重要だ」と歯切れが悪く、答弁なれした蔵相には同僚議員の心遣いも一方通行だった。《共同通信》

【新進党・羽田孜元首相】不信任案提出には妥当性

新進党の羽田孜元首相は、10日午後、長野県伊那市で記者会見し、今国会での内閣不信任決議案について「橋本内閣は政権担当能力を失った。当たり前のこととして不信任案(提出)の妥当性はある」との考えを表明した。ただ実際の提出については「任に当たっている役職の人に任せてある」と、党執行部の判断を尊重する姿勢を示した。

同党の愛知和男政審会長が、消費税率を3%に据え置く法案提出の検討を表明していることに関連し、羽田氏は「ただ税率(引き上げ)を延ばすのは本当に責任ある政治といえるのか。国民の理解を得るように進めることを期待する」と疑問を呈した。《共同通信》

【プロ野球・阪神】グレン・デービス内野手を解雇

阪神は10日、遠征先の広島でグレン・デービス内野手(35)、スコット・クールボー内野手(29)の両外国人を成績不振を理由として解雇することを発表した。新外国人選手について球団は直ちに獲得に乗り出すとしている。

阪神の三好球団社長は同日、神戸市内のホテルで両選手に会い、戦力外の通告を行った。席上、グレンはトレードを希望したため、球団は移籍先を探すとしている。クールボーはウェーバー公示される。《共同通信》

【フランキー堺さん】死去

喜劇からシリアスな役柄まで映画、テレビ、舞台で幅広く活躍した俳優で大阪芸大教授のフランキー堺さんが10日午後11時2分、肝不全のため東京都港区の東京都済生会中央病院で死去した。鹿児島市出身。67歳。

慶応大に在学中からプロのドラマーとして活動。卒業後、ジャズバンド「シックス・レッモズ」を結成、活躍したのがきっかけとなり1953(昭和28)年、映画「岸壁」で俳優デビューした。57年、川島雄三監督の「幕末太陽傳」でブルーリボン主演男優賞を受賞し、演技派として高く評価された。《共同通信》

【作家・宇野千代さん】死去

華やかな恋の遍歴で知られる女性作家の最長老で、文化功労者の宇野千代さんが10日午後4時15分、急性肺炎のため東京都港区の虎の門病院で死去した。98歳だった。山口県出身。

約1カ月前に肺炎で入院、闘病を続けていた。数日前から容体が悪化、生命維持装置などは着けず眠るように亡くなったという。《共同通信》



6月10日のできごと