平成2712日目

平成8年6月11日(火)

1996/06/11

【西武・渡辺久信投手】ノーヒットノーラン達成

オリックス0−9西武◇11日◇西武

西武の渡辺久信投手(30)は11日、西武球場で行われたオリックス12回戦でプロ野球63人目(74度目)のノーヒットノーラン試合を達成した。

1995年9月9日のブロス投手(ヤクルト)以来で、パ・リーグでは同年8月26日の佐藤義則投手(オリックス)以来24人目。今季は両リーグ初。

同投手は速球と変化球で緩急をつけ、イチローをほじめオリックス打線をほんろうした。走者は四球の5人。一、二、七回はいずれも併殺で切り抜け、八回無死での連続四球のピンチは後続をきっちり断った。西武投手の達成は昭和60年6月4日の郭泰源投手以来となる。《共同通信》

お嬢さんが2人もいる父親が、マウンド上で何度も跳びはねる姿はまるで子供のようだった。渡辺久がプロ13年目にして初めて味わうノーヒットノーランの快感が体を自然にそうさせた。

クライマックスの九回。かつての速球派は全盛時をほうふつさせる真っすぐで押した。その時の心境は「ヒットを打たれてもいいから、と思って気楽な感じだった」という。9回で投球数114は力投型だったこの男のイメージが変わったことを証明している。

平成2年5月9日の日本ハム戦。九回どころか十一回一死まで無安打を続けた。しかし、不運にも味方も得点なく偉業を逸し、完投もできなかった。

あれから6年。昨年は度重なる故障で、悩んだ末の技巧派への転身…。荒れ球は影を潜め、こだわり続けた三振もこの夜はわずかに3。5四球が当時の片りんをわずかに示すくらい。巧みに緩急をつけながら、丁寧に投げ続けた。

一、二、七回の一死からの四球後はいずれも併殺に打ち取った。「相性の悪い人がいっぱいいたので丁寧にいった。よく守ってくれました。助かりました」とバックへの感謝の言葉を忘れなかった。《共同通信》



【高島屋・日高啓社長】辞任

高島屋の日高啓社長(72)は11日、大阪市内で記者会見し、株主総会対策で幹部社員が暴力団会長らに多額の現金を渡していた問題の責任を取り、6月末で辞任することを明らかにした。日高社長は「このような事件を引き起こし遺憾だ。世間を騒がせて大変申し訳ない」と陳謝、会社の内外で大阪府警に逮捕されたこの暴力団会長と数回接触があったことを認めた。

また、元専務も在任中に暴力団会長と面識があったことが関係者の証言で分かり、現金授受をめぐる大阪府警による上層部の事情聴取は必至とみられる。

新宿出店や中元商戦を控え、経営トップとしての貴任を早急に明らかにし、新体制へ移行することで、社内の動揺を抑えるとともに信頼回復に努める必要があると判断した。高島屋は企業体質の抜本的な改善を迫られることになりそうだ。

後任の社長には田中辰郎専務(61)が昇格する。仁科和雄副社長(62)は会長に就任し、日高社長は取締役相談役に退く。営業畑出身の田中専務を後継者に選んだ理由のひとつとして「事件と全く関係ないこと」を挙げた。《共同通信》

【久保亘蔵相】住専追加負担「母体行の立場を明確に」

住宅金融専門会社(住専)処理法案など金融関連6法案の審議が11日、衆院金融問題特別委員会で始まった。焦点となっている住専の追加負担問題について久保亘蔵相は「(今国会が)会期を閉じるまでに金融機関の基本的な立場が明確になるよう強く望む」と母体行への期待感の強さを重ねて表明した。

午前の質疑で橋本龍太郎首相は「政府としては(住専処理法案の成立後)住専処理機構を成立させていただいて、それを動かしながら努力していく」と述べ、追加負担法案の取りまとめが法案成立後になるとの見通しを示した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は11日朝、北海道・豊浜トンネル崩落事故犠牲者の遺族会代表4人の訪問を受けた。4人は犠牲者20人の顔写真を張ったパネルを手に「生活道路を一日も早く開通してほしいが、犠牲者が踏みしめられるようなことは永遠に避けてほしい」とルート変更を陳情。切ない願いに「できるだけ遺族の心情に配慮して関係省庁に指示する」と答えた首相は別れ際、「忘れないよう、執務室に置きたい」とパネルを譲ってくれるよう頼んだという。首相就任後初めて経験した大事故だけに、「つらいねえ」としんみり。

○・・・平成会の林寛子(扇千景)参院議員はこの日、参院金融問題特別委員会で質問。審議の様子がテレビ中継されるのを意識してか、カラーパネルを持参して政府の住専処理策の不備を追及した。テレビ番組に出演していた女優時代を急に思い出したのか「この審議で住専問題の原点に戻る」と言うべきところを「この番組で」と発言。その後も「内閣の支持率」を「視聴率」と言い間違った揚げ句、論戦相手の橋本龍太郎首相から「色がくすんだパネル」などと皮肉の反撃を食らう始末。当選4回のベテランもテレビ中継では緊張する?《共同通信》

【韓国】北朝鮮へ300万ドル支援

韓国政府は11日、権五琦副首相兼統一院長官の主宰で今年初の統一関係閣僚会議を開き、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への食糠支援問題を討議、国連の要請を受けて300万ドルの拠出を決めた。また大韓赤十字社を窓口に、宗教団体など民間団体のコメを除外した穀物など人道的な食糧支援を許可することを積極的に検討することにした。 韓国政府はこれまで南北対話に応じるなど北朝鮮に基本的な姿勢の変化がない限り食糧支援はできないとの厳しい姿勢を堅持してきた。 しかし国連が緊急アピールで総額4300万ドルの食糧援助を各国に要請したのを受け、600万ドルの拠出を決めた米国や日本と歩調を合わせ、軌道を部修正した。 これにより、韓国政府の北朝鮮への食糧支援は昨年、コメ15万トンの支援が終了して以来、9カ月ぶりに再開されることになった。

日本は600万ドル

政府は11日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の食糧危機に対する総額約4300万ドルの国連支援アピールにこたえて、600万ドルの支援実施を決め、同日に自民党外交部会に報告した。与党各党の党内手続きを経て、14日の閣議で了承する。 世界食糧計画(WFP)に水害被災者向け穀物用310万ドル、小児向け食糧用215万ドルの計525万ドル、国連児童基金(ユニセフ)と世界保健装関(WHO)にビタミン利用などとして73万ドルを処出する。コメなどの現物支給は行わない。 政府は、国連アピールの中でも特に「緊急人道援助」の性格が強い支援に絞り実施する方針で米韓両国と調整していた。米国は640万ドル、韓国は300万ドルを支援するため、米国とほぼ横並びの支援額を決定した。《共同通信》

【モスクワ】地下鉄が爆発

モスクワ市内の地下鉄で11日夜(日本時間12日未明)、走行中の車内で爆発が起き、モスクワ市当局によると乗客4人が死亡、12人が負傷した。

現場に駆け付けたルシコフ・モスクワ市長は、16日投票のロシア大統領選挙と、モスクワ市長選挙の妨害を狙った爆弾テロの可能性が高いと述べた。

爆発が起きたのはモスクワ中心部から南の路線で、車両は大破。窓ガラスが粉々に吹き飛び、煙が立ちこめた。車両はトンネル内で立ち往生したが、乗客は最寄り駅から地上に避難した。インタファクス通信によると、モスクワ市内務局は爆発は爆発物で引き起こされたとほぼ断定した。

モスクワでは7日、ルシコフ市長と組んで出馬している副市長候補が自宅近くで爆弾テロに遭い、重傷を負う事件が起きている。市長は両事件は関連があるとの見方を示した。ロシアでは大統領選に向け治安当局が警備体制を強めており、モスクワ市内でも警官が増強される中で今回の事件が起きた。

モスクワの地下鉄は中心部の環状線を中心に各線が放射状に交差して市の主要部分を網羅しており、主要な交通手段となっている。《共同通信》



6月11日のできごと