1996 平成8年4月25日(木)

平成2665日目

平成8年4月25日(木)

1996/04/25

【オウム・松本智津夫被告】第2回公判

オウム真理教教祖麻原彰晃被告(41)=本名松本智津夫=の第2回公判が25日、前日の初公判に引き続き東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリンなど3事件の冒頭陳述で検察側は「麻原被告は『ポア』と称して殺人を正当化し、一般人に対する無差別大量殺人を容認していた」などと指摘した。

冒頭陳述は、その上で教団に対する強制捜査を事実上不可能とするため、事件2日前の昨年3月18日未明、会合から帰る車の中で、村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=に「お前が総指揮でやれ」と、地下鉄サリン事件の犯行計画を具体化して実行するよう命じた、と主張した。検察側は信者Oさん=当時(29)リンチ殺害事件に関し、麻原被告の供述調書を初めて証拠申請した。

検察側冒頭陳述によると、麻原被告は車中で村井元幹部や元教団顧問弁護士青山吉伸被告(36)らから「強制捜査の可能性が高い」と言われたことから、「無差別テロを敢行することが、強制捜査に打撃を与えるとともに独自の教義に合致すると考え、地下鉄でサリンをまき多数の乗客らを殺害することを決意。村井元幹部はその場で実行犯として幹部林泰男容疑者(38)ら4人を選任し、麻原被告が元幹部林郁夫被告(49)を加えるよう指示していた。

また検察側は、麻原被告が説法で人を殺すことを「ポア」と称して正当化し、一般人に対する無差別大量殺人も容認していた、と指摘。地下鉄でサリンをまくことが、こうした独自の教義と合致すると考えていた、とした。

また麻原被告は、元幹部遠藤誠一被告(35)にサリンをつくれるかどうか確かめた上、製造を指示。19日から20日未明にかけてつくったサリン約6リットルは村井元幹部から実行グループに渡され、20日朝、東京・霞ケ関駅を走る地下鉄3路線5電車でまかれ、11人が死亡、3796人が重軽症を負った。

犯行後、麻原被告は実行グループに対し「死者はシヴァ大神にポアされ、高い世界に転生した」と述べ、おはぎとジュースを与えて、労をねぎらった。

公判ではこの後、検察側が証拠請求を行った。午後は弁護側が同意した証拠について、要旨が明読される。

ほかの2事件の冒頭陳述で検察側は、Oさん事件で麻原被告が「ポアするしかないか」などと犯行を指示した、と指摘した。

麻原被告は平成6年1月20日、元信者Y被告(28)らに命じ、山梨県上九一色村の教団施設内に侵入しY被告の母親を連れ出そうとしたOさんの首を絞めて殺害、遺体を焼却処分させた(殺人、死体損壊罪)。

さらに麻原被告は教団内にスパイがいないかどうかチェックしたり、教義を植え付けたりする宗教儀式に使う目的で、94年11月ごろから昨年2月ごろにかけ、遠藤被告らに麻酔剤チオペンタールナトリウム計1.7キロを密造させた(薬事法違反罪)。《共同通信》

オウム真理教教祖麻原彰晃被告(41)=本名松本智津夫=の第2回公判は25日午後も東京地裁(阿部文洋裁判長)で続けられ、検察側は計1万2551点の証拠を申請したが、弁護側はほとんどを意見留保または不同意とし、同意証拠は70点にとどまった。

また検察側は地下鉄サリン事件について元幹部林都夫被告(49)ら5人、信者Oさん=当時(29)=リンチ殺害事件について幹部新実智光被告(32)ら4人の延べ9人(実数8人)の証人尋問を申請。判断は裁判所にゆだねられたが、認められる見通し。《共同通信》



【橋本龍太郎首相】北朝鮮代表団受け入れを了承

社民党の伊藤茂政審会長は25日夕、国会内で橋本龍太郎首相に会って訪韓の報告をした際「社民党として朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮労働党の代表団を招待したい」との考えを伝え、首相はこれを了承した。

伊藤氏ら与党3党政策担当責任者による代表団(団長・山崎拓自民党政調会長)は22日から3日間に渡って韓国を訪問し、金泳三韓国大統領らと会談した内容を首相に報告。首相は訪韓の成果を米中両国の駐日大使を通じて両国政府に伝えるよう指示した。

山崎氏は金大統領から首相に対し訪韓招請があったことも伝えた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相の25日の昼食は参院予算委員会と衆院本会議の合間を縫った6分間。「今日も全然余裕がない。こういう時はいなりずし」と、すしをつまみながら事務方の報告も受けたことを記者団に強調して「働く首相」をアピールした。本会議後には「政府が野党をほめたらいけないのかね」と自分から問題提起。「新進党議員が(年金問題に関連して)国民負担率を真正面から取り上げたんでほめてあげたら、変な顔されたよ」と苦笑して見せたが、日米やら日ロやらの首脳会談ウイークを乗り切った高揚感がちらり。

○・・・新進党の渡部恒三総務会長はこの日の記者会見で、世論調査の党支持率の低迷をめぐり総務会で党運営を明るくしてイメージチェンジするよう求める意見が相次ぎ「小沢一郎党首がもっと議員総会などに来るべきだ」との声も出たことを紹介「こんなことで総選挙に勝てるか、なんてのも多かったな」。「具体的にどうする」と問われると「まず幹部がマスコミに対応する時にも明るくすべきだね」と強調し「権力なき野党が権力をもって接するようでは、ますますマスコミを敵に回す」。自分は大丈夫だが党首には問題が…とでも言いたげ。《共同通信》

【中ロ首脳会談】「北京宣言」に調印

中国公式訪問中のロシアのエリツィン大統領は25日、北京の人民大会堂で中国の江沢民国家主席と会談を行った後、覇権主義反対を表明して米国をけん制し、21世紀に向けた両国関係を「戦略的協調」と位置付ける「中ロ共同声明」(北京宣言)に調印した。

焦点の包括的核実験禁止条約(CTBT)締結問題では、平和目的の核実験継続を主張する中国の姿勢は変わらず、両首脳が年内の同条約調印を目指すことで合意したにとどまった。台湾問題や日米安保体制の強化、北大西洋条約機構(NATO)の拡大問題などで米国との確執を深める両国は、国際舞台での米国の動きをけん制し、共同歩調を取る姿勢を明確にした。

会談後の共同記者会見で、エリツィン大統領は、「両国は新世界秩序の形成に協力することで一致。国際問題でどの国の独占支配もあり得ないことを確認した」と強調。江主席も「両大国は全世界での平和と繁栄のため協力する」と述べた。両首脳は首脳会談を定期的に行い、最高レベルでの交流を一層緊密化することで合意、その一環としてクレムリンと中南海(共産党、政府の所在地)を結ぶホットライン開設を決めた。

共同声明はまた、ロシアは台湾、チベットを中国の一部として認め、中国もチェチェン紛争がロシアの内政問題であるとの立場を確認するなど、両国の対応に国際的批判が出ている問題で、双方の立場に理解を示した。

両首脳は中ロ関係は政治一的に安定しているとして、今後両国の経済関係の発展を目指す意向を強調した。

首脳会談後、両首脳が立ち会い、エネルギー分野、原子力の平和利用、宇宙開発、外貨管理、不当競争・独占対策などに関する13の協定文書が調印された。《共同通信》

【チェルノブイリ原発】石棺で放射能漏れ

ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所当局者が25日明らかにしたところによると、10年前に大規模な事故を起こした4号機を覆うコンクリート製の「石棺」内部の空気を浄化する装置のフィルターを24日夜に交換後、隣接する3号機内4カ所に放射能を帯びたちりが流出、汚染する事故が起きた。

インタファクス通信によると、この事故で3号機内の放射線量が通常の27倍に上昇したが、原発外部への影響はないとしている。

原発当局者によると、ろ過装置のフィルタを交換した作業員が、古いフィルターを何らかの形でこん包したまま3号機内に放置、放射性物質が流出したのが原因とみられる。作業に際し、上司はフィルター定められた場所に運ぶよう指示しなかったという。

ウクライナ政府の報告書によると、「石棺」内部には現在も死の灰(放射能のちり)が10トンもたまっている。チェルノブイリ原発は26日で、事故から10周年を迎える。現在も1、3号機が稼働中だが、昨年11月にも、1号機で核燃料棒交換中、放射能漏れ事故を起こしており、あらためて管理体制のずさんさが浮き彫りになった。

10年前、原子炉の爆発事故を起こした4号機と、今回放射性のちりで汚染された3号機はコンクリート壁を境に隣接しており、石棺から出る高レベルの放射線を含んだ空気をろ過する装置が3号機内に設けられている。《共同通信》

【ドジャース・野茂英雄投手】今季3勝目

苦手から白星を挙げた−。米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は25日、昨年苦杯を喫し、今季も3日にKOされたアストロズ戦に先発、八回途中、4失点で降板したものの、アストロズとの3度目の対戦で初めて勝ち星を奪い、3勝目を挙げた。

野茂は二回、ミラーに先制の2点本塁打を浴びたが、ドジャーズ打線が力強く援護した。三回にピアザの2点二塁打で追いつくと、四回にはデシールズが勝ち越しの2点本塁打を放った。八回、バグウェルに本塁打され、野茂は降板したが、ドジャースはオスーナ−ウォーレルの継投でリードを守り抜いた。《共同通信》



4月25日のできごと