平成1099日目

平成4年1月11日(土)

1992/01/11

【渡辺美智雄外相】「慰安婦、軍が関与」

渡辺美智雄外相は11日夜のTBS番組で、日中戦争から太平洋戦争中の従軍慰安婦への国の関与問題について、「そういう忌まわしい話が出てくることは心が痛むし、頭も痛い。はっきりした証拠はないが、何らかの関与があったことは私も認めざるを得ない」と述べた。

これは日本軍が慰安所の設置や慰安婦の募集・監督をしていたことを示す資料が防衛研究所図書館に所蔵されていたとして「従軍慰安婦に当時の軍が絡んでいたのではないか」との質問に答えたもので、政府として、日本軍の関与を初めて認めたものだ。

また、渡辺外相は、16日から予定されている宮沢首相の韓国訪問の際の、この問題への対応について、「何かはあるかもしれない」と言明、首相が従来の政府見解から一歩踏み出した形で言及する可能性があることを明らかにした。《読売新聞》



【渡辺美智雄外相】米車業界は努力不足

渡辺美智雄外相は11日、NHK番組の録画撮りで、ブッシュ米大統領が立日した際、米自動車業界のトップらが同行してきたとに関連し、「ブッシュ大統領来日の目的は自動車問題ではない。経営者を連れて来なかった方がよかった。商売のことに絡んで雑音が多過ぎた」と指摘した。さらに、外相は「はっきり言えば、向こう(米自動車業界)は努力不足。日本の自動車会社は、メキシコ、ブラジル、ヨーロッパに行っても、その国の規則に合わせてやっている。日本に合わせろとは言っていない」と述べ、米自動車業界の対日姿勢を厳しく批判した。

これは、大統領に同行したアイアコッカ・クライスラー会長らが日本側の輸入拡大策に不満を表明したことなどに反発したものといえる。

また、自動車・同部品など経済問題で米側に譲歩したとの指摘について、「トンプク(頓服薬)ですよ。継続的にやっていれば薬害が出る。頓服的なものだと思っている」と述べ、大統領選挙を間近に控え景気低迷に苦しむブッシュ政権の立場を配慮した一時的な措置であるとの認識を示した。外相は、この理由として「今までの米議会の立法例を見ると、現在の共和党政権は自由貿易主義で、民主党はやや保護貿易的な色彩が強い。ブッシュ大統領の考えていることはいいし、結果として(米国が)助かるようにすることは日本のためになる。一切、要求を拒否した場合、ますます報復措置となって出てくる」と述べた。

新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の行方については「日本はウルグアイ・ラウンドが成功しなければ一番困る国だから、必ず成功させるように最終的にはもっていく」と語った。《読売新聞》

【社会党・田辺誠委員長】中国首脳と会談

中国訪問中の田辺社会党委員長は11日午後(日本時間同)、北京市の中南海で李鵬首相、釣魚台迎賓館で江沢民・共産党書紀と相次いで会談した。田辺氏が日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国交正常化交渉促進のために中国側の協力を要請したのに対し、李鵬首相は「日中両国はもっと日朝交渉に積極的に対応していこう」と述べ、前向きの姿勢を示した。

また、日中経済協力について、李鵬首相は「宮沢政権も何かやっていただけると思う。第四次円借款を日程に上げることができるのではないか」と発言、現在実施中の第三次円借款(平成2年度から6年間、約8100億円)に続く第四次円借款についても、具体的な協議に入るよう日本政府に要請していく考えを明らかにした。《読売新聞》

【全日本スプリント選手権】橋本聖子選手が9年連続10度目の総合優勝

スピードスケートのアルベールビル冬季五輪代表選考会を兼ねた第18回全日本スプリント選手権最終日は11日、山梨県富士吉田市の富士急ハイランドコニファーフォレストで男女500メートル、1000メートルの各2回目を行い、女子は橋本聖子(富士急)が9年連続10度目、男子は宮部行範(三協精機)が初の総合優勝を遂げた。橋本は自身の持つ大会の連勝記録、最多優勝記録を更新した。《共同通信》

【スピードスケート・橋本聖子選手】現役引退を示唆

女子スピードスケートの第一人者、橋本聖子選手(27)=富士急=が11日、全日本スプリント選手権終了後の記者会見で今季限りでの現役引退を示唆した。橋本選手はアルベールビル五輪のあと世界スプリント、女子世界選手権と海外転戦し、国内大会出場の予定はない。

このため「この大会が国内最後のレースになると思うが、感慨は?」との質問に「そういうことがホームリングでできてすごくよかったと思う。ただ締めくくりにはふさわしくない内容だったので、五輪ではいい成績を挙げたい。(アルベールビル)は私にとって特別のオリンピック」と語った。《共同通信》

【大学入試センター試験】47万人挑戦

大学入試シーズンの開幕となる大学入試センター試験が11日、全国375会場で始まった。18歳人口がピークに達した第二次ベビーブーム世代の志願者は、史上最多の約47万2000人。私大の參加増、国公立大の教科減で、両者の垣根が一段と低くなる一方で、女子が初めて全志願者の三割を突破、好天の各会場では、ファッションに気を配った女子受験生の姿が目立った。

試験は午前10時、外国語からスタート。数学A(数学Ⅰ)、数学B(数学Ⅱなど)、理科A(物理、地学)の順で進んだ。

参加大学は国立95、公立39、私立32の計166校。一部学部利用も含めて今年は日大、多摩大など11私大が新たに加わった。出願者は男子が32万7610人、女子が14万4488人で、前年比1万6000余人の増。女子の増加率が9.2%と目立っている。

今春は、従来5教科型だった国公立大で受験教科を減らす傾向がさらに強まり、前年よりも9大学19学部多い67大学の110学部で3教科方式を実施。国公立大入試の私大化が一層進んだ。二次試験は、来月下旬からスタートする。《読売新聞》



1月11日のできごと