1996 平成8年4月9日(火)

平成2649日目

平成8年4月9日(火)

1996/04/09

【TBS・磯崎洋三社長】ビデオ問題で辞意表明

坂本堤弁護士一家殺害事件に絡み、未放映の同弁護士のインタビュービデオをオウム真理教幹部に見せていた問題で、TBSの磯崎洋三社長(63)は9日正午から開いた同社の臨時取締役会で引責辞任の意向を表明した。後任は砂原幸雄取締役(58)に内定した。杉本明専務も専務辞任の意思を表明した。

磯崎社長は3月25日、「ワイドショーのプロデューサーがビデオを見せた」と、これまでの同社の主張を一転させた会見の場で「責任の取り方は自ら決断する」と辞任を示唆。4月2日の参院逓信委員会でも同様の発言をしていた。

この問題は、平成元年10月26日夜、東京都千代田区のTBS施設を訪れたオウム真理教幹部に、ワイドショー「3時にあいましょう」の担当プロデューサー(懲戒解雇処分)が同日取材した坂本弁護士のインタビュービデオを見せ、その後放送を取りやめた、というもの。坂本弁護士一家はその9日後の11月4日に殺害された。

TBSは、昨年9月末にプロデューサーらが、東京地検の事情聴取を受けたことから内部調査を始めたが、今年3月11日に「ビデオを見せた事実は確認できなかった」という調査結果を発表。その後、元年10月当夜のもようを詳細に記した早川紀代秀被告のメモを入手し、3月25日に「担当プロデューサーがビデオを見せたことを認めた」と、調査結果を一転させていた。

磯崎社長は3月25日の会見で辞任を示唆。さらに27日の定例会見や、4月2日に参考人として招致された参院逓信委員会でも辞任の意向を「責任のとり方は自らが下す」などと発言していた。

3月27日の定例会見では「1カ月後をめどとした内部調査の結果を待ちたい」としていた。《共同通信》

坂本弁護士ビデオ問題で、TBSの磯崎洋三社長(63)は9日午後、東京・赤坂の本社で記者会見し、外部の弁護士による調査がスタートするなど「改革への道筋がついたので、私自身の責任を明確にする」と述べ、一連の問題の責任を取って辞任することを正式に表明した。会見には後任に内定した砂原幸雄取締役(58)も同席した。

磯崎社長は辞任の時期については「調査などを見極めた上で、できるだけ早くと考えている」と説明、今月末にも予想される弁護士の調査報告や郵政省の措置が出た後との考えを示した。一方、次期社長に決まった砂原取締役は「役員としての責任を果たすためにも、社内立て直しの先頭に立とうと決心した」と意欲を語った。

また磯崎社長は、自身と杉本明専務がそれぞれ社長、専務の職を辞するものの、取締役としての立場をどうするかなどについては「砂原新社長の判断に任せる」と発言、2人が役員としてTBSにとどまる可能性を示唆した。

辞任を決意した心境を尋ねられると「報道機関として、批判を重く受け止めている。放送界、マスメディア全体への信頼を損ねてしまい、ただ、ただ、申し訳ない」と頭を下げた。

今後の対策としては①取材部門の一元化や報道、制作、社会情報3局の再編などの組織改革②チェック機構の整備③ワイドショーの企画変更など番組内容の改善―などを挙げた。

ビデオ問題の事実関係の社内調査に関しては、担当の鈴木淳生常務が「今現在、新しいことは出ていない」と述べ、難航していることをうかがわせた。《共同通信》



【政府】ボスニアに540億円

政府は9日、ボスニア・ヘルツェゴビナの復興支援のため、1996年度から4年間に総額5億ドル(約540億円)の支援を行う方針を固めた。今月12、13日にブリュッセルで開かれるボスニア復興援助会議で表明する。

無償援助が中心で、一国に対する支援としては異例の巨額援助となる。橋本龍太郎首相は17日の日米首脳会談で、国際貢献の一環としてクリントン大統領に伝える方針。《共同通信》

【森喜朗衆院議員】橋本首相にサッカーW杯招致を要請

サッカーの2002年ワールドカップ日本招致を目指す国会議員連盟副会長の森喜朗衆院議員らは9日午前、橋本龍太郎首相を首相官邸に訪ね、サウジアラビア、チュニジア訪問での招致運動の結果について報告するとともに、日本開催に向けた首相の指導力発揮を重ねて要請した。首相は「皆で一生懸命頑張って進めていきたい」と強調した。

森氏によると、首相は国際サッカー連盟(FIFA)各理事に日本開催を要請する書簡を順次送付するなど、精力的な招致活動を展開しているという。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は9日、平成6年度の大学生の生活費支出が昭和43年度以来、初めて減少したとの文部省調査結果について、記者団から感想を求められ、「実感があるからね。(私は)すねをかじられたよ」とまだまだ高い教育への支出に父親として苦言を呈した。首相の子供5人のうち4人は既に成人しており「人数が減ったからだいぶ楽だよ」と余裕を見せたものの、首相の「すね」の細り具合を聞いた記者に「細くなったよ。減ったと言っても大学院生が1人いるし…」と悲鳴にも似た声。入学、進学シーズンだけに言葉にもより実感がこもった様子だった。

○・・・新党さきがけの鳩山由紀夫代表幹事はこの日の記者会見で、前日行われた社民党との定期協議の内容を紹介。社民、さきがけ両党の合併構想について、事実上「白紙」になったとの見方があることに触れ、「社さ両党首から『合併の話は一度も正式にしていないのに、白紙にすることはないだろう』と言われた」。さらに「私としても、正式に俎上に上った話ではないので、『白紙』を白紙撤回する」と説明。社民党との合併に消極的な鳩山氏だけに、否定しながらもかえって「白紙」を強く印象づける、したたかな作戦?《共同通信》

【塚原俊平通産相】米・モンデール駐日大使と会談

モンデール米駐日大使は、9日午後、通産省で塚原俊平通産相と会談し、16日からのクリントン大統領訪日を成功させるには、日米間の経済問題を前進させることが重要との認識で一致した。

特に、7月末に期限が切れる日米半導体協定の延長問題では、大使が「(市場占有率などの)数値目標は求めていない」と説明、あらためて米側の柔軟な姿勢を強調した。

通産相は日本市場での外国系半導体のシェア(占有率)が伸びていることを指摘し「民間業界間の協力を推進すべきで、政府の関与は必要ない」と応じた。

日米双方は今後の具体的な交渉の進め方を明らかにしていないが、モンデール大使は会談で「今回の大統領訪日は世界が注目している。安全保障問題、経済問題のいずれも成功させたい」と首脳会談への期待感を表明した。《共同通信》



4月9日のできごと