平成4434日目
2001/02/27
この日のできごと(何の日)
【えひめ丸事故】森喜朗首相、米特使と会談
ハワイ沖の米原潜と実習船衝突事故をめぐり、米政府特使のファロン海軍作戦部長(大将)は27日午後、来日し、同日夜、森喜朗首相と首相官邸で約30分間会談した。
特使は、謝罪と遺憾の意を表したブッシュ大統領の親書を手渡すとともに、えひめ丸引き揚げに「最善を尽くす」と約束。被害者や家族への補償についても「しかるべきタイミングで詳細を詰めていきたい」と誠実に対応する考えを伝えた。
首相は「今般の事故は極めて遺憾と申し上げざるを得ない」とした上で「(特使が)行方不明者の家族を含め広く関係者と会い、直接、日本国民に米政府の立場を説明されることが重要だ」と、日本の国民感情への配慮を求めた。
大統領親書は「原因調査と再発防止に最大限の努力を払う」などと表明している。《共同通信》
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【政府、与党】首相退陣、4月で調整
森首相の退陣問題に関し、政府・与党は27日までに、2001年度予算案と同関連法案が成立する見込みの4月初めに内閣総辞職を決定、直ちに自民党総裁選で後継首相候補を選出する−との方向で調整を進めることで一致した。複数の政府与党幹部が明らかにした。これを受け、自民党内では「ポスト森」政権での主導権拡大を狙って、後継選びをめぐる駆け引きが激しさを増しそうだ。
与党内で首相退陣論が大勢を占める中、首相サイドは一貫して早期退陣を否定してきたが、首相周辺は27日午前「(予算成立後の)4月が最初の節目になる」として、予算成立後の退陣が避けられないとの認識を示した。「森おろし」をけん制してきた自民党江藤・亀井派内でも同日、首相退陣を容認する空気が広がり始めた。
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報道各社の内閣支持率が一ケタ台に落ち込むなど森喜朗首相の退陣論が広がる中、27日午前、閣議後の記者会見では各閣僚から厳しい受け止め方が相次いだ。橋本龍太郎行革・沖縄北方担当相は、地方の自民党県議団などから森首相の退陣を求める声が出ていることについて「厳しい風だ。党大会もそう遠くなくある。それまでに、そういう意見を踏まえ、党大会の運営を考えていかねばならない」と述べ、3月13日の自民党大会までに首相が進退を明確にすべきだとの考えを示唆した。
また、平沼赳夫経済財政政策担当相は「2001年度予算関連法案を含め国のためにやるべきことはやるべきだ」とした上で、「時期が来たら総裁選挙を実施して開かれた政党というイメージを打ち出していかなければならない」と強調した。ただ、自らの出馬については否定した。片山虎之助総務相は「いろんな意見が出るのが自民党の良き伝統。党大会もあるし、参院選について結束を図って、一丸となって向かっていく確認が行われると思う」と述べた。
一方、公明党の坂口力厚生労働相は「謙虚に考えなければならない。理由があって低下しており、その理由を取り除いていく努力をしなければいけない」と強調した。《共同通信》
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森喜朗首相の進退問題をめぐり、自民党は27日、党大会が行われる3月13日まで首相の自発的な決意表明がなかった場合、古賀誠幹事長ら執行部が「直談判」し、退陣を迫る方向で調整に入った。
古賀執行部が退陣要求を突きつけるタイミングは、今後の情勢を見極めながら判断する方針だが、党大会から2001年度予算成立前後になる見通し。その場合、公明、保守両党とも連動して「森おろし」を強めるとみられる。《共同通信》
【えひめ丸事件】前艦長、涙で謝罪
ハワイ沖で実習船えひめ丸と衝突事故を起こし、沈没させた米原潜グリーンビルのワドル前艦長は27日夕(日本時間28日昼)、ホノルルの日本総領事館を訪ね、望月義夫外務政務官に森喜朗首相や行方不明者9人の家族、大西尚生えひめ丸船長、加戸守行愛媛県知事、堀田家孝宇和島水産高校校長にあてた13通の謝罪の手紙を託した。
外務省が28日夜、発表した。
同時に前艦長は「おわびしたい。機会があれが(行方不明者の)家族にも会って直接謝罪したい」と陳謝し、家族らへの手紙について「この書簡にも家族らへの謝罪の言葉を入れている」と述べた。
事故の過失が確定する前に、米側の当事者が謝罪するのは異例で、米側の対応に不満を募らせている日本政府や行方不明者に配慮したとみられる。
前艦長は、望月政務官が「家族に謝罪してほしい」と要請したのに対し、日本語で「はい」と回答。さらに「私は青森県三沢市で生まれ、最初に覚えたのは日本語です。日本人の心情は良く理解している」と述べた上で、その場に立ち上がり涙ながらに陳謝したという。
ワドル前艦長は25日、弁護士を通じて「心から遺憾の意を表明する」とのコメントを発表したが、謝罪表明がなかったため行方不明者の家族らが反発を強めていた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の青木幹雄参院幹事長は27日の記者会見で、森内閣の一けた台の支持率に関し、支持率一けたで退陣した竹下登元首相のケースを回想。「あの時はリクルート事件と消費税だった。消費税は日本の将来のためにやらないといけないという大義名分があった。今度は何の大義名分もない」と政策以前の「首相の資質」に批判が集まる事態にうんざりの表情を見せた。「反省をしている以外にないものが重なっており、当時よりも厳しいのは当然だと覚悟している」と弱気発言も。噴出する退陣論にお手上げ?《共同通信》
【ロシア、韓国】南北和平の協力で合意
韓国を公式訪問中のロシアのプーチン大統領は27日午後、青瓦台(大統領官邸)で金大中大統領と会談、両国が朝鮮半島和平の進展で協力することで合意した。
両大統領が会談後発表した共同声明では、ロシアが南北対話を支援し、金大中政権の包容政策を支持する一方で、韓国が和平に向けたロシアの役割を歓迎することを表明した。
共同記者会見で、プーチン大統領は「ロシアは朝鮮半島問題の平和的解決に向け貢献する」と述べ、南北の仲介に意欲を表明。金大統領は「南北関係の進展でロシアが協力してきたことを高く評価する」とロ韓の連携を強調した。
昨年7月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)初訪問を契機に朝鮮半島への積極外交を開始したプーチン大統領は韓国からの関与認知で、同半島への影響力回復にめどをつけた。《共同通信》
【この日の民主党】
えひめ丸衝突・沈没事故/鳩山代表、伊藤英成対策本部長が宇和島訪問
民主党の鳩山由紀夫代表と伊藤英成事故対策本部長は27日、米原潜が宇和島水産高校実習船に衝突・沈没させた事故に関して、事故のお見舞いと訪米団の調査報告をするとともに、行方不明者のご家族などから要望を聞くため、愛媛県宇和島市を訪れた。この事故に関連して、政党の党首クラスが同市を訪れたのは初めて。
鳩山代表は最初に県立宇和島水産高校を訪れ、同校の堀田家孝校長や行方不明の寺田祐介さんの父親で「行方不明者家族の会」会長の亮介さん、副会長の野本光徳さん、奥谷PTA会長と面談した。
堀田校長からは「生存を信じて捜索活動を続けて欲しい、えひめ丸を必ず引き上げて欲しい、原因究明を徹底的に行って欲しい」との要望を承った。また、「冷静に考えたとき、すでに行方不明になって、海のああいう環境の中で16日たっている。9名の生命の重さを感じ、しっかりと対峙しなくてはいけない時がきている」との大変つらい思いを涙ながらに語られた。
寺田さんは、「事実を隠そうとする米側の全く誠意のない対応であった。なぜ船を引き上げて欲しいと自分たちが言っているのか、その気持ちを米側はまったく理解していない。ブッシュ大統領に直接会って日本人の気持ちを伝えたい」と米側に対する厳しい不信感と切なる思いを訴えた。さらに、「日本政府の対応も、及び腰どころではない。日本政府には国民を守るためにきちんとこたえてほしい」と、強い不満を述べた。
また堀田校長は、「もしこれが英国の実習船であったらどうだったか。要望について、国と政治と県を信頼して対応をお願いするという姿勢でいる。政治、政治家、そして日米関係のレベルアップを図ってもらいたい」と語った。
鳩山代表と伊藤対策本部長は、「3項目のご要望、9人の生命の重さに対峙するというつらいお気持ちをしっかり受け止めて、党利党略ではなく、政党活動をしている一個の人間としてやるべきことを全身全霊、全力で協力させてもらいたい」と述べた。
その後、宇和島市役所で石橋寛久市長と会談。鳩山代表より、堀田校長はじめ宇和島水産高校での面談内容について伝えたところ、市長からも、「行方不明者の捜索継続、船体の引き揚げ、原因究明が関係者の希望だ」として協力の要請があり、鳩山代表は、民主党としても関係機関に働き掛けるなど努力する意向を示した。
鳩山代表はその後、同市役所で記者会見を行い、午前中に宇和島水産高校で面談した行方不明者の家族から、日米双方の対応への強い不満があったことを踏まえ、「日米関係にとって決してプラスではなく、米国はさらなる誠意をみせていただきたい。日本政府も責任を持って外交をしてほしい」と述べた。一両日中にフォーリー駐日米大使と会談し、船体引き揚げや真相究明などをさらに強く求めていくこととした。
鳩山代表一行はこの後、松山空港で愛媛県の加戸守行知事と会談、事故の対応で協力していくことを確認した。
KSD疑惑を衆院厚生労働委で追及/村上氏の影響力で検査監督に手心?=荒井聰議員
27日に開かれた衆院厚生労働委員会の一般質疑で、民主党・無所属クラブから荒井聰、井上和雄、加藤公一、大島敦の4議員が質問に立ち、さまざまな政界工作疑惑が指摘されているKSDについて厚生労働省の監督責任を追及した。
まず一番手として質問に立った荒井聰議員は、「古関忠男前KSD理事長と村上正邦元労相が労働行政の公平・公明さをねじまげていった」として、KSDが自民党議員の尽力によって東京都所管の財団法人として設立し、その働きかけで会員を募集・拡大し、昭和56年には労働省に移管されていった歴史を紹介し、「極めて政治的な団体だ」と指摘。しかし、労働基準局長は「特別変わった団体だと把握していない」と答えた。
また、荒井議員は、古関前理事長の極めて高額な役員報酬に言及。「法律に基づく指定法人でない、国からの補助金を受けていない、古関前理事長は天下りではないといった3点を配慮し、調査しなかった」とした労働基準局長の答弁に、「一人に8000万円もの役員報酬が出ている法人が適正とは到底思えない」と反論。坂口厚労相は「結果として、きちっとしておけばこうした状況にならなかったかもしれない」と述べた。
さらに、荒井議員は、平成5年3月から12年までの7年間、労働省の立ち入り調査を行わなかった背景にも、村上議員の影が見えると分析。「村上議員の影響力が強くなり、検査・監督に手心が加えられたのだろう」と指摘した。管理・監督が不可能ならば、公益法人の廃止・調整も当然課題になるとして、行政のあり方にも言及。きめ細かな検査・指導の必要性も訴えた。
また、ものつくり大学構想そのものについても、荒井議員は「佐渡の離島振興事業の一環だったはずの職人大学が、行田に移管した瞬間から不幸にまみれる結果となった」と指摘。民間からの資金調達の甘さや、公的資金の導入問題に言及した。
KSD疑惑を衆院厚生労働委で追及/単純労働を強要するアイムジャパン=井上和雄議員
2月27日の衆院厚生労働委で質問に立った井上和雄議員は、KSD事件に関連して中小企業国際人材育成事業団(アイム・ジャパン)の外国人の研修生問題について追及した。「KSD事件の発端になり、村上正邦元労働相や自民党との癒着のなかで外国人の受け入れが広がった」と分析。同時に「インドネシア政府をも巻き込んでいるのではないか」として、インドネシア研修生とインドネシア労働省との間で交わされた誓約書の存在を提示した。
そこでは、①研修生はインドネシア労働省に日本の研修プログラムに参加する保証として自分の卒業証書の原本を預託すること、②規則違反によって研修プログラムを去る場合、預けた卒業証明書を取り戻すために、研修参加費を払わなければいけないと2点が規定されている。
井上議員は「こうした文書が政府発で出されるということは、アイム・ジャパンとインドネシア政府とはよほど密接な関係にあるはず」とし、できるだけ早く現地調査を行い、実態を明らかにしていくべきだと述べた。
また、アイム・ジャパンの経理の不明瞭さや研修内容について言及。特に「研修とは名ばかりで単純労働にすぎない」と実態を指摘。残業できないという規定をたてに、時間超過分を支払わないタダ働きの強要も存在すると問題提起した。「要するにピンはね構造。政府はきびしく捉えるべき」として、法務省にも立ち入り調査を行うべきだと迫った。
KSD疑惑を衆院厚生労働委で追及/指導・監督を怠った構造明らかにせよ=加藤公一議員
2月27日の衆院厚生労働委員会で、加藤公一議員は、KSDに対する当時の労働省の指導・監督責任を中心に質問した。
まず、平成6年の時点で古関忠男前理事長によるKSDの私物化がすでに問題になっていたにもかかわらず、旧労働省が口頭注意のみにとどめ、その後も同様の対応を繰り返したことについて、「今日から見て、十分な対応だと思うか」と質した。坂口厚労相は、結果的には不十分だったとしながらも、「(再三の口頭注意を)聞かなかった相手の手口も大変なものであった」などと、問題をすり替えるような発言も行った。
加藤議員は、さらに具体的に、平成8年9月に「公益法人の設立許可及び指導監督基準」が閣議決定され、KSDにも評議員会の非設置などの問題を3年以内に解消させねばならなかったにもかかわらず、この間、労働省は指導・監督を怠ったばかりか、平成9年7月にはKSDの寄付行為変更申請を許可しさえしていたことを指摘。「なぜ指導が不十分になったか、その構造を明らかにすべきだ」と詰め寄った。
坂口厚労相は、「事業内容の監査・改善について、少しテンポが遅かったことは否めないが、政治献金の問題などが顕在化したのは平成9年~10年のことであり、それなりの経緯があった」などと弁明するにとどまった。
KSD疑惑を衆院厚生労働委で追及/外国人研修生への労災適用ただす=大島敦議員
大島敦議員は2月27日の衆院厚生労働委員会で、中小企業国際人材育成事業団(アイム・ジャパン)の問題を取り上げ、インドネシアからの研修生・実習生に労災の事実はないのか、と質した。法務省の高橋審議官は、技能実習生に対する調査はしておらず、アンケート調査では50数件のケースが出てきたが、その後追跡調査もしていないことを明らかにした。
大島議員は、研修生・実習生の失踪事件、さらに平成11年11月には研修生の死亡事故も起こっていることを挙げ、こうした事件の防止と災害補償への対応を質した。酒井職業能力開発局長は、失踪の原因について調べさせていると答弁。また、日比労働基準局長は、災害補償について、「研修生は労働者でないため現行の労働基本法、労災保険法は適用できない」とした。
これに対して、大島議員は、まず事故が研修中のものか業務中のものかを含め、労働基準監督署が出向いて実態を調べるべきであり、同時に、研修に対しても対応を考えるべきだ、と追及。坂口厚労相は、「国際問題でもあるので、研修に労災が適用されないなら、事故発生の歯止めとなる措置が必要かもしれない。検討に値する」と答えた。
「21世紀の教育のあり方」党教育基本問題特別調査会中間報告まとめる
民主党の教育基本問題特別調査会(会長=中野寛成副代表)が2月27日、「21世紀の教育のあり方について」をまとめ、ネクストキャビネットの了承を経て、記者発表した。首相の私的諮問機関である「教育改革国民会議」が昨年発足したのに併せて、民主党の教育基本政策を策定するために議論を重ねてきた。
今回の中間報告は、理念を中心にまとめたもので、今後は参議院選挙政策と関連させて具体案を検討していく。
中間報告では、まず「日本は多くの分野で、社会の急激な変容と緩やかな崩壊に直面している。政治には何よりもまず、この変容に応えていく使命がある。社会の基盤を再構築し、不安のない未来へと繋いでいかなければならない。教育も例外ではない。いじめ、不登校、中途退学、学力低下そして学級崩壊という現象が進行し、青少年の凶悪犯罪も大きな社会問題となっている」と前置き。
その上で、教育改革の視点として、次の7項目をあげ、包括的に教育改革を推進するとしている。
1.教育の多様性と地方分権の徹底
2.人権尊重社会の実現
3.生涯学習の理念・体制の確立
4.家庭教育の重視
5.文化の尊重とアイデンティティの確立
6.環境教育の重要性
7.科学の発展と高等教育教育基本法に対しては、「一部の保守勢力が志向する『国会至上主義的』『全体主義的』改悪に反対する」姿勢を打ち出し、「社会の荒廃の一部である教育の荒廃は、教育基本法の改正で解決するものではない」と指摘している。
中野会長は記者会見で、「教育基本法の存在が教育の荒廃の原因ではなく、その理念が生かされていない原因を追究すべきだ」と述べ、むしろすべての教育問題を網羅する総合的な法体系を創造すべきではないかと提起。これからの作業で具体化を進めたいと語った。《民主党ニュース》