平成2562日目

平成8年1月13日(土)

1996/01/13

【若田光一宇宙飛行士】衛星回収に成功

米スペースシャトル「エンデバー」で飛行中の若田光一さんは米中部時間13日午前(日本時間同日夜)、文部省宇宙科学研究所の実験衛星「宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)」をロボットアームを操縦して捕そく、エンデバーの格納庫に固定することに成功した。

回収作業中、SFUの太陽電池パネルをたたんだ信号が出ないトラブルがあったが、同研究所からの指令で切断、事なきを得た。SFU回収はエンデバ一の飛行の最大の目的。国産ロケットH2で打ち上げた衛星を、シャトルで日本人宇宙飛行士が回収した国際協力の成功は、宇宙先進国と共同開発を進める実績となる。特にトラブルを日本側が自力で切り抜けたことは貴重な経験だ。

エンデバーは12日午後9時前からランデブー作業を開始、高度約480キロで地球を回るSFUに後方、下側から近づいた。しかし、70メートルまで接近した13日午前3時(同午後6時)ごろ、同研究所相模原運用センターから太陽電池パネルをたたむ信号を送ったところ、最後の留め金が掛かったことを示す信号が出ないというトラブルが発生した。

エンデバーの安全確保の点から留め金が確認できないと回収に入れないため、同研究所は太陽電池パネルの切断を決断。午前4時半すぎセンターからの信号で12枚のパネルを相次いで切断。回収作業を再開した。

その後、若田さんは操縦室後部にあるアームの操作盤で、長さ15メートルのアームを操りSFUに取り付けられた金属の突起をキャッチ。格納庫に横向きに納め、固定した。

SFUは回収後、3月中旬には日本に運ばれ、同研究所で実験でできた結晶や宇宙で生まれたイモリの卵などをあらためて解析する予定だ。《共同通信》

「こんにちは、エンデバーから若田光一です。約480キロの軌道で太平洋の上、日本と米国の間を飛んでいます」

13日夜、首相官邸の橋本龍太郎首相、中川秀直科学技術庁長官と米スペースシャトル「エンデバー」に搭乗した若田さんを結んだ宇宙対談が行われた。

若田さんの声と映像が届くと橋本首相は「衛星の回収ご苦労さまでした」と労をねぎらい「子供の時の夢を果たした感想は」と質問。若田さんは「私は本当に幸運」と話し、「宇宙酔いはないですか」と中川長官が尋ねると「自分の体の微小重力への順応の速さに驚いています」と、まったく宇宙酔いがないこと活明らかにした。

首相、長官とも慶応大OBで、橋本首相が「向井さんは(慶応の)三色旗を持って行ったが、あなたは」と問い掛けると、若田さんは「小学校から大学までの旗を搭載しています。帰還した後、出身校に持ち帰るつもりです」と答えた。

橋本首相は「出身校は本当に喜ぶと思うよ」と話し、若田さんが映るテレビ画面に手を振って「全員が無事帰還することを願っています。本当にありがとう」と対談を締めくくった。《共同通信》



【大相撲初場所】7日目

大相撲初場所7日目(8日・両国国技館)横綱貴乃花は水戸泉を激しい突っ張りから押し出して7戦全勝、単独トップを守った。5人いた1敗力士のうち、大関貴ノ浪は関脇琴錦を小手投げで破り、平幕の貴闘力と新入幕の玉春日も白星を重ねた。しかし大関武蔵丸は琴の若に寄り切られ、平幕の小錦も旭道山の下手投げに転がってともに2敗となった。この日の結果、全勝の貴乃花を1敗で追うのは貴ノ浪、貴闘力、玉春日。十両は大善が6勝1敗で依然単独首位。《共同通信》

【HTB杯ジャンプ国際大会】葛西紀明選手、復活V

スキーのHTB杯ジャンプ国際大会は13日、札幌市の大倉山ジャンプ競技場で国際スキー連盟(FIS)のコンチネンタル杯を兼ねてラージヒル(K点=115メートル)が行われ、W杯の欧州転戦から帰国した葛西紀明(地崎工業)が235.7点で圧勝。2年ぶり2度目の優勝を飾った。

葛西は1回目に最長不倒の115.5メートルを記録し、2回目も出場選手中最長の113.5メートル。113.5メートル、107.5メートルで2位となった安崎直幹(NTT北海道)に16.9点の大差をつけた。3位には2回目に109.5メートルを飛んだ昨年の優勝者、船木和喜(デサント)が入った。

【動燃】総務部次長が自殺

13日午前6時10分ごろ、東京都中央区日本橋のホテルの敷地内で、宿泊客の動力炉・核燃料開発事業団(動燃、本社港区赤坂)総務部次長Aさんが倒れているのを、一緒に泊まっていた大畑宏之動燃理事(58)らが発見、Aさんは全身を強く打っており、間もなく死亡した。

中央署の調べによると、ホテル最上階の8階の泊まっていた部屋に3通の遺書があったことなどから、同署はビデオ隠し問題の処理を苦に飛び降り自殺したと断定、関係者から事情を聴いている。《共同通信》

橋本龍太郎首相は13日午後、動力炉・核燃料開発事業団の総務部次長の自殺について「けさ、電話で起こされた。最初に思ったのは『なぜ』ということだった。非常に痛ましく、お気の毒に思う」と述べた。

首相は、動燃が「もんじゅ」ナトリウム漏れ事故のビデオを隠したことについて「なぜ動燃はあんなことばかりを繰り返すのか」と批判するとともに「これ(幹部の自殺)が事故の原因究明に影響を与えなければいいが」と懸念を表明した。《共同通信》

【米・クリントン大統領】平和履行部隊を激励

ボスニア・ヘルツェゴビナに展開中の平和履行部隊(IFOR)に参加している米軍部隊激励のためボスニア入りしたクリントン米大統領は13日、ツズラの米軍部隊基地でボスニア政府(イスラム教徒主導)のイゼトベゴビッチ幹部会議長と会談した。その後、ザグレブに飛びクロアチアのツジマン大統領と会談したクリントン大統領は同日夜、専用機で慌ただしく帰国の途に就いた。

当初、クリントン大統領のサラエボ入りも検討されたが結局、3年半余りの戦争で荒廃し切った首都を目の当たりにすることなく、基地内に数時間足を踏み入れただけでボスニアを立ち去った。

クロアチア大統領報道官は会談後、昨年末からボスニア南部モスタルで銃撃事件などが相次いで緊張が続くクロアチア人とイスラム教徒両勢力間の調停に、米国がより積極的な役割を果たしていくことで両首脳が合意したと明らかにした。イゼトベゴビッチ議長との会談については公式のコメントは出ていない。

ユーゴスラビアのタンユグ通信によると、クリントン大統領は、今回の訪問で顔を合わせなかったボスニア和平協定の3当事国の一つセルビアのミロシェビッチ大統領とは、専用機から電話で話したという。

IFORの成否は、11月の米大統領選挙の行方を大きく左右する。再選を狙うクリントン大統領にとって、ボスニア訪問は、軍最高指揮官としての存在を誇示、2月から本格化する選挙戦に弾みをつける重要な意味があった。

今回の歴訪にはシャリカシュビリ統合参謀本部議長や、ボスニア和平交渉で重要な役割を果たしたホルプルック国務次官補も同行した。《共同通信》



1月13日のできごと