平成2560日目

1996/01/11

この日のできごと(何の日)

【橋本内閣】発足

第135臨時国会が11日召集され、村山内閣の総辞職を受け、午後の衆参両院本会議の首相指名選挙で、自民党総裁の橋本龍太郎氏(58)が第82代、53人目の首相に指名された。

橋本首相は直ちに組閣に着手、3党首会談を開き、久保亘社会党書記長の副総理兼蔵相、田中秀征・さきがけ代表代行の経済企画庁長官、梶山静六氏の官房長官、池田行彦氏の外相などを軸とする組閣を終えた。橋本内閣は皇居での任命式・認証式を経て同日夜、正式に発足した。


https://www.kantei.go.jp/

新首相は①景気対策を本格的軌道に乗せる②沖縄の人々の悲しみを受けとめ日米関係安定に努める―との当面の方針を示した。新たな3党合意を基に村山政権からの連立の枠組みを維持しつつ、宮澤喜一首相以来2年半ぶりの自民党首相の復活で、3党連立は新段階を迎えた。

橋本新内閣は通常国会で与野党攻防の的となる住宅金融専門会社(住専)処理問題への対策を最重視、さらに解散、総選挙を強く意識し官邸の政治指導力強化を図った布陣となった。

野党の新進、共産党は「野合」と批判、住専の責任の徹底追及を通じて早期解散を求めており、通常国会は冒頭から緊迫することは必至。さらに沖縄米軍基地問題を抱え日米関係の再構築も課題となっており、新政権は荒海への船出となる。

閣僚の選考は、官房長官、蔵相人事をめぐって二転三転したが、行政に対する政治の優位と政局運営を重視した橋本氏が梶山氏の説得に成功したことと、久保氏が住専問題に当たる蔵相を副総理兼任で引き受けたことで一気に進んだ。

橋本氏は内閣の目玉として女性民間人の起用にこだわり、厚生畑の長い橋本氏とつながりの深い厚生官僚出身で、参院選の自民党の比例名簿にも載った長尾立子氏を法相に起用した。女性法相は初。

住専に絡む農林系金融機関の問題を抱える農相に大原一三、高速増殖炉原型炉もんじゅのナトリウム漏れ「事故の処理に当たる科学技一術庁長官に中川秀直の両氏が起用された。

このほかの自民党からの入閣は文相に奥田幹生、通産相に塚原俊平、運輸相に亀井善之、建設相に中尾栄一、自治相に倉田寛之、北海道、沖縄開発庁長官に岡部三郎、防衛庁長官に臼井日出男の各氏。

社会党からは郵政相に日野市朗、労相に永井孝信、総務庁長官に中西績介、環境庁長官に岩垂寿喜男、国土庁長官に鈴木和美の各氏。さきがけは厚相に菅直人氏が入った。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【フジ系連続ドラマ・白線流し】放送開始

【若田光一宇宙飛行士】搭乗の「エンデバー」打ち上げ

日本人宇宙飛行士、若田光一さん(32)ら6人が搭乗した米スベースシャトル「エンデバー」が、米東部時間11日午前4時42分(日本時間同日午後、6時41分)、ケネディ宇宙センター(フロリダ州)から打ち上げられた。

若田さんは1992年(平成4年)6月に日本航空のエンジニアから転身後、3年7カ月での初搭乗。日本が打ち上げた衛星を回収するロボットアームを操作し、国際宇宙基地に実験棟を建設する予定の日本に貴重な経験をもたらす。

日本人のシャトル搭乗は毛利衛さん、向井千秋さんに次いで3人目。

この日の発射場の天候は心配された冷え込みや風も収まり、絶好の条件。打ち上げ9分前にジョンソン宇宙センター(テキサス州)との交信が一時不調になり、確認のために秒読みが二度にわたって中断。打ち上げが23分遅れた。しかし発射後は極めて順調で、エンデバーは予定通り44分後に予定の周回軌道に入り、打ち上げは成功した。打ち上げ遅れの活動への影響はないという。

若田さんは打ち上げ2時間半後、ロボットアームの電源チェックを始め、第一声が地上に届いた。「ヒューストン。こちらエンデバーの衛星放出・回収責任者」と若田さん。「どうぞコウイチ」との地上管制官の応答に続いて「SFU格納台座の点検を実施する」と交信し、直ちに作業を開始した。

エンデバーは打ち上げ後9日間で地球を141周した後、米東部時間20日午前2時54分(日本時間同日午後4時54分)、ケネディ宇宙センターに帰還する。《共同通信》

【もんじゅナトリウム漏洩事故】温度計の頭部見せる

ナトリウム漏れ事故を起こした高速増殖炉原型炉もんじゅで、漏出部の配管に付着したナトリウム化合物を除去する11日の作業でさや管が折れた温度検出器の頭部(端子)が姿を見せた。

科学技術庁の特別作業班は、化合物の付着状況から、ナトリウムが温度検出器頭部のケーブルの出口から外に漏れたという漏出ルートが裏付けられたとの見解を示した。漏出の直接の原因となった部品が姿を現したのは事故から約1カ月ぶり。

動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は同日、漏れのあった温度検出器と同じ二次冷却系にある他の検出器47本全部を近く抜き取って検査すると発表した。

温度検出器は全長約60センチ。先端は温度を検知する熱電対を包むステンレス製のさや管で、金属ナトリウムが流れる配管内に約20センチ突き出している。先のエックス線撮影では直径1センチと細くなっている先端の約15センチ部分が吹き飛んだことが判明していた。

作業班によると、頭部を囲む保温材のトタン製外装板は最高で2000度にまで達するナトリウム反応の高温で溶け、保温材とも反応して一部がえぐれていた。

検出器全体を取り出すまでには配管を覆う保温材をはがすなどの作業が残っており、特別作業班は「なるべく早く破断面を見たい」としている。《共同通信》

【テニス・伊達公子選手】ツアー通算200勝達成

テニスのピーターズ・インタナショナルは11日、シドニーで行われ、女子シングルス2回戦で第2シードの伊達公子(ヨネックス)はイリナ・スピールリア(ルーマニア)を6−4、6−3で破り、日本選手では初のツアー通算200勝を達成した。

第8シードの沢松奈生子(富士銀行)は2回戦でニコル・ブラドック(豪州)に4−6、2−6で敗れた。

伊達公子選手 久しぶりの試合なので緊張したが、テニスの調子はいい。暖かいので体がよく動く。200勝という数字はピンとこないし、自分にとってあまり意味がない。今年はランキングにこだわらず、四大大会でのベスト4、決勝進出を目指したい。《共同通信》

【大相撲初場所】5日目

大相撲初場所5日目(11日・両国国技館)勝ちっ放しは早くも横綱貴乃花と新入幕の玉春日の2人になった。貴乃花は湊富士を寄せつけず、寄り切って初日から5連勝。玉春日は蒼樹山を押し出した。しかし前日まで土つかずの大関貴ノ浪と平幕貴闘力は、それぞれ剣晃、大関武蔵丸のすくい投げに屈し初黒星となった。若手同士の好一番は、新小結の土佐ノ海が関脇魁皇を寄り切り、ともに3勝2敗。関脇琴錦は2勝目、小結武双山は3勝目を挙げた。全勝の2人を追う1敗は武蔵丸、貴ノ浪ら6人。十両は大善が1人5戦全勝。《共同通信》

【Jリーグ・鹿島】新加入選手を発表

鹿島は11日、今春高校を卒業するFW柳沢敦(富山一)、FW平瀬智行(鹿児島実)、DF池内友彦(室蘭大谷)の新加入を発表した。いずれも日本ユース代表。

柳沢は高校2年の時、日本選抜にも選ばれた超高校級のストライカーで、即戦力の期待が高い。先の全国高校選手権に3人とも出場し、平瀬は2試合連続ハットトリックなどで初優勝に貢献。攻撃的な右サイドバックの池内もハットトリックを達成した。《共同通信》

【第114回芥川賞、直木賞】選考会

第114回芥川賞、直木賞の選考委員会が11日夜、東京・築地の料亭新喜楽で開かれ、芥川賞は又吉栄喜氏の(48)の「豚の報い」に、直木賞には小池真理子さんの「恋」と藤原伊織氏の「テロリストのパラソル」に決まった。《共同通信》

【信越本線】横川ー軽井沢間、廃止決定

1997年秋に開業する北陸新幹線と並行するJR信越線横川ー軽井沢(11.2キロ)について、運輸省とJR東日本、群馬、長野両県は11日、東京都内で協議会を開き、同区間の鉄道輸送を廃止してバス輸送に転換することで合意した。整備新幹線の建設に伴う並行在来線の廃止が正式に決まったのは初めて。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は11日朝、官邸で記者団から首相最後の日を迎えた心境を聞かれ「淡々としてるよ。(緊張も)しとらん」と、さばさばした表情。在任中は何事に取り組むにも「自然体じゃ」と自らに言い聞かせるように口にしていた首相だが、昼前、官邸を去る際には女性職員から花束を贈られ、何度も手を振ってこたえた。記者団に「あの時だけはこみ上げるものがあった。さばさばしていたんだけどね、あの時だけは少しね」と、在任561日間の出来事が脳裏に去来したのか、しんみりした様子。

○・・・共産党の不破哲三委員長はこの日の議員団総会であいさつし、橋本龍太郎政権誕生について「国民の意思に反した政権のたらい回しだ。国会の構成と国民の意思がこれほどかけ離れたことはない」と、総選挙の洗礼なしに政権交代が続いていることを厳しく批判。さらに矛先を住宅金融専門会社(住専)処理問題に向け、「与党3党も新進党も公的資金導入による早期解決では全く同じ立場だ。この4党は衆院で93%の議席を占めるが民意を反映していない。わが党の議席は3%だが、この問題で圧倒的多数の世論を反映している」と力説したが、議席差の壁はいかんともし難い?《共同通信》

【自民党・橋本龍太郎総裁】「ずっしりと重い」

孫に見送られながら「ずっしりと重い」と心境を語る橋本龍太郎自民党総裁。11日午前、村山内閣の辞表を取りまとめる臨時閣議が開かれた。午後の首相指名を前に緊張が続く橋本氏に対して、村山富市首相ら閣僚はさばさばとした顔で官邸を去った。

橋本氏は午前8時40分、東京・六本木の自宅マンション前に、孫2人と手をつないで姿を見せた。孫と夫人に手を振ってから約60人の報道陣に応対。「今年になって初めて孫の顔を見たが、それを忘れたいくらいずっしりと重い」と心境を語った。組閣については「ぎりぎりまで分からない。できるだけしっかり国を支えていけるような内閣にしたい」。

午前9時からの首相官邸での臨時閣議。閣僚同士でねぎらいの握手をする中、橋本氏だけは笑顔を見せず、島村宜伸文相らと顔をくっつけ、ひそひそ話。村山首相は「淡々としているよ」と言って最後の閣議に臨んだ。

閣議終了後、武村正義蔵相は「難問はほぼ残してない。住専問題も一つの決断をして山は越えた」。言い終えると口を大きくあけて「はっ、はっ、はっ」と高笑い。記者から「敵前逃亡とも言われているが」と突っ込まれると「どんな仕事だって辞めたら敵前逃亡と言われる」とかわした。

中山正暉総務庁長官はサイン入りの村山首相との記念写真を大事そうに抱え官邸を去った。続く記者会見で野坂浩賢官房長官は「内閣は総辞職しました。もう会うこともあまりないと思いますが…」と言って記者団の笑いを誘った。《共同通信》

【村山富市首相】「わが生を観て進退す」

退陣した村山富市首相は11日午前、野坂浩賢、園田博之正副官房長官とともに、職員らに見送られ1年半過ごした首相官邸を後にした。首相は、女性職員から花束を贈られると「皆さん大変お世話になりました。元気でね」と深く頭を下げ、拍手の中で手を振りながら玄関の車に乗り込んだ。

これに先立ち首相は、内閣総辞職の談話で「わが生を観て進退す」と易経を引用し、自らの信念に従った退職であることをあらためて強調。肩の荷を下ろし、ホッとした表情の中にも、社会党の新党づくりへの決意をうかがわせた。《共同通信》



1月11日 その日のできごと(何の日)