平成2537日目

平成7年12月19日(火)

1995/12/19

【オウム真理教】解散が決定

オウム真理教(本部東京)の解散請求で東京高裁の柴田保幸裁判長は19日、教団施設でのサリン生成の事実を認めた上で「サリン生成は教団の計画的、組織的な行為で殺人予備に当たり、著しく公共の福祉を害する行為と認められる」として、宗教法人の解散を命じた一審東京地裁決定を支持し、教団の即時抗告を棄却する決定をした。

教団側が最高裁に特別抗告をしても、解散に向けての作業開始が認められており、教祖麻原彰晃こと松本智津夫被告(40)は代表役員の地位を退任。教団資産ははく奪、清算され、宗教法人としての教団は解体に追い込まれる。

「反公共性」を理由に宗教法人が解散させられるのは初めて。

決定で柴田裁判長は、教団の幹部、信者らは麻原被告の指示に基づいて山梨県上九一色村の教団施設「第7サティアン」にサリン生成プラントを建設、昨年12月から今年1月にかけて実際にサリンをつくったと認定。「著しく公共の福祉を害し、宗教団体の目的を著しく逸脱した場合に当たり、宗教法人の解散事由がある」と指摘した。

即時抗告審で教団側は「村岡達子代表代行の下、教団は善良な市民の信仰の場として健全な状態に改善されている」と主張したが、同裁判長は「麻原被告がなお代表役員の地位にとどまり、宗教法人『オウム真理教』規則が殺人予備のような犯罪行為を組織的に行う余地がないように改正された事実はない」などとしてこれを退けた。

東京高裁の決定を受けて東京地裁は近く弁護士会役員経験者の弁護士(62)を清算人に選任。清算人はサリン事件の被害者らへの損害賠償の処理など債権、債務関係を整理する。国やサリン事件の被害者らの申し立てに基づく資産保全の強制執行と併せて、教団の全財産は、裁判所と清算人の管理下に置かれる。

教団側は決定を不服として5日以内に特別抗告できるが、清算手続きを停止させることはできない。宗教法人法による解散決定自体は、信者らによる一切の資産処分を封じる効果があるが、教団が任意の団体として宗教活動を続けることはできる。

一方、政府は破壊活動防止法による団体規制(解散の指定)の請求手続きを進めており、今後同規制も適用されると信者らの団体活動が禁止され、教団そのものが消滅することになる。

宗教法人の解散請求は東京地検検事正と都知事が6月に申し立てた。東京地裁は「第7サティアン」を検証した上、10月30日、教団が不特定多数を殺害する目的でサリンを生成したと認定して解散命令を出し、教団が即時抗告していた。《共同通信》



【WBAミドル級タイトル戦】竹原慎二選手、日本人初のミドル級世界王者に

世界ボクシング協会(WBA)ミドル級タイトルマッチ12回戦は19日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者の同級4位、竹原慎二(沖)がチャンピオンのホルヘ・カストロ(アルゼンチン)を3−0の判定で破り、タイトルを奪った。日本選手がミドル級の世界王座を獲得したのは初めてで、史上最重量級チャンピオンとなった。

世界とのレベルの差があまりにも大きく、日本では夢とされていたミドルを制覇する快挙でもある。日本選手がこれまで獲得した世界王座で最も重いクラスは輪島功一(三迫)らのジュニアミドルだった。

日本のジムに所属する世界王者は通算38人目。竹原はデビュー以来24戦全勝(18KO)。105戦目と経験を誇るカストロは5度目の防衛に失敗した。

身長とリーチで上回る竹原は1回から左ジャブと右ストレートを的確にヒット。3回には左ボディーブローでこの試合唯一のダウンを奪うなど序盤でペースをつかんだ。頭を下げ前へ出ながら左右のフックを振り回してくるカストロを攻めあぐねる場面もあったが、試合を通して優位を譲らなかった。

これで日本のジム所属の世界王者は、世界ボクシング評議会(WBC)ジュニアバンタム級の川島郭志(ヨネクラ)、同フライ級の勇利アルバチャコフ、WBAライト級のオルズベック・ナザロフ(ともに協栄)、WBCフェザー級のルイシト小泉(アベ)の5人となった。《共同通信》

【巨人・斎藤雅樹投手】契約更改

巨人の斎藤雅樹投手(30)は19日、東京・神田の球団事務所で来季の契約更改交渉に臨み、7000万円アップの2億5000万円でサインした。投手では初の2億円突破を果たすとともに現時点で日本人選手では今季3億7000万円の巨人・落合内野手(未更改)に次ぐ球界2位の高額年俸となった。

今季チームが不振の中、斎藤雅は6完封を含む18勝(10敗)をマーク。リーグ最多となる4度目の最多勝と奪三振王のタイトルに輝いたほか、沢村賞も獲得した。シーズン後にFAの権利を行使して巨人残留を決めた斎藤雅は「責任を感じるし、これからも頑張らないといけない」と笑顔で話した。(金額は推定)《共同通信》

【阪神・新庄剛志外野手】退団を希望

阪神の新庄剛志外野手(23)は19日、甲子園球場内の球団事務所で沢田球団代表らと会談、自らの実力不足を理由に退団の意思を伝えた。球団側は慰留したが、話し合いは平行線のまま。22日に再び交渉するが、新庄の意志が固く説得は難しくなった。

5日に続く2度目の話し合いに臨んだ新庄は、3時間半を超える交渉の後で「2年前に野球をやめたい気持ちになった。その後も一生懸命にやったが結果が出ず、自分にはセンスがないと判断した。同じことを繰り返すのは無意味と思った」と話した。《共同通信》

【村山富市首相】いじめ問題「内閣挙げて対応」

政府は19日午前、閣議に先立って「児童・生徒のいじめ問題に関する関係閣僚会議」を開き、内閣を挙げていじめ問題に取り組むことを確認した。

村山富市首相は「学校に任せておけば、ということではなく、社会的要因があることを踏まえ、各省庁が関係分野で協力して効果が上がるようにしてほしい。うわべだけの姿勢では解決できない。子供が安心して話ができる工夫を、行政が総合的につくる必要がある。(自殺事件のような)こうした事態が二度とない努力をお願いしたい」と述べ、関係省庁の連携を強めるよう指示した。《共同通信》

【政府】住専処理策を決定

政府・連立与党は19日、バブル経済の崩壊で経営破たんした住宅金融専門会社(住専)7社について、総額6850億円の財政資金投入などを盛り込んだ最終処理策を決定した。

これを受けて村山富市首相は同日深夜、記者会見し、「苦渋の選択だった。責任は徹底的に追及する」と述べ、財政資金投入への国民の理解を求めるとともに、今後、住専経営陣や関係金融機関、融資先などの責任を刑事や税務面から政府が厳しく追及する考えを表明した。

債権回収を強力に進めるために、預金保険機構の中に刑事告発権限を付与した債権回収の特別組織を設置することなどが政府・与党合意に盛り込まれた。財政支出には野党が反発しているが、与党は年明けの通常国会に特別委員会を設け、住専の責任問題などを論議する方針だ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は19日午前、難題の住専問題について、記者団の質問に「まだ(解決案は)固まっていない。もうぶら下がり(歩きながらのやりとり)はやめた」と、不機嫌そのもの。社会党が新党問題でゴタゴタしていることもあってか、その後も記者団には「完黙じゃ」。ところが全日本きものの女王の訪問を受けると態度が一変。和服美人に花束を贈られ「きれいだな。(美人を前に)緊張しているのでいつもと表情が違うと言われる。着物は心も、くつろぐし、本当に落ち着くね」と愛想を振りまき、この時ばかりは普通の「おじさん」に逆戻り。

○・・・この日、自民党本部では党役員の夫人懇談会が開かれ、3党首会談で欠席した橋本龍太郎総裁に代わって久美子夫人があいさつ。従軍慰安婦問題で設立された「女性のためのアジア国民平和基金」について「子供や孫の代まで(慰安婦問題を引きずって)もぞもぞしない方がいい。その意味でも頑張ってやっていきたいのでよろしくお願いしたい」と協力を要請した。日ごろから忙しい橋本氏に代わって地元の会合をこなしているだけあって、この日も23人の役員夫人が顔をそろえた会合をそつなく取り仕切り、内助の功を発揮。《共同通信》

【河野洋平外相】中国首脳と会談

河野洋平外相は19日、北京市内の中南海で李鵬首相、江沢民国家主席と相次いで会談した。李鵬首相は「1996年中の包括的核実験禁止条約(CTBT)交渉の妥結と調印を期待しており、そうなれば中国は核実験を停止する。いずれにしろ1年以内のことだ」と述べ、CTBT調印を条件に来年中の核実験停止を明言した。

河野外相は江主席に対し、民主化運動家の魏京生氏に対する有罪判決などを念頭に「人権は国際的に普遍的価値を持つ。各国に立場はあるが、普遍的価値の実現のため努力が必要だ」と述べ、人権問題での改善を求めた。江主席は回答しなかった。

河野外相は、経済協力促進のために中国側が投資受け入れ策に関して透明度を高め、情報公開に努めるよう求めた。これに対し李鵬首相は、円借款が円高で債務負担増となっていることに配慮を要請した。

一連の会談で今後の日中首関係を「未来志向」とすることでは一致。江主席はその条件としての歴史認識問題について①日本国内にある「逆流」を抑える②台湾と政府間交流を行わない−などを求めた。

河野氏は江主席の国賓としての来日を招請、主席は謝意を示した。《共同通信》

【新進党党首選】小沢陣営、私設投票箱を批判

新進党の党首公開選挙は19日夕、小沢一郎幹事長、羽田孜副党首による立会演説会と街頭演説会が札幌市内で開かれ、両候補がそれぞれ支持を訴えた。

一方、両陣営はあいまいな投票方法を逆手に取った集票合戦を展開、羽田陣営が街頭演説の際に設置している「私設投票箱」に小沢陣営がクレームを付けるなど、過熱気味だ。

両陣営が確保した一般国民用の投票用紙はそれぞれ400万枚前後とみられ、そのうち実際に投票する「歩留まり率」が勝負の分かれ目になる。「対話路線」を打ち出す羽田陣営は、後援会組織の弱い旧日本新党議員を中心に、街頭で投票用紙を配る姿が目立つ。街頭演説や集会の際「私設投票箱」を設置、その場で参加料の1000円を徴収する方式も奨励している。

これに対し小沢陣営は「本人が投票用紙を郵送する原則から外れ、ルール違反だ」と批判。18日には、羽田氏の東京・市ヶ谷での街頭演説に「見張り」の議員を派遣、投票箱を撤去させる一幕も。不正投票の決定や無効票数の推定方法など「公正さ」の確保に疑問が残る今回の選挙は、両陣営の疑心暗鬼を増幅させている。《共同通信》



12月19日のできごと