平成2530日目
1995/12/12
この日のできごと(何の日)
【坂本弁護士一家殺害事件】オウムに5億円賠償請求
坂本堤弁護士一家殺害事件で、殺された堤さん=当時(33)=と妻都子さん=当時(29)=の2人の両親計4人が12日、オウム真理教教団と麻原彰晃被告(40)、殺害の実行犯とされる教団元幹部早川紀代秀被告(46)ら計6人に総額約4億9000万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。
訴えたのは、坂本弁護士の両親の坂本良雄さん(64)、さちよさん(64)夫妻と、都子さんの両親の大山友之さん(65)、やいさん(61)夫妻。
提訴についてさちよさんは「裁判を通じて息子夫婦の無念を晴らしていきたい」と話しているという。
訴状などによると、麻原被告は平成元年11月、オウム真理教の被害者の相談活動などを続けていた坂本弁護士が、教団の活動の脅威になると考え、坂本一家の殺害を計画。
麻原被告から3人を殺害するよう指示を受けた早川被告ら幹部が同月4日未明、横浜市磯子区洋光台の坂本弁護士の自宅に押し入り、坂本弁護士と都子さん、長男竜彦ちゃん=当時(1つ)=の首を絞めるなどして窒息死させ、3人の遺体を新潟県名立町、魚津市、長野県大町市にそれぞれ埋めた。
訴状の中で原告側は「殺害は教団の幹部らにより組織的に実行され、犯行の動機も教団の防衛を目的とした組織ぐるみの違法行為で、教団にも不法行為の責任がある」としている。《共同通信》
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【目黒公証役場事務長監禁致死事件】審理入り
オウム真理教元幹部中川智正被告(33)の公判が12日、東京地裁(池田修裁判長)で開かれ、同被告が逮捕監禁致死罪などに問われた目黒公証役場事務長Kさん=当時(68)=監禁致死事件が審理入りした。罪状認否で中川被告は「事前に拉致の詳しい事情は言われていないが、仮谷さんが亡くなったことや死体損壊などの責任は私にあります」と起訴事実を認めた。
検察側は冒頭陳述で、教祖麻原彰晃被告(40)の指示を仰いだ村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=が「ポアするしかない」と殺害指示を出し、中川被告が信者に遺体の首を絞めさせたことを明らかにした。
冒頭陳述によると、麻原被告は教団を脱会しようと連絡を絶ったKさんの妹(63)の行方を聞き出すため、2月28日未明、幹部井上嘉浩被告(25)らにKさんの拉致を指示。薬物を使用するため医師の中川被告も加えた。
中川被告ら8人は同日午後4時半ごろ、東京都品川区上大崎三丁目の路上でKさんを拉致、麻酔剤を注射しながら山梨県上九一色村の教団施設「第2サティアン」に連れ込み、引き続き麻酔剤で妹の居所を聞き出そうとした。
うまくいかず、村井元幹部は中川被告に電気ショックでKさんの記憶を消す方法を相談。中川被告は「不完全で、犯行が発覚する危険がある」と答えた。村井元幹部は東京にいた麻原被告に状況を報告して指示を求めた後、中川被告に「ポアするしかない」と元信者IY被告(34)の名を挙げて「IYに首を締めさせろ」と指示した。
この直後の3月1日午前2時ごろ、Kさんは麻酔剤の大量投与で死亡したが、中川被告は死亡の事実を隠してIY被告に遺体の首をベルトで絞めさせた。遺体は中川被告らが地下室のマイクロ波焼却装置で焼き、遺骨を近くの本栖湖に捨てた。眼鏡などの不燃物は強い酸で溶かした。《共同通信》
【福井県・栗田幸雄知事】もんじゅ計画の見直しを村山首相に要請
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖炉「もんじゅ」で発生したナトリウム漏えい事故で、栗田福井県知事は12日午後、首相官邸に村山首相を訪ね、事故への対応が適切でないとして、現行の試験計画の白紙化など9項目を要請した。首相は「県民の気持ちになり原因究明を徹底するよう指示を出してある」と答えた。《福井新聞》
【村山富市首相】新勢力結集に意欲
社会党は12日午後、党本部で都道府県本部の委員長、書記長らによる代表者会議を開き、来年1月19日の新党結成大会開催を柱とする執行部案について協議した。
村山富市首相(党委員長)は、同19日に結党大会を開く場合の対応として「私は新しい党の党首になる意思はないことを確認しておきたい」と明言した。村山首相の新党首就任論が高まってきている中での首相発言は。久保亘書記長らが進める19日の結党大会開催に強い難色を示したもので、久保書記長との調整が迫られることになった。
また、首相は「新しい政治勢力が必要か、お互い共通の認識を持つべきだ」と述べるとともに、次期総選挙の選挙協力をにらみ、新党さきがけなどとの協議の場を年内にもつくることにあらためて強い意欲を表明した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・村山富市首相は12日、プロ野球のイチロー選手が推定年俸2億円を獲得したと聞き「その額に見合う活躍をしているからな」と感心することしきり。記者団から「イチローは大物になってもぜいたくをしないようだ」と感想を聞かれると、苦悩の絶えない首相のポストと二重写しになったのか「大物にならんほうがいいな」とポツリ。「清貧は首相にも相通じるが」と記者団が持ち上げると「そうじゃ清貧がいい」と気を取り直し「技量を磨いて頑張ってほしい」とエール。応援がほしいのは低支持率にあえぐ首相自身かも。
○・・・新進党の党首選挙で、羽田、小沢両陣営の仲介役を自任していた渡部恒三政務会長はこの日の記者会見で、一変して小沢一郎氏の支持を表明。「取りまとめのため中立でいてもらいたいとのアドバイスをされたが、党規約を見ると中立は不可能。(仲介の際)小沢君は私に白紙一任してくれたが羽田君は任してくれなかった」と中立放棄の弁明。「電車に乗っても会合に出ても小沢氏の命をかけた立候補に共鳴する声が響きわたっている。力強いリーダーシップを持つ政治家を求めている」としまいには応援団長は私と言わんばかり。《共同通信》
【キューバ・カストロ議長】初来日
キューバのカストロ国家評議会議長が12日夜、成田着の特別機で初来日した。中国、ベトナム両国訪問の帰途の非公式訪問で、13日に村山富市首相、河野洋平外相とそれぞれ会談する。
カストロ氏は空港に出迎えた三塚博日本キューバ友好議員連盟会長(元外相)と空港近くのホテルで会談し、「経済の自由化を進めているが、北の友人(米国)の経済封鎖がなくなることを一番願っている」と、キューバに対する米国の経済封鎖解除に強い希望を示した。さらに「わが国は主権国家として(米国の圧力をはね返すため)努力してきたことにサポートをいただきたい」と、日本の支援に期待を表明した。
これに対し三塚氏は「自由化を進めれば民主化も進む。北の友人とも共存共栄でいくように努力をしてほしい。(日本は)わが国の立場で努力していく」と答えた。
カストロ氏の来日はキューバ側の希望で実現した。首相や外相との会談では、同国が進めている経済自由化に協力を要請するとみられる。カストロ氏は14日朝、離日する。《共同通信》
【PL・福留孝介内野手】日生の練習に仲間入り
近鉄への入団を拒否し、社会人野球の日本生命入りが決まったPL学園の福留孝介内野手(18)が12日、大阪府吹田市の日本生命千里山グラウンドで入社決定後、初めての練習を行った。
この日、午後3時すぎに竹中野球部長と千里山グラウンドを訪れた福留は、早速ユニホームに着替えて早瀬監督やナインにあいさつ。トレーナーらにオフの調整の仕方がなどを開きながら約2時間、他のナインとは離れて、ランニング、キャッチボールなど軽いメニューで体を動かした。
練習を終えた福留は「正式に入社が決まった後なので」と緊張した様子も見せたが「体をつくって早く試合に出たい」と抱負を語った。早瀬監督は「スケールの大きな選手に育てたい」と将来の主軸として期待をかけていた。
福留は13日、チームのミーティングに参加。15日に終業式を終えた後、鹿児島の自宅に帰り、1月初めから大阪に戻って再び日本生命の練習に参加する予定。《共同通信》