1995 平成7年10月24日(火)

平成2481日目

平成7年10月24日(火)

1995/10/24

【オウム裁判】中川智正被告、初公判

地下鉄サリン事件の殺人、殺人未遂罪など5事件で起訴されたオウム真理教の事実上の「法皇内庁長官」中川智正被告(32)の初公判が24日、東京地裁(池田修裁判長)で開かれた。

検察側は冒頭陳述で警察の強制捜査が迫ったのを察知した教祖の麻原彰晃被告(40)=殺人罪などで起訴=が、警察に打撃を与え首都中心部を大混乱に陥れようと、地下鉄でサリンをまくことを決意し信者らに実行させた、と指摘。1万件を超える証拠を提出した。

地下鉄サリン事件の全容が法廷で明らかになったのは初めて。26日に初公判を迎える麻原被告は一層苦しい立場に追い込まれた。《共同通信》

「サリンを合成し、袋詰めしたことは間違いありません」。24日開かれた中川智正被告(32)の初公判。逮捕時と同じ丸刈りの同被告は、法廷によく響く声でサリン製造を認めた。しかし麻原彰晃被告を今も「尊師」と呼び、多数の死傷者を生んだ地下鉄サリン事件についての後悔や反省の言葉は最後まで開かれなかった。

午前10時前、東京地裁で最大の104号法廷へ中川被告は足を大きく開いて入廷。柔道の有段者でがっちりした体。「現在は無職です」。冒頭の人定質問ではやや胸を張った。濃紺のブレザーに綿のズーボン。逮捕時、以前の中川被告を知る人たちがその険しさに驚いた目付きには落ち着きが戻った。

「まずあのー、サリンを発散させる計画について尊師とかが共謀したことは事前に知りませんでした」。あらかじめ考えていた言葉を思い出すかのようにやや間をおいた後、起訴事実について淡々と答える中川被告。池田修裁判長を見つめ、静かに訴えかけるようなロぶりだ。「どこで発散させるか具体的計画は聞いていなかった」

元信者のOさんのリンチ殺害に加わったことは認めたが、「Oさんが苦しそうなので楽にしてあげようと思った」と「ほう助」であることを強調した。

起訴状朗読や冒頭陳述では、手を握り締めたり、つばを飲み込む様子も。検察官が地下鉄事件の死亡者名簿を読み上げるとじっと目をつぶって天井を仰いだ。法廷から去る際には傍聴席を見渡し、一人一人の顔を確認するしぐさを見せた。

「金もうけなんて考えない医者になりたい」。医学生時代、家族にこう漏らしていた同被告は受け持ちのがん患者を救えず、医師としての無力感から出家して6年。被告となったいまは「医師にはふさわしくない」と自ら資格抹消を申請し、肩書を捨てて法廷に立った。《共同通信》



【 JR北海道、四国、九州】運賃引き上げを申請

経営不振に陥っているJR北海道、四国、九州の3社は24日、平均7〜8%値上げし、初乗りを160円とする運賃引き上げを運輸省に申請した。各社とも幹線は利用客の多い近距離区間を中心に引き上げたのが特徴。運輸省は上げ幅を圧縮して運輸審議会の答申を経た上で、来年3月までに認可する見通し。

JRグループの値上げは、1989年の消費税導入時を除くと87年の民営化以来初めて。業績が好調な東日本など本州3社との間で運賃格差が生じ、グループ内同一運賃体系の原則は崩れる。《共同通信》

【プロ野球・沢村賞】巨人・斎藤雅樹投手

プロ野球創設期の名投手だった故沢村栄治氏を記念した沢村賞の選考会が24日、東京都内のホテルで開かれ、両リーグで最多の18勝をマークした巨人の斎藤雅樹投手が選ばれた。6年ぶり2度目の受賞で、賞金300万円と金杯が贈られる。

選考会ではグロス(日本ハム)チェコ、山内(ともに広島)ブロス(ヤクルト)も候補に挙がったが、15勝、200投球回、150奪三振などの選考基準をクリアする斎藤雅が選ばれた。《共同通信》

【プロ野日本シリーズ第3戦】ヤクルト7−4オリックス

プロ野日本シリーズ第3戦は24日、神宮海場に3万2000人を超すファンを集めて行われ、両軍合わせてシリーズ新記録の43選手が出場した総力戦は延長十回、池山のサヨナラ3点本塁打でアクルトが7−4でオリックスを下し3連勝、2年ぶり3度目の日本一にあと1勝とした。

七回に2−4とびっくり返されたヤクルトは八回に1点を返し、九回は先頭のミューレンが本塁打を放って延長戦に持ち込み、延長十回一死二、三塁で池山が日本シリーズ史上11本目のサヨナラ本塁打を左翼席へ打ち込んだ。

イチローを三番に据えたオリックスは頼みの平井が打ち込まれ、1敗もできない状況に追い込まれた。第4戦は25日、午後6時30分から神宮球場で行われる。《共同通信》

【河野洋平外相】米・モンデール駐日大使と協議

河野洋平外相は24日午前、外務省にモンデール駐日米大使を招き、沖縄の基地問題について協議し、既に合意している26案件に加え基地の整理・統合、縮小を達成するために、日米合同委員会より高いレベルの新たな協議機関を設けることで一致した。11月の日米首脳会談までに、協議機関のメンバーや運営方法について合意する方針。

日米地位協定の刑事裁判手続きに関する特別専門家委員会の話し合いについては、河野外相が早急に結論を出せるよう米側の協力を要請、同大使は「閣僚レベルのぎりぎりの調整が行われている」と説明した上で「最善の努力をする意向を表明、速やかに合意に達するよう日米双方が努力することで一致した。

また大使はペリー国防長官の基地縮小を含め検討の用意があるとの発言について説明、東アジア地域の現状の展開兵力を維持する基本政策に変更がないことを伝えた。会談後、大使は記者団に「(長官は、兵力の)削減に言及したわけではない」と述べた。

会談で河野外相は村山富市首相の「日米安保体制を堅持するという政権の方針は不変だ」とのメッセージを伝え、沖縄県民や国民の理解を得るためペリー長官やクリントン大統領の来日の際に沖縄の基地問題をはじめ日米安保について話し合うことが重要だと強調した。

外相は、基地問題について当面は26案件の解決に全力を挙げるとの考えを示した上で「中長期的に日米安保の目的達成と調和させつつ基地の整理・統合を進め、その結果として沖縄県民の希望している基地の縮小につながることが必要だ」として、新たな協議機関の設置を提案。大使は「異論がない」と了承した。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】国連50周年記念の集いにご出席

国連憲章発効から50年たった24日、外務省主催の「国連50周年記念の集い」が、東京都千代田区の日本武道館で開かれた。天皇、皇后両陛下がご出席、村山富市首相、河野洋平外相ら約5000人が参加し、国連による国際協力の重要性について理解を深めた。

冒頭あいさつした村山首相は「半世紀を経た国連は、核軍縮、人口問題などの課題に対応できるよう機能強化の努力が行われており、日本国民も改革の責任を負っている」と、国際社会に積極的な貢献をしていく決意を述べた。

続いて、天皇陛下から「国連が恒久平和の実現と人類社会の福祉の増進に十分に貢献するように期待する」とお言葉があった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は24日、劉宇一・中国広西芸術学院副院長から、紺の背広姿で目を細めてほほ笑む肖像画を贈られ「すばらしいね」と大感激。土井たか子衆院議長を描くために来日したが、首相の人柄にひかれて百号の大作を三日間徹夜で完成させたという劉氏。「首相の眉が長寿を表し、目は神々しい。手が力強い。内存する力が現れています」と絶賛すると、首相は「神々しい?まだ内存する力があるっていうことでしょうか」と顔をほころばせご満悦。特徴ある眉で長寿の見立てを受けたが、果たして政権延命への効果のほどは?

○・・・自民党の塚原俊平党改革実行本部長はこの日の役員連絡会で、河野前執行部が鳴り物入りで導入した党の愛称「JF(ジェイ・エフ)」をやり玉に挙げ「国民に受け入れられていない」とばっさり。太陽に二人の人間をあしらったシンボルマークも「評判が良くない。本当にこのままでいいのか討議してほしい」と注文をつけた。「古くてダサイ」(森喜朗前幹事長)自民党のイメージを一新し、若者や女性のうけを狙ったが、参院選で挫折。橋本体制では自民党らしさをアピールし、支持回復をもくろんでいるだけに前執行部の置き土産はもはや無用の長物。《共同通信》

【皆既日食】アンコールワットで観測

世界最大級の石造寺院が闇に覆われた瞬間、参道を埋めた観衆に感嘆のどよめきが広がった−。24日、イランから東南アジアの一部地域にかけ観測された皆既日食。カンボジアのアンコールワット遺跡周辺では、欧米や日本などからの天文ファンや観光客、住民ら1万人近くが約2分間、息をのんで見詰めた。

午前11時(日本時間午後1時)、頭上近くにあった太陽が見る見るうちに小さくなった。一筋になった光が消えると、カンボジアの伝承で「太陽を隠す魔物を退治する」という大太鼓の低い音が響き、皆既日食の開始を告げた。水星や金星が姿を現して、地平線近くにたなびく雲が金色に輝く。

この日は夜明け前から200人以上の天文ファンが望遠鏡を設置して陣取り、部分日食のため焼け付くような日差しが弱まり、めっきり涼しくなった午前10時には、続々と集まった住民らで参道はあふれ返った。《共同通信》

【米・クリントン大統領】中国・江沢民国家主席と会談

クリントン米大統領と江沢民中国国家主席(党総書記)はニューヨークで24日午後(日本時間25日早朝)、首脳会談を行い、今年6月の李登輝・台湾総統の訪米で冷却化した両国関係の修復を確認するとともに、軍事分野などに加え、環境やエネルギー問題など新たな分野での対話を再開、拡大していくことで合意した。

台湾問題では「一つの中国」政策の原則などをあらためて確認。両首脳の意思疎通を円滑にするため、両国間では初めてのホットラインとなる電話とファクスの直通回線の設置を検討することでも一致した。

会談後、米中双方とも「関係は改善した」(ロード米国務次官補)、「正常化への重要な一歩」(陳健中国外務省報道局長)と成果を強調。両首脳は11月に大阪で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に再び首脳会談を開くことでも一致した。《共同通信》

【国連創設50周年記念総会】閉幕

国連創設50周年記念総会は24日、ちょうど半世紀前に国連が正式に発足した日に合わせ、安全保障理事会の拡大など21世紀に向けた国連の活性化をうたった「国連50周年宣言」を、コンセンサス(投票なしの全会一致)で採択し閉幕した。

国連の歴史を刻む記念総会の宣言が拡大を明記したことで、米国など5常任理事国が圧倒的な力を持ち続けてきた安保理を、半世紀の国際社会の変化に合わせて変革しようとする流れは止められないものとなった。

記念総会は、177の国連加盟国の元首、首相、外相らと、23の地域機関などの代表が出席する空前の首脳会議(サミット)ともなり、世界で唯一の普遍的な国際機関である国連に対する各国の期待の高さを浮き彫りにした。

宣言は前文、平和、開発、平等、司法、国連機関の6項目から成り、焦点である安保理改革について「特に安保理はその能力と有効性を強化するため、拡大されるべきだ」と断言。加盟国間の主な見解の相違については「さらなる深い協議」を通じた合意づくりを促した。

また、国連の活性化、役割の強化を提唱。女性の参加、国連活動全体での非政府組織(NGO)の活用を求める一方、国連史上最悪の財政危機を反映して「加盟国は分担金支払い義務を期限までに果たさなければならない」と明記した。

しかし、宣言も各国元首らの3日間の演説も、地域紛争や民族主義に揺れる冷戦後の国際社会への処方を示せていない。新時代の国連の青写真を描くという記念総会の目標は、今後の実務レベルの協議にゲタを預けた形となった。《共同通信》



10月24日のできごと

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