平成1299日目
1992/07/29
この日のできごと(何の日)
【バルセロナ五輪・体操男子団体】日本、銅メダル獲得
第25回オリンピック・バルセロナ大会第五日は29日、21競技に熱戦を展開。体操男子団体総合で日本が健闘して3位に入り、3大会連続の銅メダルを獲得するとともに、1956年のメルボルン大会から続いている。団体の連続メダル(不参加のモスクワを除く)を確保した。池谷幸雄、畠田好章(ともに日体大)らの活躍で得点を伸ばし、規定での3位を守ったもので、ミスが出れば他の選手がカバーするチームワークの銅メダルでもあった。
チームの一員、相原豊(日体大)は父親の信行さん(57)、母親の愛子さん(53)がともに五輪の体操でメダルを獲得しており、日本では史上初の親子メダリストとなった。
柔道では金メダルが期待された男子86キロ級で岡田弘隆(マルナカ)は準々決勝で敗れ、敗者復活戦から勝ち上がっての銅メダルにとどまった。男女計6階級を終えて日本柔道はまだ優勝がない。
競泳では決勝に3選手が進み、男子200メートル平泳ぎの渡辺健司(早大出)が7位に入ったのが最高。女子200メートル平泳ぎで14歳の金メダリストになった岩崎恭子(静岡・沼津五中)は100メートル平泳ぎでは決勝に進めず、13位にとどまった。《読売新聞》
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【キリンビール】英で製造販売
キリンビールは29日、イギリスの準大手ビール会社、チャールズ・ウェルズ社(本社・英ベッドフォード)と、イギリスにおける製造・販売の提携で合意したと発表した。日本のビール会社が、イギリスを含むヨーロッパで生産をするのは初めて。現地での販売開始は来年2月の予定。
合意内容は、同社による①イギリスでのライセンス生産と販売②その他ヨーロッパ諸国向けの委託製造―で、いずれの場合も「ラガー」330ミリ・リットル瓶と500ミリ・リットル瓶が対象になる。
初年度の販売数量は、イギリスでのライセンス生産分が5万ケース、ヨーロッパでの委託製造分が10万ケースの計15万ケースを見込んでおり、3年後には合わせて35万ケースを目指す。ライセンス生産分については、ウェルズ社がイギリス国内に持つ直営パブ300店などの販売網を活用し、委託製造分は、キリン・ヨーロッパ(本社・独デュッセルドルフ)が受け持つ。いずれもプレミアム・ビールとして販売するという。
【吹上新御所】上棟式
天皇、皇后両陛下のお住まいとなる吹上新御所(仮称)建設工事の上棟式が29日午前、藤森宮内庁長官や工事関係者など約70人が出席して皇居内の同御所建設地で行われた。
昨年10月から始まった工事は順調に進んでおり、今後は今年度末の完成を目指して屋根や内装工事などが行われ、来年秋には両陛下が赤坂御所から引っ越される。新御所は鉄筋コンクリート造り一部二階建てで、延べ床面積は約4500平方メートル。
建物は、内外からの客をもてなす公室棟と両陛下と紀宮さまの私室棟、側近らが詰める事務棟の三棟から成っている。《読売新聞》
【民社党・新間正次氏】「明大入学」は誤り
参院選愛知選挙区で初当選した民社党公認の放送タレント、新間正次氏(57)が選挙公報や報道機関に対し学歴としていた「明治大政経学部入学」の事実がないことが29日までに明らかになった。
明治大の岡野加穂留学長は民社党に対し「公党が国会議員という公職の者について、ない事実をあるようにいうのは極めて遺憾」と電話で抗議した。
新間氏自身はコメントしていないが、同党の大川信也・愛知県連書記長は「公報作成時に抹消を指示したが、事務的なミスでうまく伝わらなかった」と、意図的な学歴詐称ではなかったと強調している。
選挙公報によると新間氏は昭和28年に県立蒲郡高校卒業後、明治大学政経学部に入学したとされていた。また報道機関の経歴照会に対しても「昭和30年に明大中退」などと回答していた。《共同通信》
【宮澤喜一首相】政治改革「党首会談で合意図る」
宮澤首相は29日昼、首相官邸で開かれた都道府県議会議長との懇談会であいさつし、政治改革について、「党首会談などの場を通じ、できるだけ合意を図っていきたい」と述べ、来月6日に予定されている与野党党首会談で衆院定数是正を始めとした関連法案について、基本的合意作りを目指したいとの考えを表明した。同時に、「実質的な臨時国会でこの問題をできるだけ早急に立法化し、実現したい」とし、秋の臨時国会冒頭での政治改革関連法案成立に改めて前向きな姿勢を示した。
また、首相は景気対策の柱の一つである地方単独事業について、「今後、9月補正予算などで、地域の実情に即した住民生活に身近な社会資本整備を地方単独事業として実施してほしい」と述べ、同事業の拡充を求めるとともに、地方自治体が発行する起債による元利償還を積極的に支援する考えを強調した。《読売新聞》
【ホネッカー元東独国家評議会議長】逮捕
避難先のモスクワ郊外のチリ大使館を29日出たエーリヒ・ホネッカー元東独国家評議会議長(79)は、同日午後8時(日本時間30日午前3時)過ぎ、ロシア特別機でベルリン・テーゲル空港に到着した。ドイツに戻るのは1年4か月ぶり。「ベルリンの壁」逃亡者射殺の罪で逮捕令状を出していたドイツ捜査当局は、ただちに同元議長を逮捕し、同市モアビット未決拘置所に移送した。
入所後の医師による診断の結果、拘置に耐えられると判明したが、本人が保釈申請をすれば、裁判官がその可否を検討する。同元議長の帰国により、国境での発砲命令の最高責任者に対する裁判が、今年中に開かれる見通しとなった。
サビーネ・ロイトホイサー・シュナレンベルガー独法相は、復讐や政治的責任を問うのが裁判の目的ではなく、あくまで殺人罪に関するものであり、同元議長は、公正な裁きを受けることができるとの談話を発表した。しかし、同元議長の弁護士は、モスクワからの移送は独政府の意向で強引に行ったもので、裁判は政治的なものになると反発している。
これまでかたくなに帰国を拒んでいたホネッカー元議長が、本国送還を覚悟で在モスクワ・チリ大使館を離れたことから、保釈の保証を独政府が与えたとの推測が出ているが、政府報道官はこれを否定し、同元議長は拘置所で一般の被疑者と同様の処遇を受けると述べた。《読売新聞》