平成2470日目

平成7年10月13日(金)

1995/10/13

【坂本堤弁護士一家殺害事件】麻原被告ら6人を起訴

坂本弁護士一家事件で、オウム真理教の教祖麻原彰晃被告(40)が捜査当局の調べに対し「坂本堤弁護士=当時(33)=宅を見に行った教団幹部から電話で『弁護士一人だけを殺すのは無理』と言われたため、一緒にいた妻都子さん=同(29)、長男竜彦ちゃん=同(1つ)=の殺害も指示した」という内容の供述をしていたことが13日、分かった。

麻原被告が都子さん、竜彦ちゃんの殺害指示について具体的供述をしたのは初めて。捜査当局は同事件への麻原被告の全面的な関与を裏付ける供述とみて注目しているもようだ。

これまでの供述によると、麻原被告は平成元年11月2日ごろ、静岡県富士宮市の教団総本部に「建設省大臣」早川紀代秀被告(46)、教団幹部岡崎一明容疑者(34)ら実行グループ6人を集めた際、早川被告らから「坂本弁護士がいては来年2月の衆院選を戦えない」と言われ、同弁護士の殺害を指示した。

3日深夜、坂本弁護士宅に行った早川被告、岡崎容疑者から公衆電話で「家族3人一緒に寝ている。押し入って弁護士だけ殺すのは無理」と言われ、3人一緒に殺害することを指示したという。

早川被告ら実行グループはこれまでの調べに対し、麻原被告から「一家3人をポアしろ」などと指示された、と供述している。

坂本弁護士と都子さんは、大学時代のボランティア活動で知り合い、昭和59年に結婚。坂本弁護士が司法試験の浪人中だったため、都子さんが弁護士事務所に勤めて家計を支えた。

子供好きの夫婦が待ち焦がれていた竜彦ちゃんは63年8月に生まれた。休日には一家3人で公園に行くなど、仲の良い家族だったという。《共同通信》

坂本弁護士一家殺害事件で東京地検は13日、殺人罪でオウム真理教教祖麻原彰晃被告(40)ら5人を追起訴、1人を起訴した。麻原被告は犯行の指示を認め「(坂本弁護士の長男)竜彦ちゃん=当時(1つ)=殺害については後悔がある」と供述。他の5被告も犯行を認めているとされる。

教団と対立する弁護士とその家族が殺害された事件は、捜査の曲折もあり発生から約6年もかかったが「殺人をも正当化する麻原被告独自の教えを背景にした組織的犯行」(同地検)と断定され、ようやく決着した。

同事件の起訴で、一連のオウム事件の捜査は大きなヤマを越えた。捜査当局はさらに平成元年の信者リンチ殺害容疑の捜査に着手する見通しだが、教団を一連の事件に駆り立てた背景などについても、調べを進める方針だ。

追起訴されたのは、麻原被告のほか「建設省大臣」早川紀代秀(46)、事実上の「法皇内庁長官」中川智正(32)、「自治省大臣」新実智光(31)、「自治省」所属端本悟(28)の4被告。起訴は元教団幹部岡崎一明容疑者(35)。麻原被告の起訴は今回が6回目。

起訴状などによると、麻原被告らは共謀の上、平成元年11月4日未明、横浜市磯子区の弁護士坂本堤さん=当時(33)=の自宅アパートに押し入り、坂本さんと都子さん=当時(29)=の首を絞め、長男竜彦ちゃんの鼻と口をふさぎ、3人を窒息死させた。

堤さんの遺体は新潟、都子さんは富山、竜彦ちゃんは長野の各県で山林などに埋められたが、死体遺棄罪はすでに公訴時効となっている。

犯行は麻原被告を除く早川被告ら5人と教団「科学技術省大臣」故村井秀夫元幹部=当時(36)=の計6人が実行。麻原被告は早川被告らから「坂本弁護士がいては(出馬予定の平成2年の衆院選挙を戦えない」と言われ、殺害計画。犯行の2日前に、6人を集めて「ポアしろ」と指示したされる。

坂本さんは元年5月、出家信者の親から相談を受け、その後「オウム真理教被害者の会」を中心となって結成。殺害される直前には、元信者が教団への寄付の返還を求める訴訟を準備し、教団の儀式などについても疑問の目を向け、調査を進めていた。

麻原被告ら6人は坂本さんの遺体が発見された9月6日から7日にかけて、坂本さん殺害容疑で逮捕され、同月22日に都子さんと竜彦ちゃん殺害容疑で再逮捕された。《共同通信》



【TBS系連続ドラマ・未成年】放送開始

【セ・リーグ】全日程を終了

プロ野球、セ・リーグは13日、今季の公式戦全日程を終了した。2年ぶり4度目の優勝を果たしたヤクルトは球団最多の82勝を記録、2位は広島で、連覇を狙った巨人は3位に終わった。4位横浜は16年ぶりに勝ち越した。中日は5位、阪神は4年ぶりの最下位に沈んだ。

打撃タイトルは江藤(広島)が39本塁打、106打点で二冠に輝いた。首位打者はパウエル(中日)で打率3割5分5厘で2年連続。史上6人目の「3割、30本塁打、30盗塁」を記録した野村(広島)は173安打を放ち2年連続で最多安打のタイトルを獲得。盗塁王は47個で緒方(広島)で初、最高出塁率はオマリー(ヤクルト)が4年連続4度目で獲得した。

投手部門は斎藤雅(巨人)が18勝でセでは最多となる4度目の最多勝と187個で初の最多奪三振のタイトルを手にした。防御率はブロス(ヤクルト)が2.33で外国人投手では1964年のバッキー以来の1位。佐々木(横浜)は39セーブポイントで2度目の最優秀救援投手となった。《共同通信》

【大相撲】パリ公演

大相撲のパリ公演は13日、パリのベルシー総合スポーツセンターに約1万人の観衆を集めて開幕、幕内力士32人(寺尾ら5人は欠場)によるトーナメント戦は、曙が貴乃花との横綱同士の決勝を制して優勝した。

貴賓席にシラク・フランス大統領やチベリ・パリ市長らを招いて開会。ちびっ子相撲などの後、両横綱が前日に東京から届いたばかりの綱を締めて土俵入りを披露した。

9年ぶりの大相撲に熱狂する観客にこたえるように、力の入った取組を展開。準決勝では、貴乃花が兄の若乃花、曙が武蔵丸をぞれぞれ倒して決勝に進出。大一番は曙が貴乃花を寄り切り、シラク大統領から優勝杯を授与された。

観客が一番沸いたのは、琴錦が北勝鬨に一本背負いを仕掛けたときだった。元柔道選手らしく「柔道の人が(席に)いたから、やってやろうと思った」と琴錦。鮮やかに投げ飛ばして軍配を受けたが、先に自分の右ひざが土俵に触れており、物言いがついて敗戦。観客からはブーイングが起こっていた。《共同通信》

【村山富市首相】日韓併合条約「実質的に不平等」

村山富市首相は13日の衆院予算委員会で1910年の日韓併合条約について「形式的には合意として成立している。条約としてあった訳だから認めざるを得ない」と法的には有効であったと認めながらも「締結にあたり、(日韓)双方の立場が平等であったとは考えていない」と述べ、実質的に不平等条約だったとの見解を表明した。

首相は、宗教法人法改正に対する反対論が宗教界に多いことに関連し「宗教団体の意見だけで処理できる問題ではない。国民的立場に立って検討して結論を出すべきだ」と述べ、宗教界の動向には左右されず、予定通り法案を提出する考えを強調した。《共同通信》

【自民党】女性議員、幹事長にかみつく

自民党執行部が女性議員の意見を党運営に反映させようと13日開いた「女性国会議員懇談会」で、加藤紘一幹事長が田中真紀子氏らから党運営の在り方について痛烈な批判を浴びた。

「橋本龍太郎総裁を支えて自民党の第三の黄金期を目指そう」という加藤氏のあいさつに続き、女性議員が発言。初めは「女性の視点をもっと生かして」など穏やかな雰囲気だったが、若手の野田聖子衆院議員が「橋本総裁−加藤幹事長体制だけで国民は党が変わったとは見ない。女性の登用が必要。逆差別などとみみっちいことは言わないで」と口火を切った。

これに加藤氏が反論したあたりからとげとげしい空気に。田中氏は「橋本総裁誕生で党が活性化するという考えは甘い」と断言。さらに「人気のある委員会の委員はベテランが取るが、居眠りしたり欠席したりしている。質問を義務づけるべきだ」などとまくしたてた。

あまりの勢いに加藤氏も「確かにそういうところがある。これからは質問の義務化も必要かもしれない」と応じたが、田中氏は「これからじゃもう遅い」と追い打ち。ポスト橋本の一番手といわれる加藤氏だが、舌ぽうにたじたじの様子。橋本総裁は日程の都合がつかず欠席した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・深谷隆司自治相は13日、「衆院予算委員会はぶっ通しで8時間続くだろ。精神修養になるよ」と記者団に愚痴をこぼした。「これまで閣僚が中座するときは、与党の理事に手を挙げて合図すればよかったんだが、野党理事がそれではけしからん、野党にあいさつしろと要求してきた」と内情を暴露。「ところがしばらくすると、いちいち面倒くさいからあいさつは要らないと言う」。注文をつけたのが選挙区のライバル、鳩山邦夫氏(新進)だったことで不快感が増幅されたのか、うんざりした様子。武闘派理事として予算委で名をはせた深谷氏の精神修養は当分続きそう。

○・・・自民党の亀井静香組織広報本部長はこの日、党本部で開かれた党女性国会議員との懇談会の部屋に入るなり、華やいだ雰囲気に「秋の花じゃなくて、春の花のようだ。ダイヤモンドのような人たちだ」と、精いっぱいの褒め言葉。山東昭子参院議員が「枯れ尾花と言うと問題ですもんね。先生も(お世辞が)お上手になりましたね。党の役職に就くと」。少し遅れて来た田中真紀子前科技庁長官は「亀井先生が女性担当?自民党の人材不足もここまできたの」。形勢悪しと見極めた亀井氏、後は加藤紘一幹事長に任せて早々に退散した。《共同通信》

【ボスニア紛争】北西部で戦闘続く

英BBC放送などによると、ボスニア・ヘルツェゴビナ全土での停戦発効から丸2日近く経過した13日夜になっても、北西部のサンスキモスト、プリエドールでは、イスラム教徒・クロアチア人両勢力と、セルビア人勢力の間で砲撃を含む激しい戦闘が続いている。これ以外の地域では停戦は順守されているもよう。

砲撃にさらされているプリエドールに住んでいたセルビア人住民4万人が家を捨て、東方に避難を始めた。国連防護軍はイスラム教徒、クロアチア人両勢力が停戦を無視、セルビア人勢力の最大拠点バニャルカに向け進撃を続けているとの懸念を示している。

セルビア人勢力の指導者カラジッチ氏は13日、米国に対し、イスラム教徒、クロアチア人両勢力に停戦を順守させるために影響力を行使するよう要請した。《共同通信》

【フィリピン】「水死した」邦人男性、実は生存

フィリピン国家警察犯罪捜査本部当局者は13日、大阪府警からの保険金詐欺未遂事件の捜査に関する共助要請を受け、有印私文書偽造容疑で大阪府和泉市、中古車販売業、M容疑者(47)を12日逮捕したことを明らかにした。

調べによると、M容疑者はことし1月、マニラ市内でジョギング中にマニラ湾に誤って転落し、水死したように装うため、マニラ首都圏に在住する長男(19)に死亡証明書と火葬証明書を取得させた疑い。日本国内でかけていた多額の保険金を詐取しようとした嫌疑も持たれている。

捜査本部は今年夏、大阪府警から「実際は生存しているのではないか。調べてほしい」との要請があり、保険金詐欺未遂の容疑である点の説明も受けた、という。その後の捜査で、マニラ首都圏バレンスエラ地区の住宅地にある長男の妻の実家にいるとの情報を入手、12日午後、近くで身柄を拘束した。

当局者は、大阪府警の要請で逮捕したと述べ、帰国中とみられる長男も共犯とみて調べる方針だ、と指摘した。

捜査本部でM容疑者は共同通信の取材に対し、保険金詐欺未遂事件について「何も知らない。自分が死亡したことになっていたのは知っていた。息子がだまされ、こういうことになった」と語った。

在マニラ日本大使館などによると、M容疑者は昨年10月ごろからマニラを訪れ、ことし1月に家族から大使館に「水死した」と連絡があった。当時、大使館側はM容疑者の「遺品」とされる身の回り品を見せられただけで遺体確認はできなかった。今回の逮捕を受け、日本大使館当局者らが筆跡などから本人とほぼ確認した。《共同通信》



10月13日のできごと