平成2419日目

1995/08/23

この日のできごと(何の日)

【台湾総統選挙】李登輝総統が出馬表明

台湾の李登輝総統(72)は23日、国民党大会が来春行われる初の総統直接選挙の同党候補選出の予備選の方法を決定したのを受けて2期目の出馬を表明した。これに対して反主流派の林洋港・党副主席(68)は予備選に参加せず、党外から出馬することを宣言、国民党の再分裂は必至となった。

一方、中国は6月の李総統の訪米以来、総統批判キャンペーンを激しく展開。7、8月と相次いで台湾北方海域で軍事演習を実施し、李総統の出馬に圧力をかけており、中台関係の改善は困難な状況となった。

2日間の日程で開かれた大会は、31日に実施する総統予備選について、約1900人の党大会代表によって行うとの主流派の方針を圧倒的多数の賛成で採択、閉幕した。

閉幕のあいさつをした李総統(国民党主席)は、直ちに演壇の下に降り「長期にわたって慎重に考えた結果、予備選に参加することを決定した。各代表の支持を願いたい」と述べ、出馬を宣言した。

一方、反主流派の中心的指導者である郝柏村・前行政院長(首相)、林副主席は李総統が出馬宣言する前に会場を退席、亀裂の深さをうかがわせた。

林副主席は同日午後記者会見し、総統選立候補に必要が市民の署名を集めて、党外から出馬することを宣言し「荘厳な民主の大道を歩む」と題した声明を発表、自らが主張した全党員による投票で予備選を実施するとの方針が受け入れられなかったことを「民主に反した決定」と、主流派を批判した。

林氏は李総統の姿勢を外交優先政策などと批判したが、副主席の地位は依然継続すると表明、離党はしない方針を明らかにした。このため党中央は総統選が本格化した段階で除名処分にする見通しだ。

総統選では、李総統、林副主席のほか、陳履安・監察院長(58)が国民党を離党して出馬を表明、さらに統一促進派の新党の王建煊・前財政部長(56)が立候補。独立を掲げる最大野党の民主進歩党は、候補者決定のための市民投票を実施中で、9月末に最終決定するが彭明敏・元台湾大学教授(72)が有力視されている。《共同通信》

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【福岡ユニバーシアード大会】開幕

学生スポーツの祭典、1995年夏季ユニバーシアード福岡大会は23日、福岡市中央区の福岡ドームで開会式を行い、華やかに開幕した。過去最多の121カ国・地域を上回る史上最多の164カ国・地域がエントリー。戦後50年の節目に、戦禍や民族の違いを乗り越えて世界の若人が集い、平和の祭典をアピールした。《共同通信》

【Jリーグ・ニコスシリーズ】第4節

Jリーグ・ニコスシリーズ第4節(23日・市原臨海競技場ほか=7試合)名古屋グランパスが鹿島アントラーズを2−1で下し、開幕4連勝で首位をキープ。ヴェルディ川崎はジェフ市原に1−3で敗れ、リーグ連勝記録は「15」でストップした。柏レイソルは2−0で浦和レッズに快勝。清水エスパルスは横浜マリノスを1−0、横浜フリューゲルスもジュビロ磐田を2−1で下した。

前シリーズ精彩を欠いた柏、清水、横浜Fの3チームはいずれも3連勝と好調。ガンバ大阪はサンフレッチェ広島に5−2と大勝、ベルマーレ平塚はセレッソ大阪を延長の末、1−0で破った。G大阪、平塚とも今シリーズ初白星。《共同通信》

【六甲ライナー】全線で運行再開

阪神大震災で橋げたが落下したり駅舎が崩壊するなど大きな被害を受けた神戸新交通の六甲ライナーが23日の始発から、神戸市内の住吉ー魚崎間(1.2キロ)で運転を再開。全線開通にこぎつけた。これで被災地の鉄道網は震災から218日ぶりに全面復旧した。《共同通信》

【自民党総裁選】中曽根氏、橋本氏を支持

橋本龍太郎通産相は23日、都内の事務所に中曽根康弘元首相を訪ね、自民党総裁選に出馬することを伝えた。中曽根氏は「橋本氏の政策・政治姿勢を支持する」と述べ、総裁選で橋本氏を支持する考えを表明した。

中曽根氏は「新保守、自由主義を軸足にして、労組を中心とした中道勢力にも勢力を伸ばすべきだ。また自民党の独自性を尊重していってほしい」と要望した。

さらに景気回復を最重点におくように要請。そのために政権を取った場合には「株価が上がるような人気のある人材」を経済閣僚に登用すべきだと提案した。《共同通信》

【村山富市首相】新党は幅広く結集を

村山富市首相は23日午前、仙台市内で開かれた自治労定期大会であいさつし、社会党の新党構想について「あれがいい、これが悪いと(人を)選別するのではなく、理念と政策に賛成の人は集まってくれとの方法がとれるならいい。苦しみや痛みを乗り越えたところに新しい時代がある」と述べ、理念と政策に賛同する幅広い勢力の結集を目指す考えを表明した。

さらに「新党をつくるのに役に立つのなら捨て石にもなる」と述べ、新党の党首に自らがなる考えはないことを示唆した。

また「官官接待」問題について「あること自体がおかしい。会議の弁当代は常識的に考えてもいいが、料亭での特別な接待はやめた方がいい」と強く批判、廃止するよう求めた。

首相は新党について「『第三極』は第三党のことになってしまう。政権を担うもう一つの党を目指して努力することが大事だ」と述べ、政権担当能力のある政党をつくっていきたいとの考えをあらためて示した。

このほか国連安保理常任理事国入りについては「日本が買って出るものではない。環境問題などで貢献し、世界から信頼される国になることが大事だ」と述べ、慎重な姿勢を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は23日、仙台市で開かれた自治労定期大会に出席。あいさつの冒頭「何か言うとすぐマスコミに取り上げられる。首相になったばかりに言いたいことも言えない」と気疲れする心境を吐露したが、話が進むにつれて「『官官接待』なんていう言葉があること自体おかしい」と、次第にボルテージが上がった。最後には「新党をつくるには捨て石になってもいい。最後のご奉公だ」と“遺言”めいた一言も。同労組は首相の出身母体だけに、日ごろ新党構想には慎重発言が目立つ首相も、この時ばかりは舌の滑りも滑らか。

○・・・中曽根康弘元首相はこの日、自民党総裁選に立候補宣言した橋本龍太郎通産相のあいさつを受けた。この後記者団と懇談した中曽根氏は、橋本氏支持を明言。「強い政権をつくるには公選でやることが大事だ、と私の経験を話した」と、橋本氏が所属していた旧田中派の支持で総裁選を圧勝、長期間政権を担当した経験から公選を強く主張した。さらに「私の所へは旧渡辺派の人がよく来る。閣僚経験者も週一回集まって飯を食っている。そういう連中とは(橋本氏支持の)話にはなる」と、票の取りまとめに乗り出す意欲もにおわせ、まだまだ枯れる気配はなし。《共同通信》

【河野洋平外相】カンボジア・シアヌーク国王と会談

カンボジア入りした河野洋平外相は23日、シアヌーク国王とプノンペン市内で会談、「日本としてはカンボジア支援を今後とも、できる範囲で続けたい」と述べ、カンボジアの経済復興に向けて引き続き協力していく方針を表明した。国王はカンボジアでの国連平和維持活動(PKO)をはじめとする日本の支援に謝意を表した。

河野外相はこの後、ラナリット第一首相、フン・セン第二首相とも会談し「カンボジア復興のための総合的な経済計画の青写真づくりに協力したい」と提案、中期的な復興計画策定に日本が協力することで両首相と合意した。

会談でラナリット第一首相は「日本はカンボジア和平と復興の両面で最も大きな役割を果たした」と協力を評価。フン・セン第二首相は1969年以来、内戦で中断したままになっている日本の円借款の早期再開を要請した。

河野外相は会談後、プノンペン市の電気通信網整備を目的とする17億円の無償資金協力に関する書簡をイン・フォット外相と交換した。このほか、シアヌーク国王は政争続きの国内情勢について「大きな流れの中では小さな事件にすぎない。98年の総選挙が行われれば、政治は安定する」として、国内の政治的安定に自信を示した。《共同通信》



8月23日 その日のできごと(何の日)