平成1363日目

平成4年10月1日(木)

1992/10/01

【ダイエー・門田博光選手】プロ生活に幕

近鉄0-1ダイエー◇1日◇平和台

門田のラストスイングは、23年間のプロ野球人生でこだわり続けたフルスイングだった。野茂が投げた147キロの速球にバットは見事に空を切った。最後の打席は一回の一死二塁で回ってきた。三球三振。これまでなら苦渋の表情でベンチに引き揚げてきた男が、この日ばかりは満足感あふれる面持ちで帰ってきた。

「何もかもやり尽くし、自分なりにトライし尽くし、すべてが終わったなあという感じ」衣笠(広島)の1587に次ぐ史上2位の1520個目の三振に胸を張り、誇らしそうに振り返った。《共同通信》



【ダイエー・田淵幸一監督】辞意表明

ダイエーの田淵幸一監督(46)は1日、平和台で行われたダイエー―近鉄21回戦終了後「私の気持ちもいいフィニッシュをした。これで私の仕事も終わった」と契約の切れる今年限りで監督辞任を明らかにした。

3年前に「明るさと抜群の知名度」で杉浦監督からバトンを受けた田淵監督は、初年度は最下位に終わり、昨年53勝で5位。今季は14年連続Bクラス脱出を狙って巻き返しを図ったが、ダイエーが総力を挙げて建設したドーム球場での開催権獲得も難しい状況。

正式表明は全試合が終了したあとのオーナー報告会で行われるものとみられるが、次期監督には西武ライオンズの根本陸夫管理部長が有力視されている。

田淵監督の話「あと7試合は全力を尽くしてやる。Aクラスに入って選手にいい思いをしてもらいたい。勝っても負けても、笑顔で別れたい」《読売新聞》

【平和台球場】43年の歴史に幕

数々の名勝負が展開された福岡市・平和台球場の灯が1日、静かに消えた―。

開設以来43年間、西鉄、太平洋、クラウン、そしてダイエーの本拠地球場として、プロ野球の歴史を見守ってきた平和台は、この日のダイエー—近鉄戦が最終公式戦となった。来季からは、同市内に完成する日本初の開閉式の福岡ドーム球場にバトンタッチする。

昭和25年に開設以来、平和台は、九州唯一のプロ野球フランチャイズ球場として名勝負の舞台となってきた。西武に球団譲渡後、空白の10年を経て平成元年、ダイエーの本拠地となって再び球音が響いたが、それも、公式戦はこの日が最後。試合終了後、サヨナラセレモニーが行われ、球場を埋めた3万4000人のファンが名残を惜しんだ。

球場ゆかりの人は、それぞれの思いをかみしめた。現在巨人打撃コーチの中西は、横浜球場のベンチで「その時」を迎えた。「ワシはあの球場に育ててもらったようなもの」と感慨深げ。評論家の稲尾は、名古屋でテレビ解説中。「最後の試合はこの目で見たかった」と、寂しそうだった。《読売新聞》

【金丸信前自民党副総裁】活動再開

佐川急便事件で刑事罰を受けた自民党竹下派の金丸前副総裁が1日、約1ヶ月ぶりに政治活動の舞台に復帰した。これを受けて竹下派は、党内の立て直しと金丸氏の国会証人喚問が焦点となる臨時国会乗り切りに全力を挙げる。

また宮沢首相も混乱回避のため内閣改造、党役員人事を臨時国会後に先送りする意向を固めており、党、国会運営における金丸氏を中心とした竹下派の協力を改めて要請する考えだ。

しかし金丸氏をめぐる疑惑解明の過程で明らかになった竹下内閣誕生の際の暴力団の介在などに対する厳しい国民世論を背景に、野党が金丸氏を標的に攻勢を強めるのは必至。金丸氏が副総裁辞任以前のような政局運営の主導権を確保するのは極めて厳しい状況だ。《共同通信》

【宮沢喜一首相】駆け足内遊

宮沢首相は1日、静岡県下のごみ処理場と福祉施設を相次いで訪れ、自ら掲げる「生活大国」実現に向けた地方視察をスタートさせた。首相の内遊は、就任以来初めてで、佐川問題で下降し始めた内閣支持率のテコ入れを図る狙いもあるものと見られる。

この日、首相はまず浜松市平和最終処分場で最新のごみ破砕選別設備や約7万平方メートルの埋め立て処分場を見学。案内役の栗原勝市長」一の説明にうなずく一方、「市民の負担はどうなっているか」などと質問していた。

この後、首相は浜北市の社会福祉法人「天竜厚生会」に足を運び、デイサービスセンター、障害者の自立のための福祉工場や特別養護老人ホームを見て回った。福祉工場では、ガスのメーター器具の製造部門を視察しながら、職員に「景気の影響はどうか」などとたずね「環境、福祉の宮沢」をアピール。しかし、それぞれ30分から1時間のあわただしさで、駆け足視察の印象はぬぐえなかった。《読売新聞》

【大阪市西成区】あいりん地区で騒ぎ

大阪市西成区のあいりん地区内にある市立更生相談所で1日、労働者向けの援護資金の対象を絞ろうとしたため労働者らが猛反発、一時、約700人が同相談所付近に押し寄せた。夜に入っても、市バスへの投石や放置自転車への放火などが続発、阪堺電気軌道が運転を見合わせるなど混乱した。大阪府警警備部と西成署は警備本部を設置した。

金を借りられない労働者と職員との間でもみ合いが起き、午前11時、窓台を閉鎖した。収まらない労働者ら約80人が建物を取り囲み、投石で窓ガラス約10枚が割れ、ドアも壊された。このため府警は、機動隊のほか、西成署員など1500人体制で警戒に当たったが、夕方には、群衆は一時約700人に増え、付近の自転車やオートバイ数十台に次々に放火、市バス1台にも投石が相次いだ。阪堺電軌の軌道敷にも自転車などが投げ込まれ、踏切の警報機なども壊されたため、午後9時半から住吉—恵美須町間で上下線とも運行がストップした。

市によると、この援護資金は、当座の生活費などに、困った労働者に、一回2000円を限度に融資するもの。これまでは一日20件程度だったが、最近の不況で貸付件数が急増し、“パンク”状態になったという。

群衆は深夜から2日未明になっても、約300人がとどまり、投石や、駐車中の車、自転車などへの放火を繰り返した。《読売新聞》

【米大統領選】ロス・ペロー氏が出馬表明

大詰めの92年米大統領選で動向の注目されていた、テキサス州の実業家ロス・ペロー氏(62)は1日、同州ダラスで記者会見し、独立候補として立候補することを正式に表明した。これによって大統領選は共和党のブッシュ大統領、民主党のビル・クリントン候補とペロー氏の三つどもえの戦いとなった。

ペロー氏はさる7月の立候補辞退声明後もボランティア組織「ユナイテッド・ウィ・スタンド・アメリカ」(UWSA)を通じて各州での署名請願運動を続け、立候補準備を進めてきた。7月の辞退声明でその人気は大きく下落したものの、現状批判のクリントン支持票と、南部などのブッシュ大統領支持票をそれぞれかなり侵食することは確実。クリントン優位のまま、あと1か月となった選挙の帰すうに、複雑な影響を与えると見られる。《読売新聞》



10月1日のできごと