平成2336日目

平成7年6月1日(木)

1995/06/01

【警視庁】松本サリン事件もオウム

オウム真理教への徹底捜査を進めている警視庁など捜査当局は1日までに、昨年6月、長野県松本市で7人が死亡、200人以上が負傷した松本サリン事件について、教団代表で教祖の麻原彰晃容疑者(40)の指示で実行された教団の組織的犯行と断定。

捜査当局は6日にも行われる地下鉄サリン事件での刑事処分を待って、殺人などの容疑で麻原容疑者や教団幹部らを再逮捕する方針を固めた。警視庁は長野県警との合同捜査本部を設置し事件の全容解明を急ぐ。

調べによると、実行犯は教団「厚生省大臣」遠藤誠一容疑者(34)ら5、6人とされ、犯行に使われたサリン製造を認めたとされる「化学班」責任者土谷正実容疑者(30)も再逮捕される見通し。事件は発生から1年ぶりに解決に向かう。

警視庁は遠藤容疑者ら幹部をさらに追及、麻原容疑者の指示の具体的な内容や実行グループの特定に向け、詰めの捜査を急いでいる。

捜査当局は松本サリン事件について、サリンを用いた手口が地下鉄事件と共通していることや逮捕した教団幹部から関与を認める供述が得られたことなどから、地下鉄事件捜査の延長上にあると判断。両サリン事件の早期解決を目指すとともに、横浜の坂本弁護士一家失跡事件など残る教団絡みの重要事件にも捜査態勢が整い次第、本格着手するとしている。

捜査当局によると、地下鉄事件で逮捕された土谷容疑者はこれまでの調べに対し、松本事件に使用することを知りながら「科学技術省大臣」の故村井秀夫氏の指示で事件前にサリンを生成したことを認める供述をしているという。

また逮捕された教団幹部から「遠藤容疑者が現場にいた」「犯行にはレンタカーが使われた」などの供述が得られたとしている。《共同通信》

長野県松本市のサリン事件はオウム真理教による犯行と1日、断定された。長野県警捜査本部は発生直後から、現場近くに住む第一通報者の会社員河野義行さん(45)に捜査の焦点を絞り、自宅を捜索したり、異例の長時間聴取まで行った。

しかし、こうした「見込み捜査」に偏り過ぎたため、他の可能性が視野に入りにくくなり結果的に解明を遅らせてしまった。

河野さんは「初動のミスがあったのに、警察は見込み捜査で後戻りができなかった。被害者の私に対し根拠もないのに自白を強要した。わび状の一つでも持ってきてほしい気持ちだ」と話している。

事件が起きた昨年6月27日深夜、県警は「何が起こったのか全く分からず」(捜査幹部)、当初はサリンが発生したとみられる現場一帯の立ち入りを禁止せず、足跡採取もしなかった。

翌28日、被疑者不詳の殺人容疑で河野さん宅を捜索、物置から多数の化学薬品を押収したことで、捜査本部内には「これで決まり」の空気が強まり、見通しの誤りが定着する形になってしまった。

その後、有毒ガスがサリンと判明、押収した薬品からはサリンが生成できないと分かっても方針は変わらず、河野さんの交友関係洗い出しに重点が置かれた。

7月末、河野さんが退院した直後の「参考人」としての事情聴取は7時間余に及び「おまえが犯人だろう」と詰問するなど事実上容疑者扱いだったという。

当時、報道の関心も河野さんに集中、河野さん宅には嫌がらせの電話がかかり、睡眠も妨げられるほどだった。事件に巻き込まれた河野さんの凄、澄子さん(47)は現在も被害者の中でただ一人、入院したままだ。

県警の捜査幹部は「結果で判断されるのは仕方ないが、考えられることは一生懸命やった」と話している。《共同通信》



【大阪府・横山ノック知事】試練の初答弁

大阪府議会本会議が1日午後開かれ、横山ノック(山田勇)知事の所信表明に対する議会各会派の代表質問が行われた。

知事のタレント活動などで知事を追及、圧倒的多数が野党の無党派知事にとって試練の幕開けになった。

自民党や社会・府民連合などは、横山知事が選挙中に議会運営を「密室。談合」と批判していたことを取り上げ、「議会の名誉を傷付けた」と謝罪を要求。横山知事は「言葉足らずだった」と答えた。また、タレント活動を追及された横山知事は「公務最優先だが、もし時間的に余裕があったら(テレビなどに)出たい」と述べた。

自民党は知事の答弁が「的確に答えていない」として再質問に立つことを拒否し紛糾、約2時間議会がストップ。

さらに、夜に入り共産党が16日に予定されている知事後援会設立のパーティー券購入についてただすと、横山知事が「回り回って(券がゼネコンなど企業に)行くことがある」と答えたため、議会は再び中断、会期を一日延長した。《共同通信》

【東京都・青島幸男知事】首相らに陳謝

東京都の青島幸男知事は1日午後、世界都市博覧会の中止を決めたことについて、村山首相をはじめ都市博関係閣僚を訪問して「閣議了解までいただきながら、大変迷惑をかけます」と陳謝し理解を求めた。

国は平成5年、出展企業などに税制上の優遇措置を取るなど都市博に協力する閣議了解をしている。“おわび行脚”を終えた知事は都庁で記者会見し「過酷なスケジュールになっても理解を求めていかなければならない。耐えていく」と語った。

午後2時前、首相官邸を訪れた青島知事は硬い表情。村山首相から「いろいろ内外の影響が大きいから苦渋の選択だったでしょう」と声を掛けられると「そうです。やせました」と小声で答えた。さらに首相が「十分健康に注意してください。東京都政は大きいから」と話し掛けたが、知事はこわばった笑みを浮かべただけだった。

次に面会した五十嵐官房長官は「後始末が大事だから、いつでも気軽に相談に来てください。世論調査では都民に支持されているし、新しい風が求められている」と語ったのに対し、青島知事は「ぜひそうさせてください。そう思っていただければ助かります」と低姿勢だった。

都市博と同様、運用か中止かをめぐって議論された長良川河口堰の運用を決めた野坂建設相は「あなたと比べられると頭が痛い」。和やかなムードで「少しでもお楽に。都が決めることだから」と励まされた知事は「肩の荷が下ります」と恐縮していた。

青島知事はこのほか運輸、自治、大蔵の各大臣と主催団体の東京フロンティア協会の平岩外四会長に面会した。《共同通信》

【村山富市首相】辞任要求を拒否

村山首相は1日午後、衆院本会議での災害対策基本法改正案質疑の答弁で「阪神大震災や地下鉄サリン事件、急激な円高など課題が山積している」と連立政権の抱える政治的責務を正面から打ち出し、辞任する考えのないことをあらためて強調した。

新進党の小坂憲次氏が「妥協の政策ばかりで、だれも責任をとっていない」と辞任を求めたのに対して答えた。首相は昨年6月からの政権を振り返り「特殊法人の見直し、地方分権の推進、税制改革、年金改革、被爆者援護法など懸案となってきた困難な課題に区切りをつけてきた」と成果に言及した。《共同通信》

【政界談話室】

○…五十嵐官房長官は1日の記者会見で、サハリン地震への日本の人的支援を「北方領土返還が目当て」としたエリツィン・ロシア大統領の発言について、ソスコベツ第一副首相の「大統領は日本はじめ外国の支援を感謝すると言っていた」という言葉を紹介し「(大統領発言は)誤報だろう」。記者団が「テレビでも放映していた」と指摘しても「そのように思う」。さらに「テレビは見なかったのか」と聞かれると「見てません」とぶ然。対ロ感情を荒立てないようにとの配慮からのようだが、村山首相がこの後の衆院本会議で大統領発言に遺憾の意を表明しただけに、五十嵐氏の配慮は空回り。

○…この日の新進党役員会で、渡部幹事長代理は参院選の候補者擁立に触れ「早急に空白区の候補者を決定しようということになった」と、選対本部協議結果を報告。小沢幹事長も「不戦敗を防ぐ意味でも、何が何でも候補者を出さなければならない。地元の意向に沿ったものとしたい」とげきを飛ばし、衆参の協力態勢づくりを確認した。ところがその直後、市川政務会長が、近日中に参院に提出される高齢社会対策基本法案に触れ「参院と衆院の連絡が十分取れていない。参院の中でさえ連絡不足だ」と不満を漏らすなど、衆参の一体感はいま一つ。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】連立維持を強調

自民党の森喜朗幹事長の在職25年表彰を祝う会は1日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで各界から関係者約2500人が出席して開かれた。同幹事長は「今後も3党で村山政権をしっかり支えるのが責務だ」と、自社さきがけ連立政権を維持していく考えを強調した。

森氏はあいさつの中で、自民党の単独政権復帰について「党はまだリハビリ中であり、一党で(政権を)狙うには完全ではない」と述べ、当面、連立による政権運営が必要との認識を示した。また、無党派層の台頭に関連し、「政治が分からないと言われているが、国民にも激動の時代の政治状況を知ってほしい」と、理解を求めた。

会の世話人を代表して自民党の河野総裁が党執行部の結束の強さをアピールしたほか、社会党の久保書記長、新党さきがけの武村蔵相らが祝辞を述べた。会場には、政界のほか財界や芸能、スポーツ界関係者も駆け付け祝福した。《共同通信》

6月1日のできごと