平成2250日目

平成7年3月7日(火)

1995/03/07

【富山地裁】食管法は違憲でない

無許可で自由米(ヤミ米)を販売し、食管法違反、酒税法違反の罪に問われた富山県婦中町、農機具販売業川崎磯信被告(58)に対する判決公判は7日、富山地裁で開かれた。

下山保雄裁判長は争点となって食管法について「社会経済政策上の法的規制措置であり、公共の福祉に適合する」として合憲との判断を示した上で、「被告の行為は法秩序の見地から見て到底許容できない」として罰金300万円(求刑・懲役1年、罰金300万円)の有罪判決を言い渡した。

同裁判長はまた「違反行為は食糧管理制度自体に矛盾が内在していたことが要因」と初めて食管法の矛盾を認めた。同判決は昭和57年の改正食管法の施行以来、ヤミ米に関する初の司法判断となった。

同裁判長はまずコメ小売業者の許可制度について「いかなる需給変動に対しても、流通段階で滞ることく円滑に生産者から消費者に届くように安定的に供給することが目的の措置で、公共の福祉に適合し、立法府の合理的裁量を逸脱しているとはいえず、法に違反しているとはいえない」とし、許可制は職業選択の自由に反して憲法違反であるとする被告側の主張を退けた。

また新食糧法で登録制を採用したことは食管法で許可制を採用したのと同様の目的で合理的との判断を下した。

同裁判長は量刑理由について「公判継続中も犯行を繰り返すなど悪質。商人として利潤追求の面があったことは否定でない。他方、食管法に含まれる矛盾点などを指摘し、その手段を別にすれば、コメ流通の新しい秩序の構築を目指したことも認めざるをえない」とし、「体刑をもって臨むのは適当でなく、食糧法で定める罰金刑が相当」と述べた。

情状面では「違反行為の多くが事実上黙認されている」と食管法の不備を指摘した上で、「このような違法な状態の背景には現行の流通規制や政府米の需給操作が実態に適合しなくなった事情があり、食糧管理制度自体に矛盾が内在していたことが一因」と初めて食管法の矛盾に言及した。《北國新聞》



【石原信雄氏】都知事選出馬を正式表明

統一地方選の目玉となる東京都知事選候補問題で、石原信雄前内閣官房副長官(68)が7日午後、都内のホテルで記者会見し、無所属で出馬することを明らかにした。

都知事選には石原氏のほか、岩國哲人前島根県出雲市長(58)、上田哲前社会党衆院議員(67)、大前研一平成維新の会代表(52)、黒木三郎早大名誉教授(73)が既に立候補を表明しており、この有力5氏を中心に争われることがほぼ固まった。青島幸男参院議員(62)も出馬を検討している。《共同通信》

【村山富市首相】外国人選挙権「各党前向きに検討を」

村山首相は7日の参院予算委員会で、定住外国人の地方選挙県に道を開く憲法判断を示した先の最高裁判決について「判決は尊重されなければならない。できれば前向きに各党が検討され、国民の意見も聞いて判断されるべきだ」と述べ、前向きに幅広く議論していく必要があるとの認識を示した。

首相は検討の際の問題点として(1)選挙権を付与する外国人の範囲(2)国と地方自治の関係ーなどを挙げた。平成会の中村鋭一氏の質問に答えた。《共同通信》

【村山富市首相】「首相就任は天命」

村山首相は7日の参院予算委員会で、自民党の吉村剛太郎氏に「あるべき宰相論」を求められ「首相になろうと一度も考えたことはなかったが、天命ということもあるのかと受け止めてやっている」などと、率直に心境を吐露した。

首相は「こんなことをここで言っていいか分からないが」と切り出し「初当選以来、私はずっと福祉問題に専念し、社会党委員長や首相になろうと一度も考えたことはない」と告白。「そういう私がこういう立場になったのは、歴史的な何らかの役割を与えられたからではないか。先人に大いに学び、後世にいいものを残したい」と結んだ。与党席からは大きな拍手が沸いたが迫力不足の答弁に不安を感じたのか、吉村氏は「遠慮されることはない。力強くリーダーシップを発揮してほしい」と必死で首相を元気づけていた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は7日、東京協和、安全両信組の前理事長に対する国会証人喚問に絡んだ話題を記者団とひとくさり。社会党の衆院予算委理事だった当時を思い出し「(証人喚問の)追及の役は先輩にお譲りして、僕は運営をどうするかに徹していた」と、下支えの心構えと気楽さを懐かしそうに語った。しかし今や立場が変わって、逆に野党の追及の矢面に立たされる政府のトップに。「この役は先輩に譲れませんね」と水を向けられると「そりゃそうじゃ。僕は何でも受けて立ちますよ」。二信組問題で波乱含みの国会も勝算ありか?

○…自民党の森幹事長はこの日の党役員連絡会で、5日の党大会の盛況ぶりを報告した。「これまでの党大会は席がガラガラだった」とあえて説明しながら、今回は会場のホテルに約2700人が詰め掛け、立ち見の人まで多数出たことにご満悦の様子。キャンペーンガールや楽団の起用、「JF」の愛称や新シンボルマークを発表して「ニュー自民党」をアピールしたことを「新しい試みをしたが、無事終わった」と自画自賛した。しかし一方では国会の不戦決議に反対する声が高まるなど、以前のタカ派体質が首をもたげ気味で、二-ュー自民党の定着はまだまだ先か。《共同通信》

【最高裁】「集会の自由」制限に枠

大阪府泉佐野市が関西新空港反対集会に市民会館を使わせなかったのは憲法の「集会の自由」に違反するかどうか、争われた損害賠償訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(大野正男裁判長)は7日、「公共の集会場の使用を拒否できるのは、集会で人命、身体、財産が侵害されるなどの明白な危険がある場合に限られる」と初の憲法判断を示した。

右翼の妨害による混乱を理由として日教組の集会などを断るケースが少なくないが、判決は公安条例などによる「集会の自由」の制限に厳しい枠をはめ、自治体の条例運用に影響を与えそうだ。泉佐野市に対して大阪府と兵庫県の住民らが44万円の損害賠償を求めた訴訟そのものについては、請求を退けた一、二審判決を支持して上告を棄却した。

判決はまず、過去の大法廷判決を引用しながら、公共施設の使用拒否は、集会の自由とほかの基本的人権とを比較検討した上で「明白かつ現在の危険が迫っており、それを防止する必要性が集会の自由に優先される場合に限る」ことが必要と判断。

その上で①集会の目的、主催団体の性格そのものを理由に不許可とするのは許されない②主催者が平穏な集会を計画しているのに、ほかの団体の妨害が予想される場合に使用を拒否するのは憲法違反の恐れがある―などと一般的基準を示した。

このケースについては、付近住民らの身体、財産などが侵害されることが客観的事実によって明らかに予見されたとして、請求棄却を妥当と結論づけた。

【料理研究家・土井勝さん】死去

テレビの料理番組で知られる料理研究家の土井勝さんが7日午後2時20分、肝臓がんのため大阪市住吉区の自宅で死去した。74歳。香川県出身。

大阪の割烹学院、海軍経理学校経て32歳の時、料理学校を創設。NHKの「おせち料理」のほか、テレビ朝日系の料理番組「土井勝おかずのクッキング」を長年担当するなど数多くの料理番組に出演する一方、海外との食文化交流活動を手掛けた。妻信子さんとの共著で「おふくろの味」「料理のあとさき」など著書が多数ある。《共同通信》



3月7日のできごと