平成2195日目
1995/01/11
この日のできごと(何の日)
【村山富市首相】米・クリントン大統領と会談
村山首相とクリントン米大統領が11日午前11時半からホワイトハウスで会談し、首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軽水炉転換支援の国際共同事業体「朝鮮エネルギー開発機関」(KEDO)の資金負担問題で「意味のある財政的役割を果たす」として、従来よりも踏み込んだ表現で積極的に取り組む意向を表明した。
両首脳は会談後記者会見し、戦後50周年の節目に当たって、日米安全保障体制の堅持を「共通認識」として再確認。首相は新たな日米関係を構築していくための「創造的なパートナーシップ」を大統領に提唱したと述べた。大統領は日米包括経済協議の自動車・同部品分野の進展を促した。
両首脳の会談は3回目。河野外相、クリストファー国務長官らが同席、昼食を挟んで約2時間行われた。
首相は軽水炉転換支援に関する現地調査やKEDO事務局経費の負担にも応じる考えを示した。大統領は「米国は引き続き指導的役割を果たし、KEDOの活動に財政的貢献をする」と。述べた。
日米安保体制に関連して、大統領は施設返還など沖縄の米軍基地問題解決に努力するようモンデール駐日大使に指示したことを明らかにした。首相は「在日米軍の駐留経費を含め努力する」と、1995年度末で期限切れとなる駐留経費負担の特別協定継続を念頭に、財政的支援をしていくことを強調。日米安保体制に広範な支持を得られるよう、米軍基地の整理統合について米側の努力への期待を表明した。
大統領は日米包括経済協議のうち未解決の自動車・同部品分野に触れ「貿易不均衡の6割になる」と指摘、交渉進展への努力を要請。首相は貿易収支改善、規制緩和推進に積極的に取り組む姿勢を示した。
また21世紀に向けた日米関係強化のため、首相は米国からの留学生を約1000人受け入れることを提唱したほか、両首脳は両国の地球的規模の共通課題(コモン・アジェンダ)に新たに「開発途上国の女性支援」を加えることで一致した。《共同通信》
◇
村山首相とクリントン米大統領は11日午後(日本時間12日未明)、首脳会談終了後ホワイトハウスで共同記者会見を行った。大統領は「日米間では、50年前には想像できなかった大きな協力関係が生まれてきている。日米の強いつながりは次の世紀に向けてもますます強化されていくだろう」と指摘。首相も「今日の会談を出発点として日米の創造的パートナーシップ増進に努力したい」と応じ、戦後50年を機に日米関係を強化、発展させる必要性を強調した。
大統領は、米国が今年計画している第二次世界大戦の戦勝記念式典に関し「50周年を記念してあのような戦争が二度とあってはならないと確認すると同時に、将来のわれわれの責任は何かを突き止めていきたい」と述べ、式典を未来志向的なものとする意向を示した。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軽水炉転換支援について首相は、昨年の米朝合意を高く評価し「意味のある財政的役割を果たす」と表明したが、具体的援助額については言及を避けた。一方、大統領は日本との貿易赤字解消のため自動車・自動車部品分野の交渉の前進の必要性を強く求めた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【米・クリントン大統領】不戦を強調
クリントン米大統領は11日の記者会見で対日戦勝50週年記念式典に村山首相を招待するかについて「実際、どのようにするかはまだ決めていない」と述べた。また、記念行事について「あのような戦争は二度とあってはならないということを確認すると同時に、将来、我々の責任は何か、というものを突き止めていきたいと思う」として、日米間の感情が対立するような形は避け、友好関係を継続していくことを誓う性格と位置付けていることを示唆した。《読売新聞》
【政界談話室】
○…自民党の小渕副総裁は11日のテレビの対談番組の録画撮りで、20日に召集の通常国会について「最大野党の新進党は自民党の総裁、幹事長をした人が率いている。自民党にいて野党の姿を見て来た人がどう臨むか、関心が深い」と海部、小沢両氏をやんわりけん制。さらに「かつて野党は自民党内閣に重箱の隅を突っつくような質問をしてきたが、今回は堂々とシャドーキャビネットを作っている」と、“抵抗野党”だった社会党もついでに皮肉るなど、政権復帰後、初の通常国会にしては妙に余裕。
○…自治労の後藤森重委員長は同日午後の「緊急全国委員長会議」であいさつ。社会党の政策集団「新民主連合」の動きについて「重要な段階にきている。これからの取り組みの具体策の合意もしたい」と述べて、話が核心に入るかと思いきや、後藤氏自ら「記者の人はこの辺で退席してください」。さわりの部分では会場から報道陣をシャットアウトしてしまった。社会党や村山政権の行方にかかわる問題だけに、社会党の最大支持労組の委員長としてはピリピリせざるを得ないか。《共同通信》
【新進党】副議長を再度要求
衆院議院運営委員会は11日、与野党理事間の非公式折衝で、20日召集の次期通常国会の委員会構成などを協議した。新進党側は前国会に引き続き副議長ポストを要求したほか、20の常任委員長ポストを会派の人数構成に応じ比例配分するよう求めた。
常任委員長ポストについては、新進党が現状維持の6委員長を取る方向で決着する方向だ。しかし副議長問題では、新進党内に「要求が入れられなければ、20日の首相の施政方針演説は認められない」と攻勢を強める動きも出ており、召集日ぎりぎりまで折衝がもつれ込む可能性もありそうだ。
新進党は「与野党で正副議長を分け合い、議会の運営に責任を持つのがあるべき姿」(森本議運委理事)との主張を崩していない。これに対し、自民党は「副議長問題は絶対に譲れない」(国対幹部)として、継続協議を目指す方針。
昨年の臨時国会冒頭、当時の野党「改革」は副議長ポストを要求して本会議をボイコットしたが、与党側は「世論の批判を浴びた愚は再び犯さないだろう」(国対筋)と、新進党もそう強気に出ないとの読みがあるようだ。《共同通信》
【大相撲初場所】4日目
大相撲初場所4日目(11日・両国国技館)横綱、大関陣はそろって力強い取り口で勝った。横綱貴乃花は琴の若をもろ差しで寄り切り2日目から3連勝、横綱曙は関脇琴錦を豪快な右すくい投げで全勝を守った。大関貴ノ浪は久島海を小手投げから浴びり倒して4連勝。大関武蔵丸は舞の海を押し倒して連敗を免れた。大関若乃花は浜ノ島が巻き替えにきたタイミングをとらえた一気の寄りで4戦全勝とした。小結武双山も剣晃を会心の押しで下して土つかず。新関脇の魁皇は小結安芸乃島に敗れて1勝3敗。平幕の琴別府と大翔鳳が4連勝と好調だ。《共同通信》
【チェチェン共和国・ドダエフ大統領】和平交渉の用意
インタファクス通信によると、ロシア・チェチェン共和国のドダエフ大統領は11日、共和国首都グロズヌイ近郊で記者会見し、ロシアとの紛争は「交渉の席に着いて一気に解決」できると語り、和平交渉の席に着く用意を表明した。
ロシアが提案した二日間の停戦案は失敗したが、なお政治解決を目指す立場を強調することで、数日中にも予想されるロシア軍の大攻勢をけん制する狙いがあるとみられる。
大統領が報道陣の前に姿を現すのは、昨年12月21日以来。ロシア側から既に実権を掌握していないとの情報も流されているため、あらためて存在を誇示する意味もある。
大統領は「家が燃えている時は消火が先だ。それができて初めて別の話ができる」と述べ、共和国の独立問題など双方の立場が正面から対立している問題には触れずに、まず停戦を実現すべきだとの考えを明らかにした。《共同通信》