平成2163日目
1994/12/10
この日のできごと(何の日)
【新進党】旗揚げ
野党の「新進党」は10日午後、横浜・みなとみらいの国立横浜国際会議場(パシフィコ横浜)で結党大会を開いた。衆参両院議員214人と自民党に次ぐ大政党が誕生したことは、1955年の左右社会党の統一と、自由、民主両党の「保守合同」以来の大規模な政党再編成であり、昨年の細川連立政権誕生に続く政界再編のうねりは新たな段階を迎えた。
新党首の海部俊樹元首相は決意表明で自民、社会、さきがけの連立による村山政権について「国民が不信感を持っている。明るく公正な社会をつくれるなら協力するが、できないなら代わっていただく」と述べ、政権奪回への意欲を強調した。
今後、来春の統一地方選、夏の参院選、さらに次期衆院選を通じ党勢拡大を目指す構えだ。
大会では、海部党首、羽田孜(旧新生党党首)、石田幸四郎(旧公明党委員長)、米沢隆(旧民社党委員長)の各副党首、小沢一郎幹事長(旧新生党代表幹事)、市川雄一政務会長(旧公明党書記長)、中野寛成政審会長(旧民社党書記長)の「党五役」を正式に了承。「自由・公正・友愛・共生」の理念を掲げた結党宣言を市川政務会長が読み上げた。
小沢幹事長はあいさつで自らを「咸臨丸のかじを取るジョン万次郎」になぞらえ「進路」を阻む荒波は守旧派」と自社さ連立政権への対決姿勢を鮮明にした。また大会では①「たゆまざる改革」と「責任ある政治」の推進、国民参加型政党の創造など一を柱とする綱領②当面する重点政策のシャドーキャビネットに当たる「政権準備委員会」設置や、1年以内の次期党大会開催を盛り込んだ規約ーを決定した。
新進党には、新生、公明新、日本新、民社、自由、みらい、高志会、旧改革の会、リベラルの会の9党派が大同団結した。《共同通信》
村山富市首相「祝福します」</p
村山首相は10日夕、新進党が結成されたことについて記者団に対し「いいことじゃないですか。新しい党ができて、みんなで国民のために虚心に話し合ってね。祝福します」と語った。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【柿沢弘治前外相】「自由党」を再結成へ
柿沢弘治・旧自由党党首(前外相)は10日、新進党への不参加を表明するとともに、「自由党」を復活させる考えを表明した。新党準備会に加わっていた旧各党の党首で新進党不参加を表明したのは初めて。
柿沢氏は同日の結党大会を欠席したうえで、コメントを発表し、「新進党が新しい政治の担い手として役割を担えるかどうか疑問を感じる」と指摘。今後の活動については「(新進党不参加の)佐藤静雄氏(旧自由党常任幹事)とともに、自由党にとどまり、自由党立党の理念に従ってさまざまな改革に取り組む」との意向を示した。
旧自由党は、新進党発足を前に他党との合併に調印、9日付けで解党手続きをとっており、柿沢氏としては「自由党」を再結成する考えだ。柿沢氏は周辺に「選挙を戦うためだけに集まったような体質について行けない。自民党を離党したときからのスジを通したい」と漏らしていたという。《読売新聞》
【第12回福岡国際女子柔道大会】第1日
第12回福岡国際女子柔道大会第1日は10日、福岡市の福岡国際センターで4階級を行い、日本勢はアジア大会金メダリストの阿武教子(福岡・柳川高)が72キロ超級で2連覇を果たした。現役復帰後初の国際試合に臨んだ田辺陽子(ミキハウス)は、決勝でウラ・ウェルブルック(ベルギー)に敗れた。
アジア大会無差別級決勝と同じ顔合わせとなった72キロ超級決勝は、ポイントを先行された阿武が、終盤の鮮やかな内また透かしで喬艶敏(中国)に逆転勝ち。72キロ級の田辺は、1回戦からすべて一本勝ちと快調に勝ち進んだが、決勝は欧州チャンピオンのウェルブルックの強引な投げに屈した。
66キロ級はバルセロナ五輪優勝のオダリ・レベヒメネス(キューバ)、61キロ級は世界チャンピオンのゲラ・バンデカバヤ(ベルギー)が順当勝ちした。《共同通信》
【ジャンプ・船木和喜選手】W杯初優勝
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは10日、プラニツァ(スロベニア)で開幕。ノーマルヒル(極限点=K点92メートル)第1戦を行い、海外のW杯に初出場した19歳の船木和喜(デサント)が初優勝した。
日本選手のW杯優勝は、個人ではことし1月のムーラウ(オーストリア)大会で葛西紀明(地崎工業)が勝って以来、6人目。海外の大会では秋元正博、葛西に次いで3人目になる。《共同通信》
【大江健三郎さん】ノーベル文学賞授賞
1994年度のノーベル各賞の授賞式が10日夕(日本時間11日未明)ストックホルムのコンサートホールで開かれ、文学賞に選ばれた大江健三郎氏(59)に、スウェーデンのカール16世グスタフ国王からメダルと賞状が贈られた。
日本人のノーベル賞受賞者は、87年の利根川進氏(医学生理学賞)に次ぎ8人目で、文学賞は川端康成氏以来、26年ぶり2人目。賞金は700万クローナ(約9600万円)。
大江氏は式の後「明日から書生の生活に戻りたいと願っています。数年は本を読むことに専心したい」と感想を述べた。《共同通信》