平成2026日目
1994/07/26
この日のできごと(何の日)
【河野洋平外相】アジアの平和に積極貢献
河野副総理兼外相は26日午前(日本時間同日昼)、パンコクで開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大外相会議で演説した。外相は「わが国の基本的な外交政策を継承し、引き続きアジアを重視しつつ、地域の平和と繁栄のために積極的な貢献を行う」として、村山政権としてもアジアを直視した外交展開を強調した。
国連改革に関連して「アジアの平和国家としての経験を生かし、国連において責任ある役割を分担することが必要と考える」として、国連安保理の常任理事国入りも念頭に置きながら日本の役割に各国の理解を求めた。この関連で国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加していく姿勢を明らかにした。
外相はアジア太平洋地域の平和と繁栄を確保していくため、新政権が引き続き①政府開発援助(ODA)を通じ開発途上国の自助努力支援②日米安保体制を堅持し効果的運用に努力するーことなどを明言した。併せて自由貿易体制の強化を図るため、世界貿易機関(WTO)設立に向け関係条約の年内批准を図ることを確約した。《共同通信》
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【村山富市首相】和風宇宙食を試食
26日午前の閣議前に首相官邸の閣僚応接室で、日本人女性初の宇宙飛行士向井千秋さんがスペースシャトルで食べた和風宇宙食の試食会が行われた。宇宙開発事業団などが一般公募して開発、宇宙に運ばれた13品目のうち、「大地より愛をこめて」(野菜などの煮物)「宇宙たこ焼き」など4品目が並べられた。
村山首相は一つ一つの宇宙食を珍しそうに眺めた後、「なかなかいける。味付けもいい」と主に煮物をパクパク。山口総務長官から「これなら食べ過ぎても(和食なので)大丈夫でしょう」と声を掛けられ、先の先進国首脳会議(ナポリサミット)でお腹をこわした首相は「大丈夫じゃ、大丈夫じゃ」と照れ笑いしていた。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は26日昼、首相官邸内の小食堂で昼食をとるために執務室を出た際、一瞬、方向に迷い「(小食堂は)こっちか。何回行っても分からんな」と思わず苦笑い。「自分一人で(官邸内を)行かないと覚えられんな。国会へも歩いて行かんと」と、一カ月近くになる官邸生活にまだ慣れ切っていない様子。折しも社会党は安保、自衛隊など従来の政策を次々と転換し「社会党は一体、どこへ向かうのか」と国民から懸念も出ているときだけに、首相も永田町の迷子にだけはならないように…。
○…この日金沢市で開かれた全電通大会では山岸連合会長や久保社会党書記長、米沢民社党委員長ら与野党議員が呉越同舟。注目を集めたのが、新生党の奥田敬和前衆院議運委員長で、政界再編のため社会党分裂が必要との持論を展開し「久保さんを中心にした勢力が新しい核にならねばならない。われわれは邪魔にならない限りついて行く」と久保氏をしきりに持ち上げた。一方では「山岸さんは、新生党をファッショ政党みたいに言うが、新しいハト派の柔軟な思考を持った、羽田前首相の人柄に見られるようなのが新生党だとの認識を持ってほしい」と、小沢新生党代表幹事への批判にも気を配った発言をしていた。《共同通信》
【新生党・小沢代表幹事】米・ブッシュ前大統領と会談
新生党の小沢代表幹事は26日午後(日本時間27日未明)、米国メーン州ケネバンクポートの別荘にブッシュ前大統領を訪問し、昼食を共にしながら約2時間会談した。ブッシュ氏は「日米関係(の改善)は日本の行動がないと難しい」と指摘。これを受けて小沢氏は「経済問題は何とか解決できるだろうが、安全保障問題は日本の考え方を転換しないと解決できない。一国平和主義では大変なことになる」強調、国連の平和維持活動(PKO)により積極的に参加すべきだとの考えを表明した。
これに関連して小沢氏は「社会党は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と近い。村山首相は政権を維持するため自衛隊も容認したが、何か起きたときに対応できるか問題だ」と述べ、北朝鮮の核開発疑惑に対する村山政権の対応に懸念を示した。今後の政局の見通しについて小沢氏は「日本ではだれも村山首相を本格的な首相とは思っていない。先進国首脳会議(ナポリ・サミット)でも(入院し)あの通りだった」とし、村山内閣は短命との見方を重ねて示した。
会談にはスコウクロフト元国家安全保障担当特別補佐官、ブレイディ元財務長官、バーバラ夫人らが同席した。《共同通信》
【松本空港】リニューアルオープン
長野県松本市の県営松本空港がジェット化拡張工事を終え、26日に1年ぶりにオープンした。北アルプスなどへの観光客の増加が期待され、将来は長野冬季五輪の「空の玄関」になる。《共同通信》
【琵琶湖大橋】4車線化
滋賀県の琵琶湖を挟み、大津市と対岸の守山市を結ぶ琵琶湖大橋で、車線増の新橋建設がこのほど完成し、26日、橋の西詰め(大津市)で開通式が行われた。式には稲葉稔知事らが参加。新旧2本並んで琵琶湖に映える姿に生まれ変わった大橋を祝った。新橋部分は同日午後供用開始。《共同通信》
【阪神・和田豊内野手】通算1000安打達成
阪神8−3巨人◇26日◇甲子園
阪神の和田豊内野手が6回に宮本投手から右翼線安打して1000本安打を達成した。「巨人戦で打ちたいと思っていた。999本目から(8打席ヒットがなく)長かった。今日はチームの勢いに乗って打てた」
【イスラエル・ラビン首相】シリアに過激派対策促す
ヨルダンとの戦争状態終結をうたうワシントン宣言に調印したイスラエルのラビン首相は26日、クリントン米大統領、フセイン・ヨルダン国王との共同記者会見で、イスラム過激派ヒズボラに活動拠点を提供するシリアを間接的に非難、シリア政府に対応策を促した。ヨルダンとの和解で、中東包括和平交渉の焦点となるイスラエルとシリアとの交渉に弾みがつくとの期待が高まる中、ラビン首相の発言はシリアをけん制したもので、交渉の難航を暗示している。
首相は「ヒズボラは旧ソ連製対戦車砲などの近代兵器を装備し、活発に展開している」と述べ「兵器はイランからシリアを経由し、シリア軍が配置されているべカー平原の拠点に届いている」と主張。その上で「ヒズボラのボスはイランだが、シリアがその活動に歯止めをかけようと思えば可能だと思う」と述べた。
イスラム過激派の犯行とみられるブエノスアイレスのユダヤ人施設やロンドンのイスラエル大使館に対するテロについて、クリントン大統領は「平和への敵」と強く非難、テロ行為の拡大を防ことが米国の大きな外交目標だとの決意を示した。フセイン国王も「こうした行為は平和の敵であり、希望の敵だ」と声そろえたが、過激派の活動とイスラム教を直接結び付けることには不快感を表明した。《共同通信》
【吉行淳之介さん】死去
「暗室」「夕暮まで」など性を描く小説で現代人の内面を追究した作家、芸術院会員の吉行淳之介氏が26日午後6時半、肝臓がんのため東京都中央区の聖路加国際病院で死去した。70歳。岡山市出身。
吉行さんはこの数年、入退院を繰り返し、21日に同病院に入院、面会謝絶の状態だった。危篤の報で、親しい間柄だった女優宮城まり子さんらが駆け付けた。
新興芸術派の作家吉行エイスケと美容家吉行あぐりさんの長男として生まれた。東大在学中から同人誌に小説を発表し、中退後は大衆雑誌の記者をしながら創作を続けた。
29年、結核の手術を受け入院中に「驟雨」で第31回芥川賞を受賞。ほぼ同時期にデビューした安岡章太郎、遠藤周作両氏らと「第三の新人」と呼ばれた。
「原色の街」をはじめとする娼婦物から、背徳的行為の意を問う「砂の上の植物群」まで一貫して肉体と精神の問題に肉薄。さらに性の諸相から生の不安を追究する「不意の出来事」(新潮文学賞)や「星と月は天の穴」(芸術選奨)、「暗室」(谷崎潤一郎賞)など秀作を次々と発表し、文壇の大家になった。53年の「夕暮まで」(野間文芸賞)は映画化され、「夕暮族」(中年)の男性と若い女性のカップルの流行語を生んだ。
小説以外でも雑誌「面白半分」の初代編集長を務めたほか、ヘンリー・ミラーの翻訳、井原西鶴の現代語訳など多彩な才能を発揮。エッセー、対談の名手でもあった。女優の吉行和子さん、詩人・作家の吉行理恵さんは妹。養護施設「ねむの木学園」の園長でもある。宮城まり子さんとの“大人の恋”も有名。《共同通信》