平成1987日目

平成6年6月17日(金)

1994/06/17

【ロサンゼルス市警】O.J.シンプソン氏を逮捕

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米ナショナル・フットボール(NFL)の元名選手で俳優のO.J.シンプソン容疑者(46)が17日夜、ロサンゼルス市西部の自宅で、前妻ら2人を殺害した容疑で逮捕された。有罪が確定されれば死刑の可能性もある。

シンプソン容疑者は17日午前、ロサンゼルス郡検事局に告発された後、チームメイトが運転する車で逃走したが、車内で使用した携帯電話の電波を警察が傍受して所在が分かった。高速道路を約1時間半逃走するのを、テレビ各局が上空のヘリコプターから実況中継、全米が警察の追跡劇にくぎ付けとなった。郡検事局の検事は事件を「アメリカン・ヒーロー(英雄)の転落」と形容した。

検事局によると、シンプソン容疑者は12日、前妻のニコルさん(35)とその友人のロナルド・ゴールドマンさん(25)の2人をニコルさん宅で刺殺した疑いを持たれている。発見された後、シンプソン容疑者は約10台のパトカーや多数のヘリコプターに追跡されながら逃走。車内で短銃を頭に突き付け、サンフランシスコに住む母親に会うのを妨害されれば自殺すると脅したが、警察の説得で投降した。《共同通信》



【サッカー・三浦知良選手】伊・ジェノアへ移籍

サッカーJリーグのヴェルディ川崎は17日、東京都内のホテルで記者会見し、日本代表でもあるチームのエースFW、三浦知良(27)がイタリアのセリエA(一部リーグ)の名門「ジェノア」に今年7月から1年間の期限付きでレンタル移籍することになったと発表した。日本人選手がセリエAでプレーするのは初めて。

サッカーの本場欧州、それもイタリアでのプレーを望んでいた三浦に対し、ジェノア側も三浦獲得を希望し、双方の思惑が合致して移籍が実現した。サントリーシリーズで優勝を逸した川崎にとって、主軸の三浦を失うことは8月10日に開幕するニコスシリーズに向けて大きな痛手となるが、本人の希望を尊重し、移籍を了承した。

三浦の国内最終試合は7月23日のJリーグ・オールスター戦。契約の中に「日本代表の試合には出場する」の一項があり、10月の広島アジア大会には出場すると見られる。

ジェノアはイタリア北部のジェノバを本拠地とし、1893年に設立された古豪。最近は低迷しているが、国内リーグに過去9度優勝し、イタリアカップも制した実績を持っている。先に終了した1993−94年シーズンは、18チーム中の11位に終わっていた。

三浦知良 日本とアジアの代表として本場イタリアで頑張る。FWなので得点にからむプレーをしたい。厳しいと思うが、ブラジルでの経験を生かし精いっぱいやる。イタリアの生活に慣れればいいプレーもできるだろう。一緒に行く妻も喜んでくれている。《共同通信》

【サッカーW杯・米国大会】開幕

四年に一度、世界中を興奮の渦に巻き込むサッカーの祭典が始まった。第15回ワールドカップ(W杯)米国大会は17日午後1時15分(日本時間18日午前3時15分)すぎ、シカゴのソルジャーフィールドでクリントン米大統領が出席して開会式を行い、一カ月にわたる熱戦が華々しく幕を開けた。

引き続き行われた開幕戦、連覇を目指すドイツとボリビアによる一戦は、ドイツが1−0で勝ち、史上初の四度目の優勝へ向けて幸先良いスタートを切った。

大会は全米9都市を舞台に、開催国の米国と前回覇者のドイツ、そして各大陸予選を勝ち抜いた計24カ国が参加。7月17日の決勝まで計52試合が行われる。

W杯は、五輪をもしのぐスポーツ界最大規模のイベントで、前回のイタリア大会では観客動員は延べ277万人、全世界のテレビ視聴者数は同267億人に上った。今大会はW杯史上最多の360万枚の入場券がほぼ完売となり、観客動員の新記録を更新することは確実視されている。

大会の舞台となる米国はスポーツ大国として知られるものの、プロスポーツといえばバスケットボール、アメリカンフットボールに野球、アイスホッケーが人気の的。サッカーは1970年代にプロの北米リーグが一時的な人気を集めたが、85年には消滅し世界サッカー地図の中の大きな空白地帯となっていた。

その“不毛の地”での大会がどんなものになるのか。優勝争いや新しいスター選手の出現とともに、全世界注目の一カ月となる。《共同通信》

【羽田孜首相】連合・山岸会長と会談

羽田首相と連合の山岸章会長との、政権発足後初の「政労トップ会談」が17日午前、首相官邸で行われた。首相は「社会党の政権への復帰を心から期待したい」と述べ、政権復帰への呼び掛けを山岸氏が社会党側に伝えてくれるよう強く要請した。

首相は同時に「細川、羽田内閣発足時の与党間の合意を誠実に果たしていきたい」と述べ、これまでの社会党との合意事項を厳守する考えを強調した。また、山岸氏が社会党が政権構想をまとめた段階で、羽田首相と社会、さきがけ両党の党首会談を開催するよう提案したのに対し、首相は「与党とも相談し、ぜひ党首会談などを考えたい」と述べ、基本的に応じる姿勢を示した。

会談は首相の強い働き掛けで実現、政府側から熊谷官房長官、鳩山労相、連合からは芦田会長代行、鷲尾事務局長らが同席した。

山岸氏は、少数与党で政権基盤が弱い羽田政権では政治、行政、経済の改革の推進が困難になることへの
懸念を表明。「一日も早く、社会党、さきがけが復帰した安定多数を基盤とする連立政権の再構築を期待する」と述べ、首相のリーダーシップ発揮を求めた。

これに対し、首相は「8カ月間、細川政権の下で社会党と一緒に政権を担当してきた。この経験、努力、苦労を無にしないようにしたい」と強調、社会党の政権復帰に強い意欲を重ねて強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○…羽田首相は17日朝、山岸会長ら連合幹部と首相官邸で会談。会談前の雑談で、首相が「首相公邸には亡霊がいるという話がある」と切り出すと、山岸氏は「だから首相はなかなか公邸に戻らないのか」。あの中曽根元首相も公邸入りの前にお払いをしたが、首相は会談後、記者団に「霊感とか感じる人が何か変なものを感じるというんだよ」と説明した上で「(自分は)そんなもの全然感じない。もし会えたら仲良くなりたい」。さすがの公邸の魑魅魍魎も「普通の人」にかかっては形なし。

○…中井法相はこの日、閣議後の記者会見で「参院本会議での答弁をやって、あと閣僚としてやってないのは衆院本会議での答弁ぐらい。いろんなことをやらしてもらいました。40日で」とぽつり。内閣総辞職など国会会期末に向けて与野党の攻防が緊迫している中で、早くも総括とも取れる感想。夏の予定を尋ねられると「いえ、何も。一日一日の日程をこなすだけで長期的なものは何も。まあ、涼しいところの刑務所にでも視察に行けるのを楽しみにしています」と先行きの不透明さに嘆息を漏らした。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】大リーグ観戦

米国訪問中の天皇、皇后両陛下は17日午後(日本時間18日未明)、ニューヨークから中西部の中心都市セントルイスに入られた。到着後直ちに歓迎式典に出席。会場となったミシシッピ川を望む有名なゲートウェーアーチの広場には35度の猛暑の中約1500人の市民が集まった。陛下にセントルイス市のかぎ、皇后さまには花束が贈られ、お二人は手を振って歓迎にこたえられた。

夜は大リーグの地元チーム、カージナルスの試合を見られるため市内のブッシュ・スタジアムへ。ロイヤルボックスでオーナーのブッシュ氏の説明に耳を傾けながら、約1時間にわたって対ピッツバーグ・パイレーツ戦を観戦した。

観衆は約3万人。七回表の終了時、電光掲示板に日本語と英語で「天皇、皇后両陛下を心から歓迎致します」の文字。観衆は総立ちとなり、球場は割れるような拍手に包まれた。

カージナルスの往年の打撃王スタン・ミュージアル氏(73)や対日強硬派で知られる地元選出のゲッパート下院議員も同席した。

天皇陛下はこの日午前、中学生時代の家庭教師でペンシルベニア州に住むパイニング夫人(92)に電話。陛下は「非常に元気な声だった」と感想を漏らされていたという。夫人も電話の後「会えなかったのは残念ですが、声を聞いてとてもうれしかった」と話していた。

ニューヨーク郊外の福祉施設、米国障害者サービスセンターでは、車いすの子供たちが合唱で歓迎。陛下は同センターと交流の深い大分県の福祉施設「太陽の家」を訪れた経験を紹介しながら「日本はこのセンターから学んでいることが多く、交流がさらに進んでより良い未来を築くよう希望します」と話された。《共同通信》



6月17日のできごと