平成1924日目
1994/04/15
この日のできごと(何の日)
【渡辺美智雄氏】首相指名選出馬表明
細川首相後継者選びに絡んで自民党の渡辺美智雄元外相は15日午後、河野総裁と会談し首相指名選挙への出馬を正式に表明した。河野総裁は自らが党の総裁として立候補するとして自重を促したが、渡辺氏は党内動向と与党との連携をにらんで、離党や新党結成も含め最終決断する。
自民党では別に、改革派の鹿野道彦前総務庁長官(党総務会長代理)、北川正恭副幹事長ら5人が離党、来週早々に鹿野氏を党首とする新党を結成する。
連立与党は新党さきがけ抜きで16日から新政権の政策協議に入ることになり、さきがけは閣外協力に転じることを決めた。与党は連立の枠組み維持を基本にしているものの、渡辺氏の動向次第では新たな政界再編と連立組み換えの可能性もはらみ政局は緊迫している。《共同通信》
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【自民党・森喜朗幹事長】河野氏一本化で決着図る
自民党の森幹事長は15日午前の役員会で、首相指名選挙への対応について「政権復帰のためには党の一致結束が必要だ。当選回数ごとに議員から意見を聴取しているが、河野総裁と渡辺元外相が十分話し合って一本化してほしいということだった」と述べ、河野ー渡辺会談で首相指名選挙の候補を河野氏にすることで決着させたい考えを表明、了承された。
役員会終了後の記者会見で、森氏は「会談で、きたんのない意見を交わしていただくことを期待する」と述べており、渡辺氏が話し合いの姿勢を続ける限り、これに応じていく河野氏の意向を強調したものとみられる。
【自民党】鹿野道彦氏ら10人離党へ
自民党の鹿野道彦、北川正恭氏ら政治改革推進議連の5人が15日、離党届を提出した。執行部側は慰留に努めているが、鹿野氏らは同日午後に記者会見し、離党の意向を正式に表明する。鹿野氏らとは別に太田誠一、新井将敬氏ら5人も離党の意向を固め、近く態度表明する方向で、相次ぐ中堅、若手議員の離党に執行部は衝撃を受けている。
離党届を提出した5人は、鹿野、北川両氏のほか佐藤敬夫、増子輝彦、坂本剛二の各氏で、いずれも選挙制度改革を積極的に推進してきたメンバーで、三塚派に所属している。一方、太田氏らは「リベラルズ」のメンバーで、ほかに柿沢弘治、佐藤静雄、山本拓の各氏。首相指名選挙で渡辺元外相支持を表明しており、渡辺氏自民離党の動きとも絡んでいる。《共同通信》
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自民党の鹿野道彦総務会長代理(前総務庁長官)、北川正恭副幹事長ら政治改革推進議連の衆院議員5人は15日午後、河野総裁に離党届を提出、受理された。5氏はこの後、党本部で記者会見し、離党の動機について「中央政界の閉塞状況を打破するため、政界再編に向けた行動を起こすことが必要と考えた」と述べ、自民、非自民の枠組みを超えた「第三勢力」を目指す考えを強調した。
鹿野氏は来週早々に新党を結成、自民党内の他の議員にも同調を呼び掛けていく意向を表明。党首には鹿野氏が就任する。ただ、連立与党の枠組みに加わるかどうかや、首相指名選挙への対応については「今後のこと」として明言を避けた。《共同通信》
【新党さきがけ】連立政権から距離
新党さきがけは15日の議員総会で、現在の連立政権の枠組みから一歩距離を置き、「閣外協力」に転ずる方針を決めた。同日午後、田中秀征代表代行が記者会見して「党声明」として発表した。
新首相指名への対応で田中氏は、連立与党の新首相候補に挙がっている新生党の羽田党首について「党内が好意を持って受け止めている」と述べ、支持する姿勢を示した。一方、渡辺元外相に対して党内は「違和感がある」(園田代表幹事)と、不支持が大勢だ。
さきがけは、白紙の状態での政権協議を呼び掛けてきたが、他の与党各党に受け入れられないことで「われわれの提案に沿う形で政権づくりが進んでいるようには思えず、いたずらに日を重ねることはできない」(田中氏)と、閣外協力に踏み切ることになった。
新政権下で、さきがけは閣僚ポストだけでなく、与党の政務、政策幹事などの役職にも就かない方針。しかし、政治改革関連法案、平成6年度予算案など細川内閣が作成した法律案については賛成する方針だ。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は15日、首相官邸の小食堂で昼食をとり、階上の執務室に戻る際に階段の途中で立ち止まり「この部屋は何の部屋ですか」「あの部屋は?」と職員に尋ね、ちょっとした官邸見学。多忙な上、官邸内の移動中に記者団から質問を浴びせかけられていたこれまでにはなかったことだけに、一瞬、記者を含めて周辺はしんみりした雰囲気に。しかし、すぐに記者団から辞任理由となった新疑惑について質問が出てムードが一変。首相の受け答えも「関係ない」とぶっきらぼうに。辞任表明後もゆっくりさせてくれない記者団にウンザリの様子だった。
○…この日、自民党を離党した鹿野前総務庁長官は党本部で記者会見。「われわれは政治改革の実現に懸命に努力してきた。政治改革は政界再編につながるし、今こそ行動が必要だと考えた」と離党の決意を吐露した。5人での離党についても「小さい集団だが、一人ひとりの決断は並々ならぬものがある」と誇示したが、現在の自民党に対しては「ここまで(私を)育ててくれたのは自民党であり、心から感謝の意を表する」などと、批判の言葉はほとんど聞かれず、離党会見にしては迫力不足との声も。《共同通信》