平成1915日目

平成6年4月6日(水)

1994/04/06

【細川護熙首相】辞意発言を重ねて否定


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細川首相は6日朝、日本新党の松岡代表幹事と朝食を共にしながら懇談。5日夜、参院二院クラブの下村泰氏らとの会食の席で辞意を漏らしたことについて「言ったことも思ったこともない」と全面的に否定し、引き続き政権担当に意欲を表明した。 辞意発言が連立与党内に衝撃を与えたため、首相は6日未明になって辞任の考えがないことを公式に表明していた。

しかし、細川政権を支える新生党の幹部は6日朝、首相の辞意発言について「軽率だ」と批判。社会党首脳は、首相が佐川急便1億円借金疑惑などで苦境に立っていることを念頭に「弱気になっていることは間違いない」と指摘しており、政局流動化の可能性は依然として残っている。

政局への影響を懸念する松岡氏が首相に真意をただしたのに対し、首相は発言の事実を全面否定するとともに「参りました」と述べた。5日深夜、首相に電話で意思を確認したという新生党の渡部代表幹事代行は「全くのハプニング発言だということが判明した。今日一日で、(辞任の憶測は)完全に消える」と強調した。

だが、首相自身の佐川疑惑が原因で、平成6年度予算案を審議する衆院予算委員会の開会めどが全く立っていないことから、首相は焦りを募らせているとされる。このため、連立内には「発言の事実はどうであれ、首相はもう立ち上がれないだろう。政局流動だ」(新党さきがけ幹部)「いつ政権を投げ出すか、時間の問題だ」(社会党幹部)との深刻な受け止めもある。

首相は5日夜、都内の料理屋で下村氏らと懇談した際、「もう総理を辞めたい」と弱気な心境旺露したとされる。しかし、6時間後に緊急記者会見し、発言自体を否定した。

記者団にそっぽを向くように顔をそむけてホテルを出る細川首相。辞意発言、が伝えられた首相は6日朝、東京都内のホテルで日本新党執行部との朝食会に出席した。「細川内閣の終わりの始まりなのか」と、約40人の報道陣がロビーに詰め掛けたが、同席した同党幹部らは「うっかり酒も飲めませんね、と笑っていた」「辞めるとか気配は全然感じられなかった」と笑い飛ばした。

朝食会は午前8時すぎから約45分の予定が、1時間半近くに長引いた。午前9時半すぎ、朝食会を終えて姿を見せた細川首相は、約10人のSPや秘書官にがっちり固められて近寄れない。ロビーを抜けて車に乗り込むまで、報道陣とは反対の方を向き続け、やりとりができない状態。やっと首相官邸に帰ってから「そんな(辞めると誤解されるような)言い方はしていません」。

朝食を共にした松岡満寿男代表幹事は「窮屈なスケジュールの中で、スポーツ好きの首相は体もむずむずするでしょうから、あんな話になったんじゃないか」と辞意発言の背景を解説した。《共同通信》



【日銀・三重野康総裁】景気底入れ判断

三重野日銀総裁は6日、支店長会議終了後の記者会見で、景気の現状について「全般として下げ止まりの様相を呈している」と述べた上で、先行きについても「見通しは明るくなっている」と強調、事実上の景気底入れの認識を示した。

4日から3日間の日程で開かれた日銀支店長会議で、これまで好調だった住宅投資や公共投資に加え、個人消費や輸出などが増加しつつあるなど、景気に明るい材料が相次いで報告されたことを受けた。円高や雇用調整の行方がなお不透明なため、今後も「注視していく必要がある」と依然慎重な姿勢は維持しながらも、日銀総裁が今回の景気後退局面で底入れの判断を明確に示したのは初めて。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は6日、前夜の「辞めたい」発言をめぐって記者団から質問攻めにあった。「誤解を招くような言い方はよくないのでは」と問われて「そんな言い方はしていません」と応じているうちは表情も変わらず、余裕すら感じさせたが「官房長官が『誤解を招く発言は慎むベきだ』と言っているが」と聞かれると、少し怒った表情になって「えっ、それは何ですか」と気色ばんだ。その後はさすがに気を取り直した様子だったが、国民福祉税構想や内閣改造をめぐって生まれた首相と官房長官との確執が再燃しそうな気配。

○…野球好きの国会議員がこの日、東京ドームに集合、議場ならぬ野球場での「与野党対決」が行われた。超党派国会議員でつくる「野球振興議員連盟」(桜内義雄会長)の呼び掛けで50人を超える議員が参参掛連加、プロ野球OB選手約30人が助っ人で加わった。選手宣誓は社会党の赤松前書記長。「与野党の壁を乗り越えて、意地と名誉と根性をかけて頑張ります」と、微妙な言い回しとなった。ゲームは8対5で自民党チームの勝ち。同チームは勢いに乗ってプロ野球OBチームに挑戦する余力を見せ、こちらは国会勢力と裏がえしに。《共同通信》

【死刑廃止を推進する議員連盟】発足

昨年3月の死刑執行再開以来、死刑反対の動きを強めている超党派の国会議員が「死刑廃止を推進する議員連盟」を結成、6日午後、東京・永田町の衆院第一議員会館で設立総会を開いた。こうした超党派の議員連盟が設立されたのは初めてで、今後存廃をめぐる論議に大きな影響を与えそうだ。

連盟には市民団体「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」に賛同する約200人の国会議員のうち103人が名を連ねた。この日の設立総会には代理人を含め約60人が出席した。会長に自民党の田村元・元衆院議長、事務局長には公明党の二見伸明衆院議員を選出。「死刑廃止を推進することによって、人権擁護実現の一助とすることを目的とする」などとする規約を採択した。

田村会長は「人種上の観点から死刑廃止をしようというもので、識者から意見を聞くなど、さまざまな議論をしていきたい」とあいさつ。一方で「凶悪犯を甘やかすということではない。死刑の代わりに厳しいものを考えていかなくてはならない」との意向を示した。続いて団藤重光元最高裁判事が講演し「死刑廃止で今一番問題になっているのが、死刑存続論が60%以上といわれる世論の問題。しかし世論は情報に左右される。当局が死刑執行の人数も発表せず、国民に情報を与えないで世論が存続だと言うのはおかしい」と訴えた。

総会後、二見事務局長は①今後、死刑を執行しないよう政府や法務大臣に申し入れる②未加盟の国会議員にも広く呼び掛け、死刑廃止の議員立法を目指すーなどの活動方針を説明した。《共同通信》



4月6日のできごと