平成1853日目

平成6年2月3日(木)

1994/02/03

【細川護熙首相】「国民福祉税」構想を発表


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細川首相は3日未明、政府の総合経済対策の柱となる所得税・住民税減税をめぐり財源問題で1997年度から現行の消費税を廃止して新たに税率7%の「国民福祉税」創設の方針を決定した。

しかし社会党は「名前を変えた消費税率アップ」との判断から首相提案に猛反発、提案が撤回されない限り閣僚引き上げ、連立離脱の方針を確認した。

この方針を重視した政府、連立与党は3日午後、新税構想見直しによる事態打開を図った。同夜まで断続的に開かれた与党代表者会議では①福祉税を目的税とする②実施は原案通り1997年4月③税率など内容は協議機関を設置して検討する、との妥協案で歩み寄る動きが出てきた。

しかし検討期間を社会党が2年としているのに対し、政府側は1年を主張。さらに大蔵省は依然、税率明記にこだわっているとされ、調整は難航。話し合いがつかず、代表者会議は同日午後11時19分打ち切った。《共同通信》



【連立与党】首相の手法に不信感

国民福祉税をめぐる連立政権の大混乱は「分かりやすい政治」を掲げる細川首相の政治手法、姿勢に大きな疑念を抱かせる結果となった。

首相は大幅減税を突然決め、社会党の反発で政権が危うくなると一夜にして修正の構えをみせた。「むやみに強引なくせに、安直に腰が砕ける。だれかに操られているからではないか」(自民党幹部)との批判は、首相が頼みとする国民世論にも浸透する恐れ十分だ。

首相は政治改革法成立を受けた1月29日未明の記者会見で「消費税引き上げは念頭にない」と明言したばかり。女房役の武村官房長官は3日の記者会見で「食言」と追求され「政治改革で頭がいっぱいだったのではないか」とかばったが、社会党の最高幹部には、武村氏の抗議の辞任を予測する声すらあった。

首相は民社党などが提唱した協議機関設置などの条件を「すべて受け入れる」と約束しておきながら破った形跡もある。このため、社会党と距離をおく有力閣僚さえも「結局、首相が新生・公明、大蔵ラインに押し切られた」と首相の姿勢に強く反発しており、社会党以外の連立与党にも首相不信が深まっている。《共同通信》

【細川護熙首相】米・カンター通商代表と会談

クリントン米大統領の特使として来日中のカンター米通商代表は3日午後、首相官邸に細川首相を表敬訪問し、日米包括経済協議などについて意見交換した。カンター代表は、首相が表明した所得税減税など6兆円の減税と、3年後に国民福祉税を導入するとの税制改正について「適切な決断だ」と評価。包括経済協議の成功に向けて、日米双方が一層努力することで一致した。《共同通信》

米政府はこれまで、交渉での日本政府の官僚の対応に不満を表明しており、同代表は首相に包括協議を決着させるため、政治決断を要請したとみられる。《共同通信》

【政界談話室】

○…日本新党の松岡満寿男衆院議員は、3日の党懇談会で「党内民主主義さえない」と述べ、憤まんやる方ない様子。党代表でもある細川首相が明らかにした「国民福祉税」に我慢ならないようで「前の参院選では消費税で落選。今度は衆院でも消費税で悩ませられるのか」。「納得できる議論を」と訴えると、他の議員からも「(福祉税は)名前を変えただけのせこいやり方」「国民を裏切った」と非難ごうごう。おひざ元から火の手が上がった格好の首相だが、本人は官邸執務室に閉じこもり切りで、火の粉を払う場面は見られなかった。

○…自民党小渕派の小渕会長はこの日の派総会であいさつ。国民福祉税への社会党の対応次第では「少数政党が予算案を提示する可能性もあり、(自民)党としての対応は十分考慮しなければならない」と、動向に注目していることを強調。社会党について「そもそも安保でも憲法でも、長年の立場を手のひらを返して変えただけ」と、今回も柔軟になる可能性を指摘する一方で「一寸の虫にも五分の魂で独自の対応があるかも」とも。消費税をめぐり竹下内閣で社会党とやり合った「百戦錬磨」の小渕氏とはいえ、今回の読みは難しい?」《共同通信》

【NHK】ドキュメンタリーで事実と異なる内容

NHK福岡放送局が制作したドキュメンタリー番組で、15年ぶりにベトナムを訪れたとされた日本人の夫と元ベトナム人妻が、実際にはこの間、同国を数回訪れていたことが3日、分かった。NHK側は「表現上、舌足らずの部分があることは否めないが、事実をわい曲したものではない」としている。

このドキュメンタリーは、九州スペシャル「帰郷、ベトナムはいま「福岡発・元難民夫婦の旅路」。九州・沖縄で1月20日午後11時から45分間放映された。番組が取り上げたのは、ベトナムで結婚、15年前に同国を脱出した福岡市在住の夫婦。妻の故郷の訪問、両親との再会を出国以来初めてとしている。これに対し、この男性は「夫婦そろって妻の故郷に行ったのは初めてだが、妻はこれまで何回か帰国している。妻の両親は日本で暮らしたこともある」と話している。

田中清士NHK福岡放送局報道統括部長 出国以来初めてのベトナム行きでないことは知っていたが、15年ぶりの2人での帰郷ということで取り上げた。表現上、舌足らずの部分があったことは否めないが、事実をわい曲したわけではない。《共同通信》

【米スペースシャトル・ディスカバリー】ロシア飛行士が初搭乗

ロシアの宇宙飛行士が初めて搭乗した米スペースシャトル「ディスカバリー」は米東部時間3日午前7時(日本時間同日午後9時)すぎ、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。米ロ飛行士が宇宙で共同行動するのは冷戦中の1975年に米国のアポロ宇宙船と旧ソ連のソユーズ宇宙船が軌道上でドッキングして以来。国際宇宙基地建設へのロシア参加に向けた米ロ宇宙協力の本格的な一歩となる。

搭乗したのはロシアの軌道科学ステーション、ミールで2回、計15カ月間の長期滞在を経験したセルゲイ・クリカレフ飛行士(35)。チャールズ・ボルデーン船長(47)ら米国飛行士5人と8日余りの飛行中、共同作業する。

今回のディスカバリーの任務は、真空を利用して高品質のガリウム・ヒ素の薄膜半導体を作る無人宇宙実験室WSFの放出、回収と、貨物室に取り付けた実験装置(スペースハブ)での無重量実験が中心。クリカレフ飛行士は、WSFの回収時にシャトルのロボットアーム操作を担当する。《共同通信》



2月3日のできごと