平成1839日目
1994/01/20
この日のできごと(何の日)
【参院特別委員会】政治改革法案を可決
国会は20日午前11時すぎ、前日の与野党協議が不調に終わったことを受け、参院政治改革特別委員会(上野雄文委員長)で今国会最大の焦点である政治改革4法案を政府案のまま賛成多数で可決した。連立与党はこの後、代表者会議を開き、21日の参院本会議での採決を目指すことを確認した。
自民党との修正協議の門戸は閉ざさないとしているが、協議再開は困難な情勢で細川首相と河野自民党総裁とのトップ会談も実現しないまま終わる方向となった。焦点は参院本会議での採決に移り、双方は多数派工作を強めた。委員会採決で自民党からも賛成議員が出たことや社会党からの造反が予想される中で、法案の成否は流動的だ。
参院特別委は全党が出席、質疑打ち切り動議を可決した後、それぞれ賛成、反対討論を行い採決に移った。可否同数が予想されたが、自民党の星野朋市氏が賛成に回り、2票差で可決された。自民党は当初検討していた委員長不信任案の動議提出を見送った。星野氏はこの後、21日に離党する意向を表明した。
与党代表者会議では、戸別訪問を現行通り禁止することと、政党要件を3%から2%に緩和することについては、通常国会冒頭で修正することを確認。このため、本会議では政府案のまま採決する運びだ。
可決された法案は①小選挙区と比例代表の定数配分を274、226とする②比例代表選挙は全国単位③企業・団体献金の受け皿は政党に限り、5年後に見直す④公費で総額309億円を政党に助成するなどを内容としている。
政府は昨年9月17日に法案を提出。衆院では自民党案とともに128時間の審議を経て、細川首相、河野自民党総裁のトップ会談で与野党妥協が図られたが決裂。政府案が可決された。《共同通信》
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【大相撲初場所】12日目
大相撲初場所12日目(20日・両国国技館)大関貴ノ花は魁皇を万全の寄りで退けて12勝目をマークし、単独トップを守った。関脇の1敗同士、武蔵丸ー貴ノ浪の一番は、武蔵丸が快勝。11勝目を挙げて、場所後の大関昇進に大きく前進した。貴ノ浪は10勝2敗。横綱曙は関脇琴錦を豪快に押し出し2敗を堅持したが、大関若ノ花は北勝鬨に不覚を取り3敗、優勝争いから後退した。十両は朝乃若ら6人が8勝4敗で並んでいる。《共同通信》
【福岡空港騒音訴訟】最高裁、賠償認めるも飛行差し止めは却下
航空機騒音に悩む福岡空港周辺の住民325人が国に夜間飛行の差し止めと損害賠償を求めた「福岡空港騒音訴訟」の上告審判決が20日、最高裁第一小法廷であった。
大堀誠一裁判長は差し止め請求を却下して過去分被害について総額約1億4000万円の賠償を認めた二審の福岡高裁判決を支持、原告住民と国側双方の上告を棄却した。これにより住民側の一部勝訴が確定した。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は20日午後、都内のホテルで開かれた石田公明党委員長(総務庁長官)を励ます会に出席した。焦点の政治改革法案の成立見通しについて「票読みをしても、本当に厳しい状況だ」と厳しさを強調する一方で「選挙もそうだが、あと一歩、あと一歩と言っていかないと、ちょっとでも楽観ムードが出ると、えらいことになる」と言外に勝算もちらちら「水面下なり、表に出たりして、全力を尽くしてやっていきたい」と多数派工作にも意欲たっぷり。詰めを誤ると首相自身のクビにも直結する局面だけに、万全を期したい気持ちがありあり。
○…社会党の村山委員長はこの日、都内のホテルで連立各党議員を前に講演。政治改革法案の妥協問題で社会党の対応が問われたことについて「社会党が一番難しいと言われるが、難しいのは当然。真剣に議論をしているからだ。どこかでだれかが決めれば、その通りになる政党ではない」と一部の政党を揶揄しながら弁明。さらに「党のすそ野が広いから、いろいろな意見が出るのは当たり前。結論が出ればみんなが守る」「他の政党に見られない唯一の民主主義的政党だ」とまで言い切ったが、本会議では首尾よく造反議員を抑えられるか。《共同通信》
【自民党・河野洋平総裁】「政権奪還を」
自民党は21日、都内のホテルで第58回定期大会を開く。これに先立ち20日午後、党本部で全国幹事長会議、大会代議員による分科会を開き、政権奪還に向けた活動方針などを討議した。
河野総裁は幹事長会議のあいさつで、党の体質改善の必要性を訴えながら「野党としての行動を十分考えながら、抜きんでた第一党として、責任ある対応をしなければならない」と述べ、政権奪還への態勢づくりを呼び掛けた。
一連の討議では、地方の代議員から政治改革法案の対応で党内に亀裂が入ったとする執行部批判も出たが、森幹事長は「地方組織はしっかりしており、その力を借りて党の立て直しを図りたい」と、党勢回復への協力を要請した。
分科会は全国を7ブロックに分け、党員の生の声を吸い上げる目的で行われた。この中では、政治改革法案の修正協議をめぐり「参院の最終段階での定数をめぐる執行部のひょう変の理由が分からない」「執行部が一本になっている姿勢が見えない」との批判が相次いだほか、年明けの参院特別委での審議拒否に対し「かつての野党と変わらない」という厳しい指摘も出た。
ただ、地方代議員の懸念は、新選挙制度への移行自体よりも、それに伴う小選挙区での候補者調整や議員の後援会をはじめとする地方組織の変化などに集中。「明日にも新たな選挙制度ができようというのに」と、党の対応の遅れへのいら立ちも多く表明された。《共同通信》