平成1809日目

1993/12/21

この日のできごと(何の日)

【プロ野球・巨人】落合博満内野手の入団を発表

中日からフリーエージェント(FA)宣言していた落合博満内野手(40)の巨人入団が21日、正式決定した。この日、同選手と長嶋監督、保科球団代表を交えた入団交渉が東京都内のホテルで行われ、年俸3億6000万円の1年契約で合意、サインを終えた。

新年俸は、落合自身の1992年シーズンの3億円を上回る日本球界の史上最高額。背番号は「60」に決まった。

FAで落合を失った中日は、金銭だけによる補償を求める方針で、この場合、巨人は旧年俸(2億7000万円)の1.5倍の4億500万円をコミッショナー公示から20日以内に、中日に支払わねばならない。

入団記者会見は午後5時から同ホテルで開かれ、落合は「それなりの成績を残す自信はある。貴任の重さを十分に感じているし、(監督を)胴上げしたいと思っている」と決意のほどを語った。待望の主砲獲得に、長嶋監督は表情を緩めながら「中心選手的な役割を担うよう期待している。大きな夢と戦う気力が生まれた」と話した。

落合は今オフから導入されたFA制度を行使して、11月7日にFAを宣言(同8日公示)。打撃強化を図る巨人から今月9日に初交渉を受け、その後も水面下の交渉が続けられていた。この日でFA宣言5選手の契約が全員完了した。(金額は推定)《共同通信》

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【社会党】5兆円減税案

社会党は21日、5兆円以上の所得減税を内容とした平成6年度税制改正基本方針を決定した。景気に配慮するとともに、国民生活や福祉の向上などを主眼に、低中所得者層に手厚い改正をアピールしている。

減税内訳は所得税3兆5000億円、住民税1兆5000億円規模で、6年1月から実施するとしている。所得税は、基礎および人的控除の5万−10万円引き上げなどで、親子4人の標準家庭の場合、現行の課税所得327万7000円の課税最低限を376万円に引き上げる。また所得税率適用区分を改善し、例えば10%の最低税率を現行の年収300万円から400万円までに拡大する。50%の最高税率の引き下げは見送る。

減税財源としては償還期間が5年程度の短期の赤字国債とし、その間に景気を浮揚し税収増を図るとしている。

社会党はこの案を連立与党の政策幹事会に報告、政府案に反映させたい考えだ。焦点の減税財源問題に絡んで「消費税論議は逃げない」(日野税調会長)としているが、引き上げには絶対反対の立場。

さらに現行消費税についても、低所得者ほど負担割合が高い逆進性の緩和の必要性を打ち出し「改廃も含め検討する」としているため、与党内調整は難航が必至だ。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は21日午後、米ニューヨーク・タイムズ紙が「日本を変革する期待を狙って登場した細川首相の神通力が失われつつあるようだ」などとキツい論評をしたことについて記者団から尋ねられ「神通力も上がったり下がったりするよなあ。そりゃ」とさらり。記者団からさらに、自民党の渡辺美智雄元政調会長から退陣要求が出ていることについてコメントを求めると「渡辺さんはそんなにお元気に回復されましたか?」と対抗意識をむき出しにした。支持率が10ポイント近く下がっても、政権の担い手は自分しかいないとの自負の表れ?

○…この日の連立与党政務幹事会に、武村官房長官が鳩山官房副長官の代理で出席。大物登場とあって社会党の野坂国対求員長は「真ん中の席にどうぞ」と手招きし、勝手の分からない武村氏が公明党の政務幹事の隣に座ろうとすると、すかさず「そこは新生党だよ」。武村氏との関係が取りざたされている新生党の小沢代表幹事を意識したのか、野坂氏は「このところ会議に欠席が多くてかなわんよ」「あんた(武村氏)は何を言われても怒らんからなあ」と、新生・公明ラインに対抗した官邸・社会党の緊密ぶりを精いっぱいアピール。《共同通信》

【細川護熙首相】予算で協議会設置を指示

細川首相は21日午前、首相官邸で羽田副総理兼外相、藤井蔵相、熊谷通産相、佐藤自治相らと景気対策や予算編成について協議した。首相は「来年度予算編成に備え、歳入、歳出全体を真剣に検討しなければならない」と述べ、減税と消費税率アップを含む財源問題を中心に政府、連立与党が話し合う「政府与党協議会」(仮称)の設置の検討を指示した。

首相は「景気対策について、政府を挙げて取り組んでいきたい」と強調。財源問題について「与党側と十分相談したい」と述べ、消費税率引き上げに関し、反対の社会党と積極的な新生、公明両党との対立など連立政権内の食い違いの解消に務めたい考えを示した。

武村官房長官は同日午前の記者会見で、「これから与党側とよく相談しなければならない。名称もメンバーもこれから検討するが、設置は早い方がいい」と述べ、週内にも設置する考えを示した。《共同通信》

【細川護熙首相】メキシコ・サリナス大統領と会談

細川首相は21日夜、メキシコのサリナス大統領と首相官邸で夕食を共にしながら会談した。首相はメキシコのアジア太平洋経済協力会議(APEC)への加盟を踏まえ「日本、メキシコ新時代に入った」と述べ、両国の関係強化の重要性を強調。首相はメキシコが設立する「環境研究研修センターー」へ技術協力するため、本年度中に調査団を派遣することを表明した。大統領は「両国の環境問題についての協力は重要だ」と述べ、歓迎する意向を示した。首相はまた、文化無償資金協カとして遺跡探査用機材(4900万円)を供与する考えを明らかにした。

このほか両国は①二重課税を防止する租税条約の締結交渉を始める②「日本メキシコ21世紀委員会」がまとめた最終報告のフォローアップ会合を来年前半に東京で開催するーことなどで合意した。《共同通信》

【韓国・金泳三大統領】13閣僚を更迭

韓国の金泳三大統領は21日午後、内閣を大幅改造、先に任命した李会昌首相の下に新内閣を組閣した。コメ市場の部分開放決定を契機とした政局混乱を乗り切り、人心を一新するための改造で、経済担当と南北統一担当の両副首相をはじめ国防、農林水産など計13閣僚を更迭した。

副首相兼経済企画院長官に商工相の経験のある丁渽錫交通相を、副首相兼統一院長官に南北赤十字会談の韓国側代表を務めた李栄徳明知大総長を任命するなど経済、南北問題で実務経験の豊富な手堅い布陣を敷いた。内政では内相に金大統領の右腕、の崔炯佑議員、労相に南載煕・前議員らを充て金泳三大統領の側近で固める親政体制を取った。

青瓦台(大統領官邸)スポークスマンによると、金大統領は「新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)妥結を受けて世界が無制限の競争時代に突入した。開放、国際化に効果的に対応し、国の競争力を高めるための改造だ」と述べた。

コメ市場開放の引責から経済閣僚の更迭は予想されたが、金大統領はこの機会に併せて、統一政策をめぐる不手際や武器契約詐欺などの不祥事、薬剤師と漢方医師との紛争処理責任などで社会的に物議をかもした統一院長官、国防相、保健社会相らにも詰め腹を切らせた。《共同通信》

【ロシア・エリツィン大統領】保安省を連邦防ちょう局に改組

エリツィン・ロシア大統領は21日、旧ソ連時代の政治警察「国家保安委員会」(KGB)の後身である保安省を「改革が不可能」として廃止し、代わりに大統領直属の「連邦防ちょう局」を新設するとの大統領令を出した。大統領報道部が発表した大統領令は、保安省は「政治・経済改革実行の妨害要因」と断定、職員は審査を受けなければ、防ちょう局に採用しないとし、改革に消極的な古い体質の要員を排除する方針を打ち出した。

大統領は10月初めに起きた旧最高会議派の武装ほう起を鎮圧する際に、保安省など治安機関の活動が鈍かったと批判してきたが、今月の新議会選挙での極右民族主義政党「自由民主党」の躍進を予測できなかった責任をとらえて、一気に抜本的改組に踏み切ったとみられる。

新局長にはゴルシコ保安相、第一局次長にはステパシン第一保安次官が横すべりで任命された。両幹部の下で大幅な人事刷新が行われる見込み。

1917年の革命の際に最初の組織がつくられた旧ソ連の政治警察「国家保安委員会」(KGB)は、泣く子も黙る。と恐れられたが、91年のクーデター事件に関与したため、対外部門と国内部門に二分割され、保安省は国内問題を担当してきた。《共同通信》



12月21日 その日のできごと(何の日)