平成1795日目

平成5年12月7日(火)

1993/12/07

【細川護熙首相】コメ開放受け入れを表明

細川首相は7日午前、緊急招集したコメ市場開放をめぐり政府、連立与党首脳会議と定例閣議後に開かれた閣僚懇談会で、同日未明に示された「コメの関税化を6年間猶予することを条件に、その間国内消費量の4〜8%のミニマムアクセス(最低輸入量)を受け入れる」とした関税貿易一般協定(ガット)の農業問題担当ドニ議長の最終調整案について「国際社会の責任ある一員として厳しいものを受容しなければならない」と述べ、コメ市場の部分開放に踏み切る考えを初めて表明した。

武村官房長官は閣議後の記者会見で「(ドニ案は)再修正、再交渉は困難」とし、首相が内外に公式発表する時期についても「今週いっぱいを想定している」と述べ、10日の閣議で連立与党内の意見調整を図り、調停案受諾の政府最終方針を同日中に発表する見通しを明らかにした。

首相が最終調停案受諾の考えを表明したことで、今後の焦点はミニマムアクセス受け入れに反対を表明している社会党の説得に移ることになった。

武村長官は、ド二案は国会決議や連立政権樹立の前提になった合意にも反することはないとの認識を示し、社会党の連立離脱についても「まずないだろうと期待している」と語り、同案による政府、連立与党の合意形成は可能との考えを明らかにした。

しかし、コメ生産農家や自民党の反発は避けられず細川政権は15日の国会会期末を控え政治改革、景気対策など他の重要政策課題の処理とも絡み極めて厳しい政権運営を強いられよう。

首脳会議と閣僚懇談会で羽田外相が同日未明に提示されたドニ案の骨子を説明。これを受けて首相は、日本が自由貿易体制の下で発展を遂げてきたことを力説、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の成功を最優先する立場からドニ案の受諾を表明。

同時に首相は受け入れの正式表明に当たって①コメ以外の関税化対象の農産物に対し可能な限り有利な条件を確保②日本農業の発展が図られるよう国内対策を検討ーなど国内農業対策を示す意向を明らかにして関係者の協力を要請した。

ただ、この日の首脳会議では首相の意向表明にとどめ、各党代表はド二案を持ち帰り検討することになった。《共同通信》

社会党・村山委員長「現時点では反対」

社会党の村山委員長は7日午前の記者会見で、コメ問題をめぐるドニ調停案について「(コメの完全自給体制堅持の)国会決議や、(例外なき関税化反対の)連立政権合意があり、社会党は反対であるという態度は現在は変わっていない」と述べ、現時点では部分自由化に反対を表明した。

今後の対応について村山氏は「(連立各党の)これからの話し合いの中で、こういう経過になったことがやむを得ないとなれば、受け入れると合意することになるだろうが、社会党はまだそこまでいっていない」と、今後党の方針を変更する可能性もあることを示唆した。《共同通信》



【政界談話室】

○…7日の月例経済最告関係閣僚会義前、1日2回の記者会見をこなしている武村官房長官のテレビ映りが話題に。五十嵐建設相が「横を向いてしゃべっているときがある。会見が嫌でしょうがないという感じだ」と切り出すと、坂口労相も「前を向いてしゃべるときは嫌なニュースがないときだな」と追い打ち。武村長官は「カメラが上の方から撮るから下を向いているように映る」と説明、裁判官の前に立たされた「被告のようだ」とぼやいていたが、コメ問題、政治改革と難問がめじろ押しの中、当分変憂うつな会見が続くことになりそうだ。

○…自民党総務会で江藤隆美氏が「わが党は消費税導入で痛めつけられた。所得務減税の財源は与党が考えること。消費税を引き上げても良いとは間違っても言うべきでない」と執行部に苦言。橋本政調会長は「危険なのは私だと思っただろうが、私が一番大きなやけどをしたのだから同じやけどはしない」と切り返した。橋本氏にしてみれば平成元年夏、消費税導入後の参院選を幹事長として仕切り、大敗を喫しただけに、消費税には触りたくないところだろうが、「政策通」を自任するだけに江藤氏の懸念が取り越し苦労に終わるかどうか?《共同通信》

【米・ニューヨーク】満員電車で乱射、21人死傷

ニューヨーク市郊外で7日午後6時すぎ、ラッシュアワーでほぼ満員の通勤電車内で、男が銃を乱射、警察当局などの発表では、少なくとも乗客5人(男性4人、女性1人)が死亡、16人が重軽傷を負った。男は逮捕された。男は警察当局の尋問に対し、黙秘しており、身元や動機は今のところ不明。重傷者はこのほかかなりいるもようで、負傷者の数はさらに増えそうだ。

警察や目撃者の話によると、事件は電車がニューヨーク市マンハッタンのペンシルバニア駅を出発してから約30分後に発生。電車がニューヨーク州ナッソー郡のメリロン・アベニュー駅に停車する寸前、男は車内で、逃げ場のない乗客に向け、銃を無差別に乱射した。死者は頭を直撃され即死したとみられる。《共同通信》

【高木豊内野手】日本ハム入り

横浜を自由契約になった高木豊内野手(35)の日本ハム入りが7日、明らかになった。

同内野手は日本ハム、中日の両球団から入団の誘いを受けていたが、来季から日本ハムでプレーすることを決め、中日にはこの日、断りの電話を入れた。高木は「日本ハムには一度、全球団が白紙になった時に声を掛けてもらった恩がある。昨日(6日)の球団との話し合いでも誠意が感じられた」と決定の理由を語った。

日本ハムの大沢監督は「高木にも意地があるだろうし、何とか優勝に貢献してほしい」と期待をかけた。《共同通信》

【日本プロ野球選手会】他球団との事前交渉権を

労働組合・日本プロ野球選手会(岡田彰布会長=前阪神)は7日、大阪市内のホテルで臨時大会を開き、フリーエージェント(FA)有資格選手はほか球団と事前交渉した上でFA宣言できるようにするなど、野球機構側にFA制度の改善を求めていくことを決めた。

臨時大会にはFA宣言した松永(阪神ーダイエー)石嶺(オリックスー阪神)駒田(巨人ー横浜)の3選手が出席し、FA制度について述べた意見の中で、宣言から他球団までの交渉解禁が長いと指摘。宣言に先立ち、日本シリーズ終了後の他球団との事前交渉をFA有資格選手に認めるよう訴えていくことになった。

今年の場合、FA宣言は11月2日以降で、旧球団との占有交渉期間を経て他球団との交渉が解禁となったのは28日だった。選手会の要求が通れば、今年はわずか5人だったFA宣言選手が増えることは確実で、球団側の反発が予想される。《共同通信》

【森永勝也さん】死去

プロ野球元広島カープ監督の森永勝也氏が7日午後7時、肺がんのため広島市中区の広島市民病院で死去した。59歳。山口県出身。

専大から熊谷組を経て昭和33年広島に入団、37年に打率3割7厘で広島として初の首位打者に輝き、ベストナインも2度受賞。42年に好打を買われて巨人に移った後、45年を最後に現役を退いた。46年に広島のコーチとなり、翌47年、途中休養した根本監督の監督代行を務め、49年の1シーズンを監督として指揮を執った。《共同通信》



12月7日のできごと