平成1702日目

平成5年9月5日(日)

1993/09/05

【PLO・アラファト議長】シリア訪問

パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長は五日、カイロを経て、アサド大統領と会談するためシリアに到着した。同大統領からの支持獲得とシリアなどアラブ側4当事者による包括和平実現に向け、土壇場の調整を行うとみられる。

アラファト議長はこれに先立ち、カイロでムーサ・エジプト外相と会談、間近に迫るPLOとイスラエルの相互承認、パレスチナ暫定自治合意の調印問題などについて協議した。米国務省は13日に、PLOとイスラエルがパレスチナ暫定自治の合意に関する共同宣言に調印する予定であることを明らかにしている。

アラファト議長は出身母体の最大派閥であるファタハ中央委員会から一連の和平構想に対する支持を取り付けたものの、反主流派などから強い反対に直面しているのが実だ。議長はこうしたPLO内部の反対を抑えるためにも、全アラブ当事者による包括和平をイスラエルと達成する一方で、多数のアラブ諸国からの速やかな支持獲得を狙っている。

アラブ世界のお墨付きでパレスチナ人社会の反対を封じ込めてしまおうという戦略だ。とりわけシリアの包括和平への参加とアサド・シリア大統領の支持が議長にとっては極めて重要だ。議長と不和の関係にあるアサド大統領が和平への動きに資賛成すれば、ダマスカスに拠点を置くPLOの反主流派も反アラファト行動を抑制せざるを得ないからだ。

アラファト議長はこの訪問の後、早ければ5日夜にもチュニスで緊急PLO執行委員会(内閣)を開催する見通し。一部には同執行委でイスラエルとの相互承認を決定、予定されているパレスチナ民族議会(国会)の代理機関であるパレスチナ中央委員会の機関決定を経ずに承認発表を強行するのではないかとの見方も出ている。《共同通信》

パレスチナ暫定自治合意へのアラブ諸国の支持獲得を目指すパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長は5日、ダマスカスでアサド・シリア大統領と6時間半にわたり会談した。シリア大統領スポークスマンによると、アサド大統領は会談で、暫定自治に合意するかどうかはパレスチナ人自身が決定することだと述べ、アラファト議長に明確な支持を与えなかったもようだ。

また大統領は、PLOやシリアを含めたアラブ当事者とイスラエルとの「包括和平」達成を求めた議長の要請にも、前向きの回答を与えなかったとみられる。暫定自治に対するアサド大統領の強い支持を期待していた議長は厳しい対応を迫られる格好となった。

アラファト議長は9日にPLOの緊急執行委員会を開催して一気に暫定自治合意の承認に持ち込みたい考えといわれるが、アサド大統領の明確な支持を得られなかったことで、強行突破は苦しくなったとの見方も出てきた。アサド大統領は長年、アラファト議長とは不和の関係にあった。今回の斬定自治合意に関しても、議長が独走してイスラエルと秘密交渉したと激怒したと伝えられており、会でもこうした雰囲気を反映したようだ。

大統領スポークスマンなどによると、アラファト議長がイスラエル占領地のガザ地区とエリコの自治を先行させるという案を説明したのに対し、大統領はパレスチナ人の諸権利強化への支持を強調するなど距離を置く姿勢に終始したもようだ。対イスラエル和平構想でPLO内部から強い反対に直面しているアラファト議長はアラブ各国からの支持を獲得、これを背景にパレスチナ人の反対派を封じ込めたい考えといわれる。

とりわけ和平交渉の当事者であり、ダマスカスにPLOの反アラファト派を抱えるアサド大統領の支持を得ることは、議長にとって極めて重要だった。《共同通信》



【社会党・山花貞夫委員長】金大中氏と会談

訪韓中の山花社会党委員長(政治改革担当相)は5日午後、金大中・前民主党共同代表とソウル市内の金氏の自宅で約30分間会談した。金氏は、1973年のら致事件について「真相を解明してほしい」と要求した。

これに対して、山花委員長は「政府の政治決着はあったが、原状回復を含めて真相をそう明らかにしていくか、われわれもわれわれの立場で研究している。よりよい方向を見つけ出したい」と述べ、社会党として真相究明に協力していく意向を示した。《共同通信》

【公明党・市川書記長】緩やかな連合体を

公明党の市川書記長は5日午前、民放テレビに出演し、今後の政界再編に関連して、年内に小選挙区比例代表並立制が成立することを前提に「(非自民政権を維持するためには)次の選挙までに新党的なものをつくらなければならない」と重ねて主張、「一つの緩やかな連合体をつくれば2票制でも、1票制とほぼ同じ効果が出る」と述べた。

市川氏はその場合の政党の組み合わせとして「(非自民勢力が)3つ、4つのブロックをつくれば自民党に政権を渡すことになる」と指摘。その上で「新生、公明党で狭いブロックをつくる了見はない。社会党の志の一致している人も当然参加してもらう」と述べ、政界再編では社会党内の改革派をも含む広範な勢力の結集を目指すことを明らかにした。

次期総選挙の時期について市川氏は「(連立政権は)今はマイナス部分の改革をしており、プラス部分の改革もやりたい」と述べ、早くても来年秋以降との見通しを示した。これに対し同じ番組で社会党の山花委員長は新党結成には否定的な姿勢を改めて示した。《共同通信》

【陸上自衛隊】富士総合火力演習

小銃から大砲、ミサイルまで、陸上自衛隊の「戦力」を実弾射撃を通じてアピールしようという毎年恒例の富士総合火力演習が5日、静岡県御殿場市の東富士演習場で行われ、約1時間半で約2億9000万円分の実弾が消費された。

演習には隊員約1700人と最新鋭の90式戦車など車両約270台、大砲やミサイルの火砲約70門のほか、対戦車ヘリコプター、航空自衛隊のF4戦闘機を含む航空機約30機が参加。カンボジアPKO(国連平和維持活動)での「国際貢献」の姿とはがらり違った戦闘集団本来の姿を見せつけた。

もともとは隊員の教育、訓練を目的に始まった火力演習も、最近では「自衛隊の現状を広く国民に紹介、理解を深めるための努力」(平成5年版防衛白書)にすっかり変身した。

訓練では富士山のすそ野の500メートル―3キロ先の標的に向かって約41トンの実弾が撃ち込まれた。地響きを立て、続けざまに爆発する砲弾の「ショー」に見学者からは拍手、歓声も上がり、PR効果は十分のようだったが、経費の方はほぼ同量の弾薬を使った一昨年の倍以上に膨れ上がった。

冷戦終結に加え、連立政権の誕生という新たな環境下での経費増に、陸自側は「弾の値上がりが原因です」とひたすら低姿勢だった。《共同通信》

【パ・リーグ】ダイエー、全球団に負け越し

ダイエー2−8西武◇5日◇西武

西武が序盤でダイエーを圧倒し、このカードの勝ち越しを決めた。1回、1点を先制された西武は一死二塁から石毛、清原の連続本塁打であっさり逆転。2回に辻の適時打で1点を追加し、3回には無死から連打で得た一、三塁で秋山がバックスクリーンに23号をたたき込んだ。

新谷は5回まで7安打されるなど、いい出来とは思えなかったが、打線の援護もあって完投勝ちで7連勝。ダイエーは攻守とも精彩を欠き、全球団に負け越しが決定した。《共同通信》

【テニス・伊達公子選手】全米8強

伊達が全米18年ぶりのベスト8ー。テニスの四大大会今季最終戦、全米オープン第7日は5日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで男子シングルス3回戦、女子シングルス4回戦などを行い、シングルスの日本勢でただ一人勝ち残っている伊達公子(ヨネックス)はウィンブルドン準優勝で第8シードのヤナ・ノボトナ(チェコ)を6−4、6−4のストレートで下して準々決勝進出を決めた。

全米オープン女子シングルスで日本人がベスト8入りするのは、1975年の沢松和子以来、二人目。四大大会では77年、全豪の佐藤直子以来、16年ぶり。伊達は準々決勝で第1シードのマヌエラ・マレーパフラニエール(スイス)と7日以降に対戦する。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】伊・シエナ市訪問

イタリア訪問中の天皇、皇后両陛下は5日午前(日本時間同日夜)、滞在地フィレンツェ市南方の古都シエナ市を訪れ、欧州最古の病院といわれるサンタ・マリア・デッラ・スカラ病院などを視察された。

両陛下は、休日の観光客や市民約千人の拍手に手を振りながら石畳を歩き、同病院内の「巡礼者の間」へ。治療の様子を描いた壁画を熱心にご覧になった。同病院は11世紀末に設立、現在も重要な医療機関として市民に親しまれている。

両陛下は6日朝、フィレンツェをたち、政府専用機でローマ入りの予定。ローマ到着から公式訪問になる。《共同通信》



9月5日のできごと