平成1701日目

平成5年9月4日(土)

1993/09/04

【台風13号】死者、不明46人に

西日本を襲った台風13号は中型で並の強さとなって四国、中国地方を縦断した後、4日午前4時ごろ、鳥取県から日本海に抜けた。そのまま勢力を弱めながら日本海を北上、同日夜、秋田市沖で温帯低気圧になった。

台風の直撃を受けて土砂崩れなどが起き、多数が生き埋めとなった鹿児島県の川辺町と金峰町では4日朝から行方不明者の捜索が続き、同日夕までに相次いで遺体が発見された。

警察庁などによると、九州では鹿児島県を中心に、福岡、宮崎、熊本、沖縄の各県で死者34人、行方不明者10人となった。愛媛県でも死者1人、行方不明者1人が出ており、今回の台風による死者・行方不明者は計46人で、大きな被害となった。《共同通信》

土台ごと流され、ばらばらになった住宅。そのわきで捜索活動を続ける救助隊。一面緑の山あいに、そこだけぽっかり空いたように帯状の土砂の跡が広がる。台風13号が大きなつめ跡を残した鹿児島県の現場を4日午前、空から見た。

公民館から避難しようとしていた人々が土砂崩れで行方不明となっている金峰町。長さ約100メートル、幅約50メートルにわたって土砂が扇状に崩れている。被災した集落の住宅は土台ごと流され、辛うじて原形をとどめた壁根のそばで消防隊員が下に埋まった住民がいないか必死に捜していた。

大量の水を含んだ土砂にのまれた川辺町の被害はさらに広範囲。平地に点在する住宅は無残に壊され、横転しやり窓の高さまで水に漬かった乗用車が道路に放置されたまま。

水があふれた田畑では、警察署員が長い棒を使って行方不明者を捜索する姿も見られた。《共同通信》



【横浜・三浦大輔投手】プロ2年目で初完投、初勝利

広島1−4横浜◇4日◇北九州

2年目の三浦がプロ初勝利を完投で飾り、横浜が連敗を止めた。プロ2度目の先発の三浦は小気味良い投球だった。切れのある直球にスライダー、フォークボールなどの変化球を巧みに配球。広島打線に的を絞らせず、被安打5、8回の本塁打による1点で抑えきった。打線も1点差にされた直後にローズ、畠山の連続本塁打で4−1と突き放し、三浦を援護した。

広島は打線に元気が無く3連敗。借金も今季最多の「5」となった。《共同通信》

【MLB】ヤンキース・アボット投手、ノーヒットノーラン達成

隻腕投手が無安打無得点試合―。米大リーグ、ヤンキースのジム・アボット投手(25)は4日、ニューヨークで行われたインディアンス戦でノーヒットノーランを達成した。5年目のアボットは初の快挙で、4月22日にマリナーズのクリス・ボジーオがレッドソックス戦で達成して以来、大リーグでは今季2度目。

アボットは5四球を出したが後は走者を許さず、最後はバイエガを遊ゴロに打ち取った。奪三振は3。試合は4−0でヤンキースが勝ち、同投手は今季初完封で10勝目をマークした。

アボットは生まれつき右手首から先がない障害を背負いながら野球に取り組んだ。1988年のソウル五輪の金メダルメンバーとなった左腕投手。

88年6月にエンゼルスにドラフト1位で指名され、翌89年、マイナー・リーグを経ずにいきなり大リーグ入りして12勝を挙げた。昨年12月にヤンキースに移籍し、今季はこのノーヒットノーランで2年ぶりに2けた勝利を挙げた。《共同通信》

【新生党・小沢一郎代表幹事】「社公民含む新党を」

新生党の小沢代表幹事は4日午後、北海道苫小牧市で講演し、今後の政界再編戦略について「自民党もいずれ政権を再び獲得するような活力のある政党に復活してもらいたいし、われわれは社公民のそれなりの志を持つメンバーを含めて新しい政権担当能力のある集団を作りたい」と述べ、選挙制度改革実現後をめどに新・新党結成を目指す考えを表明した。

この発言は、連立政権を構成する7党・1会派のうち日本新党、新党さきがけが「穏健な多党制」(細川首相)を主張。二大政党論を基本とする小沢氏らと一線を画し、独自路線を模索していることから、新生、公明両党を軸に民社党と社会党現実派を加え新たな「与党第一党」を形成し、政界再編の主導権を握るのが狙いとみられる。

また小沢氏は「わが党あるいは新しくできた集団では、候補者を公募したい」と述べ、衆院小選挙区比例代表並立制の新選挙制度に備えて幅広く候補者を発掘し、勢力を拡大することに意欲を示した。

持論である首相官邸の機能強化について小沢氏は「首相自身が国際情勢や歴史の変化にきちんと対応できるよう、スタッフや政府内での官邸の調整権限を強化したい」と述べた。《共同通信》

【民社党・大内委員長】新党結成へ決意

民社党の中央委員会が4日午後1時すぎ、東京・平河町の海運クラブで始まった。冒頭、あいさつに立った大内委員長は、今回の連立政権が、自民党の腐敗政治と決別し政界再編の土台をつくるための「暫定的性格を持ったものだ」と述べ、政界再編に重ねて意欲を示した。

その上で大内氏は「再編については選挙での統一候補も考えられるが、基本的政策と政治理念の一致による新党結成が一番すっきりし国民にも分かりやすい。遅くとも来年春の党大会ごろまでには再編のめどをつけなければならない」と述べ、新党結成に全力を挙げる考えを明らかにした。

大内氏はさらに、再編は「民社党の再出発であり、われわれの魂と生命を新しい器に入れるものだ。(民社党は)再編の中でも立派に使命を果たすことができる。退路を断って前進しよう」と述べ、再編に向け、解党も辞さない覚悟で臨むことを強調した。《共同通信》

【社会党・山花貞夫委員長】訪韓

社会党の山花委員長(政治改担当相)は4日午後、社会党の現職委員長として初めて韓国入りした。ソウル到着後、直ちに金浦空港で韓国国民へのメッセージを発表した。この中で山花氏は、日韓基本条約の無条件承認を改めて表明し、対韓政策の転換を明確化。「今回の訪問を通じ、日韓両国民が真の和解について未来志向の隣国関係を築くきっかけをつくりたい」と表明した。

同時に戦争責任について日本側の謝罪の必要性を強調。「社会党委員長として日本軍国主義が韓国国民に耐え難い犠牲と苦悩を強いたことに対して、心よりおわびする」と謝罪の気持ちを表した。

戦後補償問題について山花氏は「補償」の言葉は使わず「過去の植民地支配について、誠実な謝罪行い、関連国際条約と道義的責任の観点から、両国国民の納得できる措置をするべきだ」と述べ、政府間の補償は決着済みとの日本政府の立場を踏まえ、国民レベルで納得できる措置が必要との認識を示した。

山花氏はこれまでの社会党の対韓政策について「党の中に不信を招くような言動があった点は反省すべきだ」とするとともに「社会党の本当の姿を知ってもらうことに全力を挙げる」と不信感解消の努力を約束した。

また朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核査察問題については「核拡散防止条約(NPT)への復帰と国際原子力機関(IAEA)の保障措置協定を完全に履行すべきだ」と表明。社会党としても南北朝鮮の平和的統一に協力する考えを示した。《共同通信》

【連立与党5会派】景気浮揚へ2次補正

社会党、新生党など連立与党5会派は4日、景気対策として政府が打ち出した規制緩和、円高差益還元に続く景気浮揚策として①災害復旧事業を中心に公共事業を追加し第二次補正予算を編成する②住宅取得者に対する住民税減税など政策減税を実施する③金融政策の機動的運営を図る—など政府に求めていく方針を決めた。新たな景気浮揚策と規制緩和・円高差益還元策を合わせた経済効果は10兆円程度を目指す見通しだ。

6日に連立与党の政策決定機関である政策幹事会を開き、こうした方針を確認、政府との具体的な調整に入る。所得税減税の取り扱いについては引き続き与党内で調整し、最終案を20日に取りまとめる。

公共投資は、北海道南西沖地震、雲仙・普賢岳の噴火、大雨・台風など各地で相次ぐ自然災害による被害の早期復旧を図るため1、2兆円規模の事業追加を求める。一般公共事業や公共事業用地先行取得費も上積みし、公共事業費として合計2、3兆円の追加を目指す。事業費を賄うため建設国債を追加発行する。また、財政投融資資金で地方債を1兆円程度引き受け、地方単独事業を追加することも検討する。

公共事業については、4月の総合経済対策で追加された事業の多くが今後実行段階に入る状況を踏まえ「93年度予算・第一次補正予算の事業を速やかに執行する」ことも対策の中に明記する。

5会派は、連立政権が生活者重視を政策の柱に掲げていることから、住宅取得促進を景気対策の柱に据える考え。具体的には、新規住宅取得者の住宅ローン残高に応じ、住民税から税額控除する方式を検討する。所得税に設けられているローン控除(最高30万円)の住民税版で、自治省が導入に反発しているが、期間2年、控除額年3−6万円の方向で調整を図る。

土地登録免許税、不動産取得税の軽減も検討課題に上がっている。同時に住宅金融公庫の融資枠を1兆円程度追加するとともに、建材輸入や容積率に関する規制緩和も実施、政策効果を高める方針だ。規制緩和・円高差益還元については、政府の素案をさらに肉付けし、政策効果を具体的な金額で示すことも検討する。

【天皇、皇后両陛下】フィレンツェ訪問

イタリア訪問中の天皇、皇后両陛下は4日午前(日本時間同日夜)、フィレンツェ市内の市庁舎(ベッキオ宮殿)とサン・マルコ美術館を訪れ、ルネサンス芸術の名画などを鑑賞された。

午後にはピストイア市を訪問し、マベリーニ音楽学院のピアノ科に留学している岐阜県白川町出身の熊崎和代さん(21)らと懇談。ピストイア市と白川町は昭和59年、ピストイア市がルネサンス期のオルガンの修理を白川町のオルガン製作者に依頼したことから交流を始め、昭和63年には皇后さまが同町主催の音楽祭を見学され、今回の訪問を楽しみにされていた。

フィレンツェ市庁舎で両陛下はモラレス市長の出迎えを受け、「法王レオ10世の間」で記念の記帳。陛下が「交流が一層盛んになることを願っています」とあいさつされた。サン・マルコ美術館ではフラ・アンジェリコ作の著名なフレスコー画「受胎告知」(15世紀)の前で足を止め、皇后さまは「印象的な絵ですね」とうなずかれていた。《共同通信》

イタリア・ピストイア市の市庁舎で4日夕(日本時間5日未明)、開かれた天皇、皇后両陛下を歓迎する音楽会で予定になかった皇后さまのピアノ演奏が飛び出した。

コンサートでは市立マベーリーニ音楽学院のビネスキ教授がオルガンを演奏。その後、岐阜県白川町を以前訪れたことのある卒業生が皇后さまに合奏をお願いした。皇后さまは突然の申し出に驚いた様子だったが、卒業生のフルートに合わせてグノー作曲の「アベマリア」を弾き、約150人の観客席は拍手で沸いた。《共同通信》



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