平成1669日目

1993/08/03

この日のできごと(何の日)

【土井たか子氏】衆院議長就任要請を受託

非自民連立政権を目指す7党・1会派は3日午後、統一首相候補の細川日本新党代表が無所属議員グループに支持を要請する一方、各党の書記長クラスの代表者会議で5日召集される特別国会の政治日程について協議するなど、政権交代への慌ただしい動きを示した。

連立各党から衆院議長候補に要請されていた社会党の土井たか子元委員長(64)が同日夕、山花委員長に対して出馬を受諾。憲政史上初の女性議長誕生が確実となった。細川氏は5日に首相指名を受けた後、直ちに組閣作業に入り、同日中にも新内閣を発足させる方針だ。

「開かれた人事」を印象付けるため、慎重に組閣を進め6日以降に持ち越す考えもあったが、3日夕、細川氏が新党さきがけの武村代表とも話し合った結果、一時的にせよ国政の停滞は許されないとの判断で新体制づくりを急ぐことになった。

土井氏は議長候補に難色を示していたが、一転受諾した理由として「山花氏の強い説得と国会改革の重要性」を挙げた。閣僚人事では、山花氏が総選挙大敗の責任を考えて入閣を固辞しているものの、各党党首が閣内で協力する体制を整える必要性や土井氏説得の功労などにより、党内外でさらに入閣を促す動きが強まった。

新生党の羽田党首が副総理格の蔵相、新党さきがけの武村代表が内閣官房長官に起用されることが固まっているほか、石田公明、大内民社の両委員長が主要閣僚での入閣が確定的だ。

細川氏は同日午後、自民党を離党した加藤六月元農相ら旧加藤グループや山口敏夫元労相ら無所属議員と会い、首相指名選挙と連立政権への協力を要請、加藤氏らは協力を約束した。これで一回目の指名投票から細川氏が衆参両院で過半数を制する公算が大きくなった。《共同通信》

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【宮澤喜一首相】官邸で送別会

内閣記者会、官邸職員は3日、宮澤首相とのお別れパーティーを官邸で相次いで開き、約1年9ヵ月在任した首相の労をねぎらった。記者会とのパーティーには宮澤首相のほか、河野官房長官、近藤、石原両官房副長官ら官邸の主要メンバーも顔をそろえた。

あいさつで宮澤首相は「カンボジアでの国連平和維持活動(PKO)は冷戦後の日本の国際貢献の在り方として(後世に)記憶されると思う」と述べるとともに、「外交面では次の内閣に引き継いでも心配ない」と実績に自信をみせた。

しかし、内政の話になると、一転、神妙になり、一連の政局混迷の原因になった前国会での政治改革関連法案の廃案を「これが私にとって一番の心残り」と振り返った。現在の心境については唐詩選から王昌齢の「一片の氷心玉壺に在り」の句を挙げて澄み切ってさばさばとした気持ちであることを披露した。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】政官癒着、否定できぬ

自民党幹事長に就任した森喜朗氏は3日の閣議後会見で、これまでの自民党と官僚機構との関係に触れて「行政官庁と党との間にもたれ合い、甘えみたいなものがあったことは否定できない。族議員もそうして生まれた。政官癒着が国民から指摘されているとすれば、再生を図らねばならない」と述べ、政党と行政とのこれまでの密接な関係には問題があった、との見方を示した。

森氏は、自民党から首相を出せない状況を招いたことについて「世の中の変化が激しく(自民党の対応が)硬直化した面があった。党改革もしていかねばならない」と強調。今後の与野党の最大の課題となった政治改革については「自民党も(政治改革を)党議決定した。非自民がどういう具体的な内容を出すか、批判すべきところは批判していく」として、非自民内部での選挙制度改革の具体化を注目する姿勢を示した。

自民党三役の選出については「河野総裁選出は、若手の大きなうねりがあったからだ。派閥の領袖でなく、河野氏が選ばれたことは新自民の胎動の一つの現れだ。三役も総裁の意向、党内の空気を反映して選ばれた」と強調した。

森氏は3日午前、東京・永田町の党本部で梶山静六前幹事長と新旧交代の引き継ぎを行い、野党に回る自民党の初の幹事長として党再生と政権奪回に向けた決意を誓った。

森新幹事長と梶山前幹事長は事務的な引き継ぎ事項の打ち合わせを行ったあと、梶山氏が「多難な時ですが、党のために頑張ってください」と激励した。これに対して森氏は「野党としての自民党幹事長は私が最初で最後にしたい」と政権奪回への執念をみせた。また、通産相として「後任の通産相にどなたがなろうとも、自民党の立場で産一業、通商政策について積極的に提案していきたい」と述べた。《共同通信》

【関西国際空港】開港は来年9月

運輸省は、関西国際空港の開港を来年9月と決めた。越智伊平運輸相が3日午前の閣議後の記者会見で正式発表した。関西国際空港会社(本社大阪市、股部経治社長)も同日午前、発表した。

越智運輸相は会見の中で、具体的な開港時期について「9月前半の(日柄などの)いい日」と述べた。また9月にした理由については「7月から8月にかけての繁忙期に万一のことがあると大変で、安全を配慮したほか、各航空会社が大阪国際空港から、関西新空港に移る際の作業なども考えた」などと説明した。

同空港会社は、来年6月初めに施設はすべて完成するが、その後、業務の訓練のため3カ月は必要としている。

関西新空港は大阪湾の沖合約5キロに約511ヘクタールの人工島を造成、滑走路は3500メートル1本。国内初の24時間運用が予定されている。年間離発着回数は最大16万回で、成田空港と並ぶ空の玄関となる。

工事は、管制塔が既に出来上がっているのをはじめ、滑走路、駐機場も70%以上完成。VOR(超短波全方向式無線標職)など航空無線施設の飛行検査も近く始まる。

関西新空港の開港で現在の大阪国際空港(兵庫県伊丹市など)は国内線専用となる。新空港への乗り入れでは、ヨーロッパ14カ国、アジア・オセアニア18カ国など40カ国と乗り入れ枠について合意。一日当たり国際線約90便、国内線70便の目標はほぼ達成できそうだ。《共同通信》



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