平成1613日目

1993/06/08

この日のできごと(何の日)

【政府】特別基準恩赦実施を決定

政府は8日の閣議で、皇太子さま結婚に伴う特別基準恩赦実施を決めた。結婚の儀当日の9日を基準日とし実施される。罰金刑により制限された資格を回復する復権などを中心に、対象は約3万人になる見込み。

内閣が定める基準に従って個別に審査する特別恩赦の実施は戦後11回目、特別恩赦単独での実施は1952年の現天皇立太子礼以来の41年ぶり。現天皇結婚の59年には政令で罪や刑の種類を定める一律の政令恩赦が実施された。しかし、平成に入ってからは89年の昭和天皇大喪、90年の現天皇即位と2回の政令恩赦が実施されたことや、政治改革を求める強い世論を配慮し今回は政令恩赦は見送られた。実際には選挙違反者の救済が中心となる。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【アントニオ猪木議員】所得税滞納で歳費差し押さえ

スポーツ平和党党首の猪木寛至(アントニオ猪木)参院議員が所得税などを滞納、議員歳費や会長を務める新日本プロレスからの収入を東京国税局から差し押さえられていることが8日、明らかになった。

同議員の秘書によると、滞納額は3月26日現在、所得税が約9694万円、以前住んでいた東京都世田谷区役所に払うべきだった住民税が約4910万円に上る。

滞納について猪木議員は「10年ほど前に世田谷区の自宅を新日本プロレスに売った時、高額の税金がかかって払えず、その後この税金が膨らんでしまった」と説明している。《共同通信》

【自民党・梶山静六幹事長】「政治改革」15日めどに意見集約

自民党の梶山幹事長は8日午前の役員会で、政治改革法案の処理について15日をめどに党内の意見集約を図る方針を明らかにした。梶山氏は「15日くらいにしないと、会期中のもろもろのことの設定が窮屈になる」と述べ、与野党で会期延長問題を含めて法案の処理を協議するには15日がタイムリミットとの認識を示した。

幹事長周辺では、15日までに政治改革推進本部の構想通り、党内が「小選挙区比例代表並立制」の妥協案で一本化した場合、16日に与野党幹事長・書記長会談などで法案処理を協議。実質的な会期切れとなる18日には、会期の延長、あるいは法案の継続審議を決める日程が検討されている。ま

た、梶山幹事長は役員会後、7日の推進本部と選挙制度調査会の合同総会が混乱した事態を受け、各派の副幹事長を通じ「冷静、沈着な論議を行ってほしい」と要請した。

役員会の後、定例総務会に引き続き総務懇談会が開かれ、政治改革法案の処理について意見交換した。野党との妥協のため、単純小選挙区制の党議決定を変更するのかどうか、最終的な意見集約の場となるもので週末にかけ皇太子結婚の儀の9日を除き連日開く。《共同通信》

【自民党】「選挙改革」合同総会は平行線

自民党は8日午後、政治改革推進本部と選挙制度調査会の合同総会を開き、政治改革法案の処理について全議員を対象に意見を聴取した。選挙制度改革推進派、慎重派ともに主張を譲らず、10日午前10時から再度総会を開くことになった。

政治改革推進本部の塩川本部長代理ら幹部は、8日の論議で党内の大勢は野党側と何らかの妥協を求めていることが明らかになったとの判断を固めており、10日の総会で全員討議を打ち切り、単純小選挙区制の党議決定見直しを前提とした検討を総務会に要請する方針だ。

しかし、改革推進、慎重両派の意見対立が深刻であることから、総務会での方針決定が難航するのは必至。梶山幹事長は最終的な意見集約のめどを週明けの15日ごろに置いているが、20日の国会会期末を控え、会期延長問題も絡んで苦しい対応を迫られよう。

この日の総会には、衆参議員196人が出席、48人が次々と意見表明した。小選挙区比例代表並立制を含め何らかの妥協を主張する意見が過半数だったが、妥協反対の意見も発言の3割程度を占めた。改革推進の立場からは、各派の若手や羽田派議員が発言。「野党が譲っているのにこちらが譲らないでは、自民党が改革をつぶしたといわれる。都議選も戦えなくなる」(石破茂氏)、「政治改革が実現できなく、て、ご免なさい、解散では国民を欺く猿芝居だ」(河村建夫氏)、「中選挙区のままではサービス合戦の繰り返しだ」(前田武志氏)などと主張した。

これに対し慎重派は「比例制を衆院に持ってくるのは世間に恥をさらす」(石原慎太郎氏)、「安易な妥協をすれば党が割れる」(島村宜伸氏)、「党内をまとめるのは無理だ。まとまらないときは採決して、解散し、国民の審判を求めるのが民主主義のルールだ」(武部勤氏)などと反論した。

「単純小選挙区制でいくのか、一歩踏み込むのかの選択を記名式投票で全議員に諮ることを提案したい」(伊藤公介氏)など中間的意見の表明もあった。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は8日、政治改革に熱意がいまひとつといわれる自民党宮澤派内の雰囲気を記者団に聞かれ「大丈夫です。心配はしていません」ときっぱり。「(改革を)やるんです」と明言しているだけに、派閥の長である首相が決断すれば当然従ってくる、と言わんばかりに自信満々の表情。しかし改革慎重派に属する前官房長官の加藤幹事長代理に話が及ぶと「まあそれぞれニュアンスの違いはありますから…」と口ごもってしまった。やはり宮澤派の“プリンス”の動向は気掛かりな様子。

○…社会党の山花委員長はこの日、皇太子さまの結婚を祝う宮中饗宴の儀での「君が代」演奏について記者団から感想を求められ「言葉(歌詞)の内容に議論があるところだ。曲だけが流れると思うが、配慮があってもよかった」と指摘。ただ党内で「君が代」問題についての見直しも検討している最中だけに、「君が代」演奏自体に反発しているのか、当初の演奏しない方針が一部閣僚の圧力で変更になったことに不満なのか、はっきりしないまま。竹下元首相ばりの「言語明りょう、意味不明りょう」な点では政権に近付いたか?《共同通信》

【皇太子殿下、小和田雅子さん】独身最後の日

皇太子さまと小和田雅子さんの「結婚の儀」を翌日に控えた8日、2人はそれぞれ自宅で挙式の打ち合わせや新生活の準備に追われ、独身最後の一日を過ごした。

宮内庁は式場になる宮中三殿・賢所に参列者用のパイプいすを並び終えるなど、挙式を待つばかり。夜には東京都目黒区の小和田邸前で付近住民がちょうちん行列でお祝い。雅子さん一家5人が玄関先で出迎えるなど、祝賀ムードが広がった。 一方、パレードコースのある都心部は、警視庁が約3万人の警官を動員して警備に当たり、終日ピリピリした雰囲気に包まれた。

「ありがとうございます」と雅子さんがにこやかにあいさつすると、傍らで妹の節子さんがあふれる涙を手でぬぐった。8日夜、東京都目黒区の小和田邸。付近住民の有志約400人が、周辺約1キロをちょうちんや日の丸を手に練り歩いた。小和田邸前では一家5人が2回にわたって一行を出迎えた。

グレーのツーピースに黒のハイヒール姿の雅子さんは、代表者の先崎忠雄さん(79)から300人分の記帳簿とランの花束を受け取ると、ほほ笑みながら「ありがとうございます」。一行が万歳三唱すると、雅子さんの左側にいた双子の妹節子さんの目に涙が。父親恒さんは緊張しているのか、うつむきかげんで硬い表情。母優美子さんはたんたんとした様子。もう一人の双子の妹礼子さんは、にこやかにちょうちんを揺らしながらこたえた。

小和田邸周辺はこの日一日中、観光客や見物人が次々と詰め掛けた。同日夕には約6000人が取り巻き身動きが取れないほどごった返した。近所に住む主婦(29)は「この子が来たいと言うものですから」と、幼い娘を抱いて楽しそうに日の丸の旗を振っていた。静岡市から来たという46歳の女性は「雅子さんの姿を一目見たくて来ました。大きな声で、おめでとうと言いました」と興奮ぎみに話した。

この日朝、お2人がお互いの心情を和歌に託して交換する「贈書の儀」が行われた。皇室の私的行事で内容は公開されないが、皇太子さまが詠まれた和歌を東宮侍従が小和田家に届け、雅子さんの和歌を皇太子さまに持ち帰った。 宮内庁によると、皇太子さまは、自室で侍従から結婚の儀などの最終的な報告を受けたり、式次第に目を通すなど翌日に備えられた。国内外の知人からお祝いの手紙などが届いているほか、既に部屋には雅子さんの荷物が一部運び込まれており、この間皇太子さまは身の回り品を自分で整理されていたという。《共同通信》

【横綱・曙関】ハワイに凱旋

横綱曙が生まれ故郷のハワイに凱旋―。大相撲の米国巡業、「ホノルル場所」の開幕を翌日に控えた8日、午前中にホノルル入りした曙は、市内の宿舎から約30キロ離れたワイマナロにある実家を訪れ、家族の温かい歓迎を受けた。

豪華な白いリンカーン・コンチネンタルのリムジンに乗って実家に到着した曙。近所の住人など約300人が異国の地で堂々と立身出世した男を出迎え、ふだんは閑静な住宅地が一気に沸き返った。

これまで、何度かプライベートでは里帰りをしている曙だが、この日はさすがに勝手が違う様子。ホノルル空港での超のつくVIP待遇、ホテル到着後に行われた歓迎パーティーでも日本相撲協会のホストを堂々と務めた曙だったが、「一度にこんな大勢の人がこの家に集まるとは…。子供のころに世話になった人、日本での自分を見守ってくれた人、みんなとここで会えるなんて夢のようだよ」と興奮を隠し切れない様子だった。

実家のリビングルームの壁には、子供のころから力士になり大相撲界で活躍するまでの曙の写真がぎっしり。両親との対面を果たした曙は早速、父のランディーさんに黒のサファイアリングを「父の日のプレゼント」として手渡した。そして、母のジャニスさんには「あしたの土俵入りがお土産だよ」。優しい曙の気遣いに両親はただただ感激の面持ち。ジャニスさんの「息子の雄姿をハワイの人に見ていただけることは最高の幸せです」と話す声は震えていた。《共同通信》



6月8日 その日のできごと(何の日)