平成1614日目
1993/06/09
この日のできごと(何の日)
【皇太子徳仁親王殿下】結婚の儀
皇太子徳仁親王殿下(33)と外務事務次官小和田恒さん(60)、優美子さん(55)夫妻の長女雅子さま(29)の「結婚の儀」が9日午前、「国の儀式」として皇居・宮中三殿の賢所で行われた。
皇太子さまは黄丹袍の束帯、雅子さまは、おすべらかしに十二単の平安絵巻をしのばせる古装束で、神前に結婚の誓いをされた。皇太子結婚式は昭和34年の天皇、皇后両陛下以来34年ぶり、天皇家としては平成2年6月の秋篠宮さま以来である。お二人の出会いから6年7カ月。皇太子妃誕生で、皇室は新しい時代を迎えた。
結婚の儀には、秋篠宮ご夫妻はじめ皇族方、天皇家の親族、雅子さまの両親ら家族と親族、宮澤首相、衆参両院議長、最高裁長官、閣僚ら812人が参列、賢所前庭の幄舎で式の進行を見守った。両陛下は皇室の伝統に従い参列されなかった。
この日は前夜から、あいにくの雨模様の天気になった。午前10時すぎ、皇太子さまに続いて雅子さまが回廊を進み、賢所の内陣に入られた。皇室の祖先神の霊代とされる鏡を祭った内々陣に向かって拝礼、玉ぐしをささげて皇太子さまが「互いにむつみ親しみ、変わることのないことを誓います」との趣旨の告文を読まれた。 お二人は外陣に退き、小出英忠掌典長から皇太子さま、雅子さまの順で別々に杯を受け、神酒を飲んで賢所を退出し、結婚が成立、雅子さまは24人目の皇族となられた。最後に、秋篠宮ご夫妻が参列者を代表して前に進んで拝礼、式は約15分で滞りなく終了した。この後、お二人は、歴代天皇や神々を祭った皇霊殿、続いて神殿に拝礼、結婚を報告された。
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天皇、皇后両陛下は9日、結婚の儀が終わった後、侍従を通じ次のように感想を述べられた。 結婚の儀が滞りなく執り行われたことを喜びつつ、この結婚に対して寄せられた多くの人々の祝意に深く感謝しています。これから二人は心を合わせて家庭を築き、国や社会のために、また人々のために、皇太子、皇太子妃としての務めを果たし国民の期待にこたえていくよう願っています。新しい門出に当たり、二人のいく久しい幸せを祈ります。
「結婚の儀」を終えられた皇太子さま(33)と雅子さま(29)は9日午後、天皇、皇后両陛下に結婚の報告をする「朝見の儀」に臨まれた後、オープンカーで皇居を出発、新居の東京・元赤坂の東宮仮御所まで約4.2キロを30分間、華やかにパレード。沿道では19万2500人(警視庁調べ)が祝福、お二人は、にこやかに手を振ってこたえられた。
午前中から降り続いていた雨が上がった午後4時45分、お二人は宮内庁職員ら約600人の見送りを受け、宮殿の正面玄関「南車寄」を出発。オートバイや8台の車を連ね、皇居前広場、三宅坂、新宿通り、JR四ツ谷駅前を経て、東宮仮御所までのコースを進んだ。
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パレードに先立ち、雅子さまは宮殿・薔薇の間で山本悟侍従長から、女性に贈られる最高勲章の勲一等宝冠章の伝達を受けられた。 お二人は宮殿・松の間で、「国の儀式」として行われた「朝見の儀」に臨み、この日初めて両陛下と対面された。皇太子さまはえん尾服に大勲位菊花大綬章、雅子さまはローブデコルテに贈られたばかりの勲章を着け、そろって天皇陛下の前に進まれた。
皇太子さまが「結婚式を挙げていただき、誠にありがとうございました」とお礼を述べ、陛下は「今後はむつまじく、互いに心を合わせて家庭を築き、国や社会のために、また人々のために、皇太子、皇太子妃としての務めを立派に果たしていくよう希望します」とのお祝いの言葉を述べられた。皇后さまからもお言葉があった。 その後、皇太子さま、雅子さまの順で天皇陛下、次いで皇后さまの前に進み、それぞれ杯を受けた後、両陛下が朱塗りの膳に並べられたご飯や料理の上にはしを立てて食事をするしぐさをし、お二人がそれに倣って儀式が終了した。
続いて吹上御所の皇太后さまへもごあいさつ。皇族、首相、衆参両院議長らは宮殿で両陛下とお二人にお祝いを述べた。 仮御所では宮内庁職員らの祝賀を受け乾杯。午後6時からは、夫婦の契りを固める「供膳の儀」があり、皇太子さまは雅子さまのお酌で酒を飲まれた。 お祝いの夕食をとった後、午後9時から、おニ人が子孫繁栄を願って小さな餅を食べる「三箇夜餅の儀」が行われ、この日の儀式はすべて終わった。
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「結婚の儀」を終えた皇太子ご夫妻は9日夜、侍従を通じ一日の感想を次のように述べられた。
結婚の儀をはじめとする諸行事が無事に終了し、ホーッとした気持ちと同時に、深い感慨を覚えます。今日まで私たち二人を見守ってくださった方々に心から感謝しております。 また、沿道で多くの方々に祝っていただいたことを大変ありがたく幸せなことと思っています。これからは二人して皇族としてのさまざまな務めに励んでいきたいと考えます。《共同通信》
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宮澤首相は9日午前、皇太子さまと雅子さまの結婚の儀に参列後、東京都渋谷区の私邸で報道各社のインタビューを受け「先ほど皇太子殿下と小和田雅子さまのご婚儀が宮中賢所で古式ゆかしく執り行われました。心から両殿下の末永いご多幸と皇室のご繁栄をお祈り申し上げたい。この度のご盛儀は国民がひとしくお待ち申し上げておりましたので、皆様と心からお喜びを申し上げます」と述べ、祝意を表した。《共同通信》
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【宮澤喜一首相】党四役と会談
宮澤首相は9日夜、都内のホテルで自民党の梶山幹事長ら党四役と会談、党内意見が厳しく対立している選挙制度改革をめぐり対応を協議した。首相は新たな指示を行わず、引き続き四役を中心にした党内の調整作業を見守る姿勢を示し、改めて協力を要請した。
これに対し、梶山氏は「残された会期を一生懸命やる」と述べ、当面は会期延長は念頭に置かず、党内意見の集約に当たる意向を示唆した。また三塚政調会長は「最後のところでは首相と幹事長がきちんと相談することになるだろう」と指摘、最終判断を首相と梶山氏にゆだねる考えを明らかにした。
自民党は10日午前、政治改革推進本部と選挙制度調査会の合同総会を再開するとともに、午後から総務懇談会を開き党内意見の集約に向け大詰めの論議を行う。首相がこの時点で明確な方針を打ち出さなかったことは、党内動向がなお定まっていないことを示すもので、調整難航は必至の情勢だ。
しかし、推進本部は会期末まで残された時間が少ないため合同総会での議論は10日で打ち切り、単純小選挙区制の党議決定見直しを前提にした論議を総務会の場に移すことを提案する方針。
これに対し、改革慎重派は「党議決定の堅持が最後の防波堤」と位置付け、強く反対するとみられ、一連の議論を通じ自民党が一気に党議決定見直しに向け方針転換する可能性は低い。
このため、執行部内には当面の意見集約は困難として今国会を会期通り閉じた上で、秋に臨時国会を召集、改めて議論を行う考えが急速に浮上している。ただ慎重派の中にも「何もやらないのでは国民世論を納得させることはできないとする意見も根強く、会期延長問題も絡んで党内調整は最大のやま場を迎える。
この日の協議は首相が党執行部慰労するため開いたもので、四役のほか河野官房長官らが同席した。《共同通信》
【大分県中津市】警官が同僚宅で発砲
9日午後6時ごろ、大分県中津市、中津署交通可のA巡査部長(44)宅を同署小楠駐在所勤務、B巡査部長(37)が訪れ、「お前が言うたじゃろうか」などと言って天井に向け短銃を一発発射した。
B巡査はすぐにA巡査部長に取り押さえられ、通報で駆けつけた署員に銃刀法違反の現行犯で逮捕された。二人にけがはなかった。同署で動機などについて調べているが、B容疑者は私服でかなり酒に酔っていた。
B容疑者の勤務する駐在所を調べたところ、居間と窓ガラスに短銃を発射した跡があった。《共同通信》
【米・クリントン大統領】結果重視の政策必要
クリントン米大統領は9日、ワシントンで開かれた財界主催の講演会で「日本に関して一段と結果志向の通商政策を進めているが、批判されているような管理貿易ではない。この協議で結果を示せるように努力を続けなければならない」と述べ、日米包括経済協議を結果重視の協議と位置付けていることを強調した。
大統領は「客観的に見て、価格や品質面で米国が競争力を持つ製品やサービスがあり、関税や割当制度の障壁がないにもかかわらず(日本市場に)参入できない。米国(企業)が日本でもっと多くの機会を得られるように取り組んでいる」とし、日本の市場開放を強力に進める考えを示した。
さらに新協議について「日本で厳しい批判があるのは知っているが、それはこれが有効に作用する可能性があるからだ。日本は米国だけでなく、すべての発展途上国に対して巨額の貿易黒字があり、新しい取り組みが必要だ」と説明した。《共同通信》