平成1609日目

平成5年6月4日(金)

1993/06/04

【カンボジア・シアヌーク殿下】暫定政府を撤回

カンボジア最高国民評議会(SNC)議長のシアヌーク殿下は4日午前、緊急声明を発表、前日の3日夕に宣言した暫定政府「カンボジア国民政府」(国名カンボジア)の樹立を断念する、と述べた。

シアヌーク殿下は声明の中で、暫定政府放棄について「設立を阻む大きな問題があった」と指摘。直接的な理由としては、カンボジア人や国連の一部から「クーデター」であるとの批判があったため、と説明した。

また、SNC筋によると、カンボジア総選挙で第一党の座が確定した民族統一戦線のラナリット党首が、暫定政府樹立に難色を示したという。

シアヌーク殿下が暫定政府樹立を断念する声明を出したのを受け、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表とプノンペン政権のフン・セン首相の会談が4日午前、UNTAC本部で始まった。

シアヌーク殿下は3日の声明で、3日午後5時半(日本時間同7時半)をもって「カンボジア国民政府」の樹立を宣言、大統領(国家元首)兼首相に就任したと発表した。副首相にはプノンペン政権のフン・セン首相とラナリット党首が就任。プノンペン政権の「カンボジア国」は消滅したと言明していた。

総選挙で第一党の座が確定した民族統一戦線はポル・ポト派とのつながりが深く、党首のラナリット殿下がプノンペン政権との二派だけによる連立政権に難色を示した可能性が強い。《共同通信》

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表は4日、プノンペン政権のフン・セン首相とUNTAC本部で約1時間半にわたり会談した。UNTAC報道官によると、会談ではカンボジア最高国民評議会(SNC)議長のシアヌーク殿下が前日に提案、4日朝取り下げた暫定政府樹立構想について話し合われた。

会談内容は明らかにされていないが、明石代表は先月29日のSNC会合で、制憲議会が新憲法を制定して新政府が発足するまでの移行期間を混乱なく乗り切るための「円卓会議」の設置を提案している。シアヌーク殿下の提案も踏まえ、こうした新たな枠組みづくりに向けてプノンペン政権側の協力を求めたとみられる。

また報道官によると、会談では総選挙の実施状況や、5日に予定のSNC会合の議題についても話し合われた。

敗北が確定したプノンペン政権の人民党は「総選挙結果のすべてを受け入れないということではない」(同政権報道官)としながらも、一部選挙区で規則違反があったとする主張を取り下げておらず、明石代表は改めて選挙結果を受け入れるよう働き掛けたとみられる。《共同通信》



【 PKO】カンボジア選挙監視員41人帰国

カンボジア総選挙で国連平和維持活動(PKO)の選挙監視要員として派遣された41人(うち女性6人)が4日午前6時すぎ、任務を果たしバンコク発成田着の日航機で23日ぶりに帰国した。

総選挙は約90%の高い投票率を記録し、連立政権が発足。懸念されていた不測の事態もなく、出迎えの柿沢外務政務次官ら政府関係者や家族約50人に元気な姿を見せた。《共同通信》

【宮沢喜一首相】選挙制度改革「来週から意見集約を」

宮沢喜一
https://www.kantei.go.jp/

宮沢首相は4日午前、首相官邸で海部前首相と会談し、「来週早々、自民党政治改革推進本部で案をまとめてもらった後、8日の総務会で結論を得たい」と述べ、9日の皇太子さまの結婚の儀前にも選挙制度改革の対野党妥協案をまとめたいとの意向を表明した。

自民党内には、改革推進派と慎重派の意見対立が深刻なため、慎重に党内調整を進めるべきだとの意見があるが、首相としては、今国会での改革実現のためには20日の国会会期末をにらんで早急な妥協案取りまとめが必要との強い決意を示したものとみられる。同日午後に首相は梶山氏を呼んで今後の段取りなどについて意見調整する。

梶山幹事長は同日午前の役員会後の記者会見で「(首相と)意見の擦り合わせとか、献策を申し上げる段階にない」と党内調整にはなお時間が必要との認識を示しながらも「首相よりご下命があればなおありがたい」と述べた。

梶山氏は役員会、四役会議で政治改革法案の処理について「会期末に向けての努力をしている。党内意見を吸収し、宮沢総裁(首相)を助け何らかの結論を出したい」と述べ、精力的に党内の意見調整を進める考えを強調した。

また佐藤総務会長は四役会議で、9日の結婚の儀までに選挙制度改革の対野党妥協案をまとめるのは難しいとの認識を示し、必要があれば総務会を開き、最終的な党内の意見集約を行う用意があることを明らかにした。

役員会では、島村国民運動本部長が「国会最終盤を迎え党議決定を離れた話が一人歩きしている」と、安易な妥協すべきではないと主張。これに対し石井国際局長は「党内の意識調査結果では妥協論が圧倒的だ」と反論した。梶山氏は「ここに座っている以上、棒をのんだようなことはしない。やるときはきちんとやる」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は4日、「北海道花の女王」の諸橋貴子さん(21)らの表敬訪問を受けた。政治改革をめぐる海部前首相、梶山自民党幹事長との会談に挟まれた「つかの間」の息抜きとあってか、スズランの鉢植えをプレゼントされた首相は満面に笑み。「(花の盛りは)ちょうど今ごろですか」「女王に選ばれたらどこかに連れて行ってくれるの」と質問を連発し、最後は「ちょっとやって(育てて)みようかな」。政治改革の党内調整は難航必至なだけに、せめて花を育てて願いを託したい心境?

○…「社会党に何を期待しますか」。社会党の赤松書記長はこの日朝、銀座四丁目に繰り出し、街行く人に「突撃リポーター」も驚くインタビュー。近く開く同党「93年宣言」発表会で披露する映像の収録で、「もっと社会党の政策がすっきり見えるように」との辛口の注文もあったが、赤松氏は「若い女性やおばさんは積極的にしゃべってくれる」と得意げ。しかし、肝心の宣言の決定は、自衛隊の位置付けをめぐり前日の中執委がもめて先送り。リポーターごっこよりも、党内をまとめるのが先決では。《共同通信》



6月4日のできごと