平成1608日目

平成5年6月3日(木)

1993/06/03

【カンボジア】暫定政府樹立

カンボジア最高国民評議会(SNC)議長のシアヌーク殿下は3日午後、国民へあてたメッセージの中で、同日午後5時半(日本時間同7時半)をもって暫定政府である「カンボジア国民政府」の樹立を宣言、大統領(国家元首)兼首相に就任したと発表した。副首相にはプノンペン政権のフン・セン首相と民族統一戦線党首のラナリット殿下が就任する。

メッセージでシアヌーク殿下は、制憲議会の採択する新憲法を尊重するとした上で、新政府が移行期間中の暫定政府であることを強調した。シアヌーク殿下は、暫定政府が民族和解のため、ポル・ポト派を含む全党派の力を必要としていると指摘、ポト派の参加を受け入れる用意を表明した。

シアヌーク殿下は、プノンペン政権の「カンボジア国」は解消したと宣言、新国家名は「カンボジア」と発表した。

プノンペン政権は同日タ、暫定政府の樹立に合意したと発表、選挙で選ばれる制憲議会が新憲法を制定し新政権が発足するまで、権力の移行を円滑にするのが、暫定政府の役割だと指摘した。

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表は同日夕、シアヌーク殿下と会談、暫定政府樹立に歓迎の意を表明した。一方、民族統一戦線は新政府の樹立に関しては、同日夜現在、公式のコメントを出していない。

シアヌーク殿下はメッセージで、新政府の軍・警察の最高司令官も兼ねるとしている。また大統領ポストなどへの就任は人民党のニチア・シム議長、フン・セン首相、ラナリット殿下の3人の合意と無条件の支持を受け入れたものだと述べ、た。

さらに、ポト派のキュー・サムファン議長を含むSNCのメンバーを認知すると述べ、SNCは今後も新政府と併存すると言明した。しかし両者の権力関係や優位性などについては言及していない。《共同通信》



【河野洋平官房長官】シアヌーク声明を評価

河野官房長官は3日夜、カンボジア最高国民評議会(SNC)のシアヌーク議長が新政府樹立を発表したことについて「わが国は従来から一貫してシアヌーク殿下の指導力を評価してきた。今回の声明も殿下の指導力が示されたものと受け止めている」とのコメントを発表した。《共同通信》

【皇太子殿下、小和田雅子さん】「朝見の儀」リハーサル

皇太子さまは3日午後、小和田雅子さんとともに、皇居・宮殿で行われた「朝見の儀」のリハーサルに出席された。朝見の儀は、皇居・賢所での結婚の儀を終えた皇太子ご夫妻が、初めて天皇、皇后両陛下にあいさつし杯を交わす儀式で、9日午後、皇居・宮殿の松の間で行われる。

この日は宮殿行事を担当する宮内庁式部職の職員らが儀式の進め方や所作を説明。お二人は平服のまま、両陛下役を務める職員とともに、非公開で練習を繰り返した。《共同通信》

【ヤクルト・伊藤智仁投手】プロ初完封

ヤクルト4−0阪神◇3日◇甲子園

伊藤が阪神を3安打に抑え、プロ入り初完投を完封で飾った。伊藤は直球のスピードこそ140キロ程度だったが、切れのある変化球とのコンビネーションがよく、9三振を奪うなどつけ入るすきを与えなかった。打線は序盤に阪神の先発、葛西を捕らえた。二回に秦の中前適時打、続くハドラーの右翼線二塁打で2点を先制。三回には池山の2点二塁打で追加点を奪い、伊藤を楽にした。

阪神は一回の攻撃が悔やまれる。一死一、三塁から三遊間を抜けると思われたパチョレックの当たりは池山の攻守に阻まれて併殺となった。《共同通信》

【OECD閣僚理事会】経済回復へ財政出動を

パリで開かれていた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会は3日夕(日本時間同日深夜)、二日間にわたる討議を終え、世界経済回復に向けた金融・財政政策の活用、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の年内終結、失業率抑制のための構造改革促進などをうたった共同声明を採択して閉幕した。

声明は内需拡大の具体的手法として①中期的な財政再建を損なわない範囲で財政政策を活用する②インフレ懸念の少ない国は短期金利引き下げを目指す—などを促している。黒字国日本を名指しした財政出動要請は見送られたが、米国などは既に、日本の財政体質は強固だとして継続的な財政措優を取るよう求めており、マクロ政策をめくる日米間を中心にした対立の構図は、7月の先進国首脳会議(東京サミット)に向け先送りされた形となった。《共同通信》

【宮沢喜一首相】政治改革「今国会で実現」

宮沢首相は3日午後、自民党本部で開かれた東京都各種団体協議会の都議選総決起大会であいさつし、焦点の政治改革について「何としてもこの国会で政治改革を実現し、皆さんのご心配にこたえなければならない」と重ねて決意を表明した。

首相は「国政レベルでいろいろ不祥事があり、国民の政治不信は誠に深刻になっている」との認識を示し「国民の不信をほうっておくと、政党の別を超えて議会政治が全部沈んでしまう」と政治改革の必要性を改めて強調した。

また首相は国会審議の現状について「政治改革調査特別委員会での審議がまさに最後の段階に来ているところだ」と述べた。《共同通信》

【自民党・梶山静六幹事長】党内合意に全力

自民党の梶山幹事長は3日午後、雲仙普賢岳災害の視察の後、長崎空港で同行記者団と懇談し、政治改革法案をめぐる今後の党内調整の進め方について「早いほどいいが、念には念を入れ、これで収まるという確信を持ったときにやりたい」と述べた。

政治改革推進本部の幹部の一部にあった9日の皇太子の結婚の儀前に対野党妥協案とりまとめるとの考え方にこだわらず、時間をかけて慎重に党内合意を図っていく考えを示したものだ。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の梶山幹事長は3日、長崎県島原市で開かれた「雲仙・普賢岳噴火災害犠牲者追悼式典」に出席後、地元の陳情を受けた。大詰めを迎えた政治改革への対応について「こちらは山が動かない方がいいのだが、野党に言わせると山は動いてきた。国会の会期末を控えて慶事(結婚の儀)などいろんなことがあるが、不退転の意思で取り組んでいる矢先だ」と、妥協案作りに踏み切るのかどうかという肝心の点はどちらにも取れる玉虫色の発言。「この決着をみたら、長崎新幹線問題に取り組みたい」とも言って、サービスに努めていた。

○…社会党の村山国対委員長はこの日の中央執行委員会で、政治改革をめぐる与野党の動きについて「野党はここまで譲歩しているのに、自民党はまだネクタイも外していない」ー。一同があっ気に取られていると、さらに「私たちはフンドシ一丁になっている」とも。「野党は統一案をまとめて相撲の土俵に上がっているのに、自民党はまだ土俵の下」と批判したかったわけだが、途中を省略したため微妙な表現になったのが真相。村山氏は照れながら「フンドシ」を「まわし」に訂正していたが、連日、この問題で協議が続き、疲れ気味。《共同通信》

【雲仙普賢岳火砕流災害】発生から2年

43人が犠牲になった長崎県雲仙・普賢岳の火砕流惨事から2年を迎えた3日、島原市では遺族らによる上空からの慰霊フライト、市民の黙とうが行われ、地元は終日鎮魂の祈りに包まれた。

この日午後、遺族らは自衛隊のヘリコプターに乗り込み、被災現場の同市上木場地区の上空から花束や故人が好んだたばこ、酒などを投下した。

大火砕流が発生した運命の午後4時10分には、サイレンを合図に黙とうする市民の姿が仮設住宅や商店街など各地で見られた。同市の島原文化会館に開設された慰霊所にも、市民の献花や記帳が終日続いた。

火砕流に巻き込まれたのは、地元住民、消防団員、警察官、タクシー運転手、報道関係者、外国人火山学者。うち40人が死亡、3人が今も行方不明のまま。

普賢岳は3日も成長を続ける第1ドームから溶岩の崩落が相次ぎ、北東側や東側斜面で火砕流が頻発。活発な火山活動に地元では依然警戒が続いている。《共同通信》



6月3日のできごと