平成1594日目

平成5年5月20日(木)

1993/05/20

【宮沢喜一首相】PKO「早期見直さず」

宮沢喜一
https://www.kantei.go.jp/

衆院予算委員会は20日午前9時半から、5年度補正予算案の提案理由説明に続いて質疑に入り、質問の一番手に立った自民党の鴻池祥肇氏がカンボジアでの国連平和維持活動(PKO)中心に政府の見解をただした。

宮沢首相はカンボジアで日本人文民警察官が殺害されたことをきっかけにPKO協力法の早期見直し論が浮上していることについて「今回のことを将来に向かってどのように生かし、法律を運用し、改正するかは多少の時間の展望の中で考える必要がある」と述べ、早期見直しは行わず、慎重に検討すべきだとの考えを強調した。

一方、要員の安全対策で繰り返し慎重論を主張している小泉郵政相はカンボジアでのPKO協力について「PKO協力法が成立した際の国民の議論では、血を流してまでは(協力しない)、というほかの国とは少し違う姿勢を国民は選択した。日本の要員にほかの国の要員と同じ覚悟と用意をさせることは、国会の議論になかった」と、安全確保が不十分な状態では、活動の中断や撤収も検討すべきだとの考えを重ねて表明。PKO参加をめぐる宮沢内閣内部の見解の不一致も浮き彫りになった。

鴻池氏は、武藤外相と村田自治相がPKO協力法の早期見直しや平和維持軍(PKF)参加凍結の解除を求めたことをめぐり、真意をただした。外相は「(現行のPKO協力法では)丸腰の要員の警護の規定がない」と指摘、「(同法で規定した見直し期間の)3年を経過しなくても国民がやったらいい、ということであれば法律の見直しをした方がよい」と改めて強調、見直し時期の前倒しに積極的な考え方を示した。

村田自治相も「(派遣)要員の尊い命を落とすことのないよう全力を挙げて守らなければならず、PKFが凍結されていることについて、よく研究しなければならない」と述べ、首相答弁と食い違いをみせた。《共同通信》



【カンボジア総選挙】自衛隊が投票所を巡回

防衛庁の西元陸上幕僚長は20日の記者会見で、カンボジアの国連平和維持活動(PKO)に参加している日本の選挙監視要員の安全を確保するため、自衛隊のPKO施設部隊が「偵察チーム」を編成し、監視要員のいる投票所を毎日巡回していくことを明らかにした。

西元陸幕長は、巡回の目的は「情報交換」としているが、事実上パトロールの性格を否定していない。このため自衛隊による監視要員の警護を「同一の場所(にいる場合)」などと限定解釈している政府の見解を逸脱する恐れがあるほか、巡回がPKO協力法で凍結された平和維持軍(PKF)に抵触する可能性も出ている。

これに関連して、河野官房長官が同日夕の記者会見で「(自衛隊の巡回は)具体的に聞いていない。法律の中でやってほしい」と述べるなど、足並みの乱れが出ている。《共同通信》

【宮沢喜一首相】政治改革法案、今国会で以下つ処理

宮沢首相は20日午後、後藤田副総理兼法相、福田元首相とそれぞれ個別に会談し、政治改革をめぐる政府、自民党間の調整、野党への対応などについて協議した。後藤田副総理との会談は国会内で行われ、副総理は衆院への単純小選挙区制導入を柱とする関連四法案の扱いをめぐり、党三役や各派領袖から聴取した結果をまとず伝えた。

両者は、首相が自ら指導力を発揮する必要があるとの認識に立ち、関連法案一括処理の基本姿勢を堅持して今国会での実現を目指すことで一致した。今後、首相は具体的な対応について梶山幹事長ら党三役との協議を進めていく見通しだ。

会談では、選挙制度改革をめぐる妥協案については話し合わなかったとされるが、与野党間の今後の協議で双方に歩み寄りが期待される場合は、政府としても柔軟に対応していくことでは認識が一致しているもようだ。

副総理は記者団に対し、今国会での改革成立の可否について「ここまできて結果として国民をまただますということは個々の議員、党にもあり得ない」と述べ、国民の信頼回復のためにも成立させるべきだとの考えを強調した。《共同通信》

【自民党羽田派】2閣僚、現時点では辞任の意思ない

船田経企、中島科技岡長官は20日、それぞれ河野官房長官に会い、出身派閥・自民党羽田派の小沢元幹事長との間で19日、政治改革への首相の対応次第では閣僚辞任も辞さない方針を確認したことについて、現時点では閣僚辞任の意思がないことを強調し、真意を説明した。

一方、後藤田副総理兼法相は河野官房長官とこの問題をめぐって協議し、「政治改革を唱えるものが派閥次元の動きをすることは政治改革にもとる」と批判し、宮沢首相の厳しい対応を求めた。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の梶山幹事長は20日、国会内で茨城県産メロンのキャンペーンガール4人の訪問を受けた。茨城2区選出の梶山氏は開口一番「茨城にもこんな美人がいたのか」と相好を崩して、メロンを受け取った。続けて「今は政治改革とか嫌な話ばかりだから」と、“改革派”が聞いたら、どきっとするような発言も。一人ひとりの出身を聞くと、4人のうち2人が選挙区内の出身と分かり、両手で握手。他の2人と区別した歓迎ぶりに、周辺からは「おや、解散が近いのか」との声も出ていた。

○…社会党の村山国対委員長はこの日の記者会見で、ヤマ場に差し掛かっている選挙制度改革の妥協問題について「話し合いの場は、あくまで政治改革調査特別委員会を舞台に」と基本姿勢を説明。その一方で「そうは言っても党の間で話し合うことも必要だから」と述べ、改革推進派からは、ただの時間稼ぎと批判の強い政党間協議もちらつかせた。月末までに修正案取りまとめという公明党の提案についても「そういう意見もあろうし、民社党には民社党の、社会党には社会党の意見がある」と、端々に妥協案づくりを急ぎたくない本音が。《共同通信》

【春の園遊会】約2000人が出席

天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会が20日午後、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた。宮沢首相ら国会議員、各界の功績者、各国の駐日大使ら約2000人が出席。蒸し暑さを感じる曇り空の下、新緑の中での歓談を楽しんだ。

両陛下は午後2時すぎから皇太子さま、皇族方とともに御苑内を歩き、100歳の双子の姉妹、成田きんさん、蟹江ぎんさんや雲仙・普賢岳の火砕流災害の復旧に尽くした長崎県島原市の鐘ケ江管一前市長ら招待客に声を掛けられた。

車いすで訪れたきんさん、ぎんさんに陛下は「お元気ですね。もうすっかり目は良くなりましたか」と二人の白内障を気遣われた。和服姿の皇后さまもひざを折って話し掛けられ、ぎんさんは「よく見えます」「皇太子さまの結婚おめでとうございます」と笑顔で答えた。

きんさんは、陛下との対面ではかなり緊張した様子だったが、この後報道陣から感想を聞かれると「まあ、どきどきした。いい思い出だ」と持ち前の話し方に戻った。ぎんさんは「(陛下は)神様、仏様のようなお人」と話していた。《共同通信》

【UNTAC・明石康代表】攻撃には断固反撃

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表は、20日のカンボジア最高国民評議会(SNC)作業部会で、21年ぶりの選挙実施に向け「最低の条件」は整ったと宣言する一方、UNTAC要員が攻撃を受ければ「激しく反撃する」と述べ、名指しはしなかったものの、選挙阻止の構えをみせるポル・ポト派の攻撃に対しては、断固として反撃する方針を初めて明確にした。

19日ですべての選挙運動を終了したカンボジアは、20日から22日の投票前日まで、3日間の「冷却期間」に入った。この日は、選挙で誕生する制憲議会が、6月第2週にも招集されることが明らかになったほか、北京滞在中のシアヌーク殿下が急きょ帰国を表明。ポト派の動向に懸念を残しながらも、新生カンボジア誕生に向けた胎動が一挙に高まっている。

明石代表は作業部会の開会演説で、6週間の選挙運動期間中、各政党による選挙集会が計1529回開かれ、延べ80万人が参加したと報告。選挙実施のための「最低の条件」が満たされたと宣言した。

代表はその上で、投票期間中のUNTAC要員の自衛権に触れ「自衛の範囲は厳しく制限されているが、この権利には自分たちの任務を守る権利も含まれている」と述べ、投票を含む選挙過程の防衛も自衛権に含まれるとの認識を示した。

さらに代表は、過去1カ月間に度々応戦せざるを得なかった状況を指摘、「われわれは攻撃されれば、ためらわず厳しく反撃する」と述べた。

これは今月15日に国連安全保障理事会に提出されたガリ国連事務総長の報告草案に盛り込まれていた文言だが、安保理で採択される際削除された。明石代表がこの表現を復活させる形で反撃権を明確にしたのは、選挙へのいかなる妨害も許さないとの固い決意を国際社会に示すためとみられる。《共同通信》

【大相撲夏場所12日目】曙12連勝

大相撲夏場所12日目(20日・両国国技館)横綱曙は豊ノ海を破り、12戦全勝で単独トップの座を堅持。大関昇進を目指す関脇若ノ花は、小結旭道山に送り出され、手痛い3敗目を喫した。大関貴ノ花は大翔鳳の変化に危なかったが、逆転勝ちし、曙との1差を保った。好調の平幕、貴闘力は2敗を守った。武蔵丸は大関小錦を寄り切り、関脇での5場所連続勝ち越しを果たした。小錦は6勝6敗。《共同通信》



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