平成1595日目
1993/05/21
【WBAジュニアバンタム級タイトル戦】鬼塚勝也選手、3度目の防衛に成功
世界ボクシング協会(WBA)ジュニアバンタム級チャンピオンの鬼塚勝也(協栄)に、同級2位の林在新(洛翠=韓国)が挑戦したタイトルマッチ12回戦は21日、東京・日本武道館で行われ、鬼塚が2-1の判定で勝ち、3度目の防衛に成功した。鬼塚はデビュー以来負けなしの22連勝(17KO)。
鬼塚は、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級チャンピオンのユーリ・アルバチャコフ(協栄=ロシア)を除く唯一の日本人チャンピオンの地位を守った。
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試合後の鬼塚は、別人のように冗舌だった。「林は嫌らしいボクシングをする選手なので、苦戦は覚悟していた。予想通りの展開です」。2-1の微妙な判定にも「ポイントは人がつけるもの。その結果、僕が勝ったということです」。 鬼塚は立ち上がりから、どこかおかしかった。
前半は手数に勝る挑戦者のペース。「序盤はポイントを取られると思っていた」と言う王者が見せ場を作ったのは9回だった。右ストレートがカウンターで当たり、林の右ひざが折れた。いつもなら一気に攻め込むところだが、「向こうもうまかった」と、唯一のKOチャンスを振り返った。
採点は、パナマのマルドナド氏が1点差で林の勝ちで、内田、島川の両氏は1、4点差で鬼塚に軍配を上げた。協栄ジムの金平前会長は「日本のジャッジが正確だったということだ」と言った。 「自分のペースはつかめなかったけど、すべてを出し切った。だから苦戦とは思いたくない」。ちょっぴり後味の悪い判定勝ちを打ち消すように、鬼塚は一段と声を大きくした。《共同通信》
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【大相撲夏場所】13日目
大相撲夏場所13日目(21日・両国国技館)横綱曙に土がつき、1敗を守った大関貴ノ花とトップに並んだ。曙は新関脇若ノ花のはたき込みに土俵に落ち手痛い初黒星を喫した。若ノ花は10勝目、白星を二けに乗せ、場所後の大関昇進に望みをつないた。貴ノ花は、大関同士の対戦で取り直しの末に小錦を寄り切った。平幕貴闘力が敗れて、2敗力士がいなくなり、優勝争いは、曙、貴ノ花の二人に絞られた。新関脇若翔洋は8敗目を数えて負け越しが決まった。《共同通信》
【東京、横浜、宇都宮】震度4
21日午前11時36分ごろ、関東を中心に東北、中部地方にかけて広い範囲で地震があり、東京、横浜、宇都宮で震度4(中震)を記録した。気象庁の観測によると、震源地は茨城県南西部で、震源の深さは60キロ、地震の規模はマグニチュード(M)5.2と推定される。津波の心配はないという。東京で震度4以上の地震があったのは、昨年2月2日に震度5(強震)を記録して以来。
埼玉県警によると、同県上尾市で、生後2週間の赤ん坊が、地震のため落ちて来た額縁のガラスで軽傷を負った。東海道新幹線は午前11時37分から46分まで、東京―小田原間で上下線が停電し運転を一時ストップした。東北新幹線は東京―福島間で、上越新幹線が東京―越後湯沢間で運転を一時見合わせた。羽田空港は午前11時38分から、3本ある滑走路を閉鎖して、検査した結果、異常はなく約15分後に再開した。《共同通信》
【宮澤喜一首相】自衛隊のPKOパトロール「当然の任務」
宮澤首相は21日の衆院予算委員会で、自衛隊施設部隊によるカンボジア選挙監視要員の安全確保のためのパトロールについて「施設部隊が橋を造ったり道路を直す際、治安(の確保)は重大な関心事であり、そのための情報収集は本来の業務で、当然の任務だ」と述べ、施設部隊の任務遂行のため必要との見解を示した。《共同通信》
【自民党・小沢一郎元幹事長】宮澤首相と対決姿勢
自民党羽田派の小沢元幹事長は21日、都内の事務所で記者団と懇談し、政治改革について「宮澤首相が決断すれば今国会で実現できる。来週中に具体的な成案が得られない場合には首相を支持、協力できないこともある」と述べ、首相が党執行部に妥協案作りの指示を出すなど具体的な行動を起こさない場合、首相と対決姿勢をとる意向を鮮明にした。
小沢氏は、首相が決断しないなら「結果として公約はうそということになり、国民への重大な背信行為となる」と指摘。その際の対抗措置については「仲間と相談して羽田代表が正式に話をすると思う」と言及を避けたが、既に同派出身の2閣僚から辞任の確認を取り付けているため、閣僚引き揚げという事態に発展することが予想される。
小沢氏は、衆院政治改革調査特別委での論議で選挙制度改革の論点は出尽くしているとの見方に立ち「残るのは与野党の歩み寄りによって成立させられるかどうかの一点のみ」と、妥協の必要性を強調。妥協案については小選挙区比例代表連用制が「現時点での与野党の間を取り持つ案」と評価しながらも、政権交代可能な仕組みをつくれる制度であれば特に中身にはこだわらない意向を示した。
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宮澤首相は21日夜、自民党羽田派の小沢元幹事長が政治改革実現に首相の指導力発揮を求めたことについて「私に任せてくだされば、それはもうちゃんとやります」と述べ、政治改革関連四法案の成立に全力を挙げて取り組む考えを強調した。
また、小沢氏が来週中に具体的成案を得られない場合、宮澤内閣に協力できなくなることもあるとした点に関して「今月いっぱいと言ったって、あと何日ありますか。大事なことですからね。予算委員会が衆院と参院と二つあるから」として、今月中に今国会成立を図るための与野党間調整を終えるのはかなり困難との見通しを示した。国会内で記者団の質問に答えた。《共同通信》
【政界談話室】
○…21日正午前、衆院予算委で公明党の草川昭三氏が政府に所得税減税を実施せよと迫っている最中に突然グラリと震度4の地震。第一委員会室の大きなシャンデリアゆらゆらと揺れる下で草川氏は「政府も“自信”をもって(減税)実施を検討して」と、とっさの駄じゃれで質問したため、委員会は爆笑。しかし宮澤首相は苦笑いしながらも「(与野党の協議を)軽々しく受け止めているわけではない」とそっけない返事。ちょっとやそっとの地震では、かたくなに所得税減税を拒否する首相を揺さぶることがはできそうにない?
○…このところ小泉郵政相のPKO要員早期撤収発言やら船田経企庁長官の辞任示唆など閣内から問題発言が続いているが、この日の閣議前、時々大胆な発言をする村上労相が「一に小泉、二に船田三、四がなくて五に(PKO協力法前倒し見直し論の)武藤(外相)」と、ひとくさり。ナンバーワンに名指しされた小泉氏が「一に我慢、二に辛抱、三、四がなくて五に忍耐の気持ちでやれと先輩から言われたが、辛抱しきれなくて…」と応酬した。しかし労相は「辛抱できなければ大臣を辞めたら」ととどめを刺し、放言論争はチョン。《共同通信》
【キリンビール北陸工場】初出荷
日本海側初のビール工場である松任市竹松町のキリンビール北陸工場は21日、初めて製品を出荷した。北陸の経済活性化の刺激にとの期待も高まる中、関係者が感慨を込めて北陸産のビール誕生を祝った。
同工場トラック出口で行った初出荷式では、ビール事業本部副本部長の相良雄常務、梅田敬蔵取締役北陸工場長、笠間晴隆北陸支社長らがテープカットした。続いてビールを満載し、「祝初出荷」の幕で飾った5台のトラックが次々と門を出て行くと、関係者の間から大きな拍手が起こった。
同日出荷したのは、3月上旬から仕込みに入っていた主力商品の「キリンラガー」「キリン一番搾り」の2銘柄、9万ケースで、トラック230台に分散して北陸3県の特約代理店に向けて発送した。《北國新聞》
【ポル・ポト派】選挙は戦火に油
カンボジア総選挙阻止を叫ぶポル・ポト派のスポークスマン、マク・ベン氏は21日、カンボジア北西部の同派支配地区プノンマライで記者会見し、23日に迫った総選挙の結果を絶対に認めないと強調。「総選挙の実施は戦火に油を注ぐことになろう」と述べ、総選挙阻止のため戦闘を拡大し内戦も辞さないとの強硬姿勢を示した。
また、陸上自衛隊施設部隊が地するタケオに関しても「カンボジアに安全な所はない」と指摘、攻撃があり得ることを示唆した。
ポト派は23−28日投票の総選挙に対し、これまで以上に強い対決姿勢を打ち出しており、投票を武力で妨害し、さらに選挙後に戦闘を拡大させるのは必至とみられる。
マク・ベン氏は会見で声明文を読み上げ、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)主導による総選挙はカンボジアの民族自決、平和回復、独立民族和解をもたらすものでなく、パリ和平協定の目的に反すると主張。また選挙はプノンペン政権やベトナムの支配の合法化を狙った「ショー」にすぎないと非難した。
マク・ベン氏はまた、シエムレアプ、コンポントムなど4州では90-93%の割合で投票所設置が不可能となり、プーサット、コンポンスプーなど6州では、50-70%になるとし、総選挙は実質的に失敗したと指摘。シアヌーク殿下が提案する救国暫定政権構想への全面的支持を改めて表明し、全4派による暫定和解政府の樹立が和平達成への唯一の道と強調した。《共同通信》
【社会党・嶋崎譲副委員長】PKOで柔軟な見解
カンボジアの国連平和維持活動(PKO)視察から帰国した社会党調査団長の嶋崎譲副委員長は21日午後、国会内で記者会見し、「すべての要員の撤収を決断すべきだとの(党方針の)判断は間違っていない」としながらも「撤収を直ちに実行できる状況にない。日本だけが(要員を)引き揚げることは現実にできない」との柔軟な見解を表明した。
嶋崎氏は「非軍事・文民・民生」を軸とする社会党の国際貢献方針についても、「もう一度、現実に即してどう対応するか議論をやり直さなくてはならない」と抜本的な見直しの必要性を強調。同時に従来の同党の方針の下では、今回のカンボジアPKOに社会党が想定した別組織の協力隊を派遣することは、事実上不可能だったとの見方も示した。
嶋崎氏は、PKO要員の具体的な撤収時期については「国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が引き揚げる時は当然だ」と述べ、UNTACの判断に従わざるを得ないとの考えを示した。
またPKO協力法の見直しについては「活動をUNTACの指揮下でやる前提に立って法律をどうするかの議論をすべきだ」と述べ、国連と日本政府という二重の指揮系統の矛盾解消を重視する立場を強調した。《共同通信》
【神奈川県警】暴行警官2人逮捕
神奈川県警川崎署の警官が昨年12月末、派出所内で土木作業員に暴行したとされる事件で、県警企画監察本部は21日、特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで当時同署地域一巡査部長A(39)と同巡査B(22)の両容疑者を逮捕、同日付で懲戒免職にした。
調べによると、両容疑者は昨年12月30日午後1時ごろ、JR川崎駅前広場で酒を飲んでいると通行人から苦情があった福島県出身の土木作業員Cさん(40)を川崎駅前地区警備派出所に連行。
取調室でCさんが暴れたため、後ろ手に縛って殴るなどの暴行を加えた上、首筋から熱湯や灯油をかけ、背中などのやけどと座骨骨折で入院53日のけがをさせた疑い。Cさんは「警官の一人からは短銃を突き付けられてぶっ殺してやる、と脅された」と話しており、Cさんの家族らが事件後、川崎署に被害を訴えたが、同署は取り合おうとしなかったという。
県警の杉田和博本部長は「被害者に謝罪するとともに話を聞かせてもらい、さらに事実を明らかにしたい」と述べた上「被害の訴えに対する警察の対応に不適正な点があり、経過を明らかにして厳正に対処したい」と上司らの処分も示唆した。《共同通信》
【雲仙・普賢岳】火砕流、民家に迫る
長崎県雲仙・普賢岳は21日、火口北東側の中尾川方向に火砕流が頻発、午後6時23分には継続時間が1分50秒の比較的規模の大きな火砕流が発生した。
この火砕流で島原市千本木地区の民家まで100−200メートルの地点で炎が上がっているのを市職員が確認した。同市は同日夕、千本木地区の92世帯、335人に避難勧告を出すとともに、同地区を通る県道を通行止めにした。
また普賢岳周辺では夕方から雨が降り出し、長崎海洋気象台は大雨洪水警報を発令。土石流発生の恐れがあるため島原市は水無川流域の978世帯、3731人にも避難を勧告した。
普賢岳ではこの日火砕流が中尾川方向に頻発。雲仙岳測候所は2回にわたり臨時火山情報を出し警戒を呼び掛けた。千本木地区はこれまで火砕流による被害はなかったが、今後、初の被害の恐れが出てきた。長崎県は4月末に中尾川で発生した土石流で治山ダムなどにたい積した土砂の除去作業も、この日中止した。
一方、長崎海洋気象台は、22日正午までの総雨量は多い所で60ミリに達すると予想。同日明け方にかけては1時間に10−20ミリの強い雨が降る可能性もあるとして、中尾川と水無川の両河川流域での土石流に対し注意を促した。《共同通信》