平成1546日目

1993/04/02

この日のできごと(何の日)

【従軍慰安婦問題】比元慰安婦も提訴

太平洋戦争中、旧日本軍に連行され、従軍慰安備として日本兵の相手させられたとして、フィリピン人元慰安婦のマリアローサ・ヘンソンさん(65)ら18人が国に1人当たり2000万円、総額3億6000万円の損害賠償を求める訴えを2日、東京地裁に起こした。

フィリピン元慰安婦の提訴は初めて。1990年に表面化した韓国の従軍慰安婦問題をきっかけとする慰安婦訴訟が旧占領地のフィリピンへも拡大した形で、約半世紀にわたってなおざりにされてきた日本の戦後処理が改めて問われることになった。

訴えによると、18人全員が42年から44年にかけ従軍慰安婦を体験。ヘンソンさんは14歳だった42年2月、ルソン島中部パンパンガ州でまきを集めていたところ日本兵に連行され、日本軍が駐屯していた病院に監禁され、感安婦として日本兵の相手させられた。フリア・ボラスさん(64)も44年11月、ミンダナオ島で日本兵に捕らえられ、防空壕の中で約8カ月間にわたり、他のフィリピン女性とともに慰安婦とされた上、洗濯や掃除を強要されたという。

ヘンソンさんらは、日本軍のこうした行為は国際法に違反し「人道に対する罪」に当たると主張。さらに、旧日本軍によるフィリピンでの多数の婦女暴行や慰安所設置は個別に行われたものではなく、組織的なものだったとし日本政府の対応を求めている。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【東京株式市場】

活況相場が続いている東京株式市場は2日、株価の先高期待から幅広く買い注文が集まり、平均株価(225種)の終値は前日終値に比べ347円85銭高の1万9446円94銭と続伸、年初来高値を2日連続して更新した。東京証券取引所一部上場の出来高も、15億3500万株と大きく膨らみ、バブル景気のピークだった1989年12月末以来3年4カ月ぶりの高水準となった。

宮澤首相が前日、大型の追加経済対策に積極姿勢を示したことで市場に強気ムードが広がり、一段の円高を見込んで為替差益を狙う海外投機資金の積極的な買いも株価を押し上げた。

3月以降、株価上昇の先導役となったNTT株は、前日終値比2万3000円高の100万円と続伸し、一昨年4月以来、ほぼ2年ぶりの100万円回復。このほか、円高メリットを受ける電力株や内需拡大期待から鉄鋼、不動産株が値上がりし、株式相場の活況で証券株は大幅高となった。《共同通信》

【福岡ドーム】開場

プロ野球のトーナメント大会は2日、パ・リーグは新設された日本初の開閉式屋根付き球場の福岡ドーム、セ・リーグは開場6年目を迎えた東京ドームでいずれも1回戦2試合が行われ、第1試合を終わってパはダイエーが2-1でオリックスに勝ち、セは阪神が延長の末に5-4で横浜を下し、ともに3日の準決勝進出を決めた。

福岡ドームでは試合に先立ち、常陸宮ご夫妻が臨席して開業記念セレモニーが行われ、ダイエーの中内正オーナー代行がスイッチを押して約20分で屋根が全開となる間に選手が入場した。女子柔道の田村亮子さんらによる始球式に続いて行われた同ドーム最初の試合は4万2000人の観衆を集め、本拠地球団のダイエーは接戦でオリックスを破り新球場のスタートに花を添えた。《共同通信》

【第65回選拔高校野球大会】第7日

第65回選拔高校野球大会第7日は2日、甲子園球場で3回戦の残り4試合を行い、駒大岩見沢(北海道)、八幡商(滋賀)、東筑紫学園(福岡)、上宮(大阪)が勝ってベスト8が出そろった。

駒大岩見沢は二回、先頭の本田が右中間に大会第10号の先制本塁打を放って先手を取り、1点差の九回には田頭の適時打で貴重な1点を追加。左腕羽沢が世田谷学園(東京)の強打線を3安打、1点に抑えて快勝、10年ぶり2度目の8強入りを果たした。春夏通じて初の甲子園出場の東筑紫学園は優勝候補の常総学院(茨城)と対戦。五回、安打に盗塁、犠打を絡ませた機動力のある攻めで3点を奪うと六回にも2点を追加。エース真木が踏ん張り、6―4で逃げ切った。九州勢は鹿児島商工(鹿児島)長崎日大(長崎)と合わせ、30回大会以来35年ぶりに3校がベスト8入りした。上宮は四回までに10安打を集める猛打で鹿児島実(鹿児島)を圧倒。八回を終えて交代するまでノーヒットに抑えた左腕牧野の快投もあって、11―1と大勝した。《共同通信》

【東急建設】ヤミ献金認める

前自民党副総裁、金丸信被告(78)の巨額脱税事件に関連して東京地検から資料の任意提出を求められた東急建設の五島哲社長は2日、建設省で記者会見し、過去4年間に同社が金丸事務所からの要請で山梨県知事選や国政選挙ごとに計数百万円のヤミ献金を提供していたことを認めた。

五島社長によると、平成3年2月の山梨県知事選の公示直前に金丸事務所から「金丸氏の推している候補がかなり苦戦しているので応援してほしい」と要請を受け、当時の東京支店長らが金丸事務所や甲府市の候補者事務所に献金を届けたという。《共同通信》

【北陸新幹線】金沢ー石動に48億円

日本鉄道建設公団は2日、5年度事業計画が同日までに運輸省から認可されたと発表した。この中で、北陸新幹線金沢ー石動間の建設費に48億円、金沢、西鹿児島駅を対象とした「町づくりと一体となった鉄道駅緊急整備事業」に計90億円のそれぞれ配分が正式に決まった。

運輸省によると、鉄道駅緊急整備事業の計90億円については金沢駅に約40億円を配分する方向で調整が進められており、新幹幹金沢駅の高架下のスペースを活用して県、金沢市などが進める公共サービス施設の整備が図られる見通しだ。

また、5年度事業計画で建設推進準備事業費として20億円が盛り込まれ、本年度着工が決まっている糸魚川ー魚津間の建設費に充てられる方向だ。《北國新聞》

【宮澤喜一首相】「わが党の存亡がかかっている」

宮澤首相は2日午後、自民党本部で開かれた両院議員総会で総裁として演説し、金丸前副総裁の巨額脱税事件や佐川急便事件による政治不信の高まりについて「立党以来最大の危機を迎え、わが党の存亡がかかっている」との強い危機感を表明した上で、政治改革推進の先頭に立つ決意を表明した。

首相は「政治とカネの問題は今や国民の最大の関心事だ」との認識に立って、政治資金に関する「公私の峻別」について明確な姿勢を示すため、政治改革関連4法案の成立に先立ち、党独自に「すべての政治資金を政治団体で取り扱い、政治家個人による政治資金の収受と保有を一切禁止する」との新提案を行い、了承された。《共同通信》

【宮澤喜一首相】“新選挙制度”準備次第で次回から

宮澤首相は2日午後、自民党本部で梶山幹事長ら党四役、塩川政治改革推進本部長らと会談し、政治改革関連法案の新選挙制度を次期総選挙で適用するのは困難、とした前日の記者会見での自らの発言を事実上撤回した。塩川氏が首相発言の真意をただしたのに対し、首相は「解散時期について予見を与えるようなことにならないようにああ言ったが、舌足らずだった。今となっては、ああ言わなければ良かったと思っている」と釈明。その上で、首相をはじめ出席者は「準備が整えば直近の選挙に適用する」との方針を確認した。

これは、自民党内の改革積極派の羽田派などが「次期総選挙から新制度を導入すべきだ」として首相発言に反発、野党側からも「首相は改革をやる気がない」と強い批判が出たことに配慮したためだ。

これに関連して政府筋は2日夕「(新制度の)周知期間を仮に法案成立後6カ月とすると、年内解散の場合は現行(中選挙区)制度、それ以降は新制度になる」と述べ、周知期間との関連で新制度が適用できるかどうかが決まることを指摘。また「周知期間内でも首相の解散権は縛られない」との認識を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は2日、自民党各派が11日の「平成維新の会」(大前研一代表)全国大会への議員出席自粛を求めていることについて、記者団に感想を聞かれ「何ですか。平成維新の会というのは。知らないな」とおとぼけ。にこにこ顔の首相に、記者団が「大前研一さんのところですが」と追い打ちをかけても「大前さんて、だれ」と知らぬ、存ぜぬを決め込んだ。首相周辺によれば「新聞に書いている程度のことは、首相にとって知っている範囲に入らない」のだとか。政界再編の“芽”といわれる同会や日本新党の動きだけに、いつまでも知らずに済ませておきたいのが本音?

○…社会党の赤松書記長は記者会見で「金丸事件、特に建設談合疑惑はますます広がりをみせている」と指摘した上で、党本部や都道府県本部に「公共事薬等の不正告発10番」を設置する考えを表明。さらに「(110番は)来週からスタートできる。より幅広い情報を寄せてもらいたい」として、その情報を委員会活動にも役立てる意向を強調した。一連の証人喚問、参考人招致では、野党の追及不足が指摘されただけに、まだ見ぬ“情報の山”への期待が膨らむばかり。《共同通信》

【仏・バラデュール新内閣】徒歩で出勤

フランスのバラデュール新首相は就任直後に財政支出を200億フラン(約4300億円)カットすると発表するとともに、閣僚に「質素な生活態度」を要求、公用車と政府専用機の乱用を控えるよう命じた。それもあってか、2日の初閣議には首相のほかに4人の閣僚が歩いてエリゼ宮(大統領府)に入った。

実際にはエリゼ宮近くで車を降りて、数十メートルを歩いただけだが、テレビは「閣僚の徒歩通勤」を大々的に報道、PR効果は十分。組閣直後の閣僚会議の昼食メニューも、サケのフライにイチゴのデザートというフランスにしては質素なものだったと伝えられる。《共同通信》



4月2日 その日のできごと(何の日)