平成1529日目

1993/03/16

【笠智衆さん】死去

小津安二郎監督の作品や寅さんシリーズなどの映画で貴重なわき役として活躍した俳優の笠智衆さんが16日午後2時13分、ぼうこうがんのため横浜市栄区の横浜栄共済病院で死去した。88歳。熊本県出身。

浄土真宗の寺に生まれ、京都の龍谷大学に進んだが、僧りょになるのが嫌で東京の東洋大に転校。中退して大正14年、松竹キネマ蒲田撮影所の俳優研究所一期生になった。

翌年、同撮影所の大部屋俳優に。生来の不器用さもあって11年間、下積み生活を送った。その間、昭和3年に小津監督の第2作「若人の夢」に出演し、同監督に熱心さを認められ、その後の小津作品に一作を除いて出演するようになった。

24年に松竹を退社し、契約俳優に。小津作品「晩春」「麦秋」「東京物語」、木下恵介監督の「カメルン故郷に帰る」「野菊の如き君なりき」、渋谷実監督の「酔っぱらい天国」などで、主に父親や老人役を演じ、ひょうひょうとした演技が好評だった。

44年夏から始まった山田洋次監督の人気シリーズ「男はつらいよ」に御前様役でレギュラー出演。テレビドラマでも名演技を見せた。

85歳を過ぎても映画への情熱は衰えず平成2年には黒沢明監督の「夢」、3年にはビム・ベンダース監督(ドイツ)の「夢の涯てまでも」に出演。昨年12月公開の「男はつらいよ・寅次郎の青春」が最後の作品になった。

42年に紫綬褒章、62年に菊池寛賞を受けている。《共同通信》




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【大相撲春場所】3日目

大相撲春場所3日目(16日・大阪府立体育会館)新横綱曙と新大関貴ノ花は、危なげなく勝って3連勝。曙は右のど輪から大翔山を押し出した。貴ノ花はうるさい旭道山の動きを封じ、左上手を引く万全の大勢で寄り切った。

大関小錦は、小結若花田の右上手出し投げに続く寄りに早くも2敗。若花田は3連勝。大関復帰を目指す関脇霧島は三杉里の寄りに屈し、初黒星を喫した。関脇武蔵丸は、貴ノ浪を突き落として初日を出した。《共同通信》

【渡辺美智雄外相】緊急サミット開催に否定的見解

渡辺外相は16日午前の閣議後の記者会見で、先の香港での先進国首脳会議(東京サミット)準備会合で検討することになった対ロシア支援の緊急サミットの開催に否定的な考えを表明した。ただ、対口支援で政治的な決断が必要となる場合は閣僚級の会合を開くこともあり得るとの見方を示した。

外相は、緊急サミットに関して「ごく一部の国から意見はある」とした上で「東京サミットとは別に対口支援のサミットは今のところ考えていない」と強調。その理由として①先進7カ国による総額240億ドルの支援も実行されていない②焦って支援を決めてもロシア側の受け入れ態勢ができていない—などを挙げ、「支援のテクニックの話なら実務家が集まった方が早い」と指摘した。

これに関連して、河野官房長官は「外相の発言は外務省の考えを表現したものだ。日本の意見は各国と擦り合わせる」と述べた。政府筋も18日から訪米する小和田外務事務次官が日本の考えを米側に伝えるとの見通しを明らかにした。《共同通信》

【政府】対ロ緊急サミット回避へ

政府は16日、香港での先進国首脳会議準備会合で検討することになった対ロシア支援の緊急サミット開催について①日本として首脳会議は回避する②それに代えて、外相・蔵相会議を早ければ4月下旬にも開き、対ロ追加支援策を検討するーことで各国との調整に入ることを決定した。

これは同日午後、首相官邸で宮澤首相、小和田外務次官らが、準備会合に出席した松浦外務審議官の報告を基に協議した結果、固まった。

17日から訪米する小和田次官がこの方針で米側の同意取り付けに全力を挙げる。しかし、フランスなどは緊急サミット開催を強く主張しており、今後、水面下での折衝が激化しそうだ。《共同通信》

【第一次家永教科書訴訟】家永氏、敗訴確定

家永三郎・元東京教育大教授が、自ら著した高校用日本史教科書に対する昭和37、38年度の検定をめぐり「検定は違憲、違法」として、国に約190円の損害賠償を求めた「第一次家永教科書訴訟」の上告審判決が16日、最高裁第三小法廷であった。可部恒雄裁判長は、検定制度について「教育を受ける権利や表現の自由、検閲の禁止、学問の自由を定めた憲法に違反しない」とし「検定に裁量権の乱用もなかった。一定の教育水準確保のため検定制度は必要」として、家永氏の請求を全面的に退けた二審の東京高裁判決を支持、家永氏の上告を棄却した。

教科書検定をめぐる最高裁初の合憲判断。提訴から28年ぶりに家永氏敗訴が確定し、一連の教科書は東京高裁で既に結審している三次訴訟を残すだけとなった。4裁判官全員一致の意見。

判決はまず「必要かつ相当と認められる範囲」での国の教育への介入を容認した旭川学力テスト最高裁判決(昭和51年)を引用。その上で「教科書が正確、中立公正で、全国的に一定水準の教育内容を確保するために検定制度は必要」と述べ、検定が教育を受ける権利を定めた憲法26条や教育基本法に違反しないと判断した。

憲法21条の表現の自由との関係では、不合格とされた図書は教科書として発行できないが、一般の図書として発行し、教師、児童、生徒を含む国民一般に発表することは禁じられていない、と指摘。「発表禁止の目的などはないから、検閲に当たらない」とした上で「検定による制限は、合理的でやむを得ない程度のものだ」と判示した。

憲法23条の学問の自由に関しても、生徒の教育にふさわしい内容と認められない場合などに、教科書の形での発表を制限するにすぎず、違憲ではない、とした。

さらに文相の裁量権の範囲については、検定の審査が学術、教育面で専門技術的な判断が必要であるため、文相の合理的な裁量にゆだねられる、と指摘。家永氏に対する処分は「見過ごし難い過誤があったとは認められない」と結論付けた。

家永氏は、執筆した高校用教科書「新日本史」(三省堂)の検定を違憲、違法として提訴。一審の東京地裁は検定制度を合憲、合法とした上で、検定意見の一部を「文部大臣の裁量権逸脱」として国に10万円の支払いを命じたが、二審の東京高裁は家永氏全面敗訴の判決を下した。

このほか二次訴訟(行政訴訟)は「訴えの利益がない」とする却下判決が東京高裁の差し戻し控訴審で確定。三次訴訟(国賠訴訟)は東京地裁で検定意見1カ所だけが違法と見され、家永氏、国側双方が控訴、昨年10月に結審している。《共同通信》

【政界談話室】

○…「新しくなったから見てみようじゃないか」。宮澤首相は参院予算委員会の空転で時間を持て余し気味の16日昼、国会内の別の部屋に転居し“新装開店”成った自民党の国対委員長室を見学。林蔵相、森通産相らを引き連れて瓦国対委員長らから「記者が走り回るから床(のじゅうたんが)擦り切れた」なごどの説明を受けた首相は「いいんじゃないですか、心機一転で。居は心を映すと言いますからな」。何かと批判される国体政治だが、参院での証人喚問、また政治改革関連法案の取り扱いなどで前途多難なだけに、国対にはもうひと踏ん張りを期待している風。

○…渡辺外相はこの日の記者会見で、対ロ支援の先進国による閣僚級会合が検討されていいることについて「主たる目的が何なのか。頑張れ、頑張れとおはやしをする格好づけが目的か。おはやしも必要だが、それだけでもいけない」と身ぶり手ぶりを交えて久々のミッチー節を披露。開催された場合の自らの出席も「参加するのはやぶさかではない」と強調し、ささやかれている「辞任説」を否定して「続投宣言」。体調についても「外交には全く影響していない」と付け加えるあたり、健康不安を打つ消すのに躍起の様子。《共同通信》

【韓国・金泳三大統領】北朝鮮の「NPT脱退宣言」撤回を要求

韓国の金泳三大統領は16日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核拡散防止条約(NPT)脱退宣言を一日も早く撤回することを求めた。一方、権寧海国防相は同日、国会国防委員会で、北朝鮮が既に核ミサイルの発射能力を持っているとして、強い警戒感を示し、万一の事態に備えて軍事的な対応策を講じていると述べた。

金大統領は青瓦台(大統領官邸)で韓昇洲外相の報告を受けた席で、北朝鮮はNPT脱退宣言によって国際的な孤立を自ら招き、朝鮮半島の緊張を高めている。と非難。北朝鮮に対し脱退宣言を撤回した上で、核査察に応じるよう強く求めた。

大統領はまた、同日の国税庁長官らとの昼食会で、今後の南北関係に触れ「北韓(北朝鮮)は米韓合同軍事演習チームスピリットが終われば、南北対話に応じてくるだろう」との見通しを示した。

権国防相は国防委で、北朝鮮は1980年代に70回余りにわたって爆発実験を行い、核起爆装置を既に開発しているとみられる、とした上で「射程1000キロのミサイル労働1号の発射実験に成功し、射程1500キロのスカッドXを開発中であることから、既に核ミサイル発射能力を持っていると判断できる」と言明した。

国防相はさらに、北朝鮮の核問題によって今後、朝鮮半島の緊張が高まれば、チームスピリット終了後も米韓両軍の警戒態勢を強化する方針だとし、必要ならチームスピリット終了の18日以降も米軍事力の一部が引き続き残留するよう要請することも慎重に検討中だと述べた。

また国防省高官は、北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の核査察に先んじて、寧辺の爆発実験場を清掃するなどの証拠隠滅を急いだことが確認されたと述べた。《共同通信》



3月16日 その日のできごと(何の日)