平成1528日目

1993/03/15

【中国・李鵬首相】対米融和へ意欲

中国の李鵬首相は15日、全国人民代表大会(全人代)政府活動報告で、外交指針に言及し米国との関係について「中国は一貫して中米関係を重視してきた。米国政府が上海コミュニケなどを順守すれば、障害は除かれる」と述べ、対米関係改善への意欲を示した。

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1989年の天安門事件以来、中国の人権状況、武器売却などを争点に両国関係は緊張を続け、昨年米国が台湾へF16戦闘機150機の売却を決定したことに中国は強く反発していた。しかし、この日の報告は、香港の民主化政策で対立している英国について「重大な結果の責任は英国政府のみが負わなければならない」と強圧的な姿勢を示しているのに比べ、対米融和の姿勢が目立つ。

米国は中国の貿易相手国第3位の地位を占めている。中国当局は当面、クリントン政権との関係打開で最恵国待遇継続を狙っており、そうした意向を反映した文言といえよう。《共同通信》




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【渡辺美智雄外相】中米支援を表明

グアテマラ、エルサルバドルなど中米7カ国支援のための「民主開発パートナーシップ」(PDD)の特別会合が15日午前、外務省で始まった。冒頭、渡辺外相があいさつし「中米各国が真の復興を探求する際、民主化と経済開発は車の両輪であり、両分野でバランスの取れた支援が必要だ」と述べ、両分野で日本が一層の支援をする意向を表明。グアテマラとエルサルバドルの難民帰還と定住支援のため国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じ、計90万ドルを拠出することを明らかにした。

会合は、16日に議長総括報告を採択して閉会する。PDDは1991年、ベーカー米国務長官(当時)の提案で発足。中米諸国と先進7カ国(G7)など計30カ国と国際機関の代表が参加している。《共同通信》

【森喜朗通産相】電力業界に投資額の上積み要請

森通産相は15日、同省に那須翔電気事業連合会会長(東京電力社長)を招き、景気てこ入れのため電力業界の5年度の設備投資額を大幅に上積みするよう要請した。

那須会長は「各電力に伝え、最大限の努力をする」と、協力を約束した。

沖縄電力を含む10社は昨年秋の段階で合計4兆8100億円の5年度の投資計画をつくっていたが、通産省の要請で今後、上積みのための作業に入り、3月末までに投資額を5兆円前後とする新しい計画をまとめる見通し。これは、4年度の当初計画約4兆5900億円に比べ約8.9%の伸び率となる。

政府は、電力業界の設備投資額上積みを追加的景気対策に盛り込む。森通産相は那須電事連会長との会談の中で「目いっぱいの計画をつくってほしい」と述べるとともに、電線の地中化計画にも積極的に取り組むよう求めた。また、5年度の設備投資を年度前半に前倒しするよう要請した。《共同通信》

【日米首脳会談】4月16日に正式決定

河野官房長官は15日午後の記者会見で、宮澤首相とクリントン米大統領の会談が4月16日にワシントンで行われることが正式に決まったと発表した。河野長官は今回の首脳会談の意義について「クリントン大統領との間で個人的な信頼関係を確立することが最も重要」と述べた。《共同通信》

【太陽の塔】化粧直し

昭和45年に大阪府吹田市で開かれた日本万国博覧会のシンボルとして、同市千里万博公園のほぼ中央に建っている「太陽の塔」の化粧直しが15日終了し、風雨で汚れていた塔は真っ白に生まれ変わった。

同博覧会記念協会が昨年12月から約2億8000万円をかけて補修工事をしていた。地上約60メートルの塔頂部の「黄金の顔」も取り換えられ、黄金の輝きを取り戻した。

同塔を制作した岡本太郎さんは「太陽の塔が真っ白に、生まれた時の色彩でよみがえることができ、作者として心が躍る」と話していた。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は15日、首相官邸で若手の自民党職員らを対象にした党中央政治大学院閉講式であいさつ。「政治とカネ」の問題に触れ「ただカネがあればよいとか、ぜいたくをできればよいとは、皆さんも考えてはいないだろう」「所得が上がって暮らしに困らないのが人生と思っていないだろう」と諭すような口調で「清貧の思想」をアピール。「自分で生活設計をしていくことこそが人生だ。決して先は暗くない」と結んでみせた。金丸脱税事件を契機に国民の政治不信がピークに達しているだけに「苦境脱出」へ自ら言い聞かせているよう。

○…この日、自民党の国対事務局は改装の終わった“新居”への引っ越し作業に追われた。国会内2階の自民党記者クラブと国対事務局との部屋交換に伴う改装工事のため、1月以来3階の控室で強いられていた間借り生活もようやくピリオド。“家主”の瓦国対委員長は「体裁は整った」とひとまず満足げ。しかし、新居は剛腕を身上とする梶山幹事長室の真横。新たに設けたドア一枚で幹事長室と直結するとあって「ますます直接指導が強まるのでは」と梶山色のまん延を懸念する声も。《共同通信》

【ソマリア】暫定政権樹立へ討議

ソマリアの完全停戦実施と暫定政権樹立を話し合う国民和解会議が15日、国連の主催によりエチオピアの首都アディスアベバで19日までの日程で開幕した。会議にはソマリアを分割する全16武装勢力(1勢カはオブザーバー参加)が出席、ソマリア伝統社会の長老や学識経験者など市民400人も参加し、国家統一に向けた議論が交わされる。

議長のコヤテ国連ソマリア特別副代表は開幕演説で、会議の目的として①全ソマリア人の対話参加の承認②停戦と武装解除の実施確認③対立の解消④ソマリア復興への国際社会の積極参加を承下—四点を指摘した。またエチオピアのマジド外相は「和平はソマリア人にしが達成できないにもかかわらず、1月の停戦合意が破られるなど失望せざるを得ない。見通しを話し合うだけでは無意味だ」と警告した。

会議筋によると、非公開となった午後の全体会議では、各勢力の代表が和平達成への強い意志を表明。和平のカギを握るアイディード将軍は「暫定政府樹立には長い時間が必要だ」と、国連の強力な介入をけん制し「まず州レベルの地方政府樹立を果たすべきだ」と提案した。

学識経験者として参加している別の会議筋は、武装勢力側から具体的な和平提案がなされなかったことに失望感を表明、アイディード提案を「軍事力を背景に生き残りをかけた政治交渉を行おうとしている」と批判した。《共同通信》

【巨人・長嶋茂雄監督】不振の松井選手を直接指導

巨人の長嶋監督が15日、遠征中の甲子園球場での練習で、不振に悩む松井の直接指導にとうとう乗り出した。松井が室内練習場で頭の高さのボールを打つティー打撃を開始。うまく打てないのを見た監督は、自らバットを振って腕の使い方を教えるなど、手取り足取りの指導をした。たった4球だけだったが、自らお手本も示した。

オープン戦22打席で1安打、1四球、10三振。打率が、わずか4分8厘の大器に上昇のきっかけをつかませようというティー打撃は約200球にも及んだ。

長嶋監督は「力を抜いて右ひじを絞れば、右サイドに壁ができて懐が広くなる。今は“剛”だけだが“柔”が備わってくるんです」と説明。2、3歩ステップして打つティー打撃にも取り組んだ松井は「どちらも初めて。最後は要領が分かってきた」。

しばらくは、この練習を続けるそうだが、果たして豪打復活はいつのことにー。《共同通信》

【大相撲春場所】2日目

大相撲春場所2日目(15日・大阪府立体育会館)新横綱の曙と新大関の貴ノ花が、無難に白星を重ねた。曙は貴ノ浪をタイミングのいい右すくい投げで仕留めた。貴ノ花も苦手の久島海を左四つからの厳しい攻めで圧倒した。

ベテラン大関の小錦は新小結の若翔洋を寄り切り連敗を免れた。大関復帰を目指す関脇霧島は栃乃和歌をはたき込んで2連勝。しかし関脇武蔵丸は大翔山に敗れて2連敗。《共同通信》

【大相撲・藤島相談役】定年

「私は趣味が相撲。これからの人生は相撲を見て楽しむ以外にない」―。元横綱初代若乃花として優勝10度を達成し、引退後は理事長職も務めた日本相撲協会の藤島相談役が15日、定年を迎えた。

協会規定は65歳の誕生日の前日が定年。大阪府立体育会館内の記者クラブで行われた会見では、現役時代に“土俵の鬼”と呼ばれたのがうそのような柔和な笑顔で受け答えした。

定年にあたっての心境を問われ「ああ、そうなったのか、という気持ちだけだね」といなしたが、春場所の思い出になると急に口数が多くなった。「横綱になった(昭和33年)のも、全勝優勝した(35年)のも大阪。そんな初仕事は全部大阪だったよね」と昔を懐かしむような表情に。

36年に年寄(親方)の定年制が敷かれて以来、元横綱が健在のまま定年を迎えたのは鏡里に次いで2人目。その話になると、途端に腕組みをし「懐かしい人はみんな亡くなってしまった。私なんて病気もけがもせず、健康で幸せだった」としんみり。

定年後も本名の花田勝治で相談役と相撲博物館長を務め土俵を見守る。これからの角界を支える新横綱曙と新大関貴ノ花の2人に「相撲協会をしょっていくという責任を持っていってほしい」と言葉を贈った。《共同通信》



3月15日 その日のできごと(何の日)