平成1522日目

平成5年3月9日(火)

1993/03/09

【ロドニー・キング氏】「抵抗しないのに暴行受けた」

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昨年4月のロサンゼルス暴動の引き金となった警官による黒人青年への暴行事件をめぐり9日、米ロサンゼルス連邦地裁で行われた公民権法違反の公判で被害者のロドニー・キング氏(27)が検察側証人として出席、白人警官から受けた暴行の模様を詳しく証言した。

これに対し被告側は、証言に先立つ法定外の折衝で、事件後の5月と6月に行われた尿検査でキング氏の尿からヘロインとコカインが検出されたと主張した。被告側はキング氏の記憶があいまいなのは麻薬常用とPCP使用のため、としている。法廷でキング氏は事件当時、泥酔していたことは認めたが、PCPは1回も使ったことがないと反論した。

キング氏は「警官を挑発したり、抵抗しなかったのに暴行を受けた」と言明。「スタンガンで電気ショックを受け、地面に倒れると警官が“気分はどうだい。殺してやるぜ、ニガー(黒人のべっ称)。逃げるなら今だ”と叫んだ。しかし起き上がって自分の車に戻ろうとしたら、ここを殴られた」と今も残る額のこぶを指差し、生々しく事件を振り返った。《共同通信》



【W杯スキー複合団体】日本、3連勝

ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)複合第9戦は9日、ノルウェーのリレハンメルで団体(第3戦)を行い、世界選手権優勝メンバーの阿部雅司(東京美装)河野孝典(野沢温泉ク)荻原健司(北野建設)の布陣で臨んだ日本が優勝し、団体戦3連勝を果たした。

日本は午前のジャンプで、W杯個人総合優勝を既に決めている荻原が91メートルのジャンプを見せるなど圧倒的強さを発揮して首位に立ち、午後のリレーでノルウェーに4分23秒の大差をつけてスタートし、1分30秒差で逃げ切った。

複合のW杯団体はこの日が最終戦で、個人はあと2戦残している。《共同通信》

【島倉千代子さん】がん公表

歌手の島倉千代子さん(54)が9日、東京都港区の日本コロムビアで記者会見し、早期乳がんと診断されたことを明らかにした。22日に都内の病院に入院し、患部の切除手術を受ける予定。退院は4月上旬になる見通し。

島倉さんは会見で「病名を告知された時は倒れそうになったが、幸い早期発見で本当によかった。歌いたいから、早く元気になります」と語った。《共同通信》

【フィリピン・ラモス大統領】来日

フィリピンのラモス大統領は9日午後、特別機で羽田空港に到着した。フィリピン大統領の来日は90年11月、当時のアキノ大統領以来のこと。国賓としての訪問で、宮沢首相と11日夕に会談するほか森通産相や経済人とも会談。13日に大阪空港から帰国する。《共同通信》

【宮沢喜一首相】金丸前副総裁の脱税事件を陳謝

宮沢喜一
https://www.kantei.go.jp/

国会は9日、論戦の舞台を参院に移し、予算委員会で初日の総括質疑が行われた。質問に立った社会党の村沢牧、山本正和、自民党の井上裕、上杉光弘の4氏は、金丸前自民党副総裁の脱税事件、佐川急便事件、景気対策を中心に宮沢首相ら政府側の見解をただした。

山本氏が金丸前副総裁の脱税事件に関する見解を求めたのに対し、首相は「政治は税金(問題)そのものといえる」とした上で「議員の立場で間違いを起こすことは何とも国民に申し訳ない」と述べ、副総裁に起用した立場から国民に陳謝した。《共同通信》

【金丸信・前自民党副総裁】資産は60数億円

前自民党副総裁、金丸信容疑者(78)らの巨額脱税事件で、金丸容疑者らが既に明らかになっている日本債券信用銀行発行の割引金融債「ワリシン」40億円分、日本興業銀行の割引金融債「ワリコー」10億円分のほかにも、東京・永田町の金丸事務所があるマンションの一室の金庫の中に大量の金塊や株券、現金など十数億円分を保有、東京地検特捜部などが押収していたことが9日、分かった。金は現在の相場で100キロ当たり1億3000万円前後で、数億円相当分とみられる。

これまで発見、押収された分を合わせると、金丸容疑者らが保有していた隠し資産は計60数億円の巨額な額に上ることになった。特捜部はこの資産がつくられた時期を早急に特定、取りあえず時効が迫っている昭和62年分について所得税法違反(脱税)の罪で起訴する。《共同通信》

【自民党小渕派・小渕恵三会長】「腐敗防止法」制定に前向き

自民党小渕派会長の小渕惠三政治改革推進本部副本部長は9日午後、名古屋市内の2カ所で講演した。

この中で、金丸前副総裁の逮捕について「本人の問題だが、政治への不信を助長した残念な事件だ」と遺憾の意を示し、今国会中に政治改革4法案を成立させたいとの決意を表明した。同時に小渕氏は「金丸さんのことがあって、腐敗防止など別個の法律をつくるという意見も出てきている」と述べ、政治改革4法案とは別に「政治腐敗防止法」的な法規制に前向きな考えを示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は9日朝、旧ソ連から社会党への資金提供疑惑で、自民党がロシアへ調査団を派遣することについて、記者団から「(佐川事件などの)一連の疑惑をそらすものと受け取られないか」と聞かれると、「いや、そんなことはないでしょう。(社会党の疑惑は)社説でたくさん書いているよな」と軽く受け流した。しかし、質問が金丸前自民党副総裁の脱税事件に及ぶと一転して険しい顔付きに。一部で報道された証拠隠滅工作について感想を求められても「聞いてないな」。攻めは楽だが、守りはやはり苦しそう。

○…この日の与野党国対委員長会談で、各党が政治改革への取り組み姿勢を表明。社会党の村山国対委員長は「いずれの法案も今国会で可能な限り決着させよう」。公明党の神崎国対委員長も「今国会ですべて決着させる決意で審議しよう」と2人とも選挙制度改革を含めた“一括処理派”の立場を鮮明に。しかし、民社党の神田国対委員長は「政治資金規正法も駄目というのでは困る」と選挙制度改革には消極姿勢で、3党の足並みはいまひとつ。結局、自民党の元国対委員長が「四党そろって精力的に取り組もう」と助け舟を出したが、同床異夢は歴然。《共同通信》

【連合・山岸会長】公明党と意見交換

連合の山岸会長は9日午後、都内のホテルで公明党の政策集団と意見交換した中で政界再編に関連して「今国会の会期末に内閣不信任案が出てくることもある。自民党の一部が賛成に回れば激震になる」と述べ、早期の解散・総選挙があり得るとの見方を示した。

山岸氏はその根拠として「衆院の選挙制度改革が政界再編の火ダネになる」とした上で、自民党内に社会、公明両党の小選挙区比例代表併用制案に呼応する動きがあることを指摘した。自民党が単純小選挙区制案の党議決定・国会提出に至らなかった場合、宮沢内閣の責任を問う声が上がるとの認識に基づくものだ。

また山岸氏は連合と自民党羽田派との連携について「個人的考え」としながらも「(羽田派が)非自民となるだけでは駄目だが、発言の限りにおいて連合と一致する点がある」と述べ、協力に前向きの姿勢を示した。ただ金丸前自民党副総裁の逮捕による影響について山岸氏は「羽田氏らは、動きにくくなった」と述べた。《共同通信》

【米・クリントン大統領】仏・ミッテラン大統領と会談

クリントン米大統領は9日、ホワイトハウスでミッテラン・フランス大統領と初の首脳会談を行い、ロシア支援、ボスニア・ヘルツェゴビナ情勢などについて意見を交換した。会談後、記者会見した両首脳はロシア支援について7月の先進国首脳会議(東京サミット)の前に、先進7カ国(G7)による緊急サミットの開催を積極的に検討していく方針を表明した。

クリントン大統領は、7月まで対口支援行動を待つことはできないとの認識を示し、早期にG7が緊急会議を開き、ロシア支援を確認する必要があるとの考えを示した。同時に大統領は「日本は(北方)領土問題を抱えている上、東京サミットの準備に全力を尽くしている。(緊急サミット以外の)別の方法もあるかもしれない」と述べた。しかしミッテラン大統領は日本の現状認識が不十分との強い不満を表明した。

これに関連してステファノポロス米大統領首席報道官はこの日の記者会見で、「首脳レベルに限らず蔵相や外相レベルでもよい」と述べた。

ミッテラン大統領は記者会見で、緊急G7会議開催の必要性を強調した上で「日本が反対していることは承知しているが、日本は欧州で起きている事態の重要性を十分認識していないのかもしれない」と、対ロ支援に対する日本の姿勢を批判した。

ボスニア・ヘルツェゴビナ情勢について両首脳は、紛争当事者による停戦合意成立後に米、フランス両国が国際的な平和維持軍の員として地上軍を派遣することで合意した。同時に、停戦成立前の米国による地上軍派遣や、フランス軍の増強は事態改善にはつながらないとの認識で一致した。

このほか、クリントン大統領は難航している関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)への対応について「年内に妥結させる決意だ」と述べた。《共同通信》



3月9日のできごと