平成1521日目

平成5年3月8日(月)

1993/03/08

【星陵高・松井秀喜選手】卒業式に出席

帰省中の巨人軍の松井秀喜選手(18)が8日、母校である星稜高の卒業式に出席し、3年間の思い出を胸に708人の仲間とともに学び舎を巣立った。すでにキャンプ、オープン戦に出場し、プロとしての実質的なスタートを切っているが、この日ばかりは一人の高校生に戻り、青春時代の節目に感慨を込め、社会人として、とりわけ厳しいプロ野球の道に進む旅立ちに決意を新たにした。

式場の最前列に座った松井選手は久しぶりの母校を懐かしみ、級友らと会話を交わしてオープン戦の疲れも吹き飛んだ様子だった。

卒業証書のほかに同校は「星稜高校の栄誉を高めた」として松井選手に活躍をたたえる稲置学園総長賞を特別に用意した。授与で名前を呼ばれた松井選手ははつらつとした返事で壇上へ。周りに陣取った報道陣からフラッシュが一斉にたかれると、テレビや新聞で見る「松井フィーバー」を実際に目の当たりにした会場の卒業生たちから驚きの声が上った。林忠重学園本部長から賞状と記念品の盾を受け取った松井選手はやや緊張した面持ちだった。

「仰げば尊し」を歌い終わって退場になると、松井選手の表情も和らいだ。同窓生たちから次々と握手を求められると、一般のファンと違い、顔見知りの級友らからの要求にやや照れ臭そうに応じていた。

式では松田外男校長が式辞を述べ、卒業生代表の田内千智さんが「野球部の活躍で何度も甲子園に行くことができ、他校では味わえない思い出があります。最近では松井君の活躍を見たくてついテレビのチャンネルをひねることが多い」と答辞を述べ、松井選手の活躍が同窓生らの誇りとなっていることを示し、松井選手にエールを送った。

松井選手は同日、東京に戻り、9日からチームに合流して、晴れて社会人として練習を再開する。《北國新聞》

卒業式のあと、記者会見に臨んだ松井選手は「甲子園に出場した一つ一つの試合がいい思い出です」と3年間を感慨深げに振り返った。

クしぶりの帰省で両親や、クラスノート、野球部の仲間たちと再会して「いい気分転換になった」と表情を緩め、「(オープン戦で)結果が出ないのは悔しいが、徐々に慣れてくると思う。試合で結果を出していきたい」とプロ野球選手としての自覚を新たにした。

また「これからは社会人として礼儀をしっかりわきまえていきたい」と社会人一年生としてのスタートにもきっぱりと決意を述べた。《北國新聞》



【民社党・大内啓伍委員長】「竹下氏辞職、宮沢首相が説得を」

民社党の大内委員長は8日、経済団体との懇親会のため訪れた大阪市で会見、金丸前自民党副総裁が逮捕され、焦点となってきた竹下元首相の議員辞職問題について「国民の間に辞職を求める声が高まっている。(宮沢)総理自身が竹下氏に決断を迫ることが大事」と述べ、改めて強く辞職を求める姿勢を示した。《共同通信》

【中山利生防衛庁長官】PKO第二次大隊に従事命令

中山防衛庁長官は8日午前、陸上自衛隊の西元徹也幕僚長を通じ、同日編成を終えた同北部方面隊(北海道)の第二次カンボジア派遣施設大隊(600人)に対し、カンボジアでの国連平和維持活動(PKO)業務への従事を命令、第一次施設大隊(中部方面隊で構成)には帰国命令を出した。これにより、第二次大隊は29日にも先遣隊50人が民間航空機でカンボジアに向け出発。本隊は来月上旬、2班に分けて民間チャーター機で派遣される予定。第一次施設大隊は同じチャーター機に乗って折り返し帰国することになる見込み。

しかしカンボジア情勢は5月下旬の総選挙を控え、プノンペン政府軍とポル・ポト派の対立抗争が激化、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)に対する攻撃も発生しており、緊張状態での現地入りになるのは確実だ。

防衛庁長官の派遣命令によると第二次大隊は第一次大隊と同様、カンボジア南部での道路、橋の補修などの任務に当たる。期間は今年10月末までの半年間。道路補修用の器材など主装備は第一次大隊が使用しているものを引き継ぐ方針だ。

北部方面隊は昨年9月から第二次派遣に向け、第三施設団(恵庭市)を中心に準備作業に入っており、先月19日には中山長官から部隊の編成命令が出されていた。今月14日には中山長官らが出席し、陸上自衛隊南恵庭駐屯地で編成完結式をする予定になっている。《共同通信》

【宮沢喜一首相】「遺憾」繰り返す

「金丸前自民党副総裁選捕」の激震を受け、一挙に慌ただしさを増した8日朝の国会。野党側が「証人喚問にも弾みがつく」と意気込めば、受ける側の自民党は「自然体でいくよ」と努めて平静さを装った。しかし、この日から佐川急便事件の真相解明の舞台となる参院予算委員会は冒頭から空転。朝の宮沢首相はただ「遺憾」の言葉を繰り返した。

午前9時50分、国会に姿を見せた宮沢首相。記者団から「金丸前副総裁逮捕で国民の政治不信が一段と高まると思うが」と聞かれ、そっけなく「それは極めて遺憾なことです」。「一昨日も遺憾と言われた。ほかに国民に言う言葉はないか」と畳みかけられると「それ以外にはないでしょ」と両手を握り締め、質問した記者をにらみつけるように語気を強めた。

これに先立ち、国会近くの参議院議員会館に出勤してきた参院予算委の遠藤要委員長。自室に向かうエレペーターの中で記者の「金丸さんの逮捕でこれから大変ですね」との質問に「参議院議員が逮捕されたわけではないからね」と静観の構えを見せた。

同会館の会議室では予算委の事前協議会が午前8時半から自民、社会、公明、民社の理事6人が参加して開かれたが、話題は専ら「金丸逮捕」に集中、社会党の角田義一氏が「金丸さんが拘置所へ入る写真はよく撮られなかったなあ」と言えば、別の野党議員は「これで一件落着の気分でなくなった」。二院クラブの青島幸男氏は「自民党は参院での証人喚問の実施にいろいろ文句言ってくるだろうが、かつての親玉が捕まったんだがら、イヤとは言えないよ。国民だって国会は減税だ、政治改革だと言う前に足元を固めろと言うと思う」と話した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は8日、金丸前自民党副総裁逮捕をめぐる記者団からの質問攻めに「極めて遺憾です」と型通りの答えを連発し、急きょ行われた梶山幹事長との会談についても「情報交換で、どういう問題があるか、よもやま話ですな」とけむにまいた。しかし表情に険しさはなく、記者団が「ワリシンは持っているか」と、脱税事件に登場する日本債券信用銀行の割引金融債に話題を向けると、首相は笑顔で「持ってないねえ」と返事。かつての「政界のドン」で、宮沢政権の「生みの親」の逮捕という非常事態に、首相はなぜか余裕の表情だった。

○…社会党の佐藤副委員長は党全国書記長会議で、党の衆院小選挙区比例代表併用制案について答弁に立った。「200の小選挙区を設けるというが、候補を200人も立てられるのか」「自民党の単純小選挙区制案をつぶすためだけならいいが、本気でやるなら小選挙区に堪えられる組織づくりをしなければ駄目だ」など耳の痛い注文に、佐藤氏は「選挙制度改革は、率直に言ってどうなるか分からない」。金丸前自民党副総裁逮捕で、政治資金規制の先行処理浮上を期待する口ぶりだった。《共同通信》

【共産党・宮本顕治議長】

共産党の宮本議長は8日付の党機関紙「赤旗」に掲載された5日の第9回中央委総会閉会あいさつで「貴・りえ破局」問題を党の機関誌紙が大いに取り上げるよう指示したことを明らかにした。

宮本氏は問題提起の意図について「皇太子の結婚問題があんなに論議されているが、結婚問題はそれだけではない」と過熱する“皇室賛美”報道にくぎを刺す狙いを示す一方「大衆も関心を持っているし、大衆と共に大いに語る機会にすべきだ」と、“大衆路線”重視の姿勢を強調している。

宮本氏の異例ともいえる閉会あいさつは社会主義終えんムードの中で売れ行き不振の系列誌の廃休刊に追い込まれている党の危機感の強さをうかがわせる。《共同通信》

【森喜朗通産相】「NYKK」と会談

自民党の加藤幹事長代理と山崎前建設相、小泉郵政相、中村建設相のいわゆる「NYKK」は8日夜、都内で森通産相を招いて会談した。

金丸前副総裁が逮捕されたことを受け政治資金の透明化や罰則強化など政治の腐敗防止が優先課題であるとの認識で一致した。森通産相は景気回復策で情報関連の社会資本充実に建設国債の対象を拡大すべきと主張。NYKK側は既存の公共事業を圧迫させるべきではないと指摘した。《共同通信》

【韓国・金泳三大統領】内閣の一部改造

韓国の金泳三大統領は8日、内閣の一部改造に踏み切り、長女の外国人枠による名門女子大入学が問題になっていた朴熺太法相と、不動産投機の疑惑が明るみに出た朴嬢実保健社会相をそれぞれ解任、後任の法相に金斗喜検事総長、保健社会相に女性の宋貞淑ソウル新聞論説委員を任命した。

同大統領はまた、建設省在職中の不正事件に関連して辞表を提出していた許在栄建設相を解任、後任に高炳佑・証券取引所理事長を任命した。

2月25日に発足したばかりの金泳三新政権は今月4日、就任1週間のソウル市長を解任したのに続いて、今度は内閣の一部改造に追い込まれた。不正腐敗の根絶を掲げ、清潔さを売り物にしたのが裏目に出た形で、相次ぐ人事のつまず、きで大きな試練に立たされた。

金大統領はまた、自宅や農地の改造をめぐり違法性を指摘され、先に辞任した金尚哲ソウル市長の後任に李元鐘前忠清北道知事を任命した。

米国籍を持っている二女を法相と同様に外国人特恵で大学に入学させた、として辞意を表明していた崔昌潤総務庁長官については不問に付し、辞表を撤回させた。

大統領スポークスマンによると、金大統領は今回の内閣改造に際し、清潔で正義に満ちた社会を実現するために過去より高い法的、道徳的基準が求められていると指摘。政府高官人事で物議を醸したことを国民に謝罪し、「変化と改革を実現、清潔な社会を建設しようとする意思に一点の曇りもない」と強調した。

朴法相は、長女の梨花女子大入学問題が発覚後、娘を自主退学させることでいったん更迭が見送られた。しかし、その後も「法の番人として不適格」との世論の批判は収まらず7日、辞任を申し出ていた。《共同通信》



3月8日のできごと