平成1517日目

1993/03/04

この日のできごと(何の日)

【浦和地裁】家庭内暴力の長男を殺害、両親に猶予判決

家庭内暴力を振るう長男=当時(23)=を殺したとして殺人罪に問われた浦和市、元県立高校教諭A被告(55)=事件後懲戒免職=とその妻B子被告(50)の判決公判が2日午前、浦和地裁であった。日比幹夫裁判長は判決で「長男を惨殺した責任は極めて重大だが、第一の要因は長男の資質。家庭崩壊の危機の中で最終的に殺すに至った心境はそれなりに理解できる」として、両被告に懲役3年、執行猶予5年(求刑はA被告懲役7年、B子被告同6年)を言い渡した。

同裁判長は「長男の立ち直りは極めて難しく、それまでの親の接し方にも間違いはなかった。長男の精神荒廃が極限の状態では、家庭が崩壊させられるか、長男を殺害するしかの選択しかなかった」と被告の追い込まれた状況に理解を示した。さらに「被告は十分反省しており、残された子供に対し親としての責務を果たさねばならないことなどを考えると、長男のめい福を祈りながら社会生活を歩ませるのが適当」と執行猶予とした理由を述べた。

判決によると、両被告の長男Cさんは、大学中退後の平成3年夏ごろから「女友達とうまく付き合えこないのは親の責任」などと言って、酒を飲んではB子被告に物を投げるようになった。昨年4月以降、台所の冷蔵庫などをひっくり返すなど家庭内暴力がエスカーレート、昨年6月4日正午ごろ耐えかねたA被告が自室で寝ていたじCさんの胸などを包丁で刺し、B子被告が頭をモデルガンで殴り失血死させた。

弁護側は、起訴事実をすべて認め「長男の立ち直りのための手段に尽きた被告らが、心身ともに極度に疲労した中での犯行」と猶予付き判決を求めた。これに対し検察側は「長男の暴力は家族に危害を加えるほどではなかった」としていた。《共同通信》

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【宮澤喜一首相】日韓首脳会談早期開催を表明

宮澤首相は4日午前、来日中の金在淳・韓日議員連盟会長と首相官邸で会談した。金会長が日韓首脳会談の早期実現を促す金泳三大統領からの親書を手渡したのに対し、首相は「自分としてもできるだけ早い時期に(金大統領に)お会いしたい」と述べ、今後外交ルートを通じて首脳会談の時期を探る考えを明らかにした。《共同通信》

【自民党】所得減税前向きに検討

国会は4日夜、自民党と社会、公明、民社の3野党が幹事長・書記長会談を開き、所得税減税を柱とする3野党の大型減税要求について、自民党の梶山幹事長が所得税減税を前向きに検討する方針を表明、3党もこれを受け入れて減税折衝は決着した。4党は、5年度予算案を6日に衆院通過、参院送付することでも合意。予算案は昭和61年以来、7年ぶりに暫定予算編成を回避、遅くとも4月4日までの実質的な年度内成立が図られることが確実となった。

減税問題をめぐる与野党対立から審議中断、自民党単独開会などの異常事態が続いていた衆院予算委は正常化され、5日には分科会審議が改めて開かれる。6日は締めくくり総括質疑の後、予算案を採決、同日夕の衆院本会議に緊急上程されて可決、衆院通過となる運び。

社公民3党は予算案に対して総額4兆2600億円の所得税・政策減税を盛り込んだ共同修正案を掲げて実現を強く要求、自民党は3日昼の幹事長・書紀長会談で減税協議機関の設置と「不況対策としての減税を行う」などと提案したが、野党は所得税減税を明言していないと拒否、折衝は決裂していた。

このため自民党は3日、衆院予算委集中審議を単独開会、4日午前は衆院予算委での8分科会を野党側欠席の中で単独開会。5日には予算案を単採決する構えを強めた。一方で今後の国会混乱回避に向け、与野党が水面下で事態打開を図る動きも活発化。この結果開かれた4日夜の幹事長・書記長会談で、野党側は「所得税減税について前向きなことが確認できれば打開できる」と求めたのに対し、梶山幹事長は「私の独断だが野党の提言を受ける」と所得減税を前向きに検討する意向を表明した。《共同通信》

【世界貿易センタービル爆破事件】イスラム原理主義逮捕

ニューヨークで先月26日起きた世界貿易センター爆破事件で、米連邦捜査局(FBI)は4日、中東出身のイスラム原理主義者モハメド・サラメ容疑者(25)を逮捕したと発表した。また捜査官が事件に関連してニュージャージー州の原理主義者の自宅などを捜索した際、公務執行妨害でもう1人が逮捕された。

サラメ容疑者は同日、ニューヨーク連邦地域に召喚され貿易センター爆破の疑いで告発された。同容疑者は爆破容疑を否認、保釈を申購したが、逃亡などの恐れがあるとして却下され一た。

NBCテレビなどによると、サラメ容疑者はパレスチナ人。3年前に米国内でユダヤ人団体指導者らを殺害した疑いが持たれている。イスラム原理主義者グループのメンバーでエジプト旅券を持っている。動機はまだ不明だが、反ユダヤ、反米活動の一環という見方が有力だ。

FBI当局者は、爆発のあった先月26日が、2年前の湾岸戦争で、イラク軍がクウェートからの撤退を開始した日に当たるため、湾岸戦争で指導的役割を果たした米国への報復活動ではないかとの見方を明らかにしている。

捜査当局は逮捕の詳細を明らかにしていないが、NBCテレビなどによると、事件の3日前にニュージャージー州のレンタカー会社から借り出され、爆発物を積んでいたとみられるバンの契約書から、爆発現場から検出されたのと同じ、ダイナマイトなどの成分である硝酸塩が検出されたことが逮捕の直接のきっかけとなった。

サラメ容疑者は爆発の起きた直後の26日午後「バンが盗難に遭った」として、保証金の払い戻しを求めに来た。しかし警察の「盗難証明書が要ると言われいったん帰り、4日に再び現れたところを捜査官に逮捕された。

逮捕されたサラメ容疑者はエジプトのオマル・アブデルラーマン師が主導するイスラム原理主義者の過激派グループに所属。同師は、81年10月のサダト・エジプト大統領暗殺に関与した疑いで当局に逮捕されたこともあり、90年に米国に亡命した。

同師は、米国内で起きたユダヤ人団体指導者暗殺などに関与した疑いが持たれており、FBIの捜査対象リストに名前が挙がっていた。また、米出入国管理事務所が同師の滞在許可取り消しを通告するなど最近、米当局との関係がこじれていたことが、同師の支持者による犯行の動機となった可能性も否定できない。《共同通信》

【米・クリントン大統領】セルビア指導者を批判

クリントン米大統領は4日ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人勢力指導者カラジッチ氏が、米国のボスニア政策は戦火を広げテロ攻撃を招くと述べたことに対し「(彼は)大変な誤りをした。とても承服できないし、重大な懸念を抱いている」と強く批判した。クリストファー国務長官も同日「米国は現在の状況下で、できる限りのことをやっている」と不快感を示した。

カラジッチ氏は2日に公一表した「米国民への公開書簡」の中で「軽率な米国の人道援助が、一夜にしてバルカン地域紛争を世界紛争に変えてしまうこともあり得る」と警告。また、ニューヨークの世界貿易センター爆破事件に触れて「(粉争に)直接関与することが、極めて危険だということの証拠」と述べていた。

カラジッチ氏は和平交渉に出席するためニューヨークに滞在中で、行動範囲を限定した条件付きの査証で米国入国を許されている。また昨年12月にはイーグルバーガー米国務長官(当時)が、戦争犯罪人の候補として名指しするなど、米政府はカラジッチ氏を危険人物と見なしている。《共同通信》



3月4日 その日のできごと(何の日)