平成1518日目

平成5年3月5日(金)

1993/03/05

【シベリア抑留訴訟】抑留補償2審も認めず

戦後、シベリアに抑留され捕虜収容所で強制労働させられた元日本人捕虜40人が国に未払い賃金の補償として、総額約1億7000万円の損害賠償を求めた「シベリア抑留訴訟」の控訴判決が5日、東京高裁であった。

時岡泰裁判長は「原告の補償を求める心情は理解できないわけでないが、戦争による損害は国民全体が等しく負担すべきもので、国家補償の対象にはならない」としたうえ、未払い賃金などの支払いを定めた1949年のジュネーブ捕虜条約も原告に適用されない、などと述べ、原告全員の請求を退けた一審判決を支持、40人の控訴を棄却した。原告側は上告する。

判決理由で時岡裁判長は「1人を除く原告は、ジュネーブ捕虜条約が54年、日本と旧ソ連の間で発効する以前に日本に送還され、同条約はさかのぼって適用されない」と判断。条約発効後に帰国した1人も、戦争犯罪に該当するとして有罪判決を受けており、その後再審で無罪となったとしても、捕虜として抑留されたとはいえない、として退けた。

次いで原告らが自己の自由意思とは無関係に国家の遂行した戦争に参画させられ、物的あるいは精神的損害を受けた点について「補償を求める心情は理解できないわけではない」とした。しかし「戦争による損害は国民全体が等しく負担すべきもの」として国家補償の対象外と判断、憲法に基づく損失補償請求を退けた。

東南アジアなど南方で捕虜となった旧日本兵に対しては国が戦後、連合国軍総司令部(GHQ)発行の文書に基づき未払い賃金を支払っており、原告側は不公平と主張したが、時岡裁判長は「抑留国に代わって支払ったにすぎず、日本政府が法的義務と責任を有していたとはいえない」と判断した。《共同通信》



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【自民党羽田派】新党結成へ動き

自民党羽田派と連合が政治改革実現のため足並みをそろえる方向に動いていることが5日までに明らかになった。自民党羽田派幹部の小沢一郎元幹事長が連合の山岸会長と2月10日、極秘に会見したほか、羽田派幹部が連合側と度々接触。

関係者の証言によると、両者は政治改革の進め方について意見が一致、さらに小沢氏は政治改革問題の展開次第では新党結成を考慮しているとの考えを伝えた。これに対し山岸氏も理解を示したという。

羽田派は既に公明党との連携を強めており、自民党、野党、労働界を横断した政治改革を軸にする“連帯”の動きとして波紋を広げよう。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は5日朝、国会内で記者団から国会正常化の感想を求められると、ふだん前を見たままそっけなく、受け答えする首相には珍しく、記者の顔を見て「これが普通だよな」と、うれしそうな笑みを浮かべた。しかし7年ぶりの暫定予算回避について「ホッとしたか」と問われると、今度は前を向いて笑みを消し「いや、そんなもの(暫定予算)はやらないのが普通だから」と真顔に。所得税減税実施の意思を確認されても「(与野党合意を)解説するのは考えた人に申し訳ない」と、評論家のようないつもの調子に逆戻り。

○…社会党の赤松書記長はこの日の記者会見で、日本新党の細川代表と4日に会談したことに触れ「これまで個人的付き合いはなかったが、先週テレビに一緒に出演したらフィーリングも合い、今度個人的に一杯やりますかと話した」と、赤松氏から会談を持ちかけたことを披露。会談の中身についても「細川さんは、赤松さんの話を聞いていると気さくないい人だ、と褒めてくれた」とすっかり意気投合した様子。書記長に就任以来、党内外から強い風当たりを受け続けているだけに、社交辞令と分かっても大歓迎。《共同通信》

【宮様国際スキー・ノーマルヒル】原田雅彦選手がV

スキーの第64回宮様国際大会第2日は5日、札幌市で行われ、宮の森ジャンプ場のノーマルヒル・ジャンプ成年組で同種目の世界チャンピオン、原田雅彦(雪印)が逆転で初優勝した。

原田は1回目4位につけ、2回目に89.5メートルをマーク、合計226.2点で今季国内初勝利を記録した。2位は1回目に最長不倒の91.5メートルを飛んだ須田健仁(東京美装)の221.8点で、上位を世界選手権代表が占めた。少年組はクリスチャン・ラインターラー(オーストリア)が成年組の6位に相当する194.4点で制した。

男子大回転は押切敬司(ヤマハ)が2回目のラップを奪い、岡部哲也(デサント)を抑えて初優勝。複合成年組は世界選手権代表の三ケ田礼一(リクルート)が2年ぶり3度目の制覇。距離の女子10キロクラシカルは佐藤恵美子(早大)が初優勝し、第一人者の青木富美子(山形・真室川高教)は3位と敗れた。《共同通信》

【国際陸連】ベン・ジョンソン選手を永久追放

国際陸連(IAAF)は5日、陸上男子短距離のベン・ジョンソン(カナダ)を、ドーピング(薬物使用)違反の再犯により、永久追放にすると発表した。パリで開かれたIAAFのドーピング委員会後に、イシュトバン・ジュライ専務理事が明らかにした。

同委員会は、ジョンソンが1月にモントリオールでの室内競技会で禁止薬物のテストステロン(筋肉増強剤系)に強い陽性反応を示した、と裁定した。

ジョンソンは、1988年ソウル五輪男子100メートル決勝で1位となりながら、薬物違反で失格。金メダルもはく奪され、2年間の出場停止処分を受けた。国際陸連の規約では、薬物違反を犯した場合、初犯は4年間の出場停止(ソウル五輪後、2年から4年に改正)、再犯は、生涯資格停止となる。《共同通信》

【世界貿易センタービル爆破事件】新たに3人逮捕

ニューヨークの世界貿易センター爆破事件を調べている米捜査当局は5日、前日のモハメド・サラメ容疑者(25)らに続き、新たに3人の男を逮捕したことを明らかにした。3人は同日午後、ニューヨーク・ブルックリン区のイスラム寺院周辺で張り込み中の連邦捜査官に盗難車使用の容疑で逮捕されたが、事件との直接的な関係は不明。

このほかAP通信は、サラメ容疑者とつながりを持つ何人かが行方をくらましており、中東方面に逃亡した可能性もあると報じた。

一方、捜査当局は5日、前日に行った捜索の際に公務執行妨害で逮捕したイブラヒム・エルガブローニ容疑者を爆発物使用の疑いで正式に告発した。エルガブローニ容疑者は爆破事件そのものに関与した疑いも持たれておりニューヨーク連邦地裁は保釈申請を却下、拘置を認めた。同容疑者の自宅からは短銃、弾薬が発見された。当局はまたニュージャージー州の関連施設を引き続き捜索、爆発物の製造に使用されたとみられる硝酸と酸を押収した。

エルガブローニ容疑者は1990年11月にニューヨークで起きたユダヤ人極右団体指導者カハネ師の暗殺事件で逮捕されたイスラム原理主義者サイド・ノセール容疑者のいとこ。サラメ容疑者同様、イスラム原理主義者グループの一員で、サラメ容疑者の運転免許証に記載された住所はブルックリンのエルガブローニ容疑者の住所と同じという。《共同通信》



3月5日のできごと