平成1500日目
1993/02/15
この日のできごと(何の日)
【宮澤喜一首相】竹下氏への辞職勧告を拒否
衆院予算委員会は佐川急便事件の証人喚問問題が決着したのを受け15日午前10時から、10日ぶりに総括質疑を行った。質問には社会党の松浦利尚氏が立ち、国連平和維持活動(PKO)、日米関係などをめぐって政府の見解をただした。
渡辺外相は、11日のクリントン米大統領との会談で、大統領が1968年包括貿易法スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)復活にも言及したことについて「スーパー301条を発動する場合には、日本としても適切な対応措置を講じなければならないと伝えた」と述べ、米側に慎重な対応を求めたことを明らかにした。《共同通信》
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衆院予算委員会は15日午後、宮地正介(公明)、関晴正(社会)、楢崎弥之助(社会・護憲民主連合)の各氏が総括質疑を続行した。
宮澤首相は佐川急便事件について「真相の解明は事件の再発防止にとって大切だ。国会の努力に対し、政府として全面的な協力をする」との姿勢を強調しながらも、竹下元首相に対する議員辞職勧告要求については「今まで(進退は個人の問題と)答えてきた。ただ今のところ、考えは変わらない」と重ねて否定した。
竹下氏が皇民党の“ほめ殺し”を恐れた理由について楢崎氏が「暴力団との関係が明らかになると、中曽根首相(当時)の後継指名を受けられなかったからだ」と追及した。
これに対し中曽根内閣の官房長官だった後藤田法相は「私の知る範囲で竹下氏については暴力団との関係はなかった」と述べ、一部の週刊誌などで指摘されている暴力団との関係を否定した。《共同通信》
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【国連・ガリ事務総長】来日
ガリ国連事務総長が15日午後、成田着の日航機で来日した。昨年1月に事務総長就任後初めての来日で、16日に宮澤首相と会談するほか天皇陛下と会見。17日は国連協会主催の昼食会で政策スピーチを行う。日本記者クラブでの記者会見も18日に予定されている。
ガリ事務総長は昨年6月、平和執行部隊の創設など国連の平和維持機能強化策をまとめた「平和への課題」を提案。安保理改革についても国連加盟各国が6月までに同事務総長に見解を示すことになっている。
宮澤首相との会談では、これらの問題について意見交換される見通しで、19日に帰国の予定である。《共同通信》
【渡辺美智雄外相】緊急入院
渡辺外相は15日午後、体の不調から衆院予算委員会を退席、東京女子医大病院に緊急入院した。外務省の発表によると風邪と疲労によるもので、主治医の診断では1,2週間の入院が必要とされている。宮澤首相は同日夕、外相の臨時代理に河野官房長官を指名した。
外相の入院は昨年5月末に胆のう胆管結石手術のため約2カ月半入院して以来。病院では精密検査と点滴の治療を受けている。
18日に予定されていた来日中のガリ国連事務総長との会談は取り消される見通しで、入院がさらに長引けは政局への影響も懸念される。15日夜、河野官房長官、林蔵相らが次々と外相を見舞った。
外相は11日から14日まで訪米し、クリントン米大統領らとの会談をこなした。しかし、出発前に風邪でへんとう腺をはらし39度を超す高熱を出し、体調を崩していた。
外相の長男で秘書を務める喜美氏は、入院後記者団に対し①単なる風邪と過労であり、前の病気(胆のう胆管結石)とは関係がない②訪米出発前に風邪をひき、38-39度の熱があった③15日朝、血液を採取して病院に届けたところ炎症の反応があったため、正確な検査を行うため病院の要請で入院したと説明した。
また病院で外相と面会した柿沢外務政務次官は「外相は元気だ。みんなに迷惑かけて申し訳ない、と言っていた」と述べた。《共同通信》
【松下電器、ソニー】次世代VTR規格統一で交渉
松下電器産業は15日、次世代のAV(音響・映像)製品の中核となる家庭用デジタルVTRについて、ソニーとの間で規格を統一することで交渉していることを明らかにした。研究開発費を軽減するとともに、かつての据え置き型VTRの「VHS対ベータ」のような規格争いで消費者に混乱を与えることを避けるのが狙い。正式に合意すれば、来年末にも商品化する予定だ。
規格の統一には、東芝、日立製作所、日本ビクターなど主な国内メーカーやオランダのフィリップス、フランスのトムソンなどの外国メーカーも参加する見通し。現在、VTRの記録方一式やテープの幅などの技術的な詰めを急いでいる。
デジタルVTRは、映像と音声の信号をゼロと1の数字に置き換えて記録する方式。現行のアナログ方式に比べて画質や音質の劣化がほとんどなく、コンピューターとの情報交換も容易になるのが特徴。業務用としては松下やソニーなどが独自の規格で実用化しているが、価格は1000万円以上が主流。
ソニーと規格を統一することを交渉していることについて、松下は「消費者の利益を最優先した」(村瀬通三副社長)と強調している。しかし、個人消費の低迷を受けて家電メーカーは深刻な業績の不振にあえいでおり、規格争いに余分な体力は使えないというのが実情だ。今回のライバル同士の交渉は、お互いの台所事情を受けた「名より実」を取る選択の結果といえる。《共同通信》
【政界談話室】
○…山形県知事選で自民党推薦候補が敗れて頭が痛い梶山同党幹事長は15日、政府、自民党首脳会議の前に国会の廊下で三塚同党政調会長とばったり。「オレは熱が出た。山形熱だ。39度だ」と冗談めかして話し掛けると、本当に風邪をこじらせているという三塚氏は不機嫌そうに「オレは38.5度だ」。梶山氏は首脳会議の席でも林蔵相や森通産相らが部屋に入って来る度に「申し訳ございません」「反省しています」と神妙な顔で頭を下げっ放し。
○…政府、自民党に大型所得税減税を求める社会、公明、民社3党の政審会長会談がこの日国会常任委員長室で開かれた。衆院予算委員会の審議でも宮澤首相や林蔵相から前向きの答弁を引き出せず、苦戦必至の減税要求のいわば作戦会議。協議に入る前に民社党の中野政審会長は前日のバレンタインデーの話をして「わが家は女房一人に娘二人。チョコレートばかり三つももらった」と切り出し、これを受けた公明党の二見政審会長が「高級チョコレートを買うような人は減税の対象にしない」としばらくチョコレート談議。チョコレートのように甘くはない減税要求の前途は忘れていたい様子だった。《共同通信》
【ロシア・エリツィン大統領】突然の休暇入り
ロシア大統領府報道部は15日、エリツィン大統領が同日から12日間、冬の休暇に入ったと発表した。報道部は休暇は、大統領が夏と冬にとる通常の休暇で、以前から計画されていたと説明し「大統領の健康状態とは関係ない」と強調した。
エリツィン大統領は新憲法の基本条項に関する国民投票の実施をめぐり、ハスプラトフ最高会議議長との対立を強めている。16日にはこの問題で議長との2回目のトップ会談が予定されていたが、大統領の突然の休暇入りで会談の実現は流動的になってきた。大統領は休暇入りすることで、国民投票問題や、国内経済の改善策に取り組み、難局打開を図るものとみられる。
大統領府報道部は「ハスプラトフ議長との会談は今のところ取り消されておらず、大統領の休暇先で非公式に会談することは可能」としている。
エリツィン大統領は、政治対立を棚上げするため、最大の争点である国民投票の中止と、大統領選挙と人民代議員選挙のそれぞれ1年ずつの繰り上げ実施という妥協案を提案。これに対しハスプラトフ議長は両選挙の繰り上げ同時実施を主張しており、11日のゾリキン憲法裁判所所長を仲介役とする三者会談では、合意に達しなかった。《共同通信》
【巨人・松井秀喜選手】恩師と再会
巨人1軍の宮崎キャンプは14日で第3クールを終え、15日はキャンプインから3度目の休日となった。連日のハードな練習にエンジン全開で取り組んできた松井も、この日は一年先輩の谷口功一選手と連れ立って日南方面に出掛け、一日ゆっくりと休養日を満喫し、翌日からの第4クールに向けて英気を養った。
午前10時40分過ぎ、薄地のセーターにスラックスのラフなスタイルで宿舎を出て、タクシーで日南海岸沿いを回った松井は、夕方五時ごろホテルに戻り「久しぶりにゆっくりできました」リラックスした笑顔をみせた。
このあと、2軍の宿舎で、恩師の山下智茂星稜高監督と約1カ月ぶりに再会。関東スカウトと3人ですき焼きを囲んで久しぶりの師弟団らんのひと時を過ごした。山下監督は「練習ではあせりと緊張もあり、右手のまめがつぶれ、かなり疲れがたまっているように見えたが、一日休んで元気を取り戻したようだ」と教え子の張り切った様子に安ど感をにじませていた。
第4クールからはオープン戦に向けてさらに実戦的な練習メニューが盛り込まれることが予想され、ルーキー松井にとってはまだまだハードな日々が待っている。《北國新聞》
【金沢国税局】川崎磯信元社長を「どぶろく製造」で告発
金沢国税局は15日、どぶろくを製造したとして富山県婦中町の川崎磯信元川崎商店社長(56)を酒税法違反(無許可販売)で富山地検に告発した。同社長はヤミ米を販売していたとして、今年1月富山県警から食糧管理法(無許可製造)容疑で書類送検されている。
同国税局によると、川崎元社長は昨年7月30日から8月2日の間に、自宅で米2.7キロ、こうじ1.5キロなどを使ってどぶろく約11リットルを製造した疑い。同国税局は昨年8月、酒税法違反容疑で川崎商店(現在は解散)を家宅捜索してどぶろく約200ミリグラムを押収。今年1月、川崎元社長に対し罰金2万円などを納付するよう通告書を送り、納付しない場合は告発する、としていた。《北國新聞》
【米・クリントン大統領】中所得者層に増税要請
クリントン米大統領は15日午後9時(日本時間16日午前11時)から10分間にわたって、就任後初めてホワイトハウスの執務室から全米に向けテレビ演説し「米国経済の将来のためには一部の富裕層だけでなく、より多くの国民の貢献が求められている」と述べ、大統領が掲げる米国の経済再生への努力に全国民が協力するよう呼び掛けた。
テレビ演説で大統領は、17日夜に発表する包括的な経済政策に盛り込まれる予定の増税策の具体的な内容には触れなかったが「私が提案する税金の70%は年収10万ドル(約1200万円)以上の人が負担することになる」と述べ、公平性の確保に全力を挙げたことを強調した。
さらに大統領は「われわれの経済政策は1993年と94年に50万人の雇用を生みだし、さらに長期的には数百万の高給の雇用を創造する」と述べ、経済政策の基本が雇用拡大にある点を強調した。
また財政赤字の見通しが厳しさを増していることを改めて示したうえで、ホワイトハウス職員の25%力ットや150項目以上にわたる歳出の削減を含む連邦政府の経費削減等と富裕層への増税にまず着手することを表明した。
クリントン氏は選挙戦では年収20万ドル以上の富裕層への増税を公約していた。しかし、それだけでは将来に向けた投資を実現できないとし、広範囲な層への増税が必要なことを強調、中所得層も含めた年収10万ドル以上の人々に負担増を求めた。《共同通信》