平成1202日目

平成4年4月23日(木)

1992/04/23

【大相撲・小錦関】「人種差別とは言っていない」

「自分が横綱になれないのは、日本の人種差別のせい」と、ニューヨーク・タイムズ紙などに掲載された大相撲の大関・小錦が23日、師匠の高砂親方と東京・両国国技館内の日本相撲協会に出羽海理事長を訪ね、記事にあるような発言はしていないと説明するとともに、迷惑をかけたことを陳謝した。これに対して、同理事長は「小錦に誤解を招く言動があった」と厳しく注意、高砂親方にも監督、指導の徹底を申し渡した。 小錦は、約30分間、事情を説明した後、「(人種差別なんて)言うわけがない。詳しくは27日(の番付発表のとき)に話す」と言って協会を後にした。 記者会見で経緯を説明した出羽海理事長によると、「ニューヨーク・タイムズ紙から電話がきたとき、小錦はシャワーを浴びていた。代わりに出た付け人の幕下・高竜(ハワイ出身)が、あいまいに答えていたら、それが記事になったという。また、日本経済新聞の取材にも、「人種差別とは言っていない」と釈明した。 ただ、同理事長から「自分の存在が大きくなっているという意識が薄い。もっと謙虚になって相撲道に専念するように」と言われると、小錦は涙を流して「よわかりました。もっと勉強して相撲に取り組みます」と話したという。 また、出羽海理事長は「外国人だから横綱になれない」という点について、「(勝ち)星が足りなかっただけ。強い横綱になって欲しいから、もう一場所様子を見た。差別をしたことはない」と話し、「小錦には非常に期待しているし、今度の件もいい方向に考えて頑張って一欲しい」と激励した。

日本経済新聞の記事は20日付夕刊一面のコラム「地球人」で、小錦の発言を「厳密に言えばこれは人種差別だよ」としている。「同社の山田登・広報担当部長は「記事の内容については、自信を持っている」と話している。

渡辺美智雄外相は23日の参院外務委員会で、大関・小錦が横綱に昇進できないのは人種差別のせいだと発言したとの米紙報道に関連して「小錦が言ったのか言わないのか、わからないが、ちょっとした誤解で騒ぎになることもあるので十分配慮が必要だ」と述べ日米関係に与える影響に懸念を示した。黒柳明氏(公明)の質問に答えた。《読売新聞》



【天皇、皇后両陛下】チェコスロバキア・ハベル大統領夫妻を歓迎

国賓として来日したチェコスロバキアのハベル大統領の歓迎行事が23日午前、東京・元赤坂の迎賓館で行われた。同大統領の来日は初。歓迎行事には天皇、皇后両陛下と三笠宮寛仁親王ご夫妻、宮沢首相らが出席。”体操の花”と称された東京五輪女子体操の金メダリストで、現在大統領府補佐官を務めるチャスラフスカさんも随員の一人として列席した。

迎賓館正面玄関ホールで大統領夫妻が両陛下とあいさつ。前庭でチェコスロバキア国歌と君が代演奏の後、大統領が栄誉礼を受けた。

続いて大統領夫妻と両陛下は宮殿・松の間で会見のため、車で皇居へ。会見は約20分間行われた。

宮内庁によると、天皇陛下が「民主化革命が無血下で成功裏に終わったことに敬意を表します。大変だったでしょう」と話し掛けると大統領は「むしろ革命後が大変です。長いこと共産主義体制下にあり、政治、経済など難しいことがあります」と答えた。《共同通信》

【宮沢喜一首相】チェコスロバキア・ハベル大統領と会談

宮沢首相は23日、東京・元赤坂の迎賓館で、来日中のチェコスロバキアのハベル大統領と約1時間半会談した。

宮沢首相は、89年の「ビロード革命」以後のチェコの民主化・経済改革を支援するために、①民営化された中小企業育成のための資金協力②貿易促進のための一般特恵関税(GSP)の供与と日・チェコ間の貿易協定の締結③チェコ東部の大気汚染などの環境対策への協力④プラチスラバ市のコメニウス大学への視聴覚機材(4600万円相当)供与による文化協力―などを実施する考えを表明した。

また、宮沢首相は、1月の全欧安保協力会議(CSCE)外相会議でハベル大統領がCSCEと日本の協力関係の強化を主張したことに謝意を示すとともに、「日本もCSCEとの協力に関与していきたい」と述べ、CSCEへのオプザーバー参加を含めた関係強化への意欲を示した。これに対して、ハベル大統領は、「この問題は7月上旬に行われるCSCEの首脳会議で検討される」との見通しを示した。

宮沢首相が約束した支援策のうち、チェコ企業に対する資金協力は、輸銀融資や日本国際協力機構(JAIDO)による資本参加を検討しており、環境対策への協力では、近く同国に調査団を派遣、協力策の検討に入る。このほか、ハベル大統領は日本とチェコの間に航空機の直行便を開設するための航空協定の締結を提案した。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】天皇訪中「世論が大事」

宮沢首相は23日午後、首相官邸で記者団と懇談し、天皇陛下の中国ご訪問について「(日中国交回復20周年の今年は)確かにいい時期だが、国民が祝福申し上げる中で行ってもらうことが大切だ。そういう世論が熟してくることになれば、おいでいただくことになるが、もう少し時間がかかるだろう」と述べ、最終決定にはまだ時間がかかるとの見通しを示した。

さらに「民意をどう判断するか。自民党の方でも内閣の方でもいろんな方法で考えてみたい」とした上で、領有権問題などについては「江沢民総書記が来られた時はどんな面倒なことは言っていないが、総合的に判断しなければならない」と述べた。《共同通信》

【民社党】大内、米沢体制継続

東京・九段会館で開かれている第37回民社党大会は、23日午後、役員改選などを行い、三日間の日程を終了して閉幕した。役員改選は二年ごとに行われるが、今大会では7月に参院選を控えていることから大きな異動はなく、大内委員長、米沢書記長がともに再選され、現在の大内―米沢体制が二期目のスタートを切った。

また、この日午前、①政権交代可能な体制の早期樹立に向け、「新政治勢力の結集」を打ち出した92年度運動方針②昭和37年に制定された現綱領に代わる新綱領③サラリーマン政策や地球環境問題などに力点を置いた政策大綱―などを執行部の提案通り決定した。《読売新聞》

【東京地裁】ホテル「水浸し」のツケは1280万円

ホテルで浴槽の湯を出したまま入ってしまった。結果、あふれて流れ出し、階下の客室とクラブなどが水浸しになったとして、静岡県伊東市のホテルが宿泊客らを相手取り、約1280円の支払いを求めた訴訟の判決が23日、東京地裁民事34部であった。村上敬一裁判官は「湯の栓を開けたまま放置すれば被害が出ることは簡単に予見でき、過失は明らか」と述べて、湯を止め忘れた宿泊客に請求された全額を支払うよう命じた。

訴えていたのは、同市のホテル「ニューますや」。判決によると、寝装衣料販売会社が平成2年6月、同市内で展示販売会を開き、従業員3人が同ホテル三階の客室に相部屋で宿泊した。3人は夕食で、それぞれビール2、3本、日本酒をちょうし2本飲んだあと部屋に戻り、2人はすぐに就寝したが、1人は入浴しようとし浴槽にお湯を出したまま部屋で眠ってしまった。

この結果、湯があふれ出し、あわててホテル従業員がかけつけた。が、階下の客室2室とクラブなどに浸水。ホテル側はカーペットの乾燥費用、天井や床、家具などの補修費、使用不期間中の客室やクラブの売り上げなどを、3人と寝装衣料販売会社に請求していた。

判決で村上裁判官は「宿泊客は、排水口がゴミなどで詰まっていたため湯が階下に漏れたと主張しているが、ホテルは定期的に点検・清掃しており考えにくい。結局、流された足ふきマットか洗いおけが排水口をふさいだ可能性が強いと原因を認定し、ホテル側の過失を否定した。2人の同室者については「同じ部屋に泊まったとはいえ、事故を防ぐ注意義務はなかった」と述べ、会社にも責任は問えないとして、結局湯をあふれさせた本人1人に賠償責任を負わせた。《読売新聞》



4月23日のできごと