平成1153日目

1992/03/05

この日のできごと(何の日)

【連合・山岸章会長】首相に公定歩合引き下げを要請

連合の山岸章会長は5日、首相官邸で宮澤首相に会い、景気回復のため、早期に公定歩合引き下げなどの緊急対策を実施するよう要請した。労組が公定歩合について、引き下げを要望したのは極めて異例のこと。

この中で、山岸会長は、「企業家心理は予想以上に冷え込んでおり、このままでは賃金交渉の先行きは厳しい。国際公約の実質経済成長率3.5%も難しくなる」と強調、①公定歩合の引き下げ②公共投資の前倒し③土地・住宅政策の強化―を要望した。

これに対し、宮澤首相は「連合の申し入れは、非常にタイムリーだ。公共投資の前倒し、住宅政策の強化は同感だ。今夕関係閣僚との協議をする際、報告したい」と述べ、連合の要請に理解を示した。しかし、公定歩合の引き下げについては「日銀総裁の専管事項」としてコメントを避けた。《読売新聞》

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【宮澤喜一首相】経済閣僚と景気対策を協議

宮澤首相は5日、首相官邸に渡辺美智雄副総理・外相、羽田孜蔵相、渡部恒三通産相、野田毅経済企画庁長官、塩川正十郎自治相の各経済閣僚を呼び、当面の景気対策を協議した。

この結果、低迷する景気テコ入れのため、①平成四年度予算成立後の公共事業前倒し②政府系金融機関による積極的な中小企業向け融資―など五項目の対策実施を決めた。きょう6日の閣議に報告するが、とりあえず実施可能な方策をまとめた“つなぎ”的色彩が濃い。このため、政府は月内にもより抜本的な総合景気対策をまとめる見通しだ。

決定した五項目の対策の内容は、公共事業前倒し執行、政府系金融機関の中小企業融資のほか、三年度補正予算に盛り込んだ事業費ベースで6000億円の公共事業年度内前倒し発注(いわゆるゼロ国債)の確実な実施、地方単独事業の弾力的、積極的な実施、電力など公益的企業に対する設備投資の円滑な実施要請―となっている。

このうち、公共事業の前倒し執行は、通常なら年度上半期の発注は60%前後にとどまるものを、四年度は70%から75%程度を上半期に発注し、これによって景気の早期回復を目指す。

加藤紘一官房長官は、対策決定後の記者会見で、この日とりまとめた景気対策について、「(この対策は)総合的な対策ということではない」と述べ、本格的な総合景気対策ではなく、あくまでつなぎ的な対策であるとの認識を示している。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】予算早期成立を

宮澤首相は5日夜、渡辺美智雄外相ら関係閣僚と景気対策について協議したあと、「(景気の現状が)厳しいからこそ、こういう会議をもった」と述べ、景気減速に対する厳しい認識を示すとともに、「(会議では)いろいろ問題点が出されたということだ。とにかく早く予算を(国会で)上げてもらわないと…」と述べ、来年度予算案の早期成立が、景気対策上最も重要だとの見方を強調した。首相官邸で記者団に答えたもの。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】リトアニア議長と会談

宮澤首相は5日、首相官邸でリトアニアの国家元首、ビタウタス・ランズベルギス最高会議議長と約40分間会談した。首相が口シアの経済改革の見通しを尋ねたのに対し、同議長は「ロシアの経済改革が失敗すると政治的側面にも深刻な影響を与える。ロシアの平和的変化を助けていかなければならない」との見解を示した。

また、同議長は「リトアニアは経済、社会的側面での独立達成に努力している」と述べ、日本からの投資など、経済面のほか科学技術、教育面での交流拡大に強い期待を表明。

さらに、リトアニアが現在、エネルギーのロシアへの依存からの脱却を目指し、原子力発所の安全管理に取り組んでいることを強調した。《読売新聞》

【日経連・永野健会長】首相に抗議

日経連の永野健会長は5日、宮澤首相を訪ね、春闘を巡る首相発言に“抗議”した。

前日の衆院予算委員会で首相が、今春闘の賃上げ率について「人手不足もあり、そんなに大幅に昨年を下回るとは予想していない」と述べたことに、労使交渉真っ最中の日経連が敏感に反応したもの。

両者の会談では、首相が「あれは(マクロの)経済予測に基づいて言った」と弁明。「昨年並み賃上げ、首相が期待表明」とした5日の一部報道の見出しは正しくない、と述べた。さらに、永野会長が「昨年の賃上げが多すぎたため、物価上昇が残った」と持論を披露、「春闘のことは日経連に任せて欲しい」と要望すると、首相も了解した、という。

日経連は今春闘スタート直前に、盛田昭夫・経団連副会長から「企業の従業員などへの利益分配を欧米並みに引き上げるべきだ」と論戦を挑まれた。

この経営側内部からの攻撃で永野会長が神経過敏になっていたところに、宮澤首相の“横やり”が入り、訪問前の会長は、いらだちが募るばかりだったようだが、会談終了後の会見で「こちらの言い分は十分、理解してくれた」とホッとした表情。当初の“反宮澤”ムードを打ち消すのに懸命だった。《読売新聞》

【プロ野球・巨人】新キャラクターは「ジャビット」

今シーズンからデビューする東京読売巨人軍の新マスコットキャラクターの愛称が5日、「ジャビット」と、発表された。

愛称公募に7万2643通の応募があり、その中で「ジャイアンツ」と「ラビット」の合成語であるジャビットが4112通で圧倒的トップ。名付け親の中から抽選の結果、東京都港区、家事手伝い永広里花子さん(29)に賞金50万円が贈られる。また、ジャビットの縫いるみの応援パフォーマンスも、3月21日の東京ドームでのオープン戦(対オリックス)から始まる。《読売新聞》



3月5日 その日のできごと(何の日)