平成1108日目
1992/01/20
この日のできごと(何の日)
【エールアンテール148便墜落事故】
20日午後7時20分(日本時間21日午前3時20分)ごろ、仏リヨン発ストラスブール行き仏国内便エール・アンテールのエアバスA320旅客機(乗員6人、乗客90人)が、ストラスブール南西約50キロのサントディール山付近で消息を絶った。地元警察などが捜索に当たったところ、同11時30分ごろ、同山から約500メートル離れたところで墜落した機体が発見された。96人のうち11人の生存が確認された。乗客の中に日本人はいない模様。
現場にかけつけた救助隊員の話では、生存者の中に2、3歳の女の子1人が含まれており、機体の残がいの中から無傷で見つかった。また、少なくとも乗員1人が生存しているという。
現場は、松の高木が生い茂っているうえ、濃い霧と降雪、氷点下の気温のため、救助活動は難航している。墜落原因は不明だが、濃霧と強風のため、着陸に失敗したとの見方も出ている。
同6時30分にリヨン・サトラス空港を離陸、同7時25分、ストラスブールに到着の予定だった同機はビジネスマンがよく利用する飛行機。88年12月に就航、これまでに6316時間の飛行時間を記録している。
エアバスA320型機は、仏、独、英、スペインが共同開発した最新のハイテク機。88年6月、仏ミュールーズ・アプセーム空港付近でデモンストレーション飛行中に滑走路近くで墜落、3死亡、約100人が負傷したほか、90年2月には南インドで墜落し、89人が死亡したのがこれまでの事故例。わが国でも全日空が国内線用に10機を導入、すでに就航している。《読売新聞》
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【マツダ・MX-6】発売
マツダは、新型クーペ「MX-6」を20日、発売した。V型6気筒2000cc、2500ccの2タイプのエンジンをそろえた。四輪操舵システム(4WS)を採用し、高速走行の操縦安定性を向上させたスポーツタイプ。運転席にエアバッグを標準装備して安全面にも配慮した。2500ccマニュアル車で、東京256万5000円。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】「政治資金」最優先
宮澤首相は20日午後、首相官邸で、自民党の長谷川峻・政治改革本部長と粕谷茂・同本部長代理と会談し、今後の政治改革の段取りを協議した。この中で、首相は、「共和」汚職事件で政治資金のあり方がクローズアップされていることを指摘したうえで、政治改革の中で政治資金規正法改正の議論を優先させたいとの考えを重ねて表明した。
これに対して、長谷川氏は「首相が信念を持ってやることは守る」と、首相の方針を基本的に了承した。
首相は、韓国訪問中に、政治改革について政治資金規正法改正だけを切り離して緊急課題とする意向を示したとされる点に触れ、「(廃案となった)政治改革関連3法案は党の方で長い間審議したもので、それぞれ関連していることは心得ている」と述べ、選挙制度改革なども含め政治改革総体として議論しなければならないとの基本認識をまず示した。そのうえで、「(「共和」)事件は残念だが、(事件は)政治資金の問題であるから、その問題をこの際、特にお考え願えないか」と強調、政治資金規正法改正を最重要課題として取り組むよう要請した。
長谷川氏は会談終了後の記者会見で、「(選挙制度改革などの議論も並行して進めるが、テーマごとの)議論の進ちょく状況で(先に)やった方がいいということもありうる」と語り、場合によっては政治資金規正法改正論議を先行させることもありうることを示唆した。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】「関税化」に柔軟姿勢
宮澤首相は20日、NHKTV番組「総理にきく」の中で、コメ市場開放問題について、「農業者が不安を持たない展望をどういう方法で持っていったらいいか、そっちの方から考えなくてはいけない」と述べ、国内農家への影響を最小限に食いとめることを前提に、関税化の検討を具体的に進めるべきだとの考えを明らかにした。
首相はこれまでも関税化に柔軟姿勢を見せる渡辺美智雄外相の発言に理解を示してきたが、この日の首相発言は、農家保護に全力を挙げることを強調することで、関税化が避けられない方向になっているとの認識を示したものといえる。《読売新聞》
【自民党宮澤派】阿部文男代議士に辞職勧告
自民党宮澤派の粕谷茂・座長と丹羽雄哉・事務総長代理は20日、「共和」汚職事件に絡み受託収賄容疑で逮捕された阿部文男・前同派事務総長(13日付で自民党を離党)に対し、同代議士の秘書を通じ、事実上の議員辞職勧告を行った。
これに対し阿部代議士の秘書は「申し入れの趣旨は何らかの形で本人に伝える」と答えた。
粕谷、丹羽両氏は申し入れにあたり、最終的には阿部代議士本人が判断することとしながらも「周囲の状況は大変深刻で、党内外の反応も厳しい。こうした雰囲気を受けとめ、慎重に判断してほしい」と述べ、直接的表現を避けたものの、暗に宮澤派としても辞職を求める意向を伝えた。《読売新聞》
【自民党・綿貫民輔幹事長】渡辺外相にクギ
20日に開かれた政府・自民党首脳会議で、渡辺美智雄外相がコメ市場開放問題について新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の最終合意案に盛り込まれた農産物の「例外なき関税化」を受け入れるべきだとの考えを表明したことへの批判が続出。綿貫幹事長らが渡辺外相に対して発言を慎むようクギを刺した。
渡辺外相は19日の長野市などの講演で、コメの部分開放か関税化受け入れのどちらを選択するかが焦点になっているとの考えを示したうえで、「600%の関税を設けて7年間で15%減らしても、そんな高いコメはだれも買わない」などと述べ、関税化しても日本のコメ農家への打撃はあまりないとの見解を示した。
渡辺外相は同首脳会議の席上、この発言について「新ラウンドでのコメ問題解決には四つの選択肢があるが、『一粒たりとも入れない』『全部入れる』というのはダメで、残されているのは最小限の部分開放か高い関税をかけた関税化受け入れかしかない、と解説したのが真意だ」と釈明。
これに対して、綿貫幹事長と森政調会長は、山本富雄・党総合農政調査会長と保利耕輔・党農林水産物貿易対策委員長が14日に「例外なき関税化」受け入れ拒否方針の堅持を政府と党執行部に申し入れていることを指摘、「新ラウンドは大事な段階にあり、ジュネーブでの交渉が進めやすいように発言は慎んで欲しい。党でも申し合わせており、たとえ解説でも政府首脳の発言はよくない」などと渡辺外相に注意した。また、羽田孜蔵相も「(コメの関税が600%という)数字の話を言ってもらっては困る」などと要請した。
渡辺外相も「わかりました」と答えたというが、党農林関係議員の間では、渡辺外相などの相次ぐ市場開放をめぐる柔軟発言に対して、「前線(ジュネーブ)で一生懸命に交渉しているのに、後ろ(国内)から鉄砲で撃たれるようなものだ」といった反発が強いだけに、渡辺外相の発言はなお尾を引きそうだ。《読売新聞》
【ベルリンの壁・逃亡者射殺】元警備兵に懲役3年半
共産主義体制下での「国家犯罪」に対する個人の責任をめぐって争われていた、「ベルリンの壁」元警備兵裁判の判決公判が20日、ベルリン地方裁判所で開かれ、逃亡者を射殺した元備兵(27)に、殺人(故殺)罪で懲役3年半の実刑判決が言い渡された。
ドイツでは、東独時代の体制による犯罪をどう裁くかが議論されている。この判決は、命令を実行しただけの第一線に対しても、刑事罰を適用できるとの判断を、司法が初めて示したもので、今後の裁判の前例となる。西へ逃亡を図り射殺された東独市民は200人以上にのぼっており、今後次々と立件されよう。
この裁判では、89年2月6日、「ベルリンの壁」で、西へ逃亡しようとした20歳の青年が射殺された事件で、元国境警備兵4人が起訴されていた。実刑判決を受けた被告といっしょに発砲した同僚(27)には、懲役2年(執行猶予付き)、他の2被告には証拠不十分で無罪が言い渡された。
弁護側は、被告が発砲したのは、東独の国内法に即した合法的な行為であるとして、無罪を主張していた。
しかし判決は、逃亡者射殺は基本的人権の侵害であり、被告らは良心に従って発砲命令を拒否するべきだったとしている。
「壁」での殺人では、発砲命令を下した容疑で、ホネッカー元国家評議会議長に逮捕令状が出ており、シュトフ元首相、ケスラー元国防相、ミールケ前国家保安相がすでに逮捕されている。
しかし、発砲命令の刑事責任を問うことは、実行犯である警備兵の場合よりも実証が困難であると言われており、小物だけが裁かれ、トカゲのしっぽ切りに終わる危険もある。《読売新聞》
【大相撲初場所】9日目
大相撲初場所9日目(20日・両国国技館)トップを行く曙と貴花田はともに1敗を守り勝ち越しを決めた。曙は舞の海に懐に入られたが、あわてずつり上げて上手投げ。貴花田は土俵際の下手出し投げで栃乃和歌を逆転した。
平幕の琴の若と貴ノ浪は2敗を守り、小錦、霧島両大関ら5力士が3敗で続いている。琴錦は7敗と追い込まれた。《読売新聞》